2023年1月20日(金)、この日から強い寒気が流れ込むとされ、大荒れ予報が出ていた新潟。雪は落ちてこなかったものの、夕方からは風雨が強まり、シューベルト『魔王』よろしく、嵐のなか疾走する「ト短調」気分が濃厚に漂うなか、車でりゅーとぴあを目指しました。
新生Noism Company Niigataによる『Der Wanderer-さすらい人』。世界初演となる新潟公演初日のチケットは早くから「完売」。新しい年の「Noism初め」を待ち焦がれていた人が如何に多かったか分かろうというものです。
入場整理番号順にスタジオBに進むと、この日、私は最前列の席を選び、腰を下ろしたのですが、緞帳がなく、現しのままの四角く区切られたアクティングエリア内には既にむこう向きに立つ井関さんの不動の姿がありました。全ての客席が埋まったのは19時を数分まわった頃。やがて場内が暗くなり、同時に効果音が高まると、それは始まりました。
そこからはもう、深遠なシューベルトの歌曲に浸り、これまでのNoismには見当たらなかった類いのソロの舞踊の連打に目を釘付けにされるだけでした。愛が踊られる前半も、その甘美さというより、心を、胸を掻きむしられるような満たされざる気持ちの切なさが横溢しています。そして後半は死が最前面に押し出され、不穏な禍々しさが際立ちます。そして待ち受けるラストのあの味わい。70分の新作をあっという間に見終えました。詳しくは書けませんが、もう必見です。
終演後のホワイエでは金森さんの『闘う舞踊団』(夕書房)をはじめとする書籍販売のコーナーが設けられていて、多くの方が列を作って買い求めていました。私も2冊買いました。明日は一日、読書三昧を決め込むつもりで、そんな土曜日も楽しみでなりません。勿論、サイン会にはまた並びます。
帰宅してからは、金森さん+東京バレエ団の『かぐや姫』第2幕ほか(上野の森バレエホリデイ2023)のチケットもゲットして、もう色々に嬉しいことづくめの金曜日でした。
新体制に移行したNoism Company Niigataによる第一作目『Der Wanderer-さすらい人』70分、それを見詰める者も、一人ひとり「人生」をさすらうことでしょう。そしてそのさすらいの果てにどこに連れて行かれることになるのか、是非その目で受け止めてください。チケットは絶賛発売中。「完売」の回もありますので、お早めに。
【追記】この記事へのコメント欄に、fullmoonさんによる 1/21(土)新潟2日目公演についての報告もありますので、よろしければご覧ください。
(shin)
shinさま
初日ブログアップありがとうございます。
素敵な素晴らしい舞台でしたね!
愛と生と死。
作品を生き切る一人ひとりが輝いていました。
死は畏れるものではなく平安ですらある。
癒されました。
ブラボー!!
(fullmoon)
fullmoon さま
コメント有難うございました。
昨日の初日の舞台、良かったですね♪
(恐らく、今日の2日目もそうだったろうと思いますが…。)
みんな一人ひとり、輝いていて素晴らしかったです。気付くとみんなをガン見していました。
そしてあのラストです。まだまだ多くは書けませんが、とても情感たっぷりで、心に染み込んでくるものがありますよね。
私は今日一日、金森さんの『闘う舞踊団』を読んで過ごしました。
よい土曜日になりました。
100年をスパンに、金森さんが敢えて担う使命感に改めて打たれました。次、私は明日のアフタートーク付きの回を観に行きます。「日々進化している」(『闘う舞踊団』)Noismの今を目撃するために。ホント楽しみで仕方ありません。
(shin)
shinさま
ご返信ありがとうございました!
今日の2日目、行ってきました♪
2日目もとてもよかったです✨
「本日の出演」
キャスト変更で、太田菜月さん(Noism2)が杉野可林さんに代わり出演していました。
メディア公開リハーサルの時もそうでしたが、交代で出演するのかな??
太田さんは小柄ですし、作品の雰囲気も変わりますね。
明日はどうでしょう??
そして、アフタートーク& shinさんの次のブログ、楽しみです♪
『闘う舞踊団』私も読んでますよ~
shinさんは読了でしょうか?
ではまた明日!
(fullmoon)
fullmoon さま
2日目のご報告、有難うございました。
金森さんも初日より「沈黙の言語が聞こえてきて」とツイートしてましたしね。これから公演を重ねて、グングン良くなってくるんでしょうね。楽しみです。
あと、太田菜月さんが出演されたのですね。確かに違った雰囲気になるでしょうね。観る機会があれば、じっくり観たいと思います。
金森さんの『闘う舞踊団』、昨日は堪能しました。
まさに「Dance Company of Struggles」。改めて、色々な「闘い」が絶えなかった(絶えない)ことを思い知らされながら、その都度、ブレずに、妥協することなく目指すところを追い続けて格闘してきた金森さんに対して、尊敬の気持ちが沸騰してきました。
そのなかで、fullmoonさんたちが立ち上げてくださった私たち「サポーターズ」への言及もあり、胸が熱くなりました。金森さんが拘る劇場文化への貢献にあって、観客の側から小さな1ピースではあっても、小さな1ピースとしてそこに参加できるように、これからも私たちにできるサポートをしていかなきゃと思ったような次第です。
(shin)
shinさま
ありがとうございます。
『闘う舞踊団』私も昨夜堪能しました。
行政と財団が責任を持って新制度を運営し、市・財団・Noism皆が、真の意味で劇場専属舞踊団を市の文化政策として捉え、考えていくということ。
それは「金森穣Noism」が「新潟Noism」になるということ。
金森さんが目指し掲げている「劇場文化100年構想」についても数多書かれており、胸に迫る思いです。
shinさんが書かれた通り、観客やサポーターズは小さな1ピースではありますが、1ピースなりに参加し、サポートし、劇場文化に少しでも貢献していきたいと存じます。
皆さま、『闘う舞踊団』素晴らしい本です。
ぜひどうぞ、お買い求めください。
(fullmoon)