「纏うNoism」#02:三好綾音さん

メール取材日:2022/12/15(Thur.)

今般の新潟県、北陸、東北地方南部ほか各地を襲う記録的な大雪被害に遭われている方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。

来年1月の『Der Wanderer -さすらい人』公演までまだ間があり、大晦日に放送予定のBSN新潟放送「劇場にて・舞踊家 金森穣と新潟」を楽しみに待つこの頃かと思いますが、それでも、少なからず「Noismロス」は否めない日々かと。そこで、連載企画「纏うNoism」の第2回・三好綾音さんの回をお送りします。

「好きなものがあるなら、いつも身につけなさい。そして、自分に似合うものを見つけなさい。それが素敵に見える秘訣です」(ヴィヴィアン・ウエストウッド)

それでは「纏う」三好さんとそれらに込められた思いなど、お楽しみいただきましょう。

纏う1: 稽古着の三好さん

来ましたァ!お約束の「???」

 *またしてもやってくれましたね。連載2回目にしてもはや「お約束」ででもあるかのような意表を突いた登場の仕方。もう嬉しくなっちゃいますね♪バランスボールを持ち上げる三好さんを、ボールごと持ち上げようとするかのような「神」の左手的な…。もう、お見事!しかありません。
 で、本題ですけれど、今日の稽古着のポイントについて教えてください。

  三好さん「今日のというか、私の稽古着は黒ばかりです。(笑)選ぶのが面倒なので…。 作品によってレオタードだったり、ショートパンツだったり、なるべく衣裳に近いもので練習するようにしていますが、基本はこれです。生地が薄いものが好みです」

 *なるほど。黒ずくめですね。でも、踊り易さもあってのことでしょうか、割と短めの上下を身に付けておられるので、境目に生じるラインがいいアクセントになっています。

纏う2: 三好さん思い出の舞台衣裳

 *これまでの舞踊人生で大事にしている衣裳と舞台の思い出を教えてください。

2022年・メンバー振付公演での三好さん
ピアノ演奏会で弾く中学生の三好さん

 三好さん「舞踊人生からははずれてしまうのですが、ステージ衣裳としてこの白のブラウスを紹介させてください。2022年の振付公演で着たものですが、元々は、演奏会用に中学生の頃買ってもらったものでした。シルクでできていて、袖のディティールや背中の形、全てが気に入っていて、これからも長く着たい一着です」

 *品があって、素敵なブラウス♪
そしてそれを大事にされている三好さん、とても素敵
モーツァルトのピアノ協奏曲第12番 K.414 (385p) を奏でる中学生の三好さん(凄っ!)と時を隔てて踊りで魅了する三好さん。それを繋ぐ雰囲気のある一着のブラウス。これはもう素敵で間違いなしかと♪

纏う3: 三好さんにとって印象深いNoismの衣裳

 *Noismの公演で最も印象に残っている衣裳とその舞台の思い出を教えてください。

 三好さん「『境界』の衣裳は最初に見たときの衝撃があったので、印象に残っています。あんなにカラフルで鮮やかな衣裳を見たことがなかったので、最初は『本当に…⁉』と思ったのですが、舞台の映像を見てみたらすごくきれいだったので感心しました。
自分だけの色を選んでデザインしてくださったのも嬉しかった衣裳です」

 *まず、『境界』公演での『Endless Opening』(演出振付:山田うん)の衣裳に関しては、Noismスタッフから情報を頂きましたので、ご紹介します。
「山田うんさんから、衣裳は飯嶋久美子さんにお願いしたいとスタッフに話がありました。うんさんと飯嶋さんの出会いは、東京オリンピック2020の閉会式だそうです。うんさんが振付、飯嶋さんが衣裳を担当されていました。
飯嶋さんは、舞踊の舞台の衣裳をデザイン・製作したのはNoism作品が初めてだったそうです。その後、Co.山田うんでも、舞台衣裳を担当されています」
(参考→https://www.kaat.jp/d/inc
…とのことでした。
 *その飯嶋さん、これまでに、きゃりーぱみゅぱみゅ、椎名林檎/東京事変、松任谷由実、ももいろクローバーZほかの衣裳も担当されてきた方なのだとか。マジ凄ッ!1974年、東京生まれ。様々なジャンルに活動の場を広げる著名なスタイリスト+衣裳デザイナーなのでした。これはもう知ってなきゃダメなお名前でしたね。ホント失礼しました。m(_ _)m

 *次いで、Noism Web Site へのリンクを貼ります。
 2021-22 Noism0/Noism1『境界』公演における『Endless Opening』(演出振付:山田うん、出演:Noism1)の画像です。

 *そう、これこれ。これは観る側にとっても「衝撃」そのものでした。見知ったいつもの「Noismらしさ」とはまるっきり違う!…というか。とりわけ、あのパステル調の色合い+ヒラヒラ+ふわふわを纏って踊るNoism1男性舞踊家たちにはそれまでの固定観念をぶっ壊されてしまったものです。もう粉々の散り散りだった訳ですよ、そのくらいの破壊力。(笑)

 *飯嶋さんが三好さんだけの「色」を定めるにあたっては、どんな経緯を辿ったのでしょうか。

 三好さん「山田うんさんがメンバーそれぞれのイメージを飯嶋さんに伝えてくださり、実際に衣裳合わせの時、真っ白のメッシュだけを着て、上のカラーの布をその場で仮止めして決めていきました」

 *あのオレンジと差し色のブルー(でしたよね?)はそうして決まっていったのですね。そりゃあワクワクする筈ですよね。なるほどです。

纏う4: 普段着の三好さん

前回の井本さんとほぼ同じ立ち位置ですが、この時期特有の華やぎが♪
ラストの1枚は一見「三好さん、どこ?」的ですけれど…

 *この日のポイントと普段着のこだわりを教えてください。

 三好さん「ポイントはマフラーでしょうか…?これも中学生の頃、母からお下がりでもらったもので、ウールでとてもあたたかいのでずっと使っています。(笑)私はシンプルな服が好きなので、赤はアクセントになりますし、重宝しています。普段着のこだわりは、手首とかウエスト、足首を出しがちです。(笑)全てを覆ってしまうと骨太なので、すごく大きく見えてしまうんです。それが嫌で自然とそうならない服を選んでいると思います」

 *先の思い出の衣裳やこの普段着に纏わるご説明から、衣類を長く大事に着られている印象を受けました。そのあたり、衣類に関して、三好さんはどのような思いをお持ちですか。

 三好さん「特別な考えはないのですが、母が若い頃に買っていたものは持ちが本当に良くて、状態も悪くならないし、今でも古く見えないので、私が新しく買うときも、ユニークなデザインとかよりは、いつの時代にも使えるような良いものを持っていきたいなと思います」

 *人柄が表れるんですよね、着る物には。そして、まさに三好さんらしさに溢れたお答えであるように感じました。

 *画像に戻ります。2022年師走、そしてもうすぐクリスマス。最後の2枚はさながら「Season’s Greetings」、この季節のご挨拶の趣ですね。そして、1枚がクリスマスツリーとの共演だとすると、ラストの1枚では、三好さん、てっぺんの星を見上げつつ、ツリーと一体化し、(と言っても、そこは勿論、近代童話劇シリーズvol.1『箱入り娘』(2015)の「欅父」上田尚弘さんのようではなく、)まさにクリスマスツリーを纏った感が漂う写真になっています。この連載企画の趣旨を充分過ぎるくらいわきまえて、今回の締め括りをつけてくださった三好さんには感謝しかありません。三好さん、どうも有難うございました。

三好さんからもサポーターズの皆さまにメッセージをお預かりしました。

■サポーターズの皆さまへのメッセージ

「サポーターズの皆様。いつも温かい応援とご支援、本当にありがとうございます。今回は、新作の発表まで長い時間が空きましたが、その分期待していただいておりますでしょうか?十分皆様のご期待に応えられるよう準備してまいりますので、今しばらく楽しみにお待ちください。これからもよろしくお願いします」(三好綾音)

…「纏うNoism」の第2回、三好さんの回はここまでです。常に真摯で理知的な眼差しが印象に残る三好さん、ここでもその一端をお届けできているものと思います。三好さん、どうも有難うございました。

よろしければ、当ブログでご紹介してきた三好さんの他の記事も併せてご覧ください。

 「私がダンスを始めた頃」⑭(三好綾音さん) 
 「ランチのNoism」#12(三好綾音さん)

それでは、また次回も乞うご期待!ということで。

(shin)

『Der Wanderer-さすらい人』活動支援会員対象公開リハーサル、新趣向で開催さる♪

2022年11月26日(土)、りゅーとぴあのスタジオBを会場に、早くもNoism0+Noism1『Der Wanderer-さすらい人』の活動支援会員対象公開リハーサルが開催されました。新潟公演の初日が来年1月20日ですから、ほぼ2ヶ月前のこの時期に開催されることは過去に類例のないことでした。

更にこの日は新趣向もありました。予め示されたタイムテーブルには、16時から17時までが〈第1部〉公開リハーサルで、その後、〈第2部〉としてメンバーとのトークが30分間用意されていたのでした。発案は国際活動部門芸術監督の井関さんとのこと。たっぷり一時間半にわたって新生Noism Company Niigataに触れることのできる週末が贅沢でない訳がありません。約30人の活動支援会員がその時間を心から堪能しました。

先ずは〈第1部〉公開リハーサルです。新作の第1部の冒頭から、シューベルトの歌曲にのってのソロ・パートのクリエイション風景を見せて貰いました。16時を少しまわったところで、期待感からアクティングエリアを食い入るように見つめるおよそ30人に向けて、金森さんから「公開リハーサルなんで変な空気作らないでください」とにこやかに「注意」が飛び、場が和むなかそれは始まりました。

そのソロ・パート、順に金森さんの呼び方でご紹介しますと、「糸くんor糸(糸川祐希さん)」(←最年少。この日が20歳の誕生日とのこと。おめでとうございます♪)、「すみれ(庄島すみれさん)」、「ひかる(坪田光さん)」、「さくら(庄島さくらさん)」、「こうた(中尾洸太さん)」、「あきら(樋浦瞳さん)」、「かりん(杉野可林さん)」、「せな(井本星那さん)」、「りお(三好綾音さん)」ということになり、基本的には各ソロのラストには次の演者が登場してきて途切れなく繋がっていくスタイルと言えます。

終始、下手(しもて)側に待機する山田勇気さんの目があるなか、金森さんと井関さんによるクリエイションが進んでいきました。この日は前日とは打って変わって「天使」(井関さんの言葉)の金森さんが実演を交えながら動きの修正を施していくのに加えて、その傍らに立つ井関さんが舞踊家目線でアドバイスを送り、時に山田さんもひとり別方向の離れた位置からふたりの指示のアシストに加わったりする光景をみせて貰った訳です。まさに息のあった「トロイカ」体制でのクリエイションを見た思いがします。

音の取り方。目線、対象を設けて本当に見る。動きの大きさ、速度。
拮抗させてエネルギーを集めて抜かないこと。歌曲の質感を身体化すること。
身体のどこから回転を引っ張っていくのか、どこから動きを作って身体を伸ばすのか。
動きに強弱をつけるために筋肉の質感を変えるイメージをもつこと。
内から外に向けて自分の閉じた空間を広げること。イマジナリーな空間を伸縮させること。
ソロ全体を通して捉えるのではなく、分節して考えることで、破綻を避けることができること。
時間軸的に音楽と同時に動こうとしても無理。自分が動いたら音楽が出てくる感覚でやること。等々…。
予定された時間を約10分ほど延長して見せて貰った〈第1部〉でしたが、金森さんから発せられる言葉と実演とによって、確実にNoism的な動きが各メンバーの身体に落とし込まれていく様子に目はまさに釘付けにされました。

17時10分になる頃、金森さんは掛けていた椅子を手にとると、私たちの後方に場所を移し、そこからの〈第2部〉メンバーとのトークは井関さんのMCにて行われました。主に客席からの質問に答えるかたちで進められていったのですが、客席から尋ねられたのは次のようなものでした。歌曲に合わせて踊ること、スタジオ公演について、公演数の多さ、「新体制」になっての違い、踊る曲名(←これに関しては後日、明記される予定だそうです。)、Noismでソロを踊ることの思い、等々、和やかな空気感のなか、約30分間、様々な切り口からのやりとりを楽しみました。

最後、井関さんから、活動支援会員を対象にどんなことができるか、アイディアや希望を寄せて欲しい旨の言葉が聞かれ、この日の日程が終了しました。ワタクシ個人的には、公演の直前時期にでも、もう一度、「通し」での公開リハーサルを見せて頂けたらと思うものです。

何はともあれ、作品(新作『Der Wanderer-さすらい人)』が形作られていく過程を見せて貰ったうえ、メンバーに直接尋ねたりできたこの日の内容は、実にレア度の高い貴重なもので、真に「至福」レベルの90分間だったと思います。まだ活動支援会員になることを迷っておられる向きは一考の価値ありと思います。是非、活動支援会員になって、更にダイレクトにNoism Company Niigataを応援して参りましょう。

(shin)

「纏うNoism」#01:井本星那さん

メール取材日:2022/11/22 (Tue.)

ご好評を頂いていた前の連載企画「ランチのNoism」が一段落する際、「食」の次は「衣」ということで新企画の予告をさせて頂きましたが、この度、無事にその第1回をお送りする運びとなりました。新連載企画「纏(まと)うNoism」です。

「何を着るかは、世界に向かって自分をどう表現するかということ。特に人と関わりが瞬間的になっている現在では、ファッションは瞬時に伝わる言葉のようなものです」(ミウッチャ・プラダ)

折から先日開催された「さわさわ会」井関佐和子さんトークショー(2022/11/20)も「衣裳」や「洋服」をテーマとするものでしたし、(私事にはなりますが、初めて「進行(聞き手)」の大役を務めさせて頂き、大緊張して、大汗かきましたけど…。)その流れにバッチリ乗って始まる新連載「纏うNoism」ですから既に祝福された感が漂い、これ以上ない「幸先よい船出」と言えるように思います。そのめでたい第1回にご登場頂くのは井本星那さん。様々に「纏う」井本さんをお楽しみください。

纏う1: 稽古着の井本さん

???

 *えっ!どこにいますか?井本さん。あっ、いた、なんとぉ!バランスボールの上でダリの「時計」(『記憶の固執』)みたいな形状になっている井本さん。お茶目ですね。
ところで、あのぉ、この日の稽古着のポイントを教えてください。

 井本さん「鼓童さんとのコラボTシャツ&ジャージパンツです。軽くて動きやすいものを選んでいます」

 *『鬼』公演時のダブルネームTシャツですね。私も買いました。で、左腰部分に「新潟ツートップ」のロゴが入っていて、いつも誇らしい気持ちで着せて貰ってるのですが、肝心の「そこ」見えてませんけど、井本さん。ホントお茶目♪(笑)

纏う2: 井本さん思い出の舞台衣裳

 *これまでの舞踊人生で大事にしている衣裳と舞台の思い出を教えてください。

か、かわゆす…惚れてまうやないかい♪

 井本さんジャクソン国際コンクールに出場した際に矢上恵子先生がコンテの振付と衣裳をデザインしてくださりました。初めての海外の記憶と共に厳しくも暖かい、恩師との思い出が詰まった衣裳です」

 *これ、めっちゃカワイイですね。2006年、当時15歳とのこと。このビジュアル、個人的には『Miracle Love』(作詞・作曲:竹内まりや・1991)PVの牧瀬里穂を思い出させられましたけど、甲乙つけ難い可愛さです。(こちらその牧瀬里穂『Miracle LoveYouTube 動画へのリンクです。よろしければクリックしてみてください。)

 *触れられている「恩師」矢上恵子さん(2019年没)についてはこちら生前のインタビュー記事などをお読み頂けたらと思います。

纏う3: 井本さんにとって印象深いNoismの衣裳

 *Noismの公演で最も印象に残っている衣裳とその舞台の思い出を教えてください。

 井本さん「モスクワ公演でのミカエラの衣裳。鮮やかなロイヤルブルーでデザインが素敵でした。この衣裳には歴代の先輩方のエネルギーが宿っているように感じました」

 *まずは Noism official のインスタアカウントよりモスクワ公演初日(2019)のカーテンコール動画です。少し遠いですけど「鮮やかなロイヤルブルー」をご覧ください。。
 続いては「先輩方」。Noism Web Site へのリンクを貼ります。

 2014年の劇的舞踊『Carmen』:ミカエラ役は真下恵さん
 2017年の劇的舞踊『Carmen』再演:ミカエラ役は石原悠子さん

 *エネルギーは受け継がれながらも、三者三様のミカエラ。私にとっての井本ミカエラは公開リハーサルの1回のみでしたが、同じ役柄に異なる個性が吹き込まれていて、目を見張ったことを思い出しました。
       
 更に井本さん「『お菊の結婚』の衣裳。お気づきになられた方もいらっしゃると思いますが、家族が着用していた衣裳にはNoismの家紋が入っていました。生地の色や質感が素敵で帯を締めると背筋が伸びる衣裳でした」

 *Noism Web Site の『お菊の結婚』(2022)へのリンクです。ご覧ください。

 *○のなかに「N」一文字の家紋。細部まで作り込まれていて、色+質感に加えて、そうした拘りがあってこそ、背筋が伸びるというものなのでしょう。楼主の妻を踊る井本さんの身体からは「鬼」にも通じるような禍々しいまでに不吉な威厳が放たれていて、それが終始、作品世界をギュッと締めていましたね。

纏う4: 普段着の井本さん

これまた「素敵」以外の言葉が見つかりませぬ♪

 *この日のポイントと普段着のこだわりを教えてください。

 井本さん「とある週末コーデです。アウターで隠れてしまっていますがゴブラン柄のトップスがお気に入りです。自転車通勤なので冬場は暖かさ重視でパンツにリュックスタイルです!」

 *「ゴブラン柄」って何?っていう私ですから、この連載企画は荷が重過ぎることがはっきりした訳ですけれど…ね。で、調べましたよ、「ゴブラン柄」。すると、「フランスのゴブラン織りのタペストリーを由来とする、フラワーやペイズリー調の伝統ある模様で、落ち着いた雰囲気が印象的」などとあり、画像も検索して見てみましたら、もう井本さんにピッタリって感じましたね。
 それにしても、そうした古風でフェミニンな柄ものにスポーティなアウターを重ね着した立ち姿の何とオシャレなことでしょうか。素敵過ぎです、井本さん。

そんな井本さんからサポーターズの皆さまにメッセージを頂きました。

■サポーターズの皆さまへのメッセージ

「いつもNoismを応援していただき、本当にありがとうございます。舞台の感想などお声をかけていただけること、とても励みになっています。
心に残る舞台をお届けできるよう邁進してまいりますので、これからもNoismの活動を応援していただけると幸いです」(井本星那)

…以上、「纏うNoism」第1回として井本星那さんをお送りしてきました。いつも気品あるダンスを見せてくれる井本さんが様々に纏う姿、如何でしたでしょうか。写真とコメントのみならず、その写真を選んだところに溢れる井本さんらしさもチャーミングそのものでしたね。井本さん、どうも有難うございました。

よろしければ、これまで当ブログでご紹介してきた井本さんの他の記事も併せてご覧ください。

 「私がダンスを始めた頃」④(井本星那さん)
 「ランチのNoism」#6(井本星那さん)

それでは、次回「纏うNoism」をお楽しみに♪

(shin)

「私がダンスを始めた頃」#22 糸川祐希

 幼い頃、あるテレビドラマの主題歌に合わせて何度も何度も踊っていたそうです。母がそれを見ていて「ダンスが向いているのでは?」と思い、3歳の頃にダンススクールに連れて行ってくれました。通い始めてから半年間は、恥ずかしがって母のそばから離れなかったそうです。先生や先輩のお兄さんお姉さんから辛抱強く声をかけてもらって、気がついた時はダンスに夢中になっていました。

子供の頃は様々なジャンルのダンス(ヒップホップやジャズなど)を習っていました。ここではダンサーとしての心構えや態度もたくさん学びました。


11歳の時に、先生や大人の方も踊るコンテンポラリーダンスの作品に出させていただく機会があり、その頃からプロのダンサーになりたいという気持ちが芽生え始め、バレエ学校に通い始めました。そこで出会ったバレエの先生から留学を進めていただき、スカラシップを得て2年半アメリカの学校でダンスを学びました。帰国後、バレエ学校で指導されていた先生の教室に入れていただき、そこで新潟にNoismというカンパニーがあると教えてくださいました。


こうして振り返ってみて、多くの先生方から踊りを教わり、機会をいただき、導かれて今ここにいるんだと改めて感じました。


今も応援してくださる恩師や家族には感謝しかありません。これからも感謝の気持ちを忘れず、舞踊と向き合っていきます。

(いとかわゆうき・2002年神奈川県生まれ)

インスタライヴで語られたNoism的「夏の思い出2022」

2022年9月25日(日)、2度目の3連休最後の日に金森さんと井関さんによるインスタライヴが配信され、Noism的に「てんこ盛り」状態だった今年の「夏の思い出」が振り返られました。アーカイヴが残されていますが、こちらでもごくごくかいつまんでご紹介を試みます。

☆「NHKバレエの饗宴」に関して
・中村祥子さんからの依頼によるもの。新潟でのクリエイションは2回。初日(3月?4月?)、パートナーの厚地康雄さんは(井関さんに源を発する噂を耳にしてか)大緊張。2回目にはもう出来上がっていて、「意外とサクッと出来た」(金森さん)
・舞台上での緊張感。「終わって舞台に走って行ったら、ふたりとも死にそうになってたもんね。ホントに怖かったんだろうなと思って」(井関さん)
1公演のみで収録のためのカメラが入る。「その瞬間を味わいたいのに、『これが残る』とかって考えてしまって」(井関さん)
・「あのふたりだから出来た」(井関さん)「本番、もうふたりしかいない。何が起こってもお互い助け合って、お互い委ねて、引っ張っていくしかない。その関係性がパ・ド・ドゥって良いよなぁって」(金森さん)
・「次世代の若い子たち、これから日本のバレエ界とか欧州でも活躍していくだろう子たちの『今』と直接話す機会もあったし良かった」(金森さん)

☆「聖地」利賀村に関して
・3年振りに行った利賀芸術公園(富山県南砺市利賀村)。作品を観るだけではなく、「心の師匠」鈴木忠志さんと話して、ドオーンとふたりで仰け反るような言葉を貰った。「この国に帰ってきて鈴木さんがいらっしゃったこと、鈴木さんがこれまでにやってこられたこと、その全てをこの国で実現できるんだということがどれほど勇気を与えてくれたか計り知れないし、今なお、鈴木さんが利賀でやられている活動、何より舞台芸術、作品を観たときに得られる感動、刺激、影響」(金森さん)「言葉で言えない。あの空間に入った瞬間、皮膚レベルで圧倒的な違いを感じる。刺激っていう言葉以外見つからない」(井関さん)「強めの、過剰なね」(金森さん)「過剰な刺激」(井関さん)
・来月(10月)、黒部市の野外劇場でのSCOT公演を初めてNoism1、Noism2みんなで観に行くことになった。「彼らが行きたいと言って、みんながまとまって、それが結果、全員だったってのが何より」(金森さん)
・「また絶対に踊りたい」(井関さん)「踊らせたい」(金森さん)「踊りましょ」(井関さん)

☆「SaLaD音楽祭2022」に関して
・『Sostenuto』:都響からいくつか候補が示された中からラフマニノフを選んだ。3月、『鬼』の創作中に、「歩いて」と言って井関さんに歩いて貰った金森さん、「OK!見えた。じゃあ5月まで」と。→『鬼』が固まってきた5月くらいに創作着手。
・クリスチャン・ツィメルマン(Pf.)・小澤征爾指揮・ボストン交響楽団のCDで創作したが、生演奏がどう来ようが、それによって作品が破綻しないように考えていたとして、「万が一、凄く遅く演奏されてもこれなら大丈夫。速くなったとしてもこれなら大丈夫」(金森さん)
・そのツィメルマンのCDも素晴らしいが、生には勝てないと口を揃えたおふたり。「生で聴いた瞬間にその世界に入っちゃう」(井関さん)「Noismと一緒に作るという感覚を持ってくれていて、その思いがそこにあるだけで唯一無二」(金森さん)「その瞬間しかできない。消えちゃうがゆえに美しさは半端ない」(井関さん)「音楽はデフォルトが無音。必ず静寂に向かう。静寂への向かい方が音楽の肝。それを感じるためには生じゃなきゃダメ。録音は時間的に定められている」と生演奏の醍醐味を語る金森さん。「このコラボレーションは続けていきたい」とおふたり、もうちょっとだけ舞台を拡げて欲しいという気持ちも共通。

☆新体制、新シーズン
・国際活動部門芸術監督・井関さん:「まだまだそこまでやれている実感はないが、役割分担もあるので、思ってたより大丈夫」「今はメンバーに伝えたいことを何のフィルターも通さずに話せるのが良いこと」(井関さん)「メンバーもこの体制になって、素直に聞けるようになったと思う。今は彼らの芸術活動の責任を担う芸術監督として言ってくれていると彼らも思える。見てると良い関係性だなと」(金森さん)

☆『Andante』の金森さん・井関さんヴァージョンを観る可能性は…
・「あれは彼らのために作ったものなので、彼らが踊っていくものなのですが」(井関さん)「できますよ、できますけど、100%無理なのが全身タイツで出るのは無理。多分、皆さんからも悲鳴が出るんじゃないかと。あれはやっぱり厚地くんの身体を以てして観られる、彼の身体という『作品』があるから」(金森さん)「踊りたいと思わないし、向き合い方が違う。彼らのために作って、彼らが美しく見えるようにやっているから」(井関さん)「期待には応えられない。皆さんの『あのふたりが踊ったら』という妄想がベストだと思う。それを超える実演は出来ない気がする」(金森さん)

等々…。ほか、夏を越えて次々壊れるおふたりの家電製品を巡る話も楽しくて、ホント笑えますし、新作に関する話や「兄ちゃん」小林十市さんについての話もあります。まだご覧になられていない方はこちらのリンクからアーカイヴでどうぞ。

(shin)

「私がダンスを始めた頃」#21 杉野可林

 動くことが大好きでいつも元気に走り回っていた私に母が何か習い事をさせようとしたのは4歳の頃でした。
 その時は体操教室も候補に挙がっていたようですが、幼稚園のお友達に誘われて先に体験に行ったバレエ教室で私は「楽しい!」とバレエを気に入り、そのまま習い始める事となりました。先生に褒めてもらえるのが嬉しかった事を覚えています。

左・杉野可林

 コンテンポラリーダンスに出会ったのは小学六年生の時でした。それまで踊ってきたバレエとは違い、表現の幅が広がっていく感覚があり、とても新鮮でした。
 内気で怖がりな性格ですが、実はふざけたり目立ったりしたい気持ちがあったようで、その時の映像を観るとかなり楽しんでいる私が映っていました。

右端・杉野可林
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_8883-300x199.jpg

 あの頃は、自分が新潟でプロとして踊るだなんて夢にも思っていませんでした。知らない世界、知らない感情、知らない自分に出会える舞踊とまだまだ向き合っていきたいと思います。

 己の限界を超える。

(すぎのかりん・1996年大阪府生まれ)

「SaLaD音楽祭2022」メインコンサートで魅せたNoism♪

*西日本各地で猛威を振るい、北上を続ける台風14号。被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

Twitterで金森(穣)さんの従兄弟の金森大輔さんが防災の観点からのツイートを多数続けて発信してくれている状況下でもあり、「行けるのだろうか?」「大丈夫なのか?」「見送るべきではないのか?」と不安な気持ちは否めませんでしたが、タイミング的に新潟・東京間の往復ならギリギリ何とかなりそうと、2022年9月19日(月)、東京は池袋の東京芸術劇場での「SaLaD音楽祭」メインコンサートを観に行ってきました。

時折、思い出したように激しく雨が路面を叩きつけていましたが、池袋駅から地下通路で繋がる東京芸術劇場は、傘の出番もなく、大助かりでした。

15時、コンサートホール。都響の楽団員が揃い、矢部達哉さんによるチューニングに続き、指揮の大野和士さんが姿を見せると、次いで上手側からNoism Company Niigata の7人が歩み出て来ました。順に樋浦瞳さん、糸川祐希さん、三好綾音さん、中尾洸太さん(センター)、井本星那さん、坪田光さん、杉野可林さんで、公開リハ初日とは樋浦さんと糸川さんのポジションが入れ替わっていました。ペルトの音楽による『Fratres I』横一列ヴァージョンです。都響による演奏はCD音源と較べても、弦の音が遥かに繊細に響き、その楽音を背中から受けて踊る面々の様子はいずれも最高度の集中を示して余りあるものでした。

ペルトの『Fratres ~ 弦楽と打楽器のための』に金森さんが振り付けた作品は、これまで、順に『Fratres III』まで観てきていますが、ここでその始原とも呼ぶべき『Fratres I』を、それも金森さんが踊らず、極めてシンプルな(一切のごまかしが利かぬ)横一列で観ることには、観る側にも初見時の緊張を思い出させられるものがあったと言いましょう。冒頭から暫く、上からの照明は踊る7人の顔を判然とさせず、黒い衣裳を纏った匿名性のなか、7人がNoism Company Niigataの「同士」であることのバトンを託されて踊る峻厳極まりない様子には瞬きすることさえ憚られました。

踊り終えて、下手側に引っ込んだ後、盛大な拍手のなか、大野さんに促されて再び姿を見せた7人。緊張から解き放たれ、安堵した表情を見たことで、こちらも頬が緩みました。それほどの厳しい空気感を作り出した11分間の舞踊だったと言えます。

その後、都響による華やかなウェーバー:歌劇『オベロン』序曲を挟んで、15時30分になると、再び、Noismのダンスを伴う、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第2楽章です。金森さんが振り付けた舞踊作品としてのタイトルは『Sostenuto』。同曲の発想記号からの命名です。

舞台の準備段階から、通常のピアノ協奏曲のときと異なり、指揮者の大野さんに正対してピアニストの江口玲さんが演奏するかたちでピアノが配置されたのが先ず印象的でした。先の『Fratres I』同様、オーケストラの手前でNoismが踊るのですが、その姿を捉えながら演奏する必要があってのことでしょう。

死、喪失、悲しみ、絶望…、そうしたものの果てに「音が保持され」、光や希望が見出され、人と人の時間が、或いは彼岸と此岸とが繋がれるに至る叙情的な作品『Sostenuto』、その世界初演。白い衣裳、白みがかった照明。井関佐和子さん、山田勇気さん、井本さん、三好さん、中尾さん、庄島さくらさん、庄島すみれさん、坪田さん、樋浦さんの9人によって踊られました。人ひとりが不在となることに胸が締め付けられつつ進み、最後に光や希望が見出され、思いが繋がるとき、涙腺は崩壊せざるを得ません。これまで幾度となく聴き、「ロシア的」と解してきたラフマニノフによる旋律が、この舞踊を想起することなしには聴けなくなってしまった感すら否めない胸に迫る濃密な叙情性。こちらも時間にすると11分ほどの小品ながら、忘れ難い印象を残す作品です。この先、いずれかの公演時にこの度と同じ完全な形での(再)上演が望まれます。

Noismの舞踊は僅か「11分×2」という短さながら、台風への不安を抑えて行った甲斐のあるこの度の「SaLaD音楽祭2022」でした。幸い、帰りの新幹線も無事運行しており、安全に帰宅できましたし。

この度の公演会場でも、Noismサポーターズの数名とお会いできましたし、開演前、そして途中休憩と終演後にも、浅海侑加さん(と彼女のお母様)にばったり出くわし、その都度、ちょっとずつお話しすることができ、何よりご結婚の祝いを直接お伝えできました。で、浅海さんからは「これを終えると、メンバーは明日(9/20)から一週間お休み」とお聞きしました。18thシーズンから19thシーズンへの移行期は色々とイヴェントが目白押しでメンバーはとても忙しかったことに改めて気づかされました。充分な期間とは言えないかもしれませんが、一週間ゆっくりして、再び新シーズンに臨んで欲しいと思いました。

(shin)

「SaLaD音楽祭」活動支援会員対象公開リハーサル初日(9/10・土)を観てきました♪

夏が舞い戻ってきたような感があり、強い日差しに汗ばむ2022年9月10日(土)の新潟市。りゅーとぴあのスタジオBまで、活動支援会員を対象とする「SaLaD音楽祭」にむけた公開リハーサル(初日)を観に行ってきました。

シーズンが改まり、メンバーも入れ替わったNoism Company Niigata。
(Noismボードの入れ替えも進んでいます。まだ完了していませんが…。)

9/19のメインコンサートにて、ペルトの『Fratres』とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第2楽章を東京都交響楽団の生演奏で踊るNoismですが、果たしてどんな面子で踊られるのか、興味津々でない者などいなかった筈です。

2分弱進んでいたスタジオBの時計が13:02を示す頃、つまりほぼ予定されていた時間通りに公開リハーサルは始まりました。

最初の演目『Fratres』(13:00~13:10)から。あの黒い衣裳を纏って、スタジオB内の上手側から一列に歩み出たのは、順に、糸川祐希さん、樋浦瞳さん、三好綾音さん、中尾洸太さん(センター)、井本星那さん、坪田光さん、杉野可林さんの7人。本番の狭いアクティング・エリアを考慮した「横一(列)ヴァージョン」(金森さん)です。
これまでも何度も観てきた作品ですが、間近で観ることで、手や足の動き、身体のバランスの推移などをガン見することができ、それはそれはこの上ない目のご馳走であり、ホントに興奮しながら見詰めていました。
あと、本番でも「降るもの」はないでしょうし、足をドンドンと踏みならす場面は演出が変更されていたことを記しておきたいと思います。

着替えを挟んで、もうひとつの演目・ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番より第2楽章(13:15~13:30)です。今度は先刻までと打って変わって、全員が白い衣裳に身を包んでいます。踊るのは、井関佐和子さん、山田勇気さん、井本さん、三好さん、中尾さん、庄島さくらさん、庄島すみれさん、坪田さん、樋浦さんの9人です。こちらは完全な新作で、この曲を都響から提案を受けてすぐ、「見えた」と金森さん。「丁度、バレエの恩師が亡くなった直後だったことで、思いを馳せながら創作した」のだそうです。見覚えのある小道具が効果的に用いられ、生と死、喪失の哀切と受け継がれていく思いが可視化されていきます。

体制も刷新されたNoism Company Niigataの19thシーズン、その劈頭の舞台「SaLaD音楽祭」。自らの、或いはNoismの活動を「文化、芸術を残していく闘い。願わくば、数十年後、例えば、ここが改修されていたりとかしても、その時代の舞踊家が躍動していて欲しい」と語った金森さん。「このふたつを持っていってきます」の言葉に力が込められていたのを聞き逃した者はいなかったでしょう。大きな拍手が送られましたから。

明日の日曜日、もう一日、公開リハーサルはあります。ご覧になられる方はどうぞお楽しみに♪そして「SaLaD音楽祭」メインコンサートでの本番の舞台のチケットをお持ちの方も期待値を上げて上げてお持ちください。

(shin)

演劇公演に行ったら…

庭劇団ペニノ新潟公演「笑顔の砦」作・演出:タニノクロウ
9月3日(土)18:00の回@りゅーとぴあ劇場 

アフタートークのゲストとして金森さんが登壇する回なので行ってきました♪
そしたらなんと折込配布チラシの中にこのようなものが!

Noism Company Niigata 冬公演 仮チラシ更新!
『Der Wanderer ーさすらい人』
演出振付:金森穣 音楽:シューベルト歌曲 
出演:Noism0、Noism1

速報!Noism Company Niigata 冬公演チラシ♪

「一人ひとりのメンバーソロから構成する」最新作。
そして、日程詳細も♪
どうぞご予定ください。
楽しみですね!

さて、肝心の演劇公演、なんというか、舞台セットを含め、徹底したリアリズムに驚きました。アフタートークでは金森さんも「人の家の中をリアルに見ているような」と話されました。それもそのはず、出演者はセットの中に住み込んで稽古していたのだそうです!
特に取り立てて何も起こらない他者の日常生活を傍観しているうちに、徐々に没入していったという金森さん。そのきっかけは、「二つの部屋のそれぞれの主人が一人だけになった時、自他の境界が崩れたところに惹かれた」とのこと。精神のリアルが提示されて面白かったそうです。さすが金森さん。

ほかにもタニノさんの面白変人ぶりがわかるビックリするようなお話がたくさんあり(そのお話を引き出す金森さんの方が司会者のよう)楽しい20分間でした♪
金森さんとタニノさんは全くの初対面で、打ち合わせも無く、終演後に舞台袖で会ったのが初顔合わせだそうですよ。
終了後、山田勇気さん、浅海侑加さんほか、Noism1・2メンバー数名、お見かけしました♪

(fullmoon)

Noism Company Niigata新体制 就任記者会見 開催♪

雨の一日となった、2022年9月1日。
Noism Company Niigataの新たなシーズン(19thシーズン)が始まりました!
シーズン開始にあたり、金森穣 芸術総監督、井関佐和子 国際活動部門芸術監督、山田勇気 地域活動部門芸術監督の就任記者会見が行われました。

2022年9月1日(木)15:00-15:45@りゅーとぴあ能楽堂ホワイエ
登壇者:
金森穣(Noism Company Niigata 芸術総監督)
井関佐和子(Noism Company Niigata 国際活動部門芸術監督)
山田勇気(Noism Company Niigata 地域活動部門芸術監督)
19thシーズンNoism Company Niigataメンバー全員

金森さん、井関さん、山田さんの順に就任の抱負を話されました。
金森さんは、
「2部門制になり、国際部門と地域部門を二人に任せることで、Noismは更に飛躍できると思う。何かあれば相談は受けるが、基本は任せて、自分は俯瞰して見ていきたい。井関にはNoism0,1を任せ、山田にはNoism2を一任する。現在、すでに二人が選んだメンバーになっている。
自分はレジデンシャル制度を成熟させていきたい。大きな視座に立って、Noismを導いていきたい」と話されました。

井関さんは、
「国際部門というと海外関係と思われがちだが、国内外という意味であり、初年度は内側の充実を図っていきたい。新潟からNoismのことを言葉と身体で発信していく。
先シーズンは鼓童と共演して新潟・東京圏以外の地域でも公演し、それぞれの地域の人たちの感じ方を味わった。Noismを知らない人たちにもNoismを知ってもらえるように届けていきたい」と話され、井関さんからNoism1メンバーの紹介がありました。

続いて山田さんは、まず先にNoism2メンバーを紹介してから、
「これまでもやってきたが、より一層、地域に貢献する活動を集中してやる。まずは小学校へのアウトリーチを増やして充実させたい。そしてオープンクラスを担当するので、Noismが培ってきた身体知を広めたい。皆さんには観るだけではなく体験してほしい。
そして研修生カンパニーであるNoism2を担当する。メンバーは夢と理想を持ってここに来るが、現実にぶつかり自分自身と向き合わざるを得ない。技術的なことだけでなく身も心も成長してほしい。2、3年で研修を終えそれぞれの道に進んで行く。一瞬の夢に賭けるメンバーを応援してほしい。地域の人たちに愛される集団になってほしい」と話されました。

以下は質疑応答からの抜粋です。
金森:レジデンシャル制度は、新潟市の行政が文化政策として芸術活動を担う、劇場文化の新しい形。これまで日本には前例が無い。行政と財団とNoismが地域の文化を担う。3者で相談しながら、5年以内に、他の地域にも取り入れられる汎用性のある制度にしていきたい。それはかなりハードルが高いことだが、それだけに献身する意義がある。

井関:市と財団とNoismの3者は対等である。その中のひとつであるNoism内側の体制を強化していきたい。舞踊家は自覚と責任とプライドを持ってほしい。Noism1がどのくらい実力をつけていけるかが勝負。
個人的には公演では、芸術監督ではなく一舞踊家として踊る。芸術監督としてこんなふうに出なくてもいいように、Noism1メンバーに前に出てほしい。いずれ引き継ぎたい。

山田:劇場に舞踊家がいることによって、いろいろ役にたつことができる。皆さんからも声を掛けてほしい。以前、市の人から海岸清掃を依頼されたとき、「こんなことを頼んでもいいんですか?」という雰囲気だった。もちろんできないこともあるが、こちらが思いつかないようなこともあるので、なんでも提案してほしい。地域のいろいろな人たちと繋がっていきたい。

金森:公演は海外からのオファーもある。コロナがもう少し落ち着いたら新潟の外に出たい。地域と、地球の裏側の両方で活躍する舞踊団が新潟にある。それは素晴らしいこと。私だけの夢や妄想ではなく、市民の皆さんと共有したい。

★メンバーのひと言(皆さん、恵まれた環境と応援に感謝していました)
Noism1
井本星那 Sena IMOTO:Noismとしての自覚を持ってやっていきたい。
三好綾音 Rio MIYOSHI:クオリティの高い公演を届けられるように精進する。
中尾洸太 Kota NAKAO:観に来てほしい。高みを目指し、伝えられることを増やしたい。
庄島さくら Sakura SHOJIMA:Noismらしく、且つ自分らしく踊りたい。
庄島すみれ Sumire SHOJIMA:たくさんの人に公演を観に来てほしい。
坪田光 Hikaru TSUBOTA:責任とプライドを持って邁進していけるように努力する。
樋浦瞳 Akira HIURA:新潟市出身で中3の時、Noismを観た。憧れの場所にいる。市民に興味を持ってもらえるように、身体でがんばって伝えていきたい。
杉野可林 Karin SUGINO(都合により欠席)
糸川祐希 Yuki ITOKAWA:プロの自覚を持ってがんばっていきたい。
凖メンバー
横山ひかり Hikari YOKOYAMA:舞踊の力を届けられるように精進したい。

Noism2リハーサル監督・Noism1
浅海侑加 Yuka ASAUMI:Noism2メンバーと一緒に活動していく。新たなことにチャレンジしたい。
(浅海さんはNoism1メンバーとして公演に出演することもあります)

Noism2
兼述育見 Ikumi KANENOBU:心も身体も成長したい。
土屋景衣子 Keiko TSUCHIYA:自覚と責任を持ってがんばる。
渡部梨乃 Rino WATABE:自分と向き合い、闘い、精進する。視野を広く持ち、市民と繋がり、いい踊りと思われるようにしたい。
太田菜月 Natsuki OTA:ひとつでも多くのことを学びたい。
河村アズリ Azuri KAWAMURA:心と身体を強くしたい。
佐藤萌子 Moeko SATO:自分と向き合って、上を目指したい。
高田季歩 Kiho TAKADA:目の前にあることに一つひとつ取組み、精進していきたい。
村上莉瑚 Riko MURAKAMI:心身の中から伝わるような表現ができるように努力したい。

新たな決意の新生Noism Company Niigata。まさにシビックプライド!
ますます応援して参りましょう!

(fullmoon)
(photos by aqua)