SCOTサマー・シーズン2025『マレビトの歌』活動支援会員/メディア向け公開リハーサル、身じろぎすら憚られた57分間♪

2025年8月9日(土)の新潟市は、折しも新潟まつりの2日目ということもあり、街にも人にも華やぎが感じられ、祭りばかりが理由ではないのでしょうが、白山公園駐車場も満車状態。近くの駐車場にまわって、車を駐車して、りゅーとぴあを目指し、12時からの『マレビトの歌』の公開リハーサルを観て来ました。

この日の公開リハーサルでは、鈴木忠志さん率いるSCOTの50周年目という記念すべきタイミングで開催される「SCOTサマー・シーズン2025」において、8/29(金)~31(日)の3日間上演される『マレビトの歌』を通しで見せて貰いました。会場はりゅーとぴあ〈スタジオB〉。その正面奥の壁に掛けられた時計での実測57分間は、ぴんと張り詰めた空気感でのしかかってきて、身じろぎひとつさえ憚られるほどの強烈な圧に満ちた時間でした。

月末の利賀村での3公演の舞台は、富山県利賀村芸術公演の新利賀山房。そこは闇と幾本もの太い柱が統べる合掌造りの劇場空間であり、その印象的な柱を模した「装置」が目に飛び込んでくるなかでのリハーサル(通し稽古)でした。

今回の衣裳は全て黒。『Fratres』シリーズで見てきたものです。その点では、2023年5月の『セレネ、あるいはマレビトの歌』とは異なります。

正午ちょうど、金森さんが「いきましょうか」と発して始まった実測57分間は、私に関して言えば、2年少し前に『セレネ、あるいはマレビトの歌』として観た記憶などちっとも召喚されることもなしに、「これ、前に観たのと同じ?違うんじゃない?」とばかり、ただただ新しい視覚体験として、息をのみながら見詰めるのみでした。自らの情けないくらい頼りなく覚束ない記憶力に呆れつつ、新作を目の前にするかのように目を凝らして…。

12:57、金森さんの「OK!」の声が耳に届くと、壁に沿った椅子に腰掛けて見詰めていた者たちから、汗を迸らせて踊り切り、上手(かみて)側の壁際へとはけた舞踊家たちに対して大きな拍手が送られました。

すると、私たちに向き合うかたちに椅子を移動させた金森さんから、「お盆には相応しいかも。亡き祖先への思いだったり」という思いがけない言葉が発せられると、息をつめて見詰めた者もみな緊張感から解放されて、漸く和むことになりました。

「何か訊きたいことがあれば、どうぞ」金森さんがそう言うので、途中、東洋風の響きに聞こえるものさえ含まれていた使用曲について尋ねると、全てアルヴォ・ペルトの曲で統一されているとのお答えでした。

恐らく、Noismレパートリーのオープンクラス受講者だったのだろう若い女性が、『ボレロ』の振りと似ていると思ったとの感想を口にすると、金森さんは、「若い頃は色々な振りを入れようとしたりするものだが、齢を重ねてくると、目指す身体性や美的身体が定まってくる」と説明してくれましたし、フード付きの衣裳は視界が狭くて踊り難いのではないかとの質問に対しては、「能の面に開いた穴などもほとんど見えないくらいのものだが、日々の鍛錬によって空間認識が出来てくる」と教えてくれた金森さんに、すかさず、井関さんが「最初の頃は結構、柱が倒れていた」とユーモラスに付け加えてくれたりもして、笑い声とともに公開リハーサルは締め括られていきました。

ここからは、以前に当ブログにアップした記事の紹介をさせていただきます。必要に応じて、お読み頂けたらと思います。

まずは、自家用車を運転しての利賀村芸術公園入りを考えておられる向きに対するアクセスのアドバイスになれば、ということで、(昨年8月に『めまい』を観に行ったときのものですが、)こちらをどうぞ。
 → 「SCOT SUMMER SEASON 2024」、新利賀山房にて『めまい ~死者の中から』初日を愉しむ♪(2024/8/25)

そして、2023年5月の『セレネ、あるいはマレビトの歌』に関するリンク(4つ)となります。
 → 驚嘆!『セレネ、あるいはマレビトの歌』公開リハーサル!!(2023/5/11)
 → 控え目に言って「天人合一」を体感する舞台!「黒部シアター2023 春」の『セレネ、あるいはマレビトの歌』初日(サポーター 公演感想)(2023/5/21)
 → Noismの現到達点たる『セレネ、あるいはマレビトの歌』、その夢幻(サポーター 公演感想)(2023/5/22)
 → 「黒部シアター2023 春」前沢ガーデン野外ステージでの「稀有な体験」が語らしめたインスタライヴ♪(2023/5/24)

お盆を前にして、貴重な晴天だったこの日の夕方、金森さんの言葉とは逆になりますが、私は『マレビトの歌』のリハを思い出しながら、父と祖母が眠るお墓の掃除をしていました。汗だくになり、もう目に入って痛いのなんの。数時間前に心を鷲掴みにされた舞踊家たちの身体を流れた多量の汗には遠く及びませんでしたけれど、それでも同じ57分間はやろうと決めて…。(個人的過ぎる蛇足、失礼しました。)

あの実測57分間は本当に衝撃でした。利賀でご覧になられる方が羨ましいです。それくらい、『マレビトの歌』公開リハーサル、圧倒的でした。

(shin)
(photos by aqua & shin)

速報!2/7のNoism「円環」埼玉公演初日について(サポーター 公演感想)

彩の国さいたま芸術劇場でのNoism「円環」初日公演に行ってきました。

劇場に向かう埼京線が少し遅れていて、駅から劇場までは周りの方たちと同様に早足で向かいました。

心配していたお客さんの入りも上々で(Noismの皆さんは満席を目指しているのでしょうが)、トリプルビルそれぞれの実演も素晴らしく、お客さんの反応もとても良かったです。

私もそれぞれの演目に新しい発見や感動があり、全く飽きることがありません。特に『宙吊りの庭』については、これまでクール系と感じていたのですが、激アツな作品であることに(今さらですが)気づきました。金森さんもこのメンバーとのクリエーションが嬉しかったのでしょうね!

明日、あさっての公演も楽しみです!

『Singing Daxophone』のCD、購入しました!

(かずぼ)

「膳所から世界へ!」「新潟から世界へ!」Noism「円環」びわ湖ホール公演(サポーター 公演感想)

2月1日、滋賀県のびわ湖ホールで開催されたNoism「円環」びわ湖公演へ行ってきました。

びわ湖ホールはもとより、滋賀県自体訪れるのは初めてでしたが、事前に大津が舞台の 『成瀬は天下を取りに行く』『成瀬は信じた道を行く』(宮島未奈 著)を読んでいたのもあり、聖地巡礼の気分で街中を散策しました。

「膳所から世界へ!」と「新潟から世界へ!」、志は一緒です!

ホールまでは琵琶湖沿いを散策しながら向かいました。あいにくの曇天でしたが、人もゆったり鳥もゆったりで、心地よい時間が流れていました。

びわ湖ホールでのNoism「円環」公演でも同様で、これまで訪れた関西の劇場とはやや印象が異なり、客席はみんな落ち着いた雰囲気ながらも温かく、思い思いに公演を楽しんでいる印象がありました。

Noism「円環」のトリプル・ビルのそれぞれの印象を簡単に述べますと、
『過ぎゆく時の中で』はNoism1メンバーの疾走感が気持ち良いのと、金森さんの歩き方が非常に印象に残ります。
『にんげんしかく』は決められた振付以外の部分を各メンバーがより工夫したのか、更に魅力的になっていました。
『宙吊りの庭』はダンスでもあり無言劇のようでもあり、個性を獲得したベテランダンサーの表現力に圧倒されました。

各演目とも終演後の拍手のタイミングが絶妙で(実はツアーで各地を訪れる際に少し緊張するシーンでもあります)、びわ湖ホールの観客は素晴らしいな、と改めて思いました。

蛇足ですが、『にんげんしかく』で恒例の、樋浦さんがポケットから取り出すシーンですが、びわ湖ホールでは意外なものが出てきました。さて、埼玉公演では何が出てくるのでしょうか?こちらも楽しみに待ちたいと思います。

『過ぎゆく時の中で』ではダンサーが「飛び出し坊や」の如く飛び出してきます!

(かずぼ)