3/21 ホテルオークラ新潟「絶やさない、新潟のおもてなし Noism Company Niigata 応援しよう、ノイズム。その創造力と身体表現に浸る」会員レポート

※月刊ウインド編集部、さわさわ会役員、Noismサポーターズ会員の、久志田渉さんがご寄稿くださいました。

 ホテルオークラ新潟主催による、新潟の文化・芸術を応援しつつ、ホテルならではの食事を楽しもうという企画。新潟古町芸妓、合奏団「新潟ARS NOVA」に続く第3弾が、Noism Company Niigataを迎えて開催された。チケット販売開始から時間を経ずに満席となったが、幸運にもイベントの告知開始日に予約出来た為、最前列中央で鑑賞する機会を得た。

 開場前のホテルオークラ新潟4階コンチネンタルルーム前は、着飾った人々でにぎわう(りゅーとぴあ周辺でお会いするNoismファンよりも、ホテルオークラ新潟のご贔屓筋が圧倒的に多い印象。失礼を承知で書けば、話題の映画「あのこは貴族」ではないが、日頃過ごしているのとは別の世界に迷い込んだよう)。

 12時からは総料理長・小島淳氏によるフランス料理の午餐。フランス料理を食べつけないが、前菜の皿に彩られたビーツ・ターメリック・ハーブの三色ソースの美しさと旨さ、熱いパンに浸して食す「海老のビスク」、肉嫌いでもそのしっとりした歯応えに唸る牛肉ソテーなど、見た目と味まで心配りされたメニューを堪能(ついつい酒が進んでしまう)。

 13時半からは、いよいよNoismの公演。公演前にはNoism芸術監督・金森穣さんが登壇。世界レベルの舞踊に“和”の身体性を融合させて挑むNoismの精神と、ホテルオークラの創業者・大倉喜八郎の子息・喜七郎が提唱した「大和楽」を対比させ、この場で公演することの意義を強調。最前列の為、金森さんの足元が、語っている時まで左右に開いており、Noismメソッドが徹底していることに驚く(「市民のためのワークショップ」に参加したからこそ気付けたことかもしれない)。

 幕開けはNoism 2『新潟幻影』より「銀の吹雪」。各々一脚の箱椅子を持って登壇するNoism 2メンバー。センターの4人、バックの5人それぞれの献身と、邦楽の音色、照明の工夫とが噛み合い、宴席に新潟の雪景色が確かに現出する。池田穂乃香さんの伸びやかさ、カナール・ミラン・ハジメさんの落ち着きを特筆したい。

 続いてはNoism 1「Fratres I」。告知チラシにNoism 0の名が無く気になっていたが、やはりNoism 1メンバー(井本星那さんは欠場)のみによるアレンジがなされていた。後半のトークショーでもNoism 0メンバーが語っていたように、舞台袖から登壇するNoism 1メンバーの普段とは少し異なる緊張感が、客席にもビシビシと伝わるよう。センターを務めたのはジョフォア・ポブラヴスキーさん(昨年12月のオルガンコンサート以来の登板)。日頃の軽み・可笑しみのあるイメージとは異なるストイックさと、堂々たる身体を活かして舞台の要となっていたのが感動的だった。鳥羽絢美さん・西澤真耶さんの舞台を支える力強い美しさ、三好綾音さんの躍進、女性メンバーより人数の多い男性メンバーの存在感。「FratresⅡ」「FratresⅢ」を経ているからこそ、その祈りのような振付の共振、このシリーズを観てきた間のNoismや世界の困難が想起され、涙が零れる。

 三幕目は映像舞踊「BOLERO 2020」。昨年の配信開始以来初となる、大画面での上映だった。小さな画面で細部を見つめる喜びのある作品とはいえ、Zoomを思わせる分割された画面で複雑に交錯する舞踊と、孤立していた筈の舞踊家たちの動きが連鎖していくダイナミズムを大きなスクリーンで多くの人と共に観ることの味わいたるや。6月初めには、筆者がボランティアスタッフを務める新潟・市民映画館シネ・ウインドで、また7月のNoism本公演でも上映が予定されている為、ぜひ大画面で楽しむ「BOLERO」に期待していただきたい。

 そして締めくくりはNoism 0の金森穣さん、井関佐和子さん、山田勇気さんによるトークショー。冒頭、日頃とは全く違う環境での公演に臨んだNoismメンバーが発した緊張感について、「力量が問われる場」(金森さん)「スタジオBとは全く違う距離感。この緊張感を、舞台に活かしてほしい」(井関さん)と、エールを送った。

 芸術選奨文部科学大臣賞受賞について、「毎日『嘘じゃないの』と穣さんに聞き続けた」「自分のことよりも、Noism・りゅーとぴあや新潟の人々への感謝の気持ちが湧いた。そのことを再認識する受賞だった」と語る井関さんと、「この国のエラい人たちが、ようやくこの人(井関さん)の価値に気付いた」「舞踊家・井関佐和子を生み出したことは、自分が来てから新潟が成しえたことの三本の指に入る」という金森さんに、胸が熱くなった。

 当日配布されたパンフレットにはNoism全メンバーがそれぞれの「新潟の好きなもの・こと」が記されていたが(山田勇気さんが壇上でも強調された「北海道出身だが、新潟の魚の味は繊細。全然違う」という指摘も嬉しい)、司会者はあえて「新潟の厄介なこと」を質問。金森さんの「風や雪の中で、歴史的に身体に刻まれた忍耐強さが新潟の人にはある。それは凄く美しいことだが、新しいことを始めたり、世界に発信する時の瞬発力に繋がりにくいことが弱みとなる」という指摘には、新潟人として「正に」と唸らされた。

 今後への抱負として井関さんは「前へ進むだけではなく、(芸術選奨受賞を経て)自信を持ち、安心して掘り下げていこう」、山田さんは「今までは一歩一歩を大切に歩んできたが、より遠くを見ていこう」と語った。そして金森さんは、新潟の未来像として「素晴らしく、クリエイティブな街として世界に知られ、人が訪れ、また世界に人が出ていく街になるビジョンがある。新潟が金森穣を手放さなければ」とし、「いつまでも新潟で、より広く高く発信を続けたい。市民に広く知られる活動を展開しつつ、世界の頂に挑戦してゆく」と、その信念を強調した。

 サプライズとして井関佐和子さんの芸術選奨文部科学大臣賞受賞を祝し、「舞踊家・井関佐和子を応援する会 さわさわ会」代表・齋藤正行(新潟・市民映画館シネ・ウインド代表)が、さわさわ会&サポーターズからの花束を井関さんに贈呈。

 最後はNoism 0、1、2メンバー、浅海侑加Noism 2リハーサル監督も登壇しての記念撮影タイムを経て、プログラムは無事終了した。

 齋藤代表は「ホテルオークラファンの人がNoismを知って、公演を観に来てくれたら、嬉しいね」と語っていたが、広くNoismが新潟に暮らす多様な人々に親しまれる為の、新たな一歩となる時間だったように思う。

(久志田 渉)

祝♪井関佐和子さん、芸術選奨文部科学大臣賞受賞!

2021年3月3日、嬉しい報せが飛び込んできました。先月の金森さんの受賞につづき、今度は井関さんが令和2年度(第71回)芸術選奨文部科学大臣賞受賞のビッグニュースです♪

3/4付け新潟日報朝刊より

文化庁が公表した「贈賞理由」にもありますが、名実ともに「新潟発の日本を代表するダンサー」としての認知が広がることはとても誇らしいことですし、井関さん自身も「新潟発の舞踊家として、こうして新潟の方々とも喜びを分かち合えることが本当に嬉しいですし、この新潟そしてNoismがなければ、私はここまで成長することも出来ませんでした」とその思いを述べておられます。誠に嬉しい限りです。

この度の受賞はとりもなおさず、「Noismの活動が(新潟)市全体の文化活動に良い影響を与える」ことに他ならず、新潟市が昨年度のNoismの活動に下した評価(総合評価:B)はかなり控えめなものであったということをも表していると思います。

併せて、上にあげた翌朝(3/4)、受賞を報じる新潟日報の記事も、惜しむらくは、配信記事を用いて第一報を打つだけでなく、一歩踏み込んで、「県民の新聞」としてともに喜び合う体のものであって欲しかったところです。井関さんも「決して平坦な道のりではなかった」と振り返っておられることに思いを馳せてみますとき、私たちは、この度の受賞を単なる「慶事」として喜ぶにとどまらず、中央(国)が認めた「新潟から世界へ」のこの素晴らしい活動と成果を、当該の地方(新潟)として、更に後押ししていかねばならないと考えるからです。

おっと、お祝いムードからあまり逸れてしまってはいけませんね。スミマセン。

次のリンクも併せてご覧下さい。

井関さん、改めまして、この度の受賞、本当におめでとうございました。

(shin)

めでたい♪「Noism」特番、芸術祭大賞受賞!おめでとう、BSN新潟放送!

聖夜のオルガンコンサートの華やぎの記憶も新しいところですが、2020年のクリスマスはまだ終わっていませんでした!そう、プレゼントはまだ残ってたのです!それは…

祝!BSN新潟放送!「芸術の価値 舞踊家金森穣16年の闘い」、2020年度芸術祭賞テレビ・ドキュメンタリー部門大賞受賞!(文化庁・12/25発表)

受賞を知らせる新潟日報12/26朝刊記事

このたびの受賞ですが、テレビ・ドキュメンタリー部門での大賞受賞は県内民放では初めての快挙とのこと。BSNテレビではそれを記念して、新年1月20日(水)午後7時からの再放送を発表しています。嬉しい限りですね。「オール新潟」で喜び合うことができますね♪BSNのニュースサイトには、「『芸術』が目に見えない大きな力を与えてくれることを信じ、応援したい」と高く評価された由が記されています。同ニュースサイトへはこちらからどうぞ♪

コロナ禍一色だった2020年、「芸術」のもつ意義も各所で取り沙汰されました。延期や中止に見舞われる公演が相次ぐ中、当たり前に「それ」がある日常の豊かさが再確認された年だったとも言えるかと思います。奇しくも、同番組はNoism活動継続問題を取り上げ、一足先に、行政や企業による芸術への支援の必要性を世に問いかけていました。

「密」になる他ない性質を有する「劇場」をどう再始動させるかが問われた2020年にあって、金森さんとNoism Company Niigataは、今だからこそやる意味のある取り組みとして、過去作品のオンライン公開からはじめて、映像舞踊『BOLERO 2020』の製作・公開という成果を生み出してみせました。それらに接することが出来た私たちは、苦境の2020年にあってさえ、深刻な「Noismロス」には陥らずに過ごすことが出来た訳です。そしてそれはそのまま、誰もが自分の人生に占める「Noism」(或いは「芸術」)の比重の大きさを思い知ったことでもありました。

そうした思いと同根の問題提起を行う番組として必見です。まだご覧になっていない方は是非この機会にご覧ください。

改めまして、「大賞」受賞おめでとうございます♪

(shin)

インスタライブvol.9は映像舞踊ボレロ裏話♪

2020年10月26日(月)21時、9回目を数える金森さん+井関さんのインスタライブは、10月9日に公開された映像舞踊『BOLERO 2020』の裏話♪なんとも嬉しいじゃあ~りませんか、コレ。おふたりのインスタにアーカイヴが残されています。是非ともご覧頂きたいと存じますが、今回も簡単に概略のご紹介をさせて頂きますので、参考にされてください。

発端: コロナ禍で公演はできないが、メンバーは新潟にいて、「稽古はしてよし」の日々、「このメンバーで何も残せていなかった」思いがあったこと。

今の時代のボレロを作る: 恩師ベジャール版は中心にメロディ(カリスマ、ソロ)を配し、それをリズムが取り囲む構造=極めて20世紀的マスターワーク。同じものを作っても仕方ない。今なら、多視点、同時多発的、個人主義、多様化。

『春の祭典』と共通のコンセプトで創作: ①楽譜の構造の理解、②スコアにのっとった台本作り、③舞踊家に楽器を割り振る。

『ボレロ』の3つの構成: メロディ、Aパターンリズム「メインリズム」、Bパターンリズム「合いの手リズム」(←金森さんの造語)→それら個別バラバラだったものが、やがて同期していく。

使用音源について: アルベール・ヴォルフ(1884-1970)指揮・パリコンセルヴァトワールオーケストラによる1950年代後半のLPレコード。著作権(70年)が切れているもので、演奏が良いものを選んだ。冒頭、登場するターンテーブルはおふたりのご自宅の私物とのこと。

動きのクリエイション: ①テーマ(キーワード)に基づいて、各メンバーに動き(断片・マテリアル)を作って貰う。②それを、金森さんがカウントに落とし込んで、メロディーラインで動きに還元していく。

今回『ボレロ』のキーワード: スコアナンバー1~7「いらいら、もどかしさ、我慢」、スコアナンバー8~11「むらむら、落ち着かなさ、欲望」、スコアナンバー12~15「鍛錬、解放、祈り」、スコアナンバー16,17「憤り、息が出来ない」。→『BOLERO 2020』は井関さんによる「我慢」から始まる。

映像作品を作ることの大変さ: エネルギーや緊張感が変わってしまうのでカットはしたくない。そこで全て一発撮り。SHSの協力を得て、一日での撮影だったため、各自30分以内で撮る必要があった。クリエイションは撮影を入れて2週間、振付も覚え立てほやほや状態で、「試験のようだった」とは井関さん。対して、金森さん、演出振付家としては、当然、最上のものを目指す訳で、「もう一度!」「One more time!」と言わねばならない場面も多く、「残るもの」を作る大変さがあった。

「ボレロ」最終盤の転調: ここではない別の次元にあがる瞬間。それがボレロの肝であり、それを可視化したかった。各自の部屋→舞台へ。非日常への飛躍。一分に満たないながら、生きる証。(…その際の衣裳秘話から続くお話は実際に聞いてのお楽しみ♪)

映像舞踊『BOLERO 2020』と今後: いずれ舞台でもやるつもりだが、それはそれで違う見世物になる。映像としての力や、舞台とは何かを感じることにもなる。一回じゃ見切れない。何度も観て欲しい。

…以上、そんな具合でしたかね。この日は「ショートなんで」(金森さん)と、ほぼ30分きっかりでの終了。しかし、聴いていて興味を惹かれるお話ばかりでしたので、是非、アーカイヴでお楽しみください。

そして聴けば、また観たくなること必定ですよね。ほ~ら、あなたもまた観たくなってきた。我慢は身体に悪いですからね。観たらいいんです、観たら。私も三度目のレンタル期間に入っております。

お粗末様でした。ではでは。

(shin)

柳都会vol.22 江口歩×金森穣を聴いてきました♪

2020年10月11日(日)16:30~18:00、本来ならほぼ5ヶ月前(5/17)に開催される筈だった「新潟お笑い集団NAMARA」代表・江口歩さんと金森さんによる柳都会が、りゅーとぴあ・能楽堂を会場に無事に開催され、聴いてきました。

おふたりのこれまでの接点ですが、①先ず、Noism初期の頃、江口さんは二度ほどアフタートークの司会をされたことがあったのだそうですが、「下ろされてしまった」と江口さん。

②次いで、『black ice』の頃、江口さんのラジオのゲストとして金森さんに出て貰ったことがあったとのことでしたが、金森さんは記憶になく、地震の影響で、10分間収録されたものの、オンエアされないでしまったのだそうです。

そうした際に江口さんが金森さんに対して抱いた印象は「尖っている」というものだったそうです。

「文化不毛の地」(?)新潟に、それぞれ「日本初」の劇場専属舞踊団と地方都市発のお笑い集団を立ち上げたおふたりは、それぞれのスタンスで、周囲の理解を得ようと格闘してきたおふたりでもあります。今回の柳都会は、主に、金森さんが「お笑い集団NAMARA」と江口さんについて訊ねるかたちで進行しました。

(註)壇上のおふたりから撮影許可あり

足袋を履いて、能楽堂の舞台に進み出ると、まず、江口さん「アウェイ感がビシビシ」と語ることで、笑いが起こり、つかみはオッケイ、そんな滑り出しでした。

「新潟お笑い集団NAMARA」と江口さん(代表取締役社長)

立ち上げは1997年で、今年で23年目。当時の新潟県、自殺率が2年連続で全国ワーストだった頃。それは、①りゅーとぴあオープンの頃であり、「箱もの」は要らないの声があがったり、また、②陸上競技場を舞台に、現在のアルビレックスの前身アルビレオが発足した頃でもあり、サッカーなど根付かないと言われてもいた。「NAMARA」も同様だった。

毎月、ライブをやっても当然、儲からない。「どうやって食っていくか」が問題。だから声がかかると、全部「ハイ、ハイ」と受けていた。しかし、5年間くらい、全員ノーギャラだった。

「欧州帰りの29歳、『お前には居場所はないよ』と否定されているように思い、世の中に対して苛立っていた。尖っていた」(金森さん)「俺も全否定だもん。継続していても評価は上がらなかった」(江口さん)

転機は2002年。商店街、学校、病院、介護施設などから「講師に」と声がかかるようになる。いずれも、「会話がまずいことになっている」と認識。求められているのは、コミュニケーションをとること、繋ぐこと。「通訳」「翻訳」みたいな役回り。

また、「障がい者と健常者、加害者と被害者、自民党と共産党といった両極端の依頼もあった」(江口さん)…その具体例:精神障がい者の自己肯定イベント「病気だヨ!全員集合」、坂井輪中学集団暴行事件被害者の父親が開いたトークイベント、新潟市長選挙に際し、(篠田・前市長を含む)3人の候補者を出走馬に見立てた「市長選ダービー」等々。

スタンスは「面白がったって、いいじゃないか」興味が持てれば、理解のきっかけになる。

実際の仕事内容は知らなかったが、「何でも良いからやってみよう」とみんな受けていて、そうしてやっていくうちに色々学ぶことになった。大層な気持ちでやっていた訳ではなく、「ハイ、ハイ」言ってきたことで、「どっちも肯定しようという態度を覚えた。左翼とも右翼とも付き合う、『なかよく』だね」(江口さん)「うまい!」(金森さん)

それでも、「お前ら、お笑いだろ」と揶揄されたり、「お前ら、何やってるんだ」と不審がられたりしていたことに対して、金森さん「立ち位置がそれまでになかったため、評価のしようもなかった」

時代も変わった

「『社会課題を楽しく』っていうなら、『SDGs(持続可能な開発目標)』と言うと説明が楽で、使うことも。デジタル化の加速で、異業種の繋がり、業態の変化も進む今、立ち上げ当初の頃と同じような気分を楽しんでいる」(江口さん)

「『NAMARA』はみんなバラバラ。好きなことをするのが『NAMARA』と言ってきた。保育士芸人や銭湯大使なんてのもいる」(江口さん)「つかみどころのないグループ。新しく人を入れる基準は?」(金森さん)「オールOK。どんどんチャンスあげたっていいじゃん、って」(江口さん)「他県にも似たようなグループはあるの?」(金森さん)「ないみたい。新潟にはタレントが多い印象、『タレント王国』。それぞれの特性・武器を活かして融合して、束になって発信したら、って考える」(江口さん)

「時代、何なんだろ、アレ。あんなに叩かれていたのが、今、『良いことやっている』と言われ、表彰までされるようになっちゃった」(江口さん)

江口さんって人

「政治家になることは考えたことない?」(金森さん)「あんな面倒くさくて、頭下げてばかりいるような仕事したくない。具体的には、色々な行政課との付き合いはあるけど」(江口さん)「行政と文化、互いの専門知識しかなく、相手を知らない。江口さんみたいな存在は抜群なNPO。福祉系など、需要はありそう」(金森さん)「縦割り社会の中で『ハイ、ハイ』言ってきたこと、横へ、横へと動くことだった」(江口さん)

「金森さんには、観光課と繋がって、(北方文化博物館などの)アートなポスターを作って欲しいし、篠山紀信さんと一緒に『SWITCH』にも出て欲しい。また、Noismには古町芸妓や新潟プロレスともコラボして貰いたい気持ちがある」(笑)(江口さん)

「江口さんって、ホントつかめない。でも、良い意味で、つかめないところが江口さんの強み。『NAMARA』が受け入れられていったり、新潟って、面白いところだなと思う」(金森さん)

「江口さんって泣くことあります?どんなとき?」(金森さん)「泣くさ。映画観てとか」(江口さん)「何故訊いたかというと、江口さんは物凄く俯瞰で物事を見ているから、落語的に。一人ひとり感情移入していたらもたない。ひとりの人としてどこで泣くのかって興味持っちゃった」(金森さん)

「一神教の善悪みたいに、何かひとつのことを信じるというよりも、両方を肯定する。面白いか面白くないかが価値基準。融合したら面白いんじゃないかとか思う」(江口さん)「江口さんはダメ出しをしたり、評価を下したりしますか?」(金森さん)「あんまりしないんだよね」(江口さん)「ですよね。全てを肯定していくとなると」(金森さん)

変化すること

平和ボケの頃の毒のあるアナーキーな笑い(横山やすし、たけし、爆笑問題・太田、立川談志)→肯定漫才(オリエンタルラジオ、ぺこぱ)へ。時代の変化。「そこにウズウズもある」(江口さん)「茶化そうと思ってますよね。(笑)でも、変わっていけるかどうかというのが問題。変わらなきゃと思う。嫌々じゃなくて、自分のなかで変化の時。『金森、変わったな』と言われるのは不本意。前向きに変化を楽しんでいる」(金森さん)

「視覚障がい者のためのワークショップには興味をもった。お互いに化学変化が起きている。そういうジョイントがやりたい」(江口さん)「やる前は不安があった。クラスがうまく機能しなかったら、参加者を傷つけてしまうんじゃないかと。でも、みんな、『もっと、もっと』と、全然怖がっていなかった。でも、『会わせりゃ、何とかなるだろう』みたいなのは嫌。双方、傷つく。『この方法論なら』と思えたからやった」(金森さん)「芸術から離れちゃって、ボランティアみたいなトーンはダメ」(江口さん)「滅茶滅茶アートでしたよ。年末にもやるんだけど、進化(深化)しそう」(金森さん)

江口さんって人(金森さんが理解した江口さん)

「江口さん、『お笑い』とか『面白い』とか言うからややこしい」(金森さん)「誤解される」(江口さん)「でしょうね」(笑)(金森さん)「叩かれる」(江口さん)「でしょうね。(笑)でも、70歳くらいになって、地域の人がみんな知ってるようになると無敵だね」(金森さん)

リーフレットとアンケート

「今度、一緒に飲みませんか」(江口さん)「俺、コーラですけど、いいですか」(金森さん)「じゃあ、俺もジンジャーエールにします」(笑)(江口さん)…

…と、まあ、そんな具合でしたかね。

この日は会場からの質問タイムはありませんでしたが、おふたりのやりとりを聴くだけで、「なまら(=新潟の方言で「とても」「凄く」の意)おもっしぇえ(=同「面白い」)」90分でした。江口さんと「新潟お笑い集団NAMARA」が刻んだ歴史、そして注がれる視線の変化。それを介して、金森さんとNoismが歩んできた日々も浮かび上がってくる、そんな感じのトークだったと言えるように思います。それら、うまく伝えられたかどうかは不安ですが、本日のレポはこの辺で…。

追記: おしまいに、この日の客席は金森さんから、映像舞踊『BOLERO 2020』の拡散を託されました。是非ともご覧ください。200円で7日間楽しめますので、コスパはめっちゃサイコーです♪こちらからどうぞ。

蛇足: りゅーとぴあ・Noismボードの前に置かれた冊子「tempo1」(富士通発行:無料)を貰ってくるのもこの日の大切な目的。無事果たせました。収録された金森さんの記事「身体のTEMPO」、これからじっくり読みます。皆さんも是非♪

(shin)

映像舞踊『BOLERO 2020』公開されました♪

既にご覧になられた方も多くいらっしゃると思いますが、金森さんのdirectionと遠藤龍さんの編集によるNoismの映像舞踊『BOLERO 2020』が本日公開されました。このところの金森さん、多岐にわたって精力的です、いつにも増して!

「2020年」ということで言えば、昨年末~今年初の「森優貴/金森穣Double Bill」において『Farben』を振り付けた森優貴さんが、夏(8月)のアーキタンツ20周年記念公演で、「ボレロ(新作)」を発表する予定だったことも記憶に新しいところです。

…『ボレロ』。森さん振付の新作、私もチケットを買って、楽しみに待っていたのですが、「コロナ禍」で公演中止となってしまい、残念な気持ちでいた折も折、逆に今度は金森さんが「コロナ禍」ゆえに出来ることとして映像作品で取り上げて(そして/或いは、撮り上げて)くれました。『ボレロ』の穴は『ボレロ』で。金森さん、こう来たか。森さんだったら、どんなだったろう。そんな夢想にも浸れるほど、ぽっかり空いた穴が埋められていくように感じました。

この作品に関して、金森さんからのメッセージがあり、そのなかで製作の経緯などが語られています。こちらからもご覧いただけますので、どうぞ。

では、本編ですが、Noism公式ウェブサイトのニュース頁のリンクを貼っておきます。『BOLERO 2020』、そちら経由でどうぞ。(有料:「7日間レンタル」200円)

スマホでもご覧になれますが、少し大きなディスプレイでご覧になることをお薦めします。

私は幸いにも、プレビュー公演、先日の和楽器集団「ぐるーぷ新潟」コンサートにゲスト出演したNoism2、そして金森さんが新潟市洋舞踊協会記念合同公演に振り付けた『畦道にて~8つの小品』と続けて観ることができましたが、そうはいかず、「Noismロス」状態できている方も多くいらっしゃる筈です。こちら、一週間、何度でもご覧になれますから、「ロス」解消の絶好のチャンス。言うまでもなく、必見です♪

(shin)