金森さんの愛を感じた「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021」活動支援会員対象公開リハーサル(土曜日の部)

正確に一週間後に控えたNoism Company Niigata × 小林十市さんの公演(「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021」)を前に、10月9日(土)に開催された活動支援会員対象の公開リハーサルを観てきました。(@りゅーとぴあ・スタジオB)以下、ネタバレなしでいきます。

この日と翌10日(日)、二日間に設定された公開リハーサルですが、両日各12人と限られた人数しか目にすることができないとあって、申込開始日には朝から緊張して、ドキドキしながらメールを送信し、その後、「受け付けました」旨の受信を見た際には安堵の気持ちが湧いてきたことが思い出されます。

先日の「柳都会」を聴いて、金森さんが「奇跡」と表現する「兄ちゃん」十市さんとの共演への期待は募る一方でしたので、待ち遠しかったこの機会。

そして3日前(10/6)になって届いたメールには「終了時刻変更」とあります。当初、30分の予定だったものが、1時間に延長されると知らされたのです。「もしかして全部観られるの?」そんな思いを胸に足を運んだ土曜日のお昼過ぎでした。

「1時間もの」に延長されて
実施された公開リハーサル

で、その公開リハーサル、もう随所に金森さん(とスタッフの皆さん)の愛が溢れた至福の約70分だったと言わねばなりません。まず、折から「劇場に空きがない」とりゅーとぴあでの公演が叶わず、目にする機会に恵まれない新潟市民に向けられた愛。フラットな床面、アクティングエリア「きわきわ」に据えられた椅子に腰掛けて、まさに目と鼻の先で見せて頂いたのですが、もちろん、そこに緞帳はありません。全てが顕わしの空間で、金森さんの「カーテンが上がってます」と「カーテンが下りてます」の言葉に挟まれた、当日の舞台の一部始終(それは言葉の正確な意味での「一部始終」で、ホントに最初から最後まで)を見せて頂いたのでした。

第一部は「映像舞踊」として観てきた演目の実演版。出演者も入れ替わり、「あっ、この人がこれをやるんだ」という楽しみ方もあります。そして何より、十市さんを配して追加された場面はまさに眼福で見とれます、マジで。ネタバレを避ける配慮から書けないのが残念ですが、横浜で、或いは明日の公開リハでご覧になられる方はどうぞお楽しみに。ベジャールさんと、そして十市さんへの愛に溢れていることは言うまでもなく、金森さんが、2020年、「コロナ禍」の舞踊家を念頭において、「中心」不在に映る映像を撮ったことで、周囲にある種の磁場が形成され、十市さんが召喚されたのに違いないと思うほどです。このはまり方、金森さんには最初からこのイメージが見えていて、ただ謙遜して「奇跡」と呼んでいるだけじゃないのか、などとも。

そして踊り終わった後には、本番、横浜の舞台での演出についても説明してくれた金森さん、もう愛の人でしかありません。後光が差して見えました。大袈裟でもなんでもなく。

10分(本番では15分だそうです)の休憩を挟んで、新作を見せて貰いましたが、これはもうこれまでのNoismのイメージとは一線を画すもので、「兄ちゃん」十市さんのキャラクターや資質が色濃く投影されたクリエイションだっただろうことが明瞭です。「兄ちゃん」への愛。十市さんに触発された結果、「お初にお目にかかります」的Noismに仕上がっていると言っても過言ではないでしょう。音楽を含めて全てが斬新。しかし、それがどんなものかは今は伏せておきます。なにしろ、ネタバレ厳禁が大命題ですから。ただ、新しいNoismとの出会いが待っていますとだけ。

また、この日の公開リハーサルの楽しみは他にもてんこ盛り状態でした。第一部で再び踊る姿を観た浅海侑加さん、相変わらず素敵でした。またどんどん踊って欲しいものです。そして、先日、「私がダンスを始めた頃」で続けてご紹介した新加入の庄島さくらさん、すみれさんの踊りもガン見しましたし、この度、昇格してNoism1で踊る中村友美さん、坪田光さんにも目が行きました。多くの面で、とても興味深く、中身の濃い時間を過ごせたと思います。

そんなこんなで、終了したのは、13時40分頃だったでしょうか。始まったのが予定の12時半を少し回っていたとはいえ、約70分間、何の出し惜しみもなく、もう「最後の最後まで」全て見せて貰っちゃった訳です。これほどまでに愛ある「リターン」があるなんて、もう活動支援会員でいて良かった♪今日スタジオBにいた誰もが一人残らずそう思っていたことは間違いありません。あそこまで見せられたら、もうスタンディングオベーションで応える他ないじゃありませんか。みんな笑顔笑顔で立ち上がって拍手を送った、そんな公開リハーサルでした。

(shin)

「金森さんの愛を感じた「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021」活動支援会員対象公開リハーサル(土曜日の部)」への10件のフィードバック

  1. shinさま
    公開リハーサルの詳細アップ、ありがとうございました!
    ホント、驚きの公開リハでしたね!!
    「兄ちゃん」十市さんを中心に巡る物語。
    愛が溢れる70分間を堪能させていただきました♪
    鳴りやまぬ拍手、スタンディングオベーション!
    素晴らしい!!
    (fullmoon)

    1. fullmoon さま
      コメント有難うございました。
      ホントに愛、愛、愛を感じる公開リハでしたね。
      あの場にいるだけで多幸感に浸れるというか。
      そして、仰る通り、十市さんを中心に据えて展開される2部構成が、
      途中、目新しいNoismの姿を示しながらも、
      最後には端正に円環が閉じられていく…、やはり唸るのみですよね。
      大いに堪能しました。
      あの状況ですと、もうスタンディングオベーションしかありませんでしたし、明日も、もう1ダースの人たちを魅了すること請け合いですね。
      そして横浜でご覧になられる方、乞うご期待です。
      Noismのイメージを一新するだろう舞台、
      「もういくつ寝ると…」と、期待値を上げてお待ちください。
      (shin)

  2. こんばんは。昨日、来日中のベジャールバレエ団を観てきました。今週末は小林十市さんとNoism…系譜を観られるのは楽しみです。
    なおベジャールバレエは週末も公演予定されており、可能な方は横浜と上野へ行かれても面白いと感じます。

  3. 市川さま
    コメントありがとうございました!
    ベジャールバレエ団、2週続けて公演がありますね♪
    感染症がようやく少し収まり、楽しいプログラムが続々と・・!
    横浜でお会いしましょう♪
    (fullmoon)

    1. 市川 さま
      fullmoon さま
      情報、有難うございます。
      マクロで通史的にみるなら、疫病禍に屈することなく、それを跳ね返す芸術、その百花繚乱ぶりがすぐそこまで!
      それはとりもなおさず、金森さんが昨年、「映像舞踊」版で示したラストで炸裂する高揚!
      矜持ある観客として、感染症対策は怠らず、色々楽しんでいきたいものです。
      (shin)

  4. 10日(日)の活動支援会員向けリハーサルへ駆け付けました。shinさんの詳報で否応なく期待が高まっていましたが、やはりその期待を軽々と飛び越えるような仕上がりに、圧倒されました。
    今言えることは「オシャレ」「楽しい」「猥雑でいいなぁ」くらい。初めてNoismに出会った某作品を、強く連想しつつ、その楽しさの連打にうち震えました。一見楽しく、華やかに見える舞台に込めた演出意図まで惜しげなく明かしてくれる金森穣さんに、感謝です。
    本番は更に演出・照明が加わるとのこと。神奈川へ行けない方の分も、しっかり眼に焼き付け、報告出来ればと思います。
    また、五代目小さん師匠のお孫さんである小林十市さんのダンスを至近距離で堪能した直後に、柳家小三治師匠の訃報を知って絶句したことを書き添えます。

    1. 書き忘れた点をひとつ。これまた詳細は書けませんが、ある金森穣さんと小林十市さんの絡みで、ハプニングが生じ、演者も客席も笑いに包まれました。リハーサルの合間も、金森さんから小林さんへのある「つっこみ」に笑いが。小林十市さんのキャラクターが、Noismへの「来訪者」として、最高の味わいを加えています。

    2. 久志田 さま
      コメント有難うございました。
      ヴェールを脱いだばかりのリハーサル初日をレポートするというので、「ネタバレだけはすまい」と我が身に言い聞かせて書いた記事でした。補足していただくかたちになり、感謝です。
      実は私も観ている間中、はからずも、久志田さんが今回挙げておられる3つのワード、特に3番目はそのものズバリが浮かんできました。
      それらが醸し出す多幸感は、この度のダンスフェスティバルのクロージング作品として、まさにうってつけかと。
      そんななか、嘘のようなタイミングで届いた訃報、心よりお悔やみ申し上げます。
      (shin)

  5. shinさま
    fullmoonさま

    shinさんのアップしてくださったブログを読み、いてもたってもいられなくて、早く観たい!と、気が急いて、早々とりゅーとぴあに到着しました。時間もあったので、晴ればれとした空とりゅーとぴあの写真を撮ろうとしていたら…
    公開リハーサル前のお二人が、背後から…
    右は、怪しい人の脇を通り過ぎるていで、コソコソしながら振り返っておられます(笑)

    リハーサルですが…
    本当にこれを全幕観せていただけた幸せを噛み締めたと同時に…
    本番を観れない悔しさがなんとも切なくなりました。
    本当に素晴らしかったです。
    十市さんと踊る金森さんの楽しそうな様子。
    あんなに純粋に楽しそうに踊っている様子の金森さんは、初めて見た気がします。
    作品として、十市さんが加わったからこその化学反応がとても新鮮で、感動して、涙腺崩壊でした。
    本番が…観たいっ!!!となるわけですが、叶わない。
    悔しいです。
    本番を観れるところにお住まいのみなさま、決して見逃すことのなきよう。
    (きっと、このブログに訪れてくれる関東圏のみなさまは、行かれること間違いないと思われますが(^ー^))
    溜め息をつきながら、余韻を噛み締めています。

    aco

    1. aco さま
      2枚の画像(使用許可も含め)のご提供、並びにコメント有難うございました。
      あの画像、その後、リハーサルで観ることになるテイストそのままですよね。睦まじく、楽しげで。
      味気ないブログ記事に、今回の作品の雰囲気がそのままに付け足されて、大いに有難かったです。
      そしてリハーサル、そう、化学反応です、まさに。
      どちらかというと、いつもの金森さんなら封印して作品作りにあたるのだろう側面が、この度は最前面に出て来ているように感じました。
      それこそ、「兄ちゃん」十市さんの持ち味が開いた扉と言えるかもしれません。そんな化学反応。
      金森さんが繰り返し用いる「兄ちゃん」という呼称、そのある意味とてもベタな関係性が持ち込まれてこそ可能になった作品世界。それはまさに必見かと。
      ご覧になれる環境にあるなら、その機を逃す手はありませんよね。
      そして、今、私たちが精を出している、十市さんの「お腹」に気を送り続ける取組みの果てに、新潟での再演がもたらされる日が到来するものと信じています。舞踊の歴史に遣わされた「使徒」ふたりなら、必ずや。そんな私たちにとっての「奇跡」、待っています。
      (shin)

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