名作と話題作と感動作に衝撃作!待ちに待った『春の祭典』本公演は驚きの超弩級!

2021年7月2日(金)の新潟市は実に蒸し暑い一日でした。

6F旬彩柳葉亭から窓外を望む

りゅーとぴあに運ぶ私たちの心も待ちに待った期待値の高さから更に熱かった訳ですが、それを更に更に超えていってしまったのが、この日の『春の祭典』本公演初日の舞台。結論、もう、金森穣とNoism Company Niigata、ホントに恐るべしです。

もう既に、何も書かぬままに、上に「結論」としてしまいましたが、それは本心。この超弩級の舞台を見せつけられてしまったら、それを語ろうにも、言葉など如何に陳腐で空疎なものにならざるを得ないか、そんな圧倒的な事実に直面する以外ないからです。

ネタバレはなしに書きますが、それを完全に徹底しようとするなら、演目の順序を告げる上の画像も本来、明かすべきではないのでしょう。馥郁たる「名作」の至芸に胸を焦がし、異色の「話題作」の細部に見入り、崇高な「感動作」に涙腺を直撃され、ストラヴィンスキーがリアルに降臨したかのような「衝撃作」に組み伏せられる超弩級のプログラム。4作品の折り紙付きの素晴らしさのみならず、その「繋ぎ」の見事さにまで息を呑むことになるのは金森さんの美意識あればこそ。待っていました、劇場が産み落とすこの非日常の豊かさ。瞬きするのも惜しいほど、一瞬たりとも無駄にしたくない濃密な時間…。

…観ているあいだ、こちらの身体も途方もなく火照り、奇妙に汗ばんだことも書き記しておきます。

そして、最後の演目『春の祭典』が終わったとき、舞台上で、肩を上下させながら、大きく口を開けて、最大限、息を吸い込もうとする舞踊家たちの例外なく苦しそうな顔、また顔。観客の視線の「生け贄」と化し、全てを振り絞って踊った者たちにとっては、劇場内に響き渡る拍手が如何に大きかろうと、耳がそれを受容する以前に、身体は正直で、まずは酸素を欲しないではいられない、そんな感じが伝わる険しい表情たち。その苦悶が舞踊家の渾身を雄弁に物語り、拍手は更に大きなものになっていきます。やがて、ひとりまたひとりと漸くにして表情が緩み、そうしてカーテンコールを繰り返すうち、舞踊家たちの列に笑顔の金森さんが加わった訳ですから、スタンディングオベーションの波が広がっていったことに何の不思議さもあろう筈がありません。いつしか、踊った者と見詰めた者の間に一体感が生まれ、舞踊家たちも客席に向けて拍手を返してくれたとき、初日の多幸感は頂点に達しました…。

とにかく物凄い舞台です。浸って観ているあいだも、観終えてからも、私(たち)は劇場が提供するこんな非日常を待っていたのだと実感できました。その実感、今度はあなたも♪

ストラヴィンスキー没後50年 Noism0+Noism1+Noism2 『春の祭典』、この上なく贅沢で、もう「必見」以外の何物でもありません!

(shin)

「名作と話題作と感動作に衝撃作!待ちに待った『春の祭典』本公演は驚きの超弩級!」への2件のフィードバック

  1. shinさま
    素晴らしかったですね!!
    本当に、素晴らしいとしか言いようがありません。
    どの作品も「超えてくる」その凄さ!
    まさに「必見」です!!

    今日は珍しく2階席でした。
    よく見えました(映像も)♪
    久しぶりの市松ではない客席に、ぎっしりの観客。
    熱のこもった拍手と、大盛り上がりのスタンディングオベーション。
    圧巻の眺めでした♪
    私の前列に座っていた中原市長も舞台に手を振っていましたよ♪
    その隣のミハイル・セルゲーエフ在新潟ロシア総領事はスタンディングオベーション♪

    新潟公演、あと2日。
    皆さま、観ないと損ですよ。
    どうぞお運びください!
    (fullmoon)

    1. fullmoon さま
      コメント、有難うございました。
      こちらが「非日常」の感動を劇場に求めて、どれだけハードルを上げても、それを易々と「超えてくる」のが、毎度ながら、金森さんとNoismの凄さですよね。
      もう感動なんてちゃちな言葉じゃ追いつきません。
      圧倒され、蹂躙され、こちらの存在の根底のところを鷲掴みにされて、「これでもか!」とばかりに終始揺さ振られ続けでもしたかのような、そんな体験、…大好物です♪
      毎回、公演の度に、これだけ魂を揺さ振って止まない舞台が観られること自体、Noismでなければ相当に稀なのでは。
      その妥協を許さず、追い詰めて追い詰めて、その果てにしか実現され得ない舞台は、常に奇跡的なクオリティなのですが、それはこの度も顕著でしたね。
      どこまで行くんだ、Noismは!?まさにそんな感じで。

      「超えてくる」Noismを目撃し、蹂躙される快感に浸る、その恍惚。それは今日も明日も約束されていることに過ぎません。
      是非、劇場でご体感ください♪
      (shin)

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