皆さま、昨夜(2024年7月17日・水)はお聴きになられたものと思います。勿論、NHKが毎日放送している深夜番組「ラジオ深夜便」(アンカー:芳野潔)、その午後11時台後半、金森さん登場の「公共劇場専属舞踊団を20年」と題されたインタビューのことです。


こちらのインタビューですが、鈴木由美子ディレクターとオンラインで行われたものとのことで、約25分間の放送でした。
未だ「道半ば」とする金森さんのご意向と拝察しますが、聞き手から終始、「20周年おめでとうございます」のような言葉はなく、「前例のないことでしたので、あらゆる面で困難の連続でしたし、まあホント、あっという間に過ぎたっていうのが実感ですかねぇ」と語り出した金森さん。
その後、Noismの「20年」に発して、話は多岐に渡ります…。
・新潟市長交代期に(「幸か不幸か」(金森さん))政治的なトピックになってしまったNoism
・「日本初の公共劇場専属舞踊団」が意味するもの
・「新潟の文化」であることの理解の継続性
・舞踊や文化をめぐって、この国で変えるべきもの、可能性への献身
・「無理解の壁」との闘い、後世のための文化状況改革への闘い
・この国の文化状況を新潟から変えるための金森さんの闘い
・舞踊家たちの稽古への情熱
・芸術が社会に浸透していく循環の実現へ
・記念公演「Amomentof」に込めたもの、舞踊とは一瞬への献身
・消えてなくなること、残らないことの尊さ
・「時分の花」(世阿弥)を目の当たりにすることの醍醐味、一期一会、緊張感
・井関さんの20年間の献身、その身体に刻まれた記憶や注いできた情熱、舞踊への愛をマーラー交響曲第3番第6楽章『愛が私に語りかけるもの』を用いて作品化、未来に繋がれていく情熱、その刹那を共有して欲しい
・次週に迫る「東京公演」(←浦安にあるにも拘らず、「東京ディズニーリゾート」とされるテーマパークに似た、聞き手による「その」表現に、「『埼玉公演』でしょうが!」と思わず突っ込みを入れましたけれど)、「東京一極集中」(金森さん)の危うさ
・「劇場」とは(東京を介さずに)地方独自の文化を創造・発信する場所という理念
・金森さんの「私がダンスを始めた頃」、欧州で体感した社会と舞踊
・目指すもの: 舞踊芸術に従事する舞踊家の情熱・献身が社会のなかでうまく活用され、社会に還元され、この国の劇場文化が、地方が豊かになり、その劇場文化から創造されたもので平和に寄与したい(金森さん)
・舞踊家であること: その社会や他者にとっての価値、世界にとっての貢献、それを一人でも多くの後輩たちに伝えたい、可能性を見せてあげたい(金森さん)…
そんなこんなで、中身の濃い約25分間でした。
こちらのインタビューはNHKのネットラジオ「らじる☆らじる」にて、7月25日(木)午前0:00までの期間限定で配信中です。お聴きになりたい方はこちらからどうぞ。(金森さんへのインタビューは23:17頃から始まります。)
また、この日のやりとりに興味をお持ちになられた向きには金森さんの著書『闘う舞踊団』(夕(せき)書房:2023年)の一読をお勧めします。金森さんの信念と「闘い」の真実が余す所なく記されていて、読めば胸アツになること必至、必読の好著です。
さて、いよいよ「埼玉公演」3 DAYSも間近に迫って参りました。献身のさまを目撃し、刹那を共有すべく、是非、彩の国さいたま芸術劇場〈大ホール〉へ♪お見逃しなく!
(shin)
shinさま
ラジオ深夜便のインタビュー詳細、ありがとうございました!
25分間ながら中身がギュッと詰まって濃かったですね!
素晴らしいお話に改めて心打たれました。
まさにシビックプライド!
嬉しく、有り難いことです。
皆様ぜひお聴きくださいね♪
そして埼玉公演、いよいよ来週末です!
どうぞお見逃しなく!!
(fullmoon)
fullmoon さま
コメント有難うございました。
金森さんは自らの確固たる信念を、「25分」のなかにキチンと語ってくれてましたよね。
例えば、恐らく、オンエアされなかった部分には、聞き手からの「おめでとうございます」もあったのでしょうが、金森さんの未だ「道半ば」との捉え方から割愛されていたのだろうとも。その意味でも全くブレることのない芸術総監督ですよね。
また、埼玉公演を「東京公演」と言ってしまう無意識レベルの危うさにも、それに敢えて抗することなく、(「30年、40年ずっと言われている」)「東京一極集中」が招く不健康さという問題提起で返した金森さん。(37:00~41:11あたり)
それはいみじくも、ここまで20年に及ぶ金森さんの「闘い」を支えてきた理念に対して、(公演で「一瞬を共有させて頂きたい」と言いながらも)聞き手が気持ちを沿わせることが出来ていないさまが露呈してしまった瞬間であり、金森さんの「闘い」の困難さ(の一端)がまざまざ伝わってきて、切ない気持ちになりました。
そんなこんなで、一見、無難なようでいて、その実、噛み合っていなかった(かもしれない)インタビューではありましたが、ブレることなく、語るべきところは語っていた、いつもの金森さん。ホント、シビックプライドですね。
(shin)