前週末の11月22日(土)に、今度は金森さんが51回目のお誕生日を迎え、次週12月5日に(金)には『マレビトの歌』新潟・りゅーとぴあ公演の幕が上がるという、このタイミング、11月26日(水)にウェブ「dancedition」の連載「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る」の第12回がアップされました。

今回、まず井関さんによって語られたのは、劇的舞踊『カルメン』(初演:2014年6月6日・新潟、神奈川、兵庫)です。SPAC(静岡県舞台芸術センター)の俳優・奥野晃士さんも出演され、「言葉」も用いられた異色作と呼べる作品でした。こちら、「Noism設立10周年記念作品」ですから、この連載が扱う「20年」も、中間点までやってきたことになります。
「入れ子構造」の語りが実に楽しい作品と言えますが、まず井関さんが明かしてくれた、台本を書く金森さんの速筆ぶりには驚きしかありませんでした。「えっ!」とか「なんと!」とかって具合に。そして井関さんパートの振付の様子にも興味深いものがありました。そんなふうにしてあの「カルメン」が見出されて、受肉していったのだなと。
しかし、鈴木忠志さんからの「ダメ出し」が続きます。「えっ!そうだったの?」あんなに楽しかったのに。そこから井関さんが語る舞台芸術の本質を、私たちも(ほんの少しですが)垣間見ることになる件(くだり)はまさに圧巻です。
続いて、「ASU-不可視への献身」の『Training Piece』と『ASU』(初演:2014年12月19日・新潟、神奈川)が語られます。
『Training Piece』は、NoismバレエとNoismメソッドを目にすることが出来るという点で、当時、とても興味をそそられたのを覚えています。しかし、そこに「かなり辛いもの」があったとは!でも、読めば納得です。それはそうだな、と。
『ASU』、「不可視」の古代を舞踊を用いて再構成していこうとする意欲的で魅力的な作品です。使用された音楽、ボロット・バイルシェフ(実際、金森さんが会いに行ったとは驚き!)のCD『アルタイのカイ』ともども深く脳裏に刻みつけられています。
この頃、35歳の井関さんと40歳の金森さん。「夫婦揃って大変な時期」だったと振り返られています。とても生々しく。さきの鈴木忠志さんからの「ダメ出し」といい、「この時期があってこそ!」の「今」なのだなとの思いが込み上げて来ます。邪念も雑念もなしに、舞踊への「献身」の道を選んで、突き進んできたおふたりだからこそなのだと。それはそれで簡単なことではなかった筈です。その覚悟、その厳しさ、今は毎日のクラスの時間は絶対に削らないと、そう語られた裏に窺い知れるように思います。
今回はとても重量感のある深い内容で、何度も読み返してみる価値がある回と言えるでしょう。「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(12)」、是非、お読みください。
(shin)
shinさま
井関さん連載12回目について、ブログアップありがとうございました!
あの『カルメン』に、あの『ASU』『Training Piece』!
どれも衝撃の作品ですが、その秘話もまさしく衝撃的!!
shinさんのタイトル、
”「そうだったの?」でも「この時期があってこそ!」 ”
に同感です。
『カルメン』はロシア公演でも大好評だったのに、
御大の「ダメ出し」は凄いですね!
ほか諸々、shinさんが書かれた通りと思います。
「ASU-不可視への献身」については、故 山野博大さん(舞踊評論家)からサポーターズ会報27号にご寄稿いただいています。
次のコメントで、shinさんのご感想と合わせてお読みください。
(fullmoon)
fullmoon さま
コメント有難うございました。
今回語られた3作品、当時、どれもホントに衝撃とともに魅了されたそれぞれに大好きな作品たちでしたが、今、その作品の裏面に、当時を上回るような大きな衝撃を受けております。
舞台芸術における舞踊家と観客の関係性はとても複雑なものなのですね。まざまざそう感じました。
で、まずはfullmoonさんがコメントで触れてくださった、「ASU~不可視への献身」について故・山野博大さんからの「特別寄稿」、「『ASU~不可視への献身』の衝撃」をご覧頂きたいと思います。舞踊の「歴史」に通暁する山野さんに与えた「衝撃」、読み応えある玉稿です。是非、お読みください。(初出:Noismサポーターズ会報第27号・2015.06.06)
そして、お時間があれば、その右横方向にも目を転じて頂き、次頁の隅っこからはじまる私の拙稿(「脱構築と再構成の「ウロボロス」 ~Noism1『不可視への献身』~」)もご覧頂けましたら幸いです。(同じ会報上、同じ作品について、山野博大さんがお書きになられたものと一緒に掲載して頂けたことは、当時も今も変わらず望外の喜びです。)
また、そのサポーターズ会報の前号に掲載して頂いた劇的舞踊『カルメン』についての「重なり合い、絡み合う『内と外』」(初出:Noismサポーターズ会報026号・2014.12.19)もよろしければ。
この度も管理人さんとfullmoonさんにはお世話になりました。いつも有難うございます。
(shin)