*この度の東海や関東を襲った豪雨とそれに伴う水の被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
2021年7月4日(日)、『春の祭典』本公演の新潟楽日は舞踊家たちの入魂の熱演により、本当に感動的な舞台を観ることが出来ました。
バルコニー席にも一部、観客を入れるなど、この日の劇場はほぼ満席。埋め尽くされた客席から湧き上がる感動を伝える拍手は音量が違っていました。発声が止められているなら、もう本気で叩くしかありませんものね。そして、本気で叩かなければ済まないような舞台が続いたのですから、当然と言えば当然だった訳ですが。
新潟での全3公演をすべて観たのですが、この日は、新潟での見納めという思いを抜きにしても、どの演目も、その演目の持ち味が際立つ見事な舞踊が展開され、それを見逃すまいと目を皿にして見詰めるうちに、涙腺が決壊しそうになったり、鳥肌が立ったり、気持ちを煽られたりと大忙しで、感情の振り幅の大きさに身を浸し、その時間を堪能しました。
ここからはタイトルに含ませた金森さん相手のサプライズについて書くことに致します。この日の観客は劇場に足を踏み入れた時点で、全員ある計画の「共犯者」となり、その時を待っていたことになります。正確には、入場時、手渡されたプログラム、チラシの束の、その一番上に一枚、見慣れない「紫」の紙片を目にしたときからです。
「黒幕」は紛れもなく芸術副監督。知らないのは金森さんただひとりらしく、みんなが「ぐる」という「ミッション」は、もう完全な「うっしっし」状態で、心が躍りました。
そして、やがて、最後の演目『春の祭典』が客席を大きな感動に包んで、その幕が下りる時が来ます。客席からは、いつもの如く、否、いつも以上に大きな拍手とスタンディングオベーションが舞台に贈られました。とりあえず、新潟の3公演を踊り終えた舞踊家たちは前日までとは違ったリラックスした表情を浮かべています。その列に金森さんと井本さんが加わるのもこれまで通りです。もう会場中の誰もが笑顔で手を叩いている図になり、カーテンコールが繰り返されていきます。その笑顔はいつしか、「へまをしてはいけない」と自らに言い聞かせつつ、今か今かと「実行」の合図を待つ「ほくそ笑み」の要素が大きくなっていった筈です。たったひとりを除いて。
あれは何という曲なのでしょう、遂に、祝祭感に満ちた晴れやかな音楽が流れてきました。観客は一斉に「紫」の紙を掲げ、舞台上の舞踊家は金森さんの方に向き直っての拍手に変わり、場内の全員による紫綬褒章受章を祝う時間となりました。全ての視線は金森さんひとりに集中します。上方からはキラキラした紙片が舞い落ちてきます。場内の誰もがそれ迄に倍する笑顔に変わりました。事態が飲み込めず、キョトンとし、いつになくキョロキョロするたったひとりを除いて。
「6歳で踊り始めた穣さん、46歳で紫綬褒章受章。おめでとうございます」マイクを握った井関さんから、コロナ禍で授章式が中止となった状況下、「みんなでお祝いを」と、このサプライズの趣旨が話されたのですが、さすがは「大人の事情」に強い井関さん、一緒に暮らしていても感づかれたりすることなしにこの時を迎えられたようです。
『Fratres』のように容赦なくではありませんが、キラキラする紙片が舞い落ち続けるなか、『春の祭典』第一部後半のようにメンズとガールズに分かれた舞踊家たち。メンズが金森さんの長躯を掲げて、その下で騎馬を組むと、舞台シモ手袖からはNoism2リハーサル監督・浅海侑加さんを担ぐガールズの騎馬が登場。浅海さんの両手には大きな花束が抱えられていて、大喝采のなか、金森さんに贈られました。
「こんなの、Noismを17年間引っ張ってきて初めて」、更に「一生の思い出になりました。その思い出を多くの皆さんと共有できて本当に幸せです。…このような大変な時期に、こんなにも劇場に来て貰って」と感謝の言葉を口にした金森さん。その場の雰囲気を「引退式みたい」と表したときには、会場中から大きな笑い声があがり、すかさず、「まだまだ踊りたいですし…」と続けると、更に万雷の拍手が贈られました。観客もひとり残らず、この「サプライズ」に加われたことを喜んだ筈です。
豪華4演目と、その後、コンプリートしたミッションに、劇場はこの上ないくらいの幸福な一体感に包まれていました。お陰で、通常なら、楽日の終演後には必ず抱く「Noismロス」とも無縁で帰路につくことができた程です。この日の観客も一生、このお祝いのことは忘れないだろう、そんな確信をもってりゅーとぴあを後にしたような次第です。
さあ、『春の祭典』本公演、次は7月下旬の埼玉公演(7/23~25)、札幌公演(7/31)です。同地のお客様、感動の4演目、満を持して登場です。期待MAXで、今暫くお待ちください。
(shin)
shinさま
新潟楽日 満員御礼!
バルコニー席・3階席、追加オープン!
大拍手、スタンディングオベーション、そしてサプライズ!!
おめでとうございます!!!
幕開け、井関さんの超美しい舞にうっとり♡
続く『BOLERO』は大画面!
画面の裏では葉っぱを片付けて、『FratresⅢ』の準備をしているのかな。
映像が終わるとすぐに幕が上がり、金森さんが目の前に現れます。
身を削るような祈りの踊り、そして一糸乱れぬメンバーの踊り。
神々しいばかりです。
ここまででも大満足なのに、休憩後には『春の祭典』が控えています。
『春の祭典』、いつもはステージに椅子が並んでいて、何気に始まるのですが、今日は幕が下りていました。その方が開演後の導入に集中できますね。
そして、渾身の舞台が始まります。
ど迫力です!
最前列ってよく見える!!
今日は「襟」にも注目しました。
なるほど、そうなのね~ 深い~
そしてそして、本日のブログのハイライト!
「サプライズ」、素晴らしい!!
shinさん、詳述ありがとうございました!
金森さん、うれしかったでしょうね。
本当に幸せな楽日となりました。
感謝、感謝、大感謝です。
幸せな気持ちを胸に、しばしの別れ。
埼玉でお会いしましょう♪
(fullmoon)
fullmoon さま
コメント、有難うございました。
楽日の新潟公演、その素晴らしさは毎度のことですが、
昨日は「ホーム」ならではの「サプライズ」のお祝いがあり、
幸福感に浸りながら、「新潟から世界へ」とか「新潟発」の言葉をしみじみ噛み締めました。
あと、「サプライズ」の一部として、初日から楽日まで通して、「SNSには絶対にあげないでください」と言われていたある事柄についてここに書きましょう。
実はりゅーとぴあ・劇場のホワイエの一角には、3日間、左に井関さんが受賞された芸術選奨の賞状(楽日には授賞式の際の記念写真も添えられていました)が、右に金森さんが受章された紫綬褒章及び褒章の記が、どちらも、これまでNoism作品の美術を数多く手がけてこられた近藤一弥氏制作の木製額に入れられて飾られていたのでした。
そのふたつの見事な額は毎日、おふたりの目に触れないように公演後には撤去されていて、どうやら、楽日の件の「お祝い」の後、私たち観客が退場している時間帯に緞帳の向こう側でおふたりへのお披露目がなされたようです。ときどき、歓声や拍手が聞こえてきていましたから、はは~ん、と。
こちらは今度はNoismスタッフによる隠密行動だったようですね。でも、おふたりともが与り知らないところで、本当に数多くの人たちの目に晒されていたことを思うと、なんだかちょっと笑えますよね。
幸せのおこぼれに預かれて、本当に嬉しかったですね。
あと、公演を観た感想については機会を改めて書けたらと思っています。
で、このあとのブログアップとしては、埼玉公演までの早いうちに「ランチのNoism」をひとつ予定していますので、そちらもどうぞお楽しみにってことで♪
(shin)
shinさま
木製額の件、ぜひアップしてくださいね!
記事・写真お待ちしています♪
「ランチのNoism」も♪
いつもありがとうございます!
(fullmoon)
fullmoon さま
アップできたらいいのですけれど…。
「撮影禁止」とされていたのを読まずにスマホで撮ろうとしたところ、「すみません」とスタッフに制されてしまって、画像ないんですよ。
…それで文章でのご紹介のみなのでしたが…。
手の込んだフレーム四隅の造作に味のある「一対の」上品な木製額でしたね。
「実物」をご覧になられていない方は、Noism公式の各種SNS(twitter、instagram、facebook)をご覧頂けたらと思います。メンバーが集まっての記念写真2枚に写っている額がそれです。
(shin)
shinさま
失礼いたしました。
そうでしたね。
「撮影禁止」の札が出ていましたね。
目に入らず、撮られていた方もそこそこいたようですが・・・
(私も見えなかった(汗))
shinさんのご感想と「ランチのNoism」楽しみにしています♪
(fullmoon)