「えええっ!こっ、これは!」魂が震えた「会いに行けるマレビト」・Noism『マレビトの歌』埼玉2デイズ初日♪

2025年12月20日(土)午前、新潟から新幹線に乗車。湯沢を通過するとき、車窓から外に目をやっても、全く積雪がなく、「今って12月だよね、確か」みたいな感覚の攪乱に見舞われつつ、大宮を目指しました。

感覚の攪乱…、少し別種のものにはなりますが、2週間前、新潟でのNoism『マレビトの歌』3公演でも連日体感したことは鮮やかに記憶に、この身に刻まれています。大きな感動を伴う強烈な没入感に、「ここはどこ?今はいつ?」のような、そんな心地よい感覚の攪乱でした。

それが2週間前。その際の極めて上質な余韻が忘れ難く、再びそれに浸りたいという思いで、この度の埼玉の舞台を待っていたそんな気持ちもありました。

与野本町の彩の国さいたま芸術劇場に着くと、東京からのNoismファン仲間、新潟のNoismサポーターズ仲間と期待感を共有しながら言葉を交わしました。

開場時間になり、ホワイエに進みます。漂う華やかな雰囲気。金森さんのお父様、それから宮前義之さんの姿も見られます。物販コーナーには、Noism2リハーサル監督・浅海侑加さんに加えて、Noism地域活動部門芸術監督・山田勇気さんもおられました。

靴下屋さんとのコラボ靴下は、メンズは完売と聞きましたし、レディースも残り僅かとのことです。

さて、『マレビトの歌』埼玉2デイズ初日の舞台です。詳しくは書けません。書きません。でも、でもです。書かなければならないこともあります。それはこの埼玉公演を前にして、金森さんが彩の国さいたま芸術劇場の舞台が有する奥行きの深さについて触れ、「『埼玉ヴァージョン』が出来た」と語った(SNSで呟いた)ことに関わるものです。つまり、新潟とは異なる部分があるのです。それも作品の印象を大きく違えることになる箇所で!「えええっ!こっ、これは!」って具合なのです。

舞台の特性を最大限に活かしたその「埼玉ヴァージョン」。それは客席を圧倒しまくり、観客はひとり残らず、魂が震えるのみだった様子。ここ埼玉の地でも、ラスト、緞帳が下り切ってもなお、拍手することが躊躇われる者たちばかりで、深い感動の静寂が濃い密度で覆い被さる場内、息さえ殺してカーテンコールを待つ、という結末が待っていたのでした。新潟公演初日から続く光景です。もう奇跡にも思われてきます。そこから一転しての盛大な拍手、スタンディングオベーション、そして「ブラボー!」の掛け声、その鮮やかな対比。

約60分のマチネ。そんな奇跡に浸らせてくれるNoismという「マレビト」。しかし、それはほぼ誰もが「会いに行けるマレビト」(そんなふうに言うと、何やら撞着語法、或いは、形容矛盾のようでもありますが、)なのです。1日を24分割した僅かな時間を割くことを選択しさえすれば、確実に生涯にわたる感動を与えてくれる奇跡のような「会いに行けるマレビト」。今日また、60分を差し出したところ、大きな驚きとともに、魂を震わせられる体験が待っていた訳です。埼玉を訪れることを選択した自分を褒めてあげたい気持ちもあります。

私は明日も同じ選択をします。恐らく、Noismという「会いに行けるマレビト」はまた、その圧倒的な身体で、私の予想など遥かに凌駕する感動を与えてくれることでしょう。しかし、感動は折り込み済みであっても、その大きさに打ち震える時間は体感することのみの得難いものです。「踊ることでしか伝えられないこと」(金森さん)に目を晒し、心を揺さぶられる選択が出来る、この度の機会も残すところもう明日一日。会いに行きませんか。確実にそこにいる、類い稀なる「マレビト」に。それは今年を締め括るに足る、そして永く忘れられない舞台になると断言しましょう。当日券もありますので、是非。

(shin)

「このレベルの舞台って、そうそう見られるものじゃないでしょ」Noism0+Noism1『マレビトの歌』新潟公演楽日

「待つ日々は長かったというのに、一旦、幕があがってしまうと、こんなに早く楽日を迎えてしまうんだな」そんな思いが込み上げている2025年12月7日(日)の今は、既に『マレビトの歌』新潟公演楽日の幕が下りてしまっている宵。新潟の3公演は全て過去のものとなってしまっている訳です。

物凄いものを観た感の新潟公演楽日。初日も良くて、中日も更に良かったのに、それを更に凌駕してきた、そんな楽日でした。

ここ2日間、書き記してきた終演時の拍手が始まったタイミングですが、この日は更に「超えてきた」ことに驚きを禁じ得ません。楽日の新潟は、緞帳が下り切った後も拍手しようとする者がなかっただけでなく、カーテンコールのために、上がる緞帳の下、徐々に舞台上の光が一筋のラインとなって見え始めてから、何なら、カーテンコールに並んだ舞踊家たちの脚部が見え始める頃になってから、漸く、観客みんなが「禁」或いは非日常の「魔法」が解けでもしたかのように、一斉に拍手が湧き起こったような感じだったのです。それまでの慎み深さ転じての、それはもう盛大な拍手でした。

「ブラボー!」の声も飛び交いましたし、スタンディングオベーションも凄かったように思います。(最前列にいて、振り返ることはしなかったので、空気感として感じた限りですが、間違いはなかったでしょう。)カーテンコールは客電がついて後もなお、続きました。

強度のある身体に、強度のある作品。様々な場所での上演を経ての凱旋公演、練度も上がっています。そして、同時にとても新鮮であることが嘘のように両立しているのです。舞踊への献身が結実した一期一会の凄さに圧倒されました。「このレベルの舞台って、そうそう見られるものじゃないでしょ」正直、そう思いました。否、思います。

前日のアフタートークで、Noism1メンバーの幾人もが異口同音に語ったこと、「どう挑むか、その日によって違って楽しい」「踊るたびに違う気持ち」。舞踊家がそうなら、観客も同じ筈でしょう。新潟の3公演、(情報量の多さもありますが、)毎日、新たな発見をしつつ舞台を見詰めました。そして/しかし、毎日、心揺さぶられた感動が超弩級のものであった点で一緒なのです。

数ヶ月前に、時間を割いて見る選択をしたことから始まり、公演時期を迎え、実際に足を運んで見詰めてみると、毎回、心を鷲掴みにされ、ぶんぶん振り回された感のある『マレビトの歌』。その得難さを思います。自分の生の時間から、いくばくか切り出して費やす以上、優れた芸術との邂逅は、そのまま自分の生を愛でることと同義となる、そんなことが心底実感出来たのです。決して大袈裟でも何でもなく…。

見終えて、数時間が経ちますが、余韻は後を引き、「過去形」に収まろうとする気配もありません。(埼玉公演のチケットも購入している事情があるだけではなく、)それこそ、この稀に見る舞台の力がなせる業と見て間違いありません。

感動が大き過ぎて、それがダダ漏れした記事になってしまいました。申し訳ありません。でも、ご覧になられたら、無理もないこととお分かり頂けるものと思いますので、どうかひとつご容赦願います。

この『マレビトの歌』、埼玉公演はほぼ2週間後、12月20日(土)、21日(日)の2デイズ。もう皆さん、心おきなく(?)、ぶんぶん振り回されちゃってください(笑)。

ここからは、グッズ情報です。「靴下屋」さんとのコラボソックスですが、Noism2リハーサル監督の浅海侑加さんによりますと、「売り切れ」となった色もあるとのことでした。(更にロゴ入りTシャツも「売り切れ」サイズがあるようです。)埼玉でのご購入をお考えの向きは、どうぞお早めに物販コーナーを目指されてください。

で、そのコラボソックスに関するならば、この日も「ない訳にはいかない」ということで、(無理を言って)その浅海さんの足元(失礼!)と全身とを写させていただきました。どうぞご覧ください。

浅海さんの素敵な笑顔の画像をご覧頂きながら、この日のブログは終わりと致します。それではまた。

(shin)

Noismというマレビト、その身体に徹頭徹尾魅了され尽くした客席♪(『マレビトの歌』新潟公演中日)

前日、劇場版としてその全貌を現した『マレビトの歌』ですが、明けて2025年12月6日(土)にも、それが有する力能を遺憾なく解放して、会場を大きな感動で包み込みました。それを可能にしたものは、勿論、Noism0とNoism1の舞踊家全員の圧巻のパフォーマンスであったことは言を俟ちません。踊るほどに発光するかのような身体、そして身体。アルヴォ・ペルトの音楽に乗って、舞台上は一切夾雑物のない『マレビトの歌』の世界観で染め上げられていきました。そして放たれた濃密な空気が客席の全ての隅にまで及ぶことになります。

初夏と冬、年に2度のみ訪れるNoismというマレビトが、この日、その舞踊家の身体で徹頭徹尾客席を魅了し尽くしたと言えます。

深く長い余韻を残すラストシーン、やがて緞帳が下りてきます。そして遂にそれが下り切ってしまっても、まだ拍手は出ません。前日と同様に。しかし、この日が前日と異なったのはその後でした。劇場内を覆い尽くした未だ張り詰めた空気のなか、誰ひとりとして、静寂を破ろうとする「勇者」(なのか?)は現れません。静まり返ったままの場内に、その静けさの故に、緞帳の向こう側、舞台上、カーテンコールに備えて並ぼうとする舞踊家たちの足音や衣擦れの音が聞こえてきます。それをきっかけにして、漸く、まるで金縛りが解けたかのように、大きな拍手が湧き起こったのでした。それは再び緞帳が上がる直前だったように記憶しています。私たちはそんな奇跡のような、濃密この上ない空気と時間とを体験し、共有したのでした。

今日のブログは、主にアフタートークのご紹介かなと思っておりましたので、少し先を急ぎ過ぎた感もありますね。それ以外のことも書き残しておきたいと思います。

「靴下屋さん」とのコラボソックスに関しては、Noism2リハーサル監督の浅海侑加さんが前日とはがらり雰囲気を異にしながらも、物販コーナーにて、素敵な笑顔で販促に努めておられました。

そして、入場時に手渡されるチラシのなか、皆さんに手渡されるもののひとつに、「さわさわ会」の会報誌(vol.10)もあります。表紙を含む全12頁には、井関さん(とNoism)の魅力がたっぷりで、美しい一冊です。

ここからはこの日の終演後に開催されたアフタートークについてのご紹介を試みようと思います。(寄る年波、聞きながらメモするのがちょっとままならなくなってきてしまってます(涙)。かいつまんでのお届けということでご了承ください。)

この日は『マレビトの歌』を踊ったNoism1の舞踊家10人が登壇してのアフタートークです。舞台上、下手(しもて)側から、順に、司会の上杉晴香さん(Noismスタッフ)、坪田光さん、樋浦瞳さん、庄島さくらさん、庄島すみれさん、春木有紗さん、中尾洸太さん、兼述育見さん、糸川祐希さん、松永樹志さん、そして一番上手(かみて)に太田菜月さんが並び、18:14にアフタートークは始まりました。

Q1: 音楽のアルヴォ・ペルトを知ったのはいつ頃か?どのようにして知ったか?
 -坪田光さん
 これがペルトと知ったのは、『Fratres III』で、初めて曲と世界観に触れた。みんなの中央で、ひとりで踊る穣さん(金森さん)の姿に、もう恐ろしいなと思った。
 樋浦瞳さん 穣さんが帰国して、Noismが作られる前、『ノマディック・プロジェクト』のDVDで。
 -司会・上杉さん: 因みに、このなかに『Fratres I』を踊った人はいません。
 中尾洸太さん 『春の祭典』・『Fratres III』・『Adagio Assai』のとき。みんなが踊っているなか、ひとりポンッと入って、「やれっ!」って感じだったので、知った瞬間は特に考える余裕もなく、忙殺されていた。今は毎年、やっていて、聴くところ、聴き方が変わってきている。聞こえ方が変わると、踊りも変わる。

Q2: スロベニア公演で『マレビトの歌』はどのように評されたのか?
 -司会・上杉さん: スロベニア日刊新聞に、東洋と西洋の融合。見たこともない身体表現。「マレビト」は外から来る未知のもので、不安を伴う。強い説得力をもち、考えさせられた。身体の動きが揃っていたことも印象的、と。
 糸川祐希さん 直接、現地の人とのやりとりこそなかったが、集団性のあるカンパニーと受け取られたことに、こういう作品はそうそうないのだなという手応えを感じ、自信に繋がった。
 庄島さくらさん 海外にいた頃の友人のご両親から、なかなか見ることのない作品で、容易には言い表せないものがあるが、(音楽・照明を含めて)舞台の世界観が凄い、と。

Q3: 『マレビトの歌』、黒部、利賀、スロベニアと実演を重ねてきての変化は?
 -庄島さくらさん: 『マレビト』全て踊ってきているが、毎回違っている。今回だと、「火皿」や背景。人が灯した火の皿の意味、儀式、「導く」など、違った意味が増えて、新しい解釈で臨んだ。
 庄島すみれさん スロベニアは縦長で広い舞台だった。舞台も違うし、ストーリー性もちょっとずつ違ってきている。穣さんのなかでも、黒部での初演時とは変化が出て来ているのかなぁと。
 松永樹志さん 今回、初参加。踊るたびに違う気持ち。毎回新鮮な感じ。

Q4: スロベニア公演と新潟公演に関して
 太田菜月さん 5年目になる新潟は慣れ親しんだ場所。地面も空気も空も全てが心に落とし込まれている。対して、スロベニアでは心がザワザワした。慣れるのに少し時間がかかったが、踊るのが好きなので、舞台はどこでも落ち着く場所。
 兼述育見さん 慣れることと踊ることの両立に時間がかかった。あわあわしているうちに本番になり、雑念が多かった。新潟ではルーティーンでやれるが、同時に、緊張するし、気配が怖くなったりもする。
 春木有紗さん 新潟では、幕がしまっていても、直前になると静かになるが、スロベニアは、直前になってもざわざわ集中していないので、ルーティーンが崩されていった。新しい発見があり、体感した。

Q5: 一人ひとり進化が感じられる。身体の変化や身体への思いを聞かせて欲しい。
 -坪田光さん: 作品毎に筋肉も、精神的にも変わってきている。『マレビトの歌』は「外」からの影響。それにどう挑むか、その日によって違って楽しい。
 -樋浦瞳さん: 今日の踊りで気付いたことだが、目が合うときに、その人の身体、自分の身体を感じる。その瞬間、ビビっと感じるのが楽しい。
 -庄島さくらさん: 現在、35歳。若い頃は全力を注いで踊っていたが、今は、「ここは40%、ここは30%」等と、身体と思考を分散させて見えるようになってきた。
 -庄島すみれさん: 『Fratres』のハードルは高かった。中に入って踊るのは衝撃だった。今は、「ここはどう踊ろう」という気持ちに。目が合うと、やはり良いなと思う。
 -春木有紗さん: 『マレビトの歌』は自分にとって特別な作品。黒部でNoism2としても、準メンバーとしても、Noism1としても踊っている。見ていられない踊りしかしていなかったなと。
 -中尾洸太さん: 自分に、そして相手に集中するだけ。ただただ生き切るだけ。眠れない夜もあるが、それも愛して舞台に立つ。
 -兼述育見さん: ストーリーはないが、一つひとつの動きを、誰に対して何を見せたくて、どう動くのか、大切にしなくちゃいけないと感じている。
 -糸川祐希さん: これまでも新しい発見をしてきた。これからも怠らず、進化し続けたい。
 -松永樹志さん: 3年目。本番にどう集中していくか考えて臨んできた。今は、本番直前までなるべくぼうっとしていることにした。そうでないと、アドレナリンが出過ぎてしまって、もたなくなる。今は作品に集中出来ている。
 -太田菜月さん: 『マレビトの歌』のフード、視覚が削られる。ダンサーとして、人間として、感覚が磨かれる。普段から明るいキャラクターだが、自分も本番前はぼうっとしている。今日はそれがちょっと上手くいったかなと。

…と、18:46に終了したこの日のアフタートークですが、まあそんな感じだったでしょうか。

待ちに待った『マレビトの歌』公演ですが、早いもので、新潟公演は12/7が楽日、全5公演の折り返しとなります。Noismにとっても熟成に熟成を重ねてきた、正真正銘エポックメイキングな舞台です。ストーリーがないにも拘わらず、突出した身体がもたらす説得力は目撃してみなければ、想像し得ないものと言い切りましょう。

また同時に、見詰める私たち一人ひとりがどのような見方で臨もうとも、全ての見方を許容してしまう強靭な包容力、或いは強度を有する類い稀なる舞台とも言い切りましょう。

これまでのNoismの歩みがここに収斂し、この先のNoismの歩みはここから始まることになるのだろう、そんな舞台です。『マレビトの歌』、どうぞお見逃しなく!

(shin)

金森さんが語った「これを見ずして…」をまざまざ実感!新たな代表作『マレビトの歌』新潟公演初日♪

12月5日(金)、寒波襲来の予報に少したじろぎを覚えて迎えたこの日でしたが、新潟市は降雪も積雪も「この冬初めて」だったという事情を別にすれば、その雪自体は概ね大過なく過ごせる程度のものだったことに胸を撫で下ろしました。

ですから、この日、身中に感じた疼きにも似た落ち着かなさは、雪からくるものではなく、紛れもなく、Noism0+Noism1『マレビトの歌』新潟公演初日にまみえることからくるものだったことは明らかです。前回のブログ記事でご紹介した金森さんの「これを見ずに、今後、Noismを語るのはだいぶモグリ」という言葉に大きな期待を掻き立てられていたのでした。

開場時間の18:30を迎え、ホワイエまで進みます。すると、こちらに笑顔を向け、素敵なスカートの裾を少しだけ持ち上げて「足元」を見せてくださるNoism2リハーサル監督・浅海侑加さんの姿が目に飛び込んできました。引き寄せられるとはこのこと、それも呆気なく。

浅海さんがおられたのは物販コーナー。並べられた「靴下屋」さんとのコラボソックスはどれも素敵で、連れ合いとふたり迷いながらも、限定色のなかからレディース(各1200円)とメンズ(各1500円)を2足ずつお買い上げ。次いで、その横のスタンプコーナーへ移動して、無事、「Noism20周年記念冊子」の表紙に今年のスタンプ3つを追加。それでまずは開演前のミッション・クリアと相成りました♪

開演時間が迫ってきて、客席につきますと、緞帳の手前、上手(かみて)と下手(しもて)にそれぞれひとつずつの「火皿(ひざら)」が見えます。雰囲気たっぷりです。

19:03、客電が落ち、『マレビトの歌』の幕があがりました。上手側に金森さんと井関さんの姿。「ふたり」の踊り(デュオ)であることは理解しているのですが、その絡み合う身体は「ふたつ」としてよりかは、容易には信じられないレベルで「ひとつ」といった印象に映り、冒頭にして既に目を圧倒してきます。

そこからの約1時間、明確なストーリーこそありませんが、アルヴォ・ペルトの音楽と一体化して立ち現れてくる「ナニモノカ」は、見詰める目を虜にして離しません。

この日は最前列中央の席で観たのですが、アクティング・エリアとは照明機材によって隔てられているのみの地続きだったため、没入感には半端ないものがありました。(俯瞰で観るのもまた違った雰囲気を楽しめるものと思います。)

確かにひとつのストーリーに収斂することはないのかもしれませんが、それでも、私は安易にブルース・リーの有名な言葉「Don’t think! Feel!(考えるな!感じろ!)」に寄りかかり過ぎることは好みません。(フードを被る/頭部を露わにする、或いは、黒い衣裳を脱ぐ/着る、それだけをとっても)極めて理知的に構成されていることは確かです。(それもかなり高度にです。)考えることをやすやすと放棄してしまいたくはないので、浴びて浸りながら、考えようともしてみます。しかし、次々繰り出される動きに虜にされた両目は、頭が考えるより以前に、もう納得させられてしまっているのです。それこそ、金森さんも井関さんも口にする今作の「強度」のゆえだと言えます。激しくも、繊細で、そして何よりも美しいのですから。「これを見ずして…」の言葉、まさに、まさにです。もうこれは必見以外の何物でもありません。

ラスト、全てが終わり、緞帳が下り切ってもなお、圧倒され尽くした私たち客席は暫く静まり返ったままで、拍手することすらままならない心境を共有していたと言えます。静寂を破ることが躊躇われた稀有なる体験。放心状態の自分がいました。その後も「ブラボー!」も叫べず、腰をおろしたまま拍手するだけでもう精一杯という私…。

物凄いものを観た、そう思っています。

この新たな代表作『マレビトの歌』、見逃してしまっては勿体ないというものです。チケットはまだ発売中です。是非、ご覧ください。また、新潟公演中日(12/6)には、出演したNoism1メンバー全員が登壇してのアフタートークもあります。彼らが何を語るか、とても興味深いものがありますよね。そちらも是非です。

それから、入場時に手渡されるチラシのなかに私たちNoismサポーターズUnofficialからの「Information #13」も含まれています。金森さん、井関さん、そして山田勇気さんの言葉に加えて、この度、Noism1に昇格された松永樹志さん春木有紗さんからお伺いしたお話も掲載しております。手に取ってご覧頂けましたら幸いです。

あっ、そうそう、それに関してもうひとつだけ。感動に浸りながら、〈劇場〉を後にして出口に向かっていますと、そこで前方を通りかかった人物に目が釘付けになります。「あれ?似ている?えっ?やっぱりそうだよ。本人じゃん!」と。それは早くもNoismロゴ入りジャージに着替えを済ませた松永樹志さんでした!ご挨拶してから、短時間でしたが、ご本人に直接、感動をお伝えする機会が持てたことも嬉しいハプニングでした。

『セレネ、あるいはマレビトの歌』から深化と進化を遂げて、劇場版の『マレビトの歌』となって届けられた本作。以後、紛れもなく、Noism屈指の名作の評判を欲しいままにすることでしょう。最後にもう一度、「この類い稀なる舞台、くれぐれもお見逃しなく!」とだけ。

(shin)

「アース・セレブレーション2024」2日目【特別フリンジ】鼓童✕Noism2に行ってきました!

8/17(土)、少し雲がかかることもありますが、今日も概ね晴れのよいお天気。
本日の特別フリンジは15時半から15分間のみの貴重な公演です。

14時頃、会場の三角公園に着きましたがカンカン照りでキビシイ〜
しかし、14時半を過ぎるとやや曇ってきて、ステージの上も暗雲が! 雨が降る感じではないので、このまま曇っていてくれるとありがたいな〜♪

フリンジ出演の前の団体が終わり、観客の移動があったので、その隙になんとか最前列の席を確保!
最前列は陽が当たって焦げる熱さでしたが、曇ったのでラッキーでした♪

15時頃、早くも出演者がやってきました!「Noism2の母」モンちゃさんもご子息と登場♪

Noism2メンバーと鼓童さんたちが早めに来たのは、なんと、その場でリハーサルというか、場当たりをするため。
特別サービスではありませんが、うれしいですね〜♪

司会は昨日に引き続き、鼓童の木村佑太さん。
今日もインタビューがあるので、まずはその並び方から。
そのあと鼓童さんと共演する曲の場当たりと続きます。
リハーサルなので浅海侑加さんも指導に入ります。貴重シーンですね♪
とはいえ、リハはササッと終わってしまいました。。

しばし待つ間に空は晴れ・・・
カンカン照りの夏空の下、明るく公演が始まりました!
まずは『砕波』!
鼓童の曲で、金森さんの振付です。


昨日のあゆす会館でも観ましたが、なんとまあ、全く別物です! いったいどうなっているのでしょう!?
今日の方がノリがいいようですが、屋内と屋外では雰囲気が違いすぎてビックリしました!
音楽はCDでしたが、最後の方が少し短縮されたバージョンでした。
ブラボー!!

そのあと、木村佑太さんによるインタビューです。今日は少し砕けた質問をしたいと言っていた木村さんですが、砕けた質問にも真面目な答えのメンバーに苦笑するしかない木村さんでした。2年目の4名がインタビューに応えました♪

最後の曲は鼓童さんとのコラボです。おなじみの『紫』!
鼓童の曲で、山田勇気さんの振付です。


この作品は去年も一昨年もフリンジ公演で踊られました。明るく楽しい楽曲ですが、ゆく夏を惜しむような哀調を帯びた響きも感じられます。
この『紫』は配信&アーカイブがあるようですので、ぜひご覧くださいね!
(→こちらからどうぞ。6分半強の動画となります。)

『紫』が華々しく終了して拍手喝采!!
全員で写真撮影です♪
すばらしい舞台をどうもありがとう!
河村アズリさんと川添愛美莉さんはこの公演が最後になります(涙)。
これからも新しい道で前に進んでいってくださいね!

今シーズンのNoism2、全公演無事終了しました♪
浅海侑加さん、メンバーの皆さん、おつかれさまでした!

さて、次(今週末)は利賀でNoism0+Noism1『めまい』ですよ〜✨
Noismの夏は、まだまだ続きます!
次は利賀でお会いしましょう♪

(fullmoon)

「アース・セレブレーション2024」鼓童研修生✕Noism2 に行ってきました!

8/16(金)、晴れて朝から気温が高い中、佐渡汽船ジェットフォイルに乗って、まずは両津へ!


アース・セレブレーションは小木で開催されます。両津から小木へ、私は路線バス移動で、遠路はるばる、なかなかですよ〜(^_^;)

Noism2を追いかけて、鼓童共演 連続3年!
本日の会場は、あゆす会館。初めての屋内会場で、体育館のような施設です。冷房が効いていてよかった!


「Noism2の母」モンちゃさんと開場前に落ち合い(モンちゃさんはご実家から小木航路)、2人で最前列ほぼ中央をゲット!
暑い中30分並んだ甲斐がありました。前方はゴザ敷で後方は椅子席。あっという間に超満員です。
録画録音・写真撮影禁止とのことなので、写真は開演前の様子を撮りました。


鼓童公式の方で生配信&アーカイブを残すというお話でしたので、どうぞご覧くださいね♪
(→そのアーカイブ、約29分です。こちらからどうぞ。)

13時30分、いよいよ開演。司会は鼓童の木村佑太さん。
オープニングは、鼓童研修2年生の6名による「うねり」という曲。太鼓の音はやはりスゴイ迫力です!
演奏が終わると自己紹介&司会者によるインタビュー♪
そのあとは、2年生による新作「チャンカ」。冬の思い出の曲だそうですが、ますますのド迫力に拍手喝采!
そして、研修所 所長のガンさんが登場し、心温まるお話の数々を話してくださいました。

そのあといよいよNoism2、11名が登場!
黒い衣裳に身を包み、踊るは『砕波』! 音楽は鼓童のCDです。
『砕波』はこれまでにも何度か見ていますが、その度に踊り手もシチュエーションも違うので、いつもとても新鮮です。今回も今のNoism2らしさが出ているなあと思いました。皆さん仲が良さそうですね♪
『砕波』のあとは、Noism2リハーサル監督 浅海侑加さんが登場♪
Noismの紹介やNoism2への思いを話されました。「今だからこそできる経験を、今後の人生に繋げていってほしい」というお話にメンバーへの愛を感じました。
それからNoism2メンバーの自己紹介があり、引き続きメンバーによるNoism紹介が2,3人ずつのメンバーに分かれて手際よく行われました♪ りゅーとぴあのこと、毎日の練習スケジュールやNoismメソッド・バレエ、アウトリーチ、WS、定期公演、20周年公演、そしてアース・セレブレーションのこと等々、とてもうまくまとめて、実演も交え、次々に紹介してくれました♪

そして最後は研修生同士のコラボレーション、鼓童の曲に山田勇気さんが振付をした『屋台囃子』です! いよっ、待ってました!
昨夏の三角公園フリンジ会場での熱演が思い出されましたが、それに負けない熱い舞踊に心震えました。
鼓童さん、ありがとう。こうやってNoism2の舞も受け継がれていくのだなあと思いました。

終わったあとは全員そろってのコラボ感想。楽しかった、豪華だった、緊張した、調和がとれた、音と踊りが一緒になれた、等々、胸の鼓動がさめやらぬ感激の感想でした。モンちゃさん、感涙!

終演後は観客を出口でお見送りまでしてくれて、ホント、うれしい楽しい研修生コラボ公演でした♪

明日は三角公園フリンジ会場で鼓童正メンバーとのコラボです!
楽しみです♪

(fullmoon)

Noism1メンバー出演! 好天に恵まれたUTOPIAファッションショー第2弾♪

11月24日(日)14時/17時半、新潟市関屋浜 Sea Point NIIGATAで開催された、UTOPIA2020春夏コレクション。

この時期の新潟の海っていつもなら。。。。。

【寒くて荒れている(?)】というイメージなのですが、この日は晴れて暖かく波も穏やか、気温は22度越え!

私は17時半の回に行きましたが、ホントに春夏の陽気で、夜になっても寒くない♪

14時の回はさぞ海がきれいだったことでしょう。

17時頃の海はうっすらと明るく、薄闇の中、会場付近にキャンドルがた~くさん灯っていて、すごくきれいでした(キャンドルは夜だけのお楽しみ)♪

靴を脱いで会場に入ると、通路を挟んで左右に部屋があり、右側は椅子席、左は床席です。通路には階段があります。左右の部屋を行き来してショーが進められるようです。階段や遮蔽物があるため、反対側の部屋の様子はほぼ見えません。

「汽船去る波打ち際」と題されたショー。春夏の海風に吹かれて船中の物語が始まります。

時間になると明りが落ち、照明は青い暗いライトに。夜の海でしょうか。薄暗闇の中、通路の奥からチャーリー・リャンさんと池ヶ谷奏さんが静かに登場し、左右の部屋へ分かれます。聞えてくる音楽はエリック・サティのジムノペティ。置いてあったトランクを持ち、二人は部屋を入れ替わり、トランクを枕にしてしばし横になり瞑想。ほどなくして場内は明るくなり音楽も変わり、池ヶ谷さんとリャンさんは左右の部屋でそれぞれ踊ります。池ヶ谷さんは、紺色の亀田縞のシャツ・パンツですが、半袖シャツの袖部分~背中の一部は五泉ニットのレースが使われています。お米ボタン。池ヶ谷さんは髪を一部赤く染めていてとてもきれいです。リャンさんは亀田縞生成りボーダーの上下です。

そのあと、ジョフォア・ポブラヴスキーさん(生成り上下 一部水色ボーダー、パンツの一部が小千谷縮みか)、井本星那さん(生成り上下、ノースリーブの上に羽織っているのが袖なしの小千谷縮み)、鳥羽絢美さん(黄色の五泉ニット上下、スカートはニットレース)が登場します。

メンバー5名が左右の部屋でそれぞれソロを踊ったので、見ているこちらは大満足♪

井本さん、鳥羽さんはUTOPIAラベルの袋に入ったえびせんをカモメにあげる仕草をしたり自分も食べたり、観客とも少し絡みます。二人ともとてもきれいでかわいらしかったです♪

ジョフォアさんは左の部屋でしばらく横になって、鳥羽さん、井本さんを眺めていたようですが、いよいよ踊り始めると、何か苦しいような、奇妙な動きの踊りを見せてくれました。存在感がありました。

そして、踊りの合間には数人のモデルさんたちが登場して、コレクションを披露します。そのモデルの一人に、なんと新メンバーのタイロン・ロビンソンさんが! 亀田縞の上下、紺色の長めの上着を羽織って、素敵ないでたちでした。

「旅する衣」をイメージしたUTOPIAファッション。今回は陸を離れ海へ。そして次の陸地へ。船に乗り込む人たち。それぞれの気持ちや思いを持って船の中の時間を一人で過ごし、また、他の人たちとも関わります。出会いと別れ。そんな想像や妄想が容易に膨らむ、踊りとファッションで綴る夢のような物語。

最後のシーンは、宴が終わったような静けさの中、再びのジムノペティ。最初と同じ青い暗い照明の中、池ヶ谷さんと(おそらく向こう側はチャーリーさん)がトランクを枕に横になり瞑想しています。

出演したNoism1メンバー5名

会場設定がぴったりでした。

前回の「オドルフク」に続き、大盛況、大成功おめでとうございます!

スタッフが大勢いました。その一人として、西澤麻耶さんもお手伝いしていたので付け加えておきますね♪

また次回、とても楽しみです。

(fullmoon)

Noism番外編・『ODORU FUKU』上映&トークショー(@シネウインド)

Noism15周年記念公演と重なり、そして繋がる日程の2019年7月20~22日の3日間、新潟市のシネウインドにて、早春(3月24日)の新潟県政記念館で開催されたUTOPIA秋冬コレクションのファッションショー「オドル フク」の映像を編集して新たに出来上がった『ODORU FUKU』の上映が行われました。

私はNoism新潟公演楽日のあくる日、3日間の最終日(7/22・月)にお邪魔しました。この日を選んだのは、上映後、UTOPIAさん×池ヶ谷奏さんのトークショーが予定されていたからです。(他の日も魅力的なトークゲストさんたちが迎えられていましたが、Noism公演から直で駆け付けるのは、やや忙しなく感じられたもので、当初からこの日「一択」でした。)

少し早めにシネウインドに到着してみると、そこにはUTOPIAさんのポップアップストアが出来上がっていて、UTOPIAさんの姿がありました。で、それに加えて、池ヶ谷さんも目に留まり、嬉しさマックス♪おふたりと話をしながら過ごしていると、Noismサポーターも含めて、観客がどんどん集まってきます。他に、今回上映の映像を担当された梨本諦鳴(なしもとたお)さんの姿も見られましたし、Noismの山田勇気さん、出演された浅海侑加さんとカイ・トミオカさんも駆け付けて来られました。

19:30、先ず、映像から。3月のショーを観ていなかったもので、(実際には、YouTubeで観ていたのでしたが、)何もかもが新鮮に映りました。Noism1メンバーによるNoismとは異なるパフォーマンス。そしてそれを支える裏方さんたち。さぞや準備も大変だったのだろうなぁとも。

「ODORU」の役割で出演されていたNoism1メンバーは前述の池ヶ谷さん、浅海さん、カイさんに加えて、ジョフォア・ポプラヴスキーさん、井本星那さんと、併せて5人でしたが、その他、チャン・シャンユーさんの姿も銀幕に映し出されていました。(浅海さんとシャンユーさんはNoismを離れるということもあり、よく見とかなきゃと思ったりもしました。)

(Photo by Shinobu Kobayashi)
(Photo by Shinobu Kobayashi)

34分間の上映後、お待ちかねのトークショーの始まりです。司会は堀綾香さん(三条市・nailAtelier Twill)。親しい間柄の3人と見え、寛いだ雰囲気のなか、トークは進んでいきました。以下に、話された内容から少しご紹介します。

  • 従来型のファッションショーは「高嶺の花」みたいな感じがしたり、メディアや玄人、業界の人のためのものとの感じがして、もっと面白いものがつくれるのに、と感じていた。新潟に住む人たちに、踊りを通じて、異空間を楽しんでもらいたいと思った。(UTOPIAさん)
  • 衣裳は五泉ニット製。どんな動きをしても、服が揺れてくれる。こんな動きをしたら揺れてくれるよねとか話しながら、振りも変えていった。(池ヶ谷さん)
  • 「旅する衣」をテーマに、「19歳の少女」の旅先での出会いとか経験などをまず「詩」にして、昨年冬から洋服作りなどもスタートさせた。池ヶ谷さんにも同じ「詩」を渡して、踊りを作ってもらうかたちをとった。どんなものになるか楽しみだった。(UTOPIAさん)
  • Noismにおける創作は芸術監督(金森さん)がやるが、今回は自分が構成を考えて、みんなで振りを作っていった。みんなの個性や好きな動きをピックアップして作っていったので、より「フリーダム」を感じた。(池ヶ谷さん)
  • 映像化されたものを見ると、ガラッと変わったものになっていて新鮮だった。音楽も変わっているし、様々な視点から見ることが出来たし、洋服に寄った場面など素材感がわかって、迫力があった。(池ヶ谷さん)
  • まだ始まったばかりという感じ。新潟の「文化」も踏まえて、「行先」を考えていきたい。今、小千谷縮(おぢやちぢみ)に興味があり、学んでいるところ。新しい素材、新しいアプローチを取り入れて、また、新潟でファッションショーをやりたい。(UTOPIAさん)
  • 自分の作品をつくれる場を増やしていきたい。「新潟のよさ」を伝えられる人になりたい。(池ヶ谷さん)
  • 会場からの質問①「洋服とNoismのダンスで、それぞれの色が『衝突』するようなことは生じなかったのか」に答えて: *池ヶ谷さん「Noismらしく動くという意識はなかった。どう動いたら、素材をどう見せられるかについて、ディスカッションすることを楽しんだ」  *UTOPIAさん「以前、『水と土の芸術祭』の折、人を介して、池ヶ谷さんから依頼を受けて、衣裳を担当したことがあり、その際、ただ止まって美しいだけでなく、例えば、捻じれたときのシルエット的な美しさを求めていくなど、本当に勉強になった。今回に関しては、Noismダンサーが着るからという意識はなく、過度に、洋服を踊りに寄せたりすることはしなかった」
  • 会場からの質問②「春の県政記念館でのショーのときの音楽は誰が選んだのか」に答えて: *池ヶ谷さん「私が、自分の好きな曲(5曲)を使った。いつか使いたいとセレクションしていた5曲だった。歌詞に合わせて振りを考えたような部分もあった」  *UTOPIAさん「今回の映像に付けられたものは、いちから作ってもらった音楽だった」

トークショー終了後も、ポップアップストアでUTOPIAさん製作の洋服などを見ながら、話しに興じる姿が多く見られ、万代シティ第二駐車場ビルの「あの一角」は常より遅い時間まで煌々と灯りが点されるなか、賑わいを残していました。蒸し暑い夏の夜のこと…。

(shin)

「オドルフク」(2019/03/24)

6月に予定されていたNoism1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』ルーマニア・シビウ公演が、資金面でやむなく中止という報せに驚いています。募金とか、もう間に合わないのでしょうか。(涙)

さて、アップするのが遅くなりましたが、前の記事、3月24日の柳都会終了後、新潟県政記念館で、新潟の新進服飾ブランドUTOPIA ファッションショー「オドルフク」が開催され、Noism1メンバー5名(池ヶ谷奏、浅海侑加、ジョフォア ポプラヴスキー、井本星那、カイ トミオカ)がモデル&ダンスパフォーマーとして自主参加しました。 他1名(チャン・シャンユー)もモデルとして参加。 UTOPIAは亀田縞や五泉ニットといった地元の素材を使い、世界に向けて新潟を発信しています。
「オドル フク」詳細:http://utopiautopia.jugem.jp/?eid=1734

当日の雰囲気を少しだけ写真で紹介いたします。

photo by Takumi Yamada
photo by Takumi Yamada
photo by Takumi Yamada
photo by Takumi Yamada
photo by Takumi Yamada
photo by Takumi Yamada
photo by Takumi Yamada
photo by Takumi Yamada
photo by Kinichi Motoi
ショー終了後にパチり!

…ねっ、素敵でしょ。

なお、「オドルフク」の様子はyoutubeでご覧頂けます。最初に県政記念館の案内等があり、12分頃からUTOPIA佐藤悠人さんの挨拶、14分からファッションショー開始、17分からNoism1メンバー5名のパフォーマンスです。
https://www.youtube.com/watch?v=nMyqLj3vPbc&app=desktop

オマケ:出演メンバーのリハーサルyoutube。
https://www.youtube.com/watch?v=BqP6YsM9yGE&feature=youtu.be

次のファッションショーも構想中とのこと。楽しみですね♪
(fullmoon)

(池ヶ谷さん+中川さん)×Yuto Sato=「アーティストの日常」、それを垣間見る特別な宵♪

2018年6月2日(土)、昼は暑いくらいだというのに、
陽が落ちてしまうと、風は冷たく、もう「寒い」と言わねばならないような路地。
前日、池ヶ谷さんがSNSで寒さに備えるよう呼び掛けてくれていたお陰で、
震えずに済んだというもの。
行ってきたのは、新潟市学校町通にある、Yuto Sato(佐藤悠人)氏のアトリエでの
「Yuto Sato 2018 T-shirts 展示即売会」。

佐藤悠人氏とは、一言で言えば、
前の投稿でFullmoonさんも書いてらっしゃいますように、
「新潟の服飾デザイナー・ペインタ―」ということになるのでしょうか。
彼の即興のペン画に魅了された人も多くいらっしゃる筈ですが、
最近は、亀田縞や五泉ニットに新たな息吹を吹き込む製作をしておられ、
新潟伊勢丹が「メイドイン新潟」の品々をラインナップする好評企画
「越品(えっぴん)」にほぼ毎回呼ばれるなど、
ある意味、その「顔」となりつつある、今注目の気鋭の若手クリエイターです。
更に、Noismメンバーとの親交が深いことでも知られる男性アーティストでもあります。
そんな訳もあって、サポーターズのなかにも佐藤悠人ファンは数多くいらっしゃいます。
かく言う私もその一人で、この日はどちらも悠人さん作のスヌードを首に巻き、
ショルダーバッグを肩にかけて、いそいそ出かけて行ったような次第です。

この日のイベントは次の通り。
18:30(~22:00) 展示会オープニングパーティー
20:00 Noismダンサーによるパフォーマンス公演

せっかちな私は15分くらい前に会場に到着してしまい、一番乗りでした。(汗)
やがて、受付が始まったテントで、会費1,500円をお支払いすると、
悠人さんから渡されたのは、
池ヶ谷さん愛用の「ガチャピン&ムック」柄トランプで、「クラブの9」。
ドリンク引換券ということでした。
そのまま持ち帰りたい気持ちもありましたが、それを抑えて、
私はジントニックを作って頂きました。(笑)

20:00が近づくにつれ、続々とお客様が集まってきます。
Noismの公演会場でよく会う方、お見掛けする方。
はたまた、恐らく、佐藤悠人さんの繋がりの方。
そして、Noism、悠人さん双方と交流のある方。
やがて、Noismメンバーや新作「ロミジュリ(複)」に出演される
SPACの役者さんたちの姿も見られました。

お手洗いの蛇口に至るまで、あらゆる部分が白く塗られた悠人さんのアトリエの
1階部分で行われるパフォーマンスを
ビルトインの駐車場に座って観るとのことでした。
アトリエ自体、お世辞にも広いとは言えないのでしょうが、(←失礼(笑))
駐車場に面したL字2面の建具を外すことで、
かなりのオープンスペースが確保されました。
昔の日本の家屋はよくできていますね。

正確な開始時間も、公演の長さも記憶しておりません。
恐らく、20時を少し回っていたのかと思いますが、
悠人さんがご挨拶され、公演開始を告げられると、
緞帳代わりに、鋲でとめられ、視界を遮っていた白布が外され、
目に入ってきたのは、左にミシン、右に無造作に山と積まれた白い布。
どこかで見覚えのある衣裳に身を包んだ中川さんが
2階からコーヒーカップを手に下りてくると、おもむろにミシンがけを始めます。
すると、右側、白い布のなかから池ヶ谷さんが登場。黒い新作Tシャツ姿です。

踊り出した池ヶ谷さんはさかんに中川さんを誘いますが、
中川さんはそれを微塵も意に介することなく、ミシンを踏み続けます。
客席側からは見えない柱に貼られた音楽プレーヤーに寄り、音楽をかける中川さん。
どうやらクリエーションに音楽は不可欠のようです。
その音楽に池ヶ谷さんも反応して、ソロのダンスを踊り出しますが、
それは主に苛立ちを表現したものでした。
ひとつの音楽のもと、ふたつ別々のクリエーションが進行する趣向です。

池ヶ谷さんがTシャツを脱ぎ捨て、
白いロングスカート姿になって気を惹こうとしても、
中川さんのクリエーションとの接点はうまれません。
中川さんがミシンを離れた隙に、椅子の向きを逆向きにして、
池ヶ谷さん方向を見ないではいられないようにし、
また違う音楽をかけてみても、
中川さんは、今度は池ヶ谷さんをモチーフに「絵」を描こうとするだけで、
別々のクリエーションのなかに留まったままのふたりです。

それが趣を変えたのは、中川さんの「産みの苦しみ」がきっかけでした。
ひとりになろうと椅子を動かしたものの、頭を抱える中川さん。
池ヶ谷さんが「椰子の実」(島崎藤村・作詞、大中寅二・作曲)を流します。
すると、その楽の音は孤独と向き合うクリエーターの心に染み入り、慰撫し、
ふたつバラバラだったクリエーションをひとつに纏め上げます。
そこまで踊らずにいた中川さんが池ヶ谷さんの横に立ってから、
この宵、初めてシンクロして踊られるデュエットはそれは素敵なものでした。

「椰子の実」 (Wikipediaより転載)
名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ
故郷(ふるさと)の岸を離れて 汝(なれ)はそも波に幾月
旧(もと)の木は生(お)いや茂れる 枝はなお影をやなせる
我もまた渚を枕 孤身(ひとりみ)の 浮寝の旅ぞ
実をとりて胸にあつれば 新たなり流離の憂
海の日の沈むを見れば 激(たぎ)り落つ異郷の涙
思いやる八重の汐々 いずれの日にか故国(くに)に帰らん

ラスト、池ヶ谷さんが唐突に言葉を発し、中川さんがそれに応えます。
-「コーヒー?」
-「うん。」
件のコーヒーカップを手に、2階に消える池ヶ谷さん。終演。

階下の中川さんから「かな!」と呼ばれて、池ヶ谷さんが下りてきます。
大きな拍手がおふたりに送られるなか、「ブラボー!」の声も聞かれました。
大粒の汗を浮かべ、笑顔でお辞儀を繰り返す池ヶ谷さんと中川さん。
そして池ヶ谷さんに促されて登場した佐藤悠人さんは
帽子、眼鏡、スカーフ、服、パンツ、演じた中川さんと瓜二つの姿だったのです♪
また大きな拍手が沸き起こったことは言うまでもありませんね。

公演後もパーティーは続きました。
公演を観た後、誰の気持ちも昂揚していたのが見て取れるようでした。
古くからの閑静な住宅街の一画。
そこを舞台に服飾系の関心と舞踊系の関心とが混じり合い、
化学反応を起こしたアートの熱が寒気を上回る様子は、
「学校町通」の地名にも相応しく、
往時の「カルチエ・ラタン」もかくやありけむと思うほどで、
明らかに、あの時刻における新潟市内の一大ホットスポットと化して、
魅力溢れる時空が広がっていました。

素敵な公演と素敵な時間。
笑顔に彩られた親密な空気感を堪能して、
公演前に購入していた新作Tシャツを抱え、会場を後にしました。
「またこんな機会があるといいな」、
名残惜しく、立ち去り難い気持ちも抱えながら。
(shin)


【註】右の画像はパフォーマンスのなかで、中川賢「画伯」が描いた池ヶ谷さんの肖像画。