約3週間後の世田谷パブリックシアターでの公演にむけて、金森さんたちは2週間後に東京に入るのだそうです。また異なる舞台での上演に際して、その「場」に応じた深化を極めんとすることはもはや必定の金森さんとNoism。世田谷での公演をご覧になられる予定の皆さま、期待してあともう少しお待ちください。「新生」Noism Company Niigataの第一章『Der Wanderer-さすらい人』は紛れもない名作ですゆえ。
それくらい、この日の舞踊家たちのパフォーマンスには観る者を揺さぶるものがありました。シューベルトの歌曲の深い味わいにNoism Company Niigataの舞踊家たちの身体が掛け合わされることで現出したのはまさに陶酔境。若き日の愛と孤独は前半。避けられない孤独、死の訪れの後半。そしてラスト、…。そう、どこをとっても、見どころ満載の豊穣さ。数日前にも観ていたのですが、この日の舞踊家たちはあたかも熟成されて旨みを増した酒のよう。さらりとしていてコクがある吟醸酒のような口当たり。もうホントに酔いしれました。
新体制に移行したNoism Company Niigataによる第一作目『Der Wanderer-さすらい人』70分、それを見詰める者も、一人ひとり「人生」をさすらうことでしょう。そしてそのさすらいの果てにどこに連れて行かれることになるのか、是非その目で受け止めてください。チケットは絶賛発売中。「完売」の回もありますので、お早めに。
いつもの活動支援会員仲間や久し振りに会う方に挨拶し、言葉を交わしたりしながら、入場前の時間も楽しく過ごせただけでなく、視覚や聴覚に障がいをお持ちの方たちも期待感から一様に興奮気味の面持ちでおられる様子を目にし、Noism Company Niigataを渇望する者のひとりとして大きな喜びを感じながら、ホワイエにて入場の声かけを待ちました。