メール取材日:2023/07/20(Thur.) & 07/22(Sat.)
Noism Company Niigataの19th シーズンのラストを飾るNoism0 / Noism1「領域」ダブルビル公演も大盛況のうちにその幕をおろし、季節は真夏。それも災害級に熱い夏。皆様、どうかご自愛ください。エアコンの効いた屋内でお読み頂くにはもってこいかということで、(勿論、どこでお読み頂いてもいい訳で、場所の制約を加えるつもりはありませんが、)ここに「纏うNoism」の第9回、糸川祐希さんの回をお届けします。どうぞごゆるりとお楽しみください。
「スタイルとは、言葉を使わずに自分が何者かを伝える方法」(レイチェル・ゾー)
それでは「纏うNoism」、糸川さんのご登場です。
纏う1: 稽古着の糸川さん

「何も足さない、何も引かない」って感じですね♪
*全く奇を衒ったところのないスタイルと表情ですね、糸川さん。リラックスした立ち姿で。ええっと、この日の稽古着について教えてください。
糸川さん「最近、トップスは肩から腕のラインが見えるのでユニクロのタンクトップをよく着ています。パンツもユニクロの物で、ストレッチが効いていてお気に入りです。黒が好きなので身の回りの物全般、黒を選びがちです。また靴下もユニクロで、踊りやすくて気に入っているのでまとめ買いしています」
*おおっと、糸川さんはユニクロのヘヴィーユーザーなのですね。しかも、おっしゃる通りの全身黒ずくめ。海外の映画にでも登場しそうな「NINJA」の風情もあります。ニンニン、と。
*ではまず、タンクトップについて伺います。「肩から腕のラインが見える」という着用の理由を話されましたが、それは「誰に」見えるということなのでしょうか。
糸川さん「自分がクラスやリハで筋肉の使い方などを視認出来るように着ています。また、最近筋トレを始めたので日々の変化が見えるとモチベーションに繋がります」
*なるほど。そうですよね。メンバー内で筋肉美を競い合っている訳ではありませんものね。変な訊き方になってしまいましたが、日々自分の身体に向き合う舞踊家らしいお答えに納得です。
*次いで、もう靴下についても触れて貰っちゃってますが、敢えて突っ込みますね。ユニクロの靴下のどんな点が踊りやすいと感じられるのでしょうか。
糸川さん「踊る時は薄めの靴下が踊りやすいと感じるので、程よく薄いユニクロの靴下を愛用しています」
*そうですか。坪田さん、樋浦さんに続いてのユニクロ・ソックス派。わかりました。
纏う2: 糸川さん思い出の舞台衣裳
*これまでの舞踊人生で大事にしている衣裳と舞台の思い出について教えてください。

糸川さん「Noismに入団する前、最後の発表会で踊った『白鳥の湖』の王子の衣裳です。
この発表会に出る時にはもう入団が決まっていたので、バレエ衣裳を着るのはもう最後かなと感慨深く思ったのを覚えています」
*やはり、そうですよね。アレですよね、うん。糸川さん、後方にお立ちですけれど、「稽古着」画像とは全く趣の異なる、凛々しい、リアル「王子」立ちかと。スラッと高身長で。でも、そうしますと、お直しなんかも必要だったのではありませんか、「王子」の衣裳。
糸川さん「確かウエストが緩くて、詰めてもらった記憶があります」
*そうでしょうとも、そうでしょうとも。スラッで、シュッですものね。
*ええっと、これは直接、衣裳とは関係ない質問になるのですが、この発表会のとき既に、周囲にNoismに入団されることを話されていたのでしょうか。それともこの後に話されたのでしょうか。
糸川さん「本番の時には既に周りに報告していたので、『最後の王子だね』と先生にも言われてました」
*他にはどんなリアクションがあったりしましたか。
糸川さん「驚いて、みんな『おめでとう』と言ってくれました」
*「王子」を送り出すのですから淋しさもあったでしょうが、それ以上にモチベーションにはなったでしょうね、確実に。
纏う3: 糸川さんにとって印象深いNoismの衣裳
*Noismの公演で最も印象に残っている衣裳とその舞台の思い出を教えてください。
糸川さん「『Der Wanderer ―さすらい人』の衣裳です。
最初、衣裳を見たときはピンクのシャツと紫のパンツという派手さに苦笑いしてしまいましたが、長い公演期間を経てだんだん愛着が湧いてきて、とても思い出に残っています。
穣さんが自分にソロを振り付けてくださったことや、全14回という公演回数の多さなど初めての経験尽くしで、この舞台に立った経験は深く自分の中に刻み込まれています」
*ですよね。「ピンクのシャツと紫のパンツ」、見ていてもインパクト大でした。で、その衣裳で踊られた際の金森さんによる振付には若さが溢れていました。しかし、『セレナーデ』からの後半では、衣裳がお好みの「黒」(と白)に変わり、振付も大人っぽいものになりました。そのあたりの変化についてはどのように感じましたか。
糸川さん「衣裳が変化することで気持ち的にその役柄に入り込みやすくなると感じました。ただ一つの作品の中で様々な役柄を演じ分けることはとても難しく、自分の中に課題として残りました」
*なるほど、なるほど。そうですよね、うん。あの作品での金森さんの振付は、一人格としての連続性を保ちながらも、同時に、ピンクと紫の『ヤング・アンド・イノセント』から、なんなら『魔王』にでもなってしまうような変化というか、大跳躍みたいなものが仕掛けられていましたものね。でも、どちらも素敵でした。あと、糸川さん、きつくて苦しい踊りになればなるほど、表情に「笑み」みたいなものが浮かぶことにも気付きましたよ。そこも「M」っぽくてツボでした。(笑)
*Noism Web Siteへのリンクを貼ります。
2023年『Der Wanderer - さすらい人』画像で、「衝撃」のピンクと紫ほかをご覧ください。見ているだけで、シューベルトの歌曲が甦ってきますから。
纏う4: 普段着の糸川さん

*この日のポイントと普段着のこだわりを教えてください。
糸川さん「夏は全体的にゆったりしたものを着ることが多いです。
最近購入したリカバリーサンダルが歩きやすくてとても気に入っています」
*ゆったり何気なさがいい感じですが、まずはそのリカバリーサンダルについてお訊きします。その「疲労回復効果」などは如何ですか。「個人の感想です」レベルで構いませんので、教えてください。
糸川さん「疲労回復効果はよく分かりませんが、歩く感触がフワフワしててとても気持ちいいです」
*気持ちいいいんだ、フワフワ。な~るほど。足の心地よさ、大事ですよね。酷使しますものね。
*次いで、今度はTシャツについて伺います。左胸のワンポイントのデザインが何とも「いい味」を出しています。何の図柄なのでしょうか。また、同じ図柄がバックプリントされていたりするのですか。
糸川さん「フランク・ロイド・ライトというアメリカの建築家の名前が書いてあります。バックプリントはこんな感じになっています」

*あ、ご親切にどうも有難うございます。これって確かフランク・ロイド・ライトによるステンドグラスのデザインですよね。よくは知らないのですけれど。う~ん、目を惹くのには訳がありますね、うん。ところで、彼が語った有名な言葉にはこんなのもあります。「あなたが本当にそうだと信じることは常に起こります。そして信念がそれを起こさせるのです」舞踊に献身されている糸川さんにピッタリかと。
*脱線しましたね。戻します。そのTシャツと黒のキャップはどちらかのブランドの品なのでしょうか。そのあたりお訊きします。
糸川さん「Tシャツは beauty&youth の物で、キャップはポロラルフローレンです。どちらもとても気に入ってます」
*メモメモメモメモ。皆さん、ここはメモですよ、メモ。もしくはすぐに検索。はい。
糸川さん、どうも有難うございました。
糸川さんからもサポーターズの皆さまにメッセージを頂いています。
■サポーターズの皆さまへのメッセージ
「いつもあたたかい応援をしてくださり本当にありがとうございます。
皆様により良い舞台をお見せできるよう、舞踊家として日々精進していきます。
これからもよろしくお願いいたします」
こちらこそ、よろしくお願いいたします。で、ええっと、これは個人的な事柄になるのですが、『領域』新潟公演の楽日、終演後のりゅーとぴあ1F出口付近で偶然、糸川さんに遭遇したときのことを思い出します。外で待っておられたお母様をわざわざお呼びくださり、ご紹介くださった礼儀正しい好青年の「糸くん」。この度もそうした気遣いが溢れていました。誰からも愛されずにはいない人柄、とても魅力的です。重ねて諸々有難うございました。
ということで、「纏うNoism」第9回、糸川祐希さんの回はここまでとなります。
これまで、当ブログでご紹介した糸川さんの次の記事も併せてご覧ください。
糸川さんにも、前回の杉野さん同様、この先、「ランチのNoism」(現在休載中)にもご登場頂きたいと思っております。その際はどうぞ宜しくお願いします。
今回の「纏うNoism」糸川さんの回、如何でしたでしょう。では、また次回をお楽しみに♪
(shin)
糸川さん、shinさん
ありがとうございました!
糸川さんの率直で飾らない性格が表れているなぁと思いました♪
それにしても、Tシャツがフランク・ロイド・ライトとは驚きました。シブいですね~
そして、稽古着、王子、shinさんがリンクしてくれた『Der Wanderer ―さすらい人』と、目を引きますね~✨
糸川さん、これからも舞踊道を邁進していってくださいね♪
shinさん、個人的エピソードも含め、諸々楽しませていただきました♪ありがとうございました!
蛇足ながら、『Der Wanderer ―さすらい人』の写真を見て、あのときの感激、感動、新たです✨
(fullmoon)
fullmoon さま
コメント有難うございます。
糸川さん、飾らず伸びやかで謙虚、そんな内面がそのまま表出されているところ、ホントに魅力的な好青年なんですよね。
まだまだ若くて、伸びしろたっぷりで、文字通り、「後生畏るべし」って感じかと。
糸川さん、この度はホントに有難うございました。
また来季、『鬼』再演が楽しみでなりません。
(shin)