2023年7月2日(日)はNoism0 / Noism1「領域」新潟公演の楽日。前日、このブログにおいて、この時期にあっての「中途半端な気温」をディスったりした訳ですから、今日、「真夏日」になったことについて、愚痴をこぼす資格などないことは自分でも承知しているのですが、そこはすっかり棚に上げて、今日は今日でしっかりこぼしていたのでした。だってやはり暑いものは暑いのですから。(笑)(だったら、昨日黙っとけって話ですよね。わかってますけど。(汗))
で、そんな夏の入り口のようなこの日、あの2演目が新潟での千穐楽を迎えたのでした。サポーターズではこの公演を前にして、サポーターズ・インフォメーション(#8)を作成して、公演を待ちわびていたのでした。
(オモテ) (ウラ)
入場時に手渡されるチラシ類のなかに挟み込まれていますから、もしまだご覧になられていない向きは探してみてください。
で、その楽日が「キタ」訳です。この日は鑑賞前の気持ちに、勿論の大きな期待感だけでなく、そこに既にして若干の寂寥感が滲んでしまうのはやはり楽日の常ですね。
そのようにして、金森さんと井関さんのNoism0『Silentium』が始まりました。三度目の鑑賞です。ある種の安心感を抱いて、醸し出されるふたりのあの一体感に浸り切って、心ゆくまでそれを堪能してやろうという思いで臨んだのでした。既にあの衣裳にも慣れた訳ですし、あとはペルトの麻薬的なリフレインに惑わされないようになどと考えながらのガン見だった筈…。
ふたりともあの衣裳にほとんどその身体を覆われつつも、皮膚で無言の「会話」をもの凄い速さで交わしながら踊るのだというお話(←前日のアフタートーク)でしたから、そんな理解をもって視線を注ぐ、その刺激的な安定感、或いは安定感のある刺激。そのひとつさえ見落とすまいと見詰める濃密な時間…。
そのつもりでした。…ところが、ところがです。演目が最終盤に至ったところで、「ん?え?何か様子が違ってないか!?」目を疑うことに。そして気付きます。「キタ、キタ、キタ、キタ、今回もキタァ!!!」違うんです。そう、ラストシーンが昨日までと違っているのです!またしても、またしてもです!これまでにも度々あったことなのですが、またやられちゃったような訳です、金森さんに。最後、締め括りの印象だって大違いですし。もう、油断禁物。金森さん、やってくれるよなぁ。
終演後、金森さんと井関さん、おふたりの極めつきの至芸に対して熱い拍手とスタンディングオベーションを捧げたあと、15分の休憩の間、友人・知人と顔を合わせると、みんな、「またやったね、金森さん」って感じの言葉を発することにならざるを得なかったのは言うまでもありません。
で、めぐろパーシモンホールには今日のラストシーンで行くのだろうか?まだ変わったりすることだってあるかもですし、もう安閑としていられない訳です。金森さんの作品に関しては。そして、それも含めて、「めぐろパーシモン」への期待も高まろうというものです。
同じその休憩の間、ホワイエへと向かう途中、勇気を振り絞って、客席の二見一幸さんにご挨拶をして、作品の感動を直接お伝えすると、その後、プログラムにサインをして頂くことが出来ました。そのサインにはやはり控え目なお人柄が存分に表れていて、それはそれは可愛らしい感じのサインでした。ご覧ください。
コロナ禍を経て再開されたビュッフェで赤ワインを頼むと、ニマニマ嬉しい気持ちに浸りながらグラスを傾けたのですが、そこには、ブログも見てくださっていたとのお話に、嬉しさが増幅されたような事情もあったのでした。
そして休憩後、この日も、その二見さんによるNoism1『Floating Field』に文字通り「酩酊」することになります。旋回する身体が網膜に残す動きの痕跡の美しさ、リフトを経て後の頽(くずお)れる身体が示す寄る辺ない美しさ、両腕を斜め上方に持ち上げた姿勢で凹ませた背中が発する美しさ、そして舞台狭しと繰り出される群舞の力強い美しさ、…もう様々な美しさに溢れていて、観ているだけで多幸感に包まれて堪らなくなるのみです。
やがて観る者を圧するような音圧がやって来て、そこから雪崩れ込んでいく圧倒的なクライマックスには、何度観てもドキドキが抑えられません。そしてあの幕切れ。この日も大きな拍手とスタンディングオベーションを呼び起こさずにはいませんでしたが、それも極々当然のことでしかありますまい。
幸福な新潟の3日間でした。この見どころ満載のダブルビル公演。次は再来週(7/14~16)、東京へ。関東圏でお待ちの皆さま、いま暫くお待ちください。ワクワクとともに。感動は約束されていますから♪
Noism05の頃のブロマイドより
若き日の…
(shin)
shinさま
ご機嫌な楽日ブログありがとうございました!
いやあ、凄かったですね~
金森さんがそうキタなら、二見さんもキタァということでしょうか!?
これは東京公演が楽しみですね!
私は二見さんのお姿を見つけられなかったのですが、本番中は新潟にいらしたのですね。
サインを見せていただきありがとうございました♪
じょうさわさんのSNSによると「領域」は、もうワンステージ、7/4(火)に芸術鑑賞会があって、劇場が高校生で満杯になるそうですね!
嬉しいことです♪
関係者の皆様、どうもありがとうございます!
って、私がお礼を言うのも変ですが、言いたくなりますよね~♪
東京公演、どうなる「領域」!?
新潟公演が終わった寂しさと(でも充足感・満足感と)、高校芸術鑑賞会の嬉しさと、東京公演へのワクワクと。
感情の領域が広がって堪りません!
(fullmoon)
fullmoon さま
コメント、有難うございました。
まずは『Silentium』ですけれど、
やってくれますよね、金森さん。
3日目にして、驚きの展開でしたね。もう慣れっこになっている事態とはいえ、この日、ラストに差し掛かるにつれて、目が「えっ!えっ!」ってなって…。
でも、「始まりと終わりを敢えて曖昧にする」チャレンジ(金森さんのインタビュー動画での発言)としてなら、新潟楽日ヴァージョンすら最終型ではないように思えたりします。…模索と推敲はまだまだ続く予感。
そしてスタイリッシュな二見さんの『Floating Field』。赤ワイン以上に極上の味わいです。(赤ワインとの相乗効果も楽しみましたが。)
ラストはアクシデンタルなものではないかと推察しますが、それにしても、ドーパミン放出を煽る細部に満ちていること、満ちていること。
そんな私がツボった細部をふたつだけ挙げてみます。
(1)浅海さん、前屈み姿勢でのリズミカルな高速後方移動。
(2)舞台中央最前面で四つん這いになった坪田さん、どこに力を入れてそれが可能になっているのか判然としない、滑るような4分の1円弧回転。
…挙げ始めるときりがないのでしょうが…。
皆さんにとってのツボ、知りたい気分です。
私はもう一度だけ、東京の大千穐楽を観に参ります。その日までのほぼ2週間、記憶を反芻し、期待に震えながら過ごしていくことだけは確かです。そしてそのふたつを肥やしに、その期間中も感性の領域は拡張していくことでしょう。
めぐろパーシモンホールでの公演、いろんな意味で楽しみでなりません。
(shin)
shinさま
コメント返信ありがとうございます!
shinさんがツボった二つ、私もツボりました♪
浅海さんと坪田さん、ビックリですよね。
更には、
(3)中尾さんの滝汗(中尾さんの動き全般ということです。細部でなくてスミマセン(汗))。
(4)後半、全員が離散集合を繰り返すところ。斜めの陣形になるところが特にツボ。
まだまだありますけどね~♡
皆さんのツボもどうぞ♪
(fullmoon)
fullmoon さま
ツボポイント、引き継いでくださり、有難うございます。
まだ絶対に「これ!」っていうのを思い出しましたので…。
(また同じ坪田さん&浅海さんなんですけれど、)
(5)うつ伏せに横たわる浅海さんが坪田さんに右手一本でひょいっと拾い上げられると、腰のところで折れて、まるでボロ雑巾(←ひどい表現でスミマセン。)か何かみたいに、だら~んと手足が伸び切った格好で運ばれていく場面。
皆さんも相当ツボでしょ、この場面。…坪田さんだからツボ率が高い訳ではないのでしょうけれど。(笑)
(shin)
shinさま
はい、はい、そうです 、それそれ!
あれも凄いですよね~
だら~んですもんね~
坪田さん、ツボ率高いですよ。
(6)坪田さんのグニグニグネグネした動きもツボです。
(7)グニグニと言えば、中尾さんの胸に三好さんが手を当てて押していく時の中尾さんのグニグニぶりも凄い!
(8)↑これではない場面で、歩いているだけなのに、三好さん存在感あります。
(9)中尾さん・すみれさん&坪田さん・浅海さん、二組のダンスで、4人が最後に自分の膝(腿?)を拳で叩く場面。ヒリヒリした哀しみを感じます。
あれれ、書き過ぎましたね。失礼しました。
(fullmoon)
みなさん!
ツボコメント(笑)さすがです!
読みながら、「そう!!そこ!!そうそう!!!そこも!」と、ニヤニヤしてしまいました。
ツボだらけでなかなか挙げきれないところではありますが、そのツボたちを含め感性の領域を解き放ってくれる(10)浅海さんのラストシーン。
ツボと言うには、あまりにダイレクト過ぎではありますが(笑)
浅海さん、三好さん、中尾さん、庄島さくらさん、すみれさん、坪田さん、樋浦さん、杉野さん、糸川さん、横山さん、それぞれの輝きに魅了されっぱなしですよね。
ツボといえば!
Silentiumのあの衣装を纏い、境がわからないほどの呼吸の合った動きで、時に何者かの新たな生命体に見えたりしてしまう瞬間や…
あれだけしっかりと軸のある身体性があるからこその衣装映えや…
互いの領域を際立たせ、シンクロさせ、時に溶け合うかのような踊り…
こちらもツボ満載のなか、なんと私の一番のツボは消えたラストシーン。。。
淡い炎の光に浮かび上がり舞い続けているあのラストシーンだったのでした。
あはは…
私はラストシーンに思いが集中しがちなのかな…
ほんとにツボだらけ、見処満載ですよね✨
東京…行きたい…
是非、東京方面のみなさま、お見逃しなく!
aco さま
ツボポイント、コメント有難うございました。
『Silentium』の方のツボポイント、それが消えたラストシーン=差し替えられる前のラストシーン(新潟公演初日&中日エンディング)だったのですね。
私もアレの方が、踊り”続ける”のイメージを伝え易いように感じますし、何よりNoism Web Siteに読める金森さんの「創作によせて」のなかの「第3の沈黙」という言葉に続く、「再び訪れた静寂の中、一組の男女が踊っている。そこにある静寂は、かつてのそれとは異なる沈黙に満ちている。」という結びの2文の可視化ならやはりそっちかなぁって。
故に、新潟楽日エンディングはまだまだコンクリートなものではなくて、「めぐろパーシモン」エンディングがお目見えしそうにも思うものです。気になりますよね、そのあたり…。
(shin)