「私がダンスを始めた頃」⑲ 中村友美

 まだつかまり立ちの頃、読経に合わせて母の肩を支えに縦ノリで踊り出した0歳児。初ダンス。

 幼少期は、何かに成り切るのが好きでした。特別な力を持っている、変身出来ると本気で信じ込んでいるような子でした。変な子です。

 そして8歳でクラシックバレエを始めました。母の昔の夢がバレリーナだったので、私がそれを叶えたかったのがきっかけです。しかし、文武両道出来なければ辞めることを条件に。

 時は過ぎ、高校卒業、大学に入学。プロへのチャンスを探すが良いご縁がなく。夢を追い続けるのか、新卒として周りの友達同様に一般の就職をするのか悩んでいました。
 そんな中、練習中に足を骨折。足が動かせないなら腕をトレーニング。次は腕が腱鞘炎。もう片腕は打撲。
 ”踊れない”。バレエを始めて十数年の中で、初めての経験。踊れない辛さ、苦しみを初めて心の底から感じました。踊れる日常が当たり前だったので、”踊りたい”という感情がこんなにも強くあることにこの時初めて気付きました。

 これがこの道に’覚悟’を決めた瞬間でした。一度きりの人生、周りと同じ道に進まなくても良い。上手じゃなくても、リスキーだけど出来るとこまで、気がすむまで自分に賭けて挑戦するぞ、と。

 後に、コンテンポラリーバレエに出会い、クラシックバレエでは出来ない表現や、身体の可能性を感じました。
 クラシックバレエ以外の舞踊も挑戦したい、知りたいと思い受けたのがNoismオーディション 。そして、今に至ります。

 これからも自分の進む道に、挑戦、変化を恐れず。日頃の感謝を舞台にのせて。

(なかむらともみ・1997年大阪府生まれ)

「「私がダンスを始めた頃」⑲ 中村友美」への4件のフィードバック

  1. 中村 さま
    原稿とそれに沿った素敵な写真、どうも有難うございました。
    苦境の中に見出した強い思い、そして覚悟、
    諦めずに挑戦し続ける根性等々、
    行間から滲み出てくるように感じながら読みました。
    そうした様々な「時」が折り畳まれた身体、
    それが繰り出すダンスを見詰めることへの期待が募ります。
    そんな気持ちを掻き立てずにはおかない、
    常にダンスを追い続けて今に至る魅力的な個人史、どうも有難うございました。
    (shin)

  2. 中村さま 
    個性的な文章と素敵な写真、ありがとうございました!
    可憐で控えめな印象の中村さんですが、shinさんがコメントされているように、燃える闘魂と覚悟のほどを感じました。
    今年4月の、中村さんがまだNoism2の時の『Complex~旧作と新作の複合による』では、中村さんの表現力と安定した踊りに驚きました。
    それから『春の祭典』本公演を経てのNoism1昇格、おめでとうございます!
    横浜の『A JOURNEY~記憶の中の記憶へ』にNoism1メンバーとして出演されましたが、これからがますます楽しみです♪
    応援しています。がんばってください!
    (fullmoon)

    1. 匿名 さま
      コメント、有難うございました。
      お友だち or お知り合いの方かと拝察致します。
      可憐な容姿からは想像もつかないような、本当に凄いド根性を読ませて貰った気がしますよね。
      そうした背景を心に留めて、『Endless Opening』の中村さんを見詰めたいと思います。
      いよいよ明日、(大雪予報が出ている)新潟が「喜びの花束」で染め上げられます。
      匿名さま、皆さま、新潟、東京の年末、そして年を跨いだ高知、お近くの会場で是非一緒に多幸感に浸りましょう。
      (shin)

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