「領域」活動支援向け公開リハ、『Floating Field』の熱気を全身で受け止める♪

2023年6月17日(土)午後の新潟市は太陽がギラギラ照りつけ、ぐんぐん気温が上昇して、もう一気に夏が到来したかのような陽気でした。そんななか、りゅーとぴあのスタジオBまでNoism0 / Noism1「領域」の公開リハーサルを観に行きました。

15時からのリハーサルに向けて、10分前の14時50分、スタジオBに入ったところで、この日見せて貰うNoism1『Floating Field』を演出振付した二見一幸さんの姿を認めましたので、fullmoonさんと一緒にご挨拶。二見さん、穏やかで優しそうな、とても腰の低い方でした。

場内には、今回久し振りに踊られる浅海さん、三好さん、中尾さん、庄島さくらさんとすみれさん、坪田さん、樋浦さん、杉野さん、糸川さんそして横山さん(準メンバー)、合わせて10人の舞踊家がそれぞれに動きの確認をしています。まず、目は自然と浅海さんを追うことになりましたし、同時に、かつて二見さんに師事し、同氏のダンスカンパニーカレイドスコープに所属していた横山さんへの興味にも大きなものがありました。

開始予定時間になると、国際活動部門芸術監督の井関さんが挨拶に立ち、二見さんをご紹介くださいました。そして二見さんに「もう始めちゃって大丈夫ですか」と振ると、「じゃあよろしくお願いします。参りましょう」と応じた二見さん、上に触れた通りのお人柄が窺えました。

深海を思わせるような揺らめくような、漂う(floating)ような音楽に水泡のようなノイズ。(個人的な印象です。)まず、上手(かみて)やや手前に位置する中尾さんがひとりで踊り始め、次いでその奥、庄島すみれさんと坪田さんがそれに続き、その後、下手(しもて)側も稼働し、遂にはアクティングエリア全面をフルに使った10名の踊りに繋がっていきます。舞台上の「領域(field)」が更新されていくある演出もあります。そちらもお楽しみに。

と、7分ほど過ぎたところで、CDにトラブルが発生し、リハーサルが中断するというアクシデントに見舞われることに。それに対処しているあいだ、中尾さんが寛いだ笑顔で私たちの方を見てくれています。そして曰く、「緊張が少し解けました。めっちゃ緊張していたから」と。他のメンバーからも「洸太、緊張してたね」との声が聞こえてきました。レアなことだったのでしょうが、意味のあるアクシデントだったようです。同時に、井関さんが中尾さんに指で何やら「3」の数字を伝えています。中尾さんも笑顔で同じ仕草を返しました。「3?何だろう?」そう思っていたところ、「今ので3回目。今日は2回通しているんで」と教えてくれた中尾さん。有難うございました。私たちも和みました。

トラブルシューティングが済んで以降は、淀みなく無事にリハーサルが進行していきました。

まさに「万華鏡」よろしく、音楽がそのボディを回転させるにつれ、オブジェクトケース内の舞踊家たちが現れたり消えたり、位置を変え、動きを変え、フォーメーションを変え、関係性を変え、或いは連動し、繋がり、またはシンクロし、と千変万化の様相を呈して踊っていきます。それも広いアクティングエリア上のあちこちで新たな動きが生じたりするものですから、その情報量の多さに、おのれの目の不自由さを痛感しながらも、この上なく贅沢な作品を見せて貰っている、そんな豊かさに浸りました。一度では見切れないことは間違いなさそうです。

そして同時に、Noism Company Niigataの身体性と二見さんの演出振付の間に高い親和性が認められることにも触れなければなりません。振り付ける側にも、踊る側にも、よそゆきな感じなど一切見られなかったと言い切りましょう。まさに出会うべくして出会った二者。それもまたこの作品を観る贅沢さに繋がる要素でしょう。

約30分の贅沢。どんどん加速度的に盛り上がっていく作品に、観る側の昂揚もマックスに達したところで、パチンと指を鳴らし、「ハイ」と声を掛けた二見さん。この日の通しの公開リハーサルの終了です。

「観ているこっちも動いた気分になりましたよね」とは井関さん。その流れで、二見さんにバトンを渡したところ、「トラブルがあり、すみませんでした」からの、まさかの「緊張してちょっと言葉が出ない…」と多くを語らなかった二見さん。その熱気を全身で受け止めたことで、まだドキドキが収まらない凄い作品とは裏腹に、これまた第一印象のままの謙虚なお人柄は、そのギャップが実にチャーミングで、まさに「ギャップ萌え」状態でした。

稽古場(スタジオB)でやるのは、これが最後だったのだそうで、あとは場所を〈劇場〉に移し、マスコミ向け公開リハーサル(来週6月23日(金))を挟んで、いよいよ再来週には本番(6月30日(金)~7月2日(日))3日間のダブルビル公演となります。その初日には二見さんと山田勇気さんが、2日目には金森さんと井関さんがそれぞれアフタートークに登壇します。チケットは只今、好評発売中。アフタートークでは何でも質問することができますし、まだまだ繰り返して複数回観るチャンスもあります。是非この贅沢な機会をお見逃しなく!

(shin)

「「領域」活動支援向け公開リハ、『Floating Field』の熱気を全身で受け止める♪」への2件のフィードバック

  1. shinさま
    公開リハブログ、ありがとうございました!
    とてもいい感じでしたね✨
    まさしく親和性!
    二見さんとNoismメンバーのしっくりぴったり感が堪りません♪

    そして久々の浅海侑加さん、登場!
    一回りも二回りも魅力を増して完全復活です!
    そして舞台狭しとあちこちで繰り広げられるメンバーの踊り!
    注視したいのに目が付いていけません・・・
    客席後方や、斜めから見るのもいいかも。

    何はともあれ、この素晴らしい出会いの舞台、
    どうぞお見逃しなく!!
    (fullmoon)

    1. fullmoon さま
      コメント有難うございます。
      ちょっとしたトラブルはありましたが、それも含めまして、充実した公開リハーサルでしたね。

      まず、何と言っても、あの「しっくりぴったり感」です。Noism Company Niigataの美質を余すところなく活かしながら、これでもかと言うくらいに圧倒的な物量感の舞踊を詰め込んで魅せる二見さん、恐るべしですよね。何しろ、クライマックスのある場面など、かつての『Play 2 Play』の印象的な「青い」場面を彷彿とさせるものでしたし。

      そして、「待ってました。おかえりなさい」の浅海さんですよね。もう「主役」と言ってよいパートを存分に踊り切る姿はブランクなど微塵も感じさせぬばかりか、そのキレのある動きは確信と説得力に満ちたもので、観ていて眩しい「復帰登板」でした。一度、舞台中央、最前面に出て来る浅海さんの身体をホントの至近距離からマジマジ見た際、その肩から腕にかけて走る筋肉繊維の隆起ぶりに圧倒されました。この間、常に身体と向き合ってきた証拠です。ただ舞台に立たなかっただけで、ブランクなどない訳です。

      そんな訳で、見どころたっぷりの二見さん演出振付Noism1『Floating Field』、その本番が待ち遠しい限りです。

      併せて、未だヴェールに包まれたままのNoism0金森さん+井関さんによる『Silentium』も楽しみでない訳がありません。
      ああ、ドキドキしてきました。もう既に。そんな感じでしたでしょうかね、この日の公開リハーサルを見せて貰って。

      皆さま、ホント、お見逃しなく!!!…です。はい。うん。見なきゃ絶対に損しますよ、このダブルビル。
      (shin)

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