超えていく金森穣Noism♪ 15周年記念公演・新潟初日

2019年7月19日(金)。一時、物凄い雨量が人を慌てさせた午前中を、その後、雨脚は弱まるも、蒸せかえるような息苦しい午後の時間を凌いで迎えた19時。喧しい世間をよそに、その時その時に最善の選択をしていかんとする金森さんが仕掛けた「15周年記念公演」、その初日。

ホワイエには、「新潟の奇跡」でもあるNoism15年間の軌跡がところ狭しと掲げられ、「祝祭空間」の趣きが濃厚です。過去作品のチラシを集めたボードに、頭上高くズラリ並んだ公演ポスターたち、更に、篠山紀信さん撮影の『中国の不思議な役人』の井関さんパネルに、『NINA』中国公演時の数種の大判ポスターなども目を引きます。どれも、じっくり眺めていたいものばかりなのですが、圧倒された私などは、落ち着きを失ってしまい、なんとかスマホに幾枚か画像を記録させることができただけ、そんな塩梅でした。(汗)

映り込みご容赦願います。個人的には、「Mirroring Memory」となっております。(笑)

そして19時。いよいよ公演の幕があがりました。まずは、『Mirroring Memories-それは尊き光のごとく』。昨春、上野の森バレエホリデイでのみ上演されただけの記念碑的な作品の改訂版です。2007年、金森さんのお誕生日(11月22日)に、恩師モーリス・ベジャールがお亡くなりになるという奇縁。それを機に、ご自分の作風も変わったと回顧される金森さん。「抗うことのできないどうしようもない力」の象徴として頻出する黒衣に纏わる10の場面を抜粋して、金森さんのソロパートの冒頭部と新たな振付を含む感動的なラストで挟んで構成されています。65分間の愉悦と感動。抜粋元の作品名も示されますので、鑑賞の手助けになります。ご覧になられた後にポスターやチラシを探してみるのも楽しいかもしれませんね。

しかし、かく言う私は、『Mirroring …』を再見したら、もうその感動の大きさにもちこたえているのに精一杯で、10分の休憩はあたふたするばかりで、とてもとてもなにかに充てるなどできなかったのですが…。(再びの汗)

休憩後、新作『Fratres I』の「本番」に向き合いました。絶句。公開リハーサルを2度見せてもらっていたというのに…。文字通りの絶句。これは!金森さんがメディア向けの3度目の公開リハーサル後の囲み取材で、「トップシークレット」という表現を用いた意味が判ろうというものでした。超弩級!ただただ物凄いものを観たとしか…。

確かに公開リハでも見ていました。基本的には同じものでしょう。しかし、これは別物です!断言します。まんまと金森さんにしてやられた、そんな気もするくらいです。まあ、それもいつものことなのですけれど。練度を増し、照明と演出も加えた舞台には驚愕する以外ありません。超えていくのです、金森穣Noismは。ですから、彼らから目を離すことはできないのです。あの透徹した美しさ、呼吸することさえ忘れるほどの厳粛さはまさに圧巻。魂が震えるというのはこのことです。わずか15分というのに、完全に観る者を現実から別次元へと連れ去ってしまいます。それ以上はここでは書きません。是非、ご体感ください。

終演後、客席もビビッドに呼応しました。割れんばかりの拍手に、飛び交う「ブラボー!」の声。緞帳が下がり上がりするたびに増していくスタンディングオベーションの人数。見回すと、幸福そうに顔を上気させて拍手し続ける人以外目に入ってきません。それくらい、圧倒的な15分間の視覚体験です!

一方、前半の『Mirroring …』のあとは緞帳が下がると、カーテンコールもなく、あっけないほどに、すぐ客電が点き、休憩を知らせるアナウンスが入りますから、拍手は後悔なきよう、短期集中で、出し惜しみ厳禁ですね。

超えていくのです、金森穣Noismは。まさにまさに。この公演を契機に、彼ら自らの手で新たな契約更新を勝ち得ていくこと間違いなし、そう確信した宵でした。「新潟の奇跡」、永遠に♪

最後に物販情報です。今回、初登場の夏らしいボーダーのTシャツが色・サイズ違いで2種(紺・グレー、各3500円)に、バッジとワッペン(各1200円)がございます。いつ着ようかしら。どこに付けようかしら。ご鑑賞の記念に、そしてNoism支援の一助に是非ご検討ください。

(shin)

メディア向け公開リハ(DAY 3)は『Mirroring Memories』から

「15周年記念公演」の初日を8日後に控えた2019年7月11日(木)、薄曇りでやや風の強い午後、りゅーとぴあ・劇場を会場とするメディア向け公開リハーサル(DAY 3)および金森さんの囲み取材に出掛けてきました。

ここ数日、活動継続を巡るメディア露出が続くなかとあって、マスコミ関係者もいつになく大勢参加していました。

私はと言えば、運よく、一連の公開リハ3日間「皆勤」でしたので、「今日は何を見せてもらえるのだろう?」と少し余裕も感じていたのですが、スタッフの「『Mirroring Memories-それは尊き光のごとく』の一部をご覧いただきます」の声に、「3日間とも趣向が違うんだ」と思いながら、劇場への扉を通ると、すぐに舞台上でアップを続ける舞踊家たちの姿が目に飛び込んできて、いきなり、気分は上がりまくりでした。

この日は、導入部とエンディングを除き、「黒衣」に纏わる「黒い印象」を持つオムニバス部分を全て通して見せていただきました。本番の照明こそありませんでしたが、あの伝統的なイングランド民謡が流れ出すと、もうそこは「妖術」でも幅を利かす世界かと見まがうほど。でもそれ一色ではなしに、心を締め付け、涙腺を狙い撃ちするかのような場面も挿入されるしで、まさに目も眩むばかりの怒涛の展開。『ホフマン物語』『カルメン』『ASU』『ラ・バヤデール』…。抗うことなく、呑み込まれてしまうのが得策です。贅沢に感情を揺さぶられ続けることでしょう。

「OK, guys! Much better! Much better in every scene….(どの場面も随分よくなった)」金森さんの言葉が聞こえて、公開リハは終了。ついで、ホワイエでの囲み取材がもたれました。

いつも以上に、この日のマスコミ各社には色々尋ねてみようという思いがあったようでした。見たばかりの『Mirroring …』が比較的言語化しやすい作品に映ったことで、敢えてこの時期にぶつけてきたのかとの問いに、金森さん、「一年も前から会場(劇場)を押さえて準備してきているので、今のこの状況はわかる筈もなかった。文化的に価値のあるものをやるのであって、説得のためにやるのではない」とキッパリ。

『Mirroring…』の構成順に「上野の森バレエホリデイ」のときと異同がある点に関しては、ラストのワーグナー『夢』の前に井関さんのソロ(『痛み』)を追加したことで、そのままの順序とはいかず、一箇所シャッフルすることになったものとのこと。金森さんは今回の『Mirroring…』を「改訂版再演」とも「劇場版は初演」とも言っていましたから、上野でご覧になられている方も必見かと。

以下に、金森さんが質問に答えるかたちで語ったことを少し紹介してみます。

*** *** *** ***

『Mirroring …』、黒衣と鏡が印象的な作品。黒衣は場面毎に多義的であるが、総じて抗いようのない力、宇宙における「ダークマター」的な存在の象徴。一方の鏡、そのメタファー(隠喩)。各パートが乱反射し合って、記憶を構成する。その時間軸の体験を通して、「ああ、Noismだね」と理解されるものがあるとしたら嬉しい。

「15周年記念」という思いが強いのは、『Fratres I』の方。群舞であって、国籍も異なる皆でともに祈るように踊る。今の新潟で、今の現実は振り払おうとしてもできることではない。いつも以上に気合が入っているところもあるし、今まで通りに信じていること、踊りにしかできない表現を真摯に届けようという思いもある。

20世紀が「舞踊の世紀」(モーリス・ベジャール)なら、21世紀は「身体の世紀」。人間がもつ身体とは何かが問われる。頭で作られた国籍や性差などにどう向き合っていくか。

市民有志による「要望書」提出の動きには本当に感謝しかない。あらゆる対策を練らねばならない。この状況、ただひとり舞踊事業の問題にとどまるものではなく、自治体(新潟市)がりゅーとぴあ及び劇場文化政策をどう捉えているかが問われている。等々…。

*** *** *** ***

幕があがるまで、あと8日。今は幸福な「おあずけ」状態を一瞬一瞬ドキドキしながら過ごすことと致します。皆さま、劇場でお会いしましょう。

(shin)
(撮影:aqua)

「私がダンスを始めた頃」⑩  チャーリー・リャン

ダンスを始めるまで、私は日常生活で運動らしいことはしていませんでした。当時、私は勉強するだけの日々を送っていたのです。高校卒業後に何がやりたいか、何をすることになるかなど見当もつかないままに。また、放課後に何かしようにも、余計なお金などありませんでしたし、私にとっての唯一の娯楽はテレビを見ることでした。でも、それがダンスを始める理由のひとつになったのです。

ある日のこと、私はダンスを扱う番組を見ました。踊っている男性ダンサーたちがとても魅力的なさまを見たのです。私は彼らから目を離すことが出来ませんでした。その時以来、私はYouTubeやほかのソーシャルメディアで本当に多くのダンス・ビデオを観るようになり、私が観たダンスがコンテンポラリーダンスと呼ばれるものであることを知りました。

私はビデオを通じてダンスを学ぼうとしましたが、それまで学んだこともありませんでしたし、誰もコーチをしてくれる人もいませんでした。その瞬間です、私は自分が何をしているのかわかってはいませんでしたが、私はそれを本当に楽しんでいましたし、初めて何かに夢中になることを経験し、ダンスについてもっと知りたいと思うようになったのでした。

そんな訳で、高校を卒業すると、私は香港演藝学院(HKAPA)に出願しました。しかし、ダンスのクラスを取ったこともなければ、ダンスの経験もまったくなかったのですから、勿論、結果は不合格。 その後、私は別の科目を学ぶことを選んだのですが、ダンスは諦めませんでした。勉強はもちろん、ダンスのクラスを受けるためのお金を稼ごうと、週末にはアルバイトもしました。その年、私は勉強と仕事とダンスでもうくたくただったのですが、何かを得ようと戦っている感覚は嫌いではありませんでした。すべては待つ者のところにやって来るものです。翌年、私は晴れてHKAPAのコンテンポラリーダンス専攻課程に入学することができたのです。

(日本語訳:shin)

以下はチャーリーさんが書いた元原稿(英語)です。併せてご覧ください。

Charlie Leung

Before I started dancing, I never did any exercises in my daily life. At that time, there are just studying in my life. I didn’t even know what I want to do and what I will do after high school. Also, because there was no more extra money for me to join any after-school activities, the only one entertainment I can do was watching TV. It’s also one of the reason to start dancing.

One day, I watched a TV program about dance. And I saw that the male dancers was so charming when they were dancing and I could not take my eyes out of them. From that time, I started to watch so many dance videos on YouTube or any other social media and I found out that the kind of dance I watched is called contemporary dance. I tried to learn dancing from the video but I didn’t learn dancing before and no one was coaching me. At that moment, although I didn’t know what I was doing, I was really enjoying it and it was my first time that I was really into something and want to know more about dance.

That’s why, after graduated from high school, I applied the dance school of Hong Kong academy for performance arts(HKAPA). But I didn’t take any dance class before and didn’t have any experience in dance. Of course, I failed it.

After that, I chose to study another subject, but I didn’t give up dancing. Except studying, I went to do some part time job in weekends to earn some money to take dance class. In that year, although I was so tired between study, work and dance, I liked the feeling that fighting for something. Everything comes to one who waits. In next year, I got in HKAPA, majoring in contemporary dance.

(1993年香港生まれ)

*2021年7月退団

七夕の公開リハーサルDAY 2、新潟市はこの日も夏模様

公開リハーサル2日目は2019年7月7日(日)、自動車の外気温表示によれば、外は30℃越えの「真夏日」。幸運にも、前日に続き、2日目の公開リハも見せていただきました。

のっけから誠に恐縮ですが、この日のレポートに先立ち、別のお話から書き出すことをお許しください。

時間は少し遡ります。七夕の公開リハに備えて、朝から時間を過ごしていたところ、突然のニュースが目に入ってきました。訃報。ジョアン・ジルベルトが亡くなったことを報じるYahoo!の見出しに動きが止まります。享年88。まだ若いじゃないか。毎年、今頃からの灼けつく夏本番には、彼のボサノバを聴いて、涼風を感じていたというのに…。切ない。心に大きな穴が開いたよう。りゅーとぴあまで走らせる車中は『ゲッツ/ジルベルト』を聴きながら。いつも同様、色褪せることのない音楽ではありますが、見上げるコントラストの強いなつぞらは寂しげに映るより他ありませんでした。そんな人も多かった筈。幸い、Noismがあってくれたお陰で、私の心の隙間はなんとか埋められたのですが…。心よりご冥福をお祈りいたします。

前置きが長くなりました。さて、本題に戻ります。公開リハDAY 2です。

なんと、この日は『Mirroring Memories-それは尊き光のごとく』後半と『Fratres I』を見せてもらえるとのこと。なんという大盤振る舞いでしょう。前日からの「そうだったらいいなぁ」が現実のものとなり、12時、スタジオBに入る頃には、件の憂愁もすっかり影を潜めていたことを書き添えておきます。

前日の最後の場面からのスタートです。

『Mirroring …』後半はオムニバス形式の断章が見事に撚り合わせられ、ラストに向かってぐんぐん進行していきます。傍らで視線を送っていた知人のなかには感極まって涙する姿も見られたくらい、観る者の感情を揺さぶってくる力には尋常じゃないものが漲っていました。また、通常なら舞台袖として隠れている部分も「あらわし」になっていますから、引っ込んだ後の(早)着替えの様子もすべて見えていて、その速さもさることながら、一つひとつ断章であって、本来繋がってはいないものを次々踊っていく「役への入り方」にも並々ならぬものがあるのだろうことをこの日は感じさせられました。

休憩を挟んだ後は『Fratres I』。群舞におけるシンクロ具合は、前日の比ではありません。更に2週間弱の錬磨の果てにどんなものを見せてくれるのか、既に圧倒される準備はできています。

未だ「完成形」ではない公開リハを見たに過ぎませんが、今回の2作品が、金森さんの恩師モーリス・ベジャールからご自身へ、更に金森さん振り付けの諸作を通して、若き舞踊家たちの未来へと繋がる、通時の「縦糸」を表出する『Mirroring …』と、「同士」を意味しながら、敢えて金森さんと井関さんを若い舞踊家たちのただなか、等価の位置に置き、共時の「横糸」を示す『Fratres I』との組み合わせであり、その「結節点」に、金森さんと井関さんを観るという体験は、まったく趣きを異にする2作に、コンテンポラリーダンスの過去、現在、未来すべてを包摂しようとする志向性を楽しむ公演と言って差し支えないでしょう。余計なことを書きました。要は、本番が待ち遠し過ぎるということです。

そして、公演前にもう一度、マスコミ向けの劇場リハーサル(DAY 3:7月11日・木曜日)も見せていただけることになっておりますので、また、レポートしたいと思います。

(shin)

文月、なつぞらの新潟市・公開リハーサル DAY 1

Noism新作公演の公開リハーサル初日、2019年7月6日(土)の新潟市はここ数日の「曇り空+蒸し暑さ」から一変、青と白のコントラストが美しいなつぞら。

昂ぶる気持ちを抑えつつ、11時50分の入場を待った活動支援会員たちの「幸福」はおわかりいただけるものと思われます。

会場のスタジオBへ導かれると、それぞれアップに余念のない舞踊家たちの姿。衣裳の質感や細部までガン見できる至近距離!

正午を少しまわった頃、公開リハDAY 1は始まりました。この日は『Mirroring Memories -それは尊き光のごとく』の前半部と新作『Fratres I』を見せていただきました。照明こそありませんでしたが、どちらも本番の衣裳を纏ってのリハーサルに、観ている側の気分も上がりました。

先ず、『Mirroring …』前半ですが、チラシ裏にある順序とは異同がありました。新たなパートも加わるのでしょうし、昨春の「上野の森バレエホリデイ」から進化・深化した舞台になること請け合いです。また、「上野」時からのメンバー変更に伴う入れ替えも「なるほど」って感じでした。

そして、5分の休憩を挟んで、新作『Fratres I』を待ちます。金森さんから「トイレへ行ったり」など促されましたけれど、誰も席を立つことなく、「板付き」のポジションで、入念に動きの確認をする15人の舞踊家を見つめ続けていました。

金森さんを含めた総勢15人による、知らされている通りの群舞作品です。もしかしたら、少し引いて観た方が凄みが伝わってくると思われ、(←個人的な印象です。)至近距離の椅子に腰掛けながら、上体を後ろに反らせて、視界に入る人数を増やすようにして見つめました。

また、個人的な話で恐縮ですが、行きも帰りも、車のなかでペルトの『フラトレス』を流しながら往復したのですが、行きの「どう創るのだろう?」が、「そう来るのね!」に替わって帰宅することになりました。同じ音楽なのですが、聞こえ方がより深くなったようにも感じました。

で、ここから先は、まだ目撃したのが10名足らずの「新たな創作」であることに鑑み、衣裳をはじめ、ほぼ一切、書くことを慎みたいと思います。どうぞ悪しからず。

なつぞらの下のりゅーとぴあ界隈、スマホで撮った数枚の写真のうち、公開リハDAY 1で目にしたものに最も似つかわしい雰囲気をもつ写真はこちらでしょうか。新作公演、深い情緒に打たれること間違いありません。

まだ見ぬ新『Mirroring …』の後半と『Fratres I』の錬磨に期待が弥増すばかりの文月、土曜日の午後でした。皆々様、乞うご期待でございますよ。

(shin)

Noism盛りだくさんで胸躍る7月♪

下旬に『Mirroring Memories -それは尊き光のごとく』&新作『Fratres Ⅰ』公演を控えた7月は、早々(6日・7日・11日)に活動支援会員向けの公開リハーサルから始まる胸躍る一ヶ月ですが、それ以外にもNoism的に盛りだくさんで、楽しみ過ぎるコンテンツが目白押しです。

ここではそれらをご紹介します。

  • 『オドルフク』上映 & トークも!
  • サポーターズ・さわさわ会 合同 会員交流会 開催
  • サポーターズ メールマガジン配信開始!

■『オドルフク』上映&トークショー(@新潟市民映画館シネ・ウインド)

早春の3月24日(日)、新潟県政記念館にて、Noism1メンバー多数出演で開催された気鋭のデザイナーUTOPIA(佐藤悠人氏)による一味違う「ファッションショー」の様子が、梨本諦鳴(なしもとたお)監督(『アノソラノアオ』『A/KE/SA/KI』)の手により、もうひとつの『オドルフク』として登場します。

池ヶ谷奏さん、浅海侑加さん、ジョフォア・ポプラヴスキーさん、井本星那さん、カイ・トミオカさんがモデル&ダンスパフォーマーとして出演!チャン・シャンユーさんもモデルとして登場!(当日の模様については当ブログでも4月12日に写真入りで記事アップしています♪)

上映期間は7月20日(土)から7月21日(月)の3日間。料金:¥1,000円。

頑張れば、Noism公演とのはしごも可能かと。上映(34分)&トーク、合わせて1時間の予定だそうです。

上映時間およびトークショーについては以下のとおりです。

  • ① 7月20日(土) 19:30~20:30 UTOPIA ×五十嵐政人(アーツプロジェクトスクール新潟校ディレクター)
  • ② 7月21日(日) 17:30~18:30 UTOPIA × 長谷川雅史((株)新潟三越伊勢丹NIIGATA越品プロジェクトセールスディレクター)
  • ③ 7月22日(月) 19:30~20:30 UTOPIA × 池ヶ谷奏( Noism1:出演者)

*詳細に関しましては、こちらをご覧ください。 『オドルフク』詳細:https://www.cinewind.com/news/22801/

■NoismサポーターズUnofficial・さわさわ会 合同 会員交流会

日時: 7月20日(土)19:30~  (*出演者の参加はありません。)

 会場: オリエントイタリアン・Iry(イリィ)

     新潟市中央区西堀前通一番町694

 会費: ¥4,500(フリードリンク)要予約

 お申し込み: 当サイトの「お問い合わせ」欄からお申し込みください。もしくは、事務局090-8615-9942へ、お電話かショートメールでどうぞ。

会員に限らず どなたでもご参加いただけます。公演中日の熱い思いを肴に是非交流いたしましょう。

この日は同時刻に上記『オドルフク』上映もありますが、こちらもどうぞ宜しくお願いいたします。   

…そして、手前味噌ではありますが、…

■サポーターズ・メールマガジン、遂に発信!!

これまで告知して参りました「メルマガ」ですが、おおよそ準備も整い、いよいよこの7月初旬に配信開始の運びとなりました。

サポーターズとしましては、「インフォメーション」(=旧「会報」)、ブログ、twitterに次ぐ、4番目のメディアとして、広範で、きめ細やかな情報提供をして参りたいと思っております。

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( fullmoon / shin )

「私がダンスを始めた頃」⑧  カイ・トミオカ

私は今に至るダンスの旅を振り返って、私をここ、Noismというカンパニーへと導いた一連の出来事と決断をはっきりと認めることができます。

12歳の時、ロンドンの家の近くにあったローカルなスタジオでブレイクダンスとストリートダンスのクラスに入ったことを覚えています。ここからダンスへの私の愛情がスタートしたのです!もっとも、あまりうまく踊れた訳ではありませんでしたが。当時人気のダンス映画を何本も観ては、そんなふうな動きを身に付けたいと思ったものでした!

14歳になった頃、スタジオは、より汎用性のある動き、異なる種類の動きを身に付けさせようとボーイズ・バレエのクラスをスタートさせたのでした。私もやってみようと決心し、そうしてクラシックダンスへの情熱に火が付いたのでした。

そのときの私は自分が踊ることを大いに楽しんでいましたが、それでもあまり本気で捉えてはいなかったかもしれません。他の趣味、例えば、サッカーや陸上、或いは演技と並行して踊っていたものですから。

でも、1年後、サッカーをしているときに鎖骨を骨折してしまったのです。それは「ロンドン・チルドレンズ・バレエ」の大事なオーディションを逃すことを意味するものでした。私が楽しみにしていたオーディションだったのに…。自分がやりたいもの、自らを託したいものがどちらなのか選ばなければならないと悟ったのはこの時でした。体に要求されるものが違っていたからです。で、勿論、私はダンスを選びました。

翌年、その同じオーディションに晴れて挑むことができました。結果は合格!そのステージで演じた後、観に来ていた Central School of Balletの先生の目にとまったことから、そちらにてフルタイムで学ぶオファーをいただき、16歳で、プロになるためのダンスのトレーニングを始めて、あとは皆さんご存じのとおりです!

今振り返ってみると、それは多くの犠牲を払って成り立っていることがわかります。そんなに若いうちから大人のような難しい決断をすることは並大抵のことではありませんし、自分の時間の多くをダンスに割くということは若者ならやりたいと思う筈の多くを見送ることを意味するものでもありました。ダンスに専心することは生涯にわたる決断なのです。でも私はそれをいささかも変えるつもりはありません。

(日本語訳:shin)

以下はカイさんが書いた元原稿(英語)です。併せてご覧ください。

Kai Tomioka

I can look back on my dance journey so far and identify a chain of events and decisions that have led me to here to Noism dance company.

I remember at the age of 12 joining a breakdance and street dance class, at a local studios near to where I lived in London. This was where my love for dance started, even though I wasn’t very good! After watching popular dance films at the time I wanted to learn to move in those ways! When I was 14 they started a boys ballet at the studios, to try and encourage the dancers to become more versatile and move in different ways. I decided to give it a go and thus started my passion for classical dance. I was enjoying my dancing a lot but was still not taking it too seriously. I was dancing alongside my other hobbies, such as football, athletics and acting. But a year later, while playing football I broke my collar bone, which meant that I missed an important audition for a production called ‘London children’s ballet’. This was something I was very much looking forward to and this is when I realised I had to make the choice about what I wanted to do and to commit to one or the other, as the demand from the body is very different, and of course I chose dance.

The next year I was able to attend the audition again, and was successful! After taking part in this show, I was offered a full time place at central school of ballet after a teacher from the school had come to watch, so at 16 I began my professional dance training and then the rest is history!

Looking back on it now I can recognise that it took many sacrifices, and at such a young age it took a lot to make some mature and difficult decisions, spending much of my time dancing meant that I missed out on lots that you as a young person would want to do, committing to dance is a lifelong decision, but I wouldn’t change any of it.

(1995年イギリス生まれ)

*2021年7月退団

「私がダンスを始めた頃」⑦  ジョフォア・ポプラヴスキー

姉が腰にトラブルを抱え、更に酷い内股だったため、 母は姉のそうした状況を改善することに繋がるだろうとバレエをさせることを決心。こうして残りの家族もすぐにそれに続くことになり、「この冒険」が始まったのです。

母はまた、私がよく姉のスカートをはいて、二階で踊ったものだとも言います。私もそんな一日のことを思い出すことができます。ですから、「それ」は私の中のどこかにあったのでしょう!

私は常にダンサーとしての自分の姿を感じたり考えたりしてはいましたが、実際、ダンサーになろうとは思ってもいませんでした。消防士になって人々を助けたいと思っていたからです。

でも、ダンスの先生(男性)は私の才能を信じてくれていて、彼こそが、私の背中を押しては、学校を卒業後、どこへ行ってプロとしての訓練を積めばよいかに目を向けてくれていた人なのです。私はダンスについては多くを知りませんでしたが、打ち込めば打ち込むほど、成功したいと思うようになったのでした。

(日本語訳:shin)

以下はジョフォアさんが書いた元原稿(英語)です。併せてご覧ください。

Geoffroy Poplawski

As my big sister had trouble with her hip and was too much turned in, my mom decided that doing ballet would improve her situation. This is how the rest of the family soon followed and started this adventure. My mom also said that I used to wear my sister’s skirt and dance upstairs and I do remember one of those days so I guess it was somehwere in me !

I always felt and thought of myself as a dancer but I actually never thought of becoming one. I wanted to be fireman and help people. My dance teacher believed in me and he is the one who pushed and looked where I could go and train professionally after graduating from school. I didn’t know much about dance but the more I worked for it the more I wanted to succeed.

(1991年フランス生まれ)

速報!劇的舞踊『カルメン』にモスクワ熱狂!

モスクワでの劇的舞踊『カルメン』初日の幕が上がり、終演後の劇場に圧倒的な熱狂と興奮をもたらした様子が届いて参りました。さもありなん♪

Noism officialによるインスタグラムの動画です。

こちらもNoism officialによるツイッターです。

そして、金森さんのツイートもご覧ください。

新潟市のNoism、そして日本のNoism。なんと誇らしいことでしょうか!
このあと、現地で初日をご覧になったfullmoonさんのレポートで詳細をお知らせする予定です。ご期待ください。 (shin)

目に贅沢なご褒美-劇的舞踊『カルメン』2019 ver.公開リハ(2019/05/18)

気温25℃を越えた新潟市は、うららかを通り越して、暑くさえ感じられるほど陽気の良い皐月の土曜日。りゅーとぴあ・スタジオBにて、劇的舞踊『カルメン』モスクワ公演に向け、活動支援者を対象とした2度目の公開リハーサルを観てきました。この日はSPACの奥野さんも加わったフルキャストでの通し稽古で、本番さながらに10分間の休憩を挟んで、全篇を見せて貰いました。

いざ、あの世界へ♪

前回、1度目のリハ(5/12)については、ご覧になったacoさんがコメント欄にレポを書いてくれていますが、その言葉の端々から興奮、陶酔、感動が読み取れましたし、もう期待を膨らませるだけ膨らまして出掛けて行った訳です。
そしてそれは裏切られることなどあろう筈がありません。申し込み先着20名、その目と鼻の先ギリギリ、数センチのところまで出てきて展開される劇的舞踊は、観ているこちら側がドギマギするくらいのド迫力。

衣裳や装置の多くは仮のものだったり、幾度か重要な映像が投影されることになる中央のスクリーンがなかったりと、実際の公演との違いこそありますが、代わりに、見立てて踊る稽古の雰囲気が楽しめたり、本番ではスクリーンの背後にいて、不可視であるべき実演家の待機する仕草や準備動作がそのまま観られたりと、いつもながら、レアな楽しみ方には事欠きませんでした。出番以外でも、終始、私たちの視線に晒され続ける実演家は大変だろうと思ったりもする訳です。一言で言うなら、もう、目には贅沢なご褒美が過ぎる、そんな感じの2時間で。

先ず何といっても、音楽がエモい。あれが響くともう一気にそこはスペイン。記憶が召喚され、かつて見た舞台の印象との偏差を満喫させて貰いました。「このキャスティング、また違った味わいがあって楽しい」とか、「アレがああなって、こうなるんだよな、うん」でも時々、「ああ、そうだったのか」と今更ながら気付くこともあったりして、Noismの「古典」としてこの先も繰り返し観ていきたいという思いを強くしました。目を閉じるまでもなく、自然と目に入ってくる光景の「やや上方あたりに」(!)今日観た踊りのあの場面やこの場面が浮かんでくるような錯覚を伴いながら、情緒を揺さぶる音楽たちが今も脳内でリピート再生されているくらいです。

今回の2019ver.キャスティングは、以下のとおりです。
カルメン 野性の女: 井関佐和子
ホセ 理性の男: 中川賢
ミカエラ 許嫁の女: 井本星那
スニガ 権威の男: 林田海里
リュカス 我欲の男: ジョフォア・ポプラヴスキー
ロンガ 同郷の男: チャン・シャンユー
ドロッテ 謎の老婆: 池ヶ谷奏
メルセデス 異父の姉: 浅海侑加
フラスキータ 異父の妹: 鳥羽絢美
マヌエリータ 仇敵の女: 西岡ひなの
ガルシア 極道の男: カイ・トミオカ
兵隊の男たち: チャーリー・リャン、カナール・ミラン・ハジメ
ジプシーの男たち: 三好綾音、池田穂乃香
街娘たち/ジプシーの女たち: 西澤真耶、片山夏波、門山楓、杉野可林、長澤マリーヤ
学者 博識の老人: 奥野晃士(SPAC)

リハのあいだ中、キャスト全員の熱演に圧倒されまくりでしたが、個人的には、ジョフォアさんの「闘牛士」、そして西岡さん演じる「敵役」が強く印象に残りました。そして、そうです、もうひとつ。お約束の「ホセ、帰ってきて~~~!」(笑) ご覧になった皆さまはどんな印象をもたれましたか。

で、メンバーは来週5月24日に東京を経由して露国に向かう予定なのだそうです。きっとかの地の演劇祭でも目の肥えた観客を魅了し尽くしてしまうだろうことを改めて確信いたしました。大きな拍手に包まれたカーテンコールすら今から既に幻視できます。GO! Noism! GO!!

(shin)