2019年3月17日(日)、この日のNoism2定期公演もマチソワ。そしていよいよ迎えた新潟公演の最終日。観るならやはりこの日ということで、チケットの動きも早かったようでした。
それを含めて、この3日間は、東京をはじめ、県外からのお客様も多数お見掛けしましたし、研修生カンパニーとしては大きな関心を寄せられた3日間だったと言えると思います。
そう、研修生カンパニーですから、専門的な目線からは課題もたくさんあるのだろうとは思います。しかし、一観客としましては、3日間という短い間でさえ、大きな進歩を見せて貰った、そういう気持ちの方が大きいです。
アフタートークで山田さんと金森さんが明かしたこと、それは『Noismレパートリー』のうち、『solo for 2』についてはオーディションが行われ、全員が全曲を踊っていたという今公演の裏話。「クリエイションの過程で、上がる子もいれば、下がる子もいた。今、舞台に立たせることが出来る子を選んで、曲も取捨選択をした」と山田さん。
また、『Training Piece』に関しても、敢えて、1年目のメンバーを使うことで、「戦って欲しい」(山田さん)という思いがあり、「競争原理」(金森さん)を持ち込んだとのこと。そうしたことが食らいついて踊る舞台の緊迫感に結実していたのでしょう。
「頑張れば出れる世界ではない。練習しても舞台に立てないことがあるのはプロも同じ。発表会ではない」(金森さん)という厳しさのなか、「完全な子はいなかった。パフォーマンスと身体の強さを基に、本番まで時間があるからと、可能性を信じてキャスティングした部分もある」と山田さんは語りました。(それに対して、「勇気は優しいから」とぼそっと突っ込んだ金森さん。)
このあと、Noism2としては、5月末のロシア(モスクワ)に招聘された劇的舞踊『カルメン』にも出番はあるのですが、それも全員ではなく、「出演者はオーディションで選ぶ。(モスクワには行かない)留守番メンバーも出てくる」とここでも敢えて厳しさを打ち出す金森さん。
しかし、この日、先ず、私たち観客の目を射たのは、『Noismレパートリー』を踊るNoism2メンバーたちの表情でした。なかに、紅潮した顔に自然な笑みが浮かぶさまを見たからです。勿論、表情と身体は別物ではありませんから、同時に、身体の動きも伸びやかで見違えるようでした。この公演期間中に自信を深めたのでしょう。課題も多いのでしょうが、どうなりたいのか、志と覚悟を持ち、まずは、オーディションの人選で金森芸術監督を困らせるようになって欲しいものです。大いに期待しております。
来月には、Noism2として初の県外公演である札幌公演(4/19&20)が控えています。平原さんと山田さんが北海道出身という縁もあって実現したものなのでしょう。
で、『BOW!!!』について金森さん、「ダンサーに負う部分が多い作品。何を感じ、自分のキャラクターをどう感じているか。それが見えてくる時があった。ちょっとずつ変わってきた。両作品とも実演の質を上げて、(札幌に)持っていきたい」と。山田さんも同じ思いでしょう。きっと彼女らと彼なら応えてくれると信じるものです。応援しております。
さてさて、今度は私たちです。上に触れた『カルメン』モスクワ公演に関しては、公開リハーサルが2度もたれるそうです。しかし、それを観るにはNoism支援会員になっていることが必要です。「是非観たい」ということなのでしょう、この日、アフタートークの後、ホワイエで支援会員となる手続きをしておられる方を数名目にしました。新潟市民による「評価と必要性」が問われる今、これまであまり目にしてこなかったダイレクトな反応、その光景を嬉しく思いました。
Noismの未来は、ある意味、私たちの手の中にあるのかもしれません。「Noismがある週末」を心ゆくまで堪能し、その最後にそんなことを思いました。皆さん、私たちの大切なNoismをご一緒に支えて参りましょう。
(shin)
皆さま
この度のNoism2定期公演vol.10から、
入場時に手渡されるチラシの束のなか、
「100年先の文化へと向かう『劇場』へ」というNoism支援会員及び
Noism寄付会員を募るリーフレットが大版化(A3ふたつ折り・4頁)され、
読みやすくなったことにお気づきのことと思います。
そしてその間に具体的な手続きを進めるための用紙が挟まれていることにも。
更にホワイエの物販コーナーの脇には、同趣旨の呼び掛けを行うポスターも掲げられるようになりました。目にされたことと思います。
それらと「公開リハ」の要件が相まって、記事中に書いた「手続きをとる姿」に繋がったのでしょう。
訴求力のある、良い道筋が用意されたことをも祝いたい気分です。
是非、この道筋を多くの方々に辿って頂き、Noism支援のダイレクトなアクションが増えて欲しいものです。
「評価と必要性」を測るうえで、これほど目に見えた動きはないからです。
最終日のアフタートーク、Noismのこれからの見通しについての質問に、「俺が訊きたいです」と答えた金森さん。
まさに今の状況はそうなのでしょう。
この15年間、観客の側は、もしかしたら、何もせずとも、これほど誇らしい「文化」を与えられ、それを享受すればそれで事は済んでいたのかもしれません。
しかし、「財政難」に喘ぐ現在の新潟市にあって、状況は様変わりしてしまいました。
観客の側から求めていかなければ得られない、そんな事態にたち至ったことを直視し、積極的に支援していく必要が生じた訳です。
unofficialのサポーターズとしましても、
上に書いたようなダイレクトな「かたち」による、
皆様からの更なるご支援をお願いする所以です。
一人でも多くの方からのご賛同、サポートを必要としているのです。
公演期間の終わりに感じる、ある意味、健全な「Noismロス」とは全く意味合いを異にする、取り返しのつかない類いの「Noismロス」を招来させないために。
これを読まれたあなたのご参加・ご支援をお待ちしております。
何卒宜しくお願い申し上げます。
Noismへの公式なご支援の詳細につきましては、こちらもどうぞ。
(shin)
shinさま
ブログ、コメント、どうもありがとうございました!
Noism2メンバーの健闘を讃えるとともに、Noismの活動を継続するために、皆様のサポートをお願いする次第です。
この公演では、Noism2ならではの若さとエネルギーで、メンバーは多くのことを得たと思います。
特に『BOW!!!』はとても進化しましたね♪
札幌公演に向けて、ますますがんばってほしいです。
アフタートークでの山田勇気さんの笑顔が印象的でした♪
(fullmoon)
fullmoon さま
そうでしたね、山田さんの笑顔。まさに、まさに。
新潟最終日のアフタートーク、その冒頭、
金森さんから感想を問われた山田さん、
開口一番、まず、「過去一番大変だった」と心境を明かすと、
続けて、「『レパートリー』では、難しいことに挑戦し、
『BOW!!!』の方は、ダンサーに委ねられているので、
リハーサルも、日々の接し方も模索して、
ある意味、『実験』だった。
終わったという実感と同時に、
終わったけど、まだ終わってない感じもあって、
また新しくやらなければならないことを見つけた」
そんなふうに語っていましたよね。
公演期間中、山田さんがいつになく険しい表情を浮かべているのを
併せて思い出しました。
金森さんの厳しい愛情と、山田さんの優しい愛情、
アフタートークを聞いていると、
「絶妙のコンビ」という感じがしましたよね。
札幌、行きたくなってしまいそうです。
…無理だけど。(笑)
(shin)
いつもの、いちかっこジョバンニさんのご感想ブログです。
初演をご覧になられたようです。
http://clothoiddiary.blog.fc2.com/blog-entry-1223.html
(fullmoon)
fullmoon さま
いちかっこジョバンニ さま
いつも読ませて頂き、刺激を頂戴しております。
今回も同様です。
Noismの公演は色々な感情を発動させますから、
その後、色々な感想に触れることは本当に楽しいですよね。
あっ、公演前に何の映画を観たのか、そこも気になります。(笑)
(shin)