大型連休入りの4月26日(土)の新潟市は実際の気温以上に陽射しが強く感じられた一日。そのお昼どき(12:30~13:30)、りゅーとぴあ〈スタジオB〉を会場に実施された「Noism Company Niigata 黒部シアター2025春 『めまい - 死者の中から』活動支援会員向け公開リハーサル」を観て来ました。




スタジオBに入る際、スタッフの上杉晴香さんから「予定を変更して、今日は通し稽古をご覧頂きます」の言葉があり、(衣裳はほぼ帽子とウィッグのみでしたが、)正味1時間、まるまる一作品をじっくり堪能させて頂きました。
ここでは先ず、昨年(「SCOT SUMMER SEASON 2024」)の『めまい』に関するブログ記事へのリンクを貼っておきます。よろしければご覧ください。
・活動支援会員向け公開リハーサル(2024/08/11)
・新戸賀山房での公演初日(2024/08/24)
・新戸賀山房での公演2日目(2024/08/25)
で、この日の公開リハーサルですが、冒頭の瞬きも身じろぎもしない井関佐和子さんの姿から、ラスト、フィルム・ノワールの雰囲気も濃厚に、悄然と佇む糸川祐希さん(その直前、隆起した二の腕内側の筋肉に圧倒されたことも記しておきます)の様子まで、数多くの超絶リフトや絡み合う身体たちに目を釘付けにされ、この「謀(はかりごと)」に引き込まれて、たっぷりたっぷり楽しませて頂きました。
もうとっぷり浸って見終えた私たちは誰ひとり拍手することすらままならずで、金森穣さんから「あれ、拍手はないの?」など言われてしまう始末だったのですが、それこそ、作品が周囲に漲らせた緊張感・緊迫感に縛られて見入っていた証左と言ってもよいかと思います。
通し稽古が終わり、椅子を動かして、私たちと向き合う位置に移動した金森さん。「何かあればどうぞ」と言葉をかけてくれたのをきっかけにうまれたやりとりのなかからご紹介します。
*昨年と今年、大きく変えてはいないが、昨年が日本家屋(新戸賀山房)内での上演だったが、今年は屋外の円形ステージになるので、配置などの変更はある。
*赤いチューリップ: 絵のなかの女性(亡霊)と女優を繋ぐものであり、此岸と彼岸の境界を暗示するものでもある。今回は円形ステージ上の舞台装置としての使用も構想している。
*テーブルと椅子: どちらも金属製。「分裂」や「脱皮」などのイメージをもって、須長檀さん(家具)と話し合って作って貰ったもの。今年は少し補修して使用している。また、須長さんの方から椅子を「商品化してもよいか」と言われ、(全く同一ではないが、)実際に買うこともできる。「(値段は)少し高いけど」と金森さん。(→商品化されたものは恐らく、こちら、「guess I’ll hang my tears out to dry」。うむ、高い(汗)。少しじゃなく…。)
*「昨年はヒッチコックの映画に寄せながら観たが、今日はバーナード・ハーマンの音楽に乗って展開されるバレエの印象が強かった」の声に、「金森作品は複数回観るんですよ」と繰り返し観ることで感じ方が変わってくると金森さん。

前沢ガーデンは、利賀村(利賀芸術公園)に比べると、格段に訪れることも容易ですし、これを機会に富山への遠征デビューなども検討してみるのは如何でしょうか。「ホーム」りゅーとぴあのみならず、他のどのステージとも異なる、圧倒的な威容を以て迫ってくるその「空間」は、一度訪れると癖になること請け合いです。

5/17(土)・18(日)「黒部シアター2025春『めまい - 死者の中から』」のチケット(全席自由席)はチケットぴあ他で只今、絶賛発売中です。皆さま、是非♪
(shin)