世界と対峙する『R.O.O.M.』/『鏡~』新潟公演2日目

日本時間の2019年1月26日(土)の夕方は、多くの耳目が熱い南半球・豪州のメルボルン界隈にも注がれていたと思われますが、ほぼそれと同じ時刻、雪の降る新潟市のりゅーとぴあ・スタジオBでも、私たちの誇りである舞踊家たちが世界と対峙して、同様に相当熱かった訳です。

前日、初日を迎えた公演で圧倒され、「またすぐ観なきゃ」となり、当日券売り場に一番乗りで並んでいると、私を駆り立ててそういう心境にした張本人の金森さんが飲み物のカップ片手に向かい側のエレベーターに乗り込もうと通りかかりました。で、目が合い、私を認めると、笑顔で、空いたもう片方の手を振ってくれる金森さん。私も会釈を返しましたが、心の中では「あなたが呼び寄せたんでしょ。」と言いながら、その「特典」を嬉しく頂きました。

そして午後4時、無事、当日券も買えました。…安堵。

この日の雪については、少し遡ります。
前日まではまったくなかった雪ですが、日付が変わってから降り出し、
それから後はもう断続的に降り続いたため、
公演が始まる頃にはりゅーとぴあ付近は10センチ弱の積雪となっていたでしょうか。
そんななか、入場を待つホワイエでは、
快晴の東京・関東圏から、恐らくは「川端康成気分」でお越しの方々ともお会いし、
Noismが繋ぐ縁を楽しむひとときも持ちました。

開演。まずは『R.O.O.M.』から。
前日、初見では驚きっ放しのうちに過ぎた時間になんとか食らいつこうとしてみます。

金森さんが「舞踊家に法則性を与え、同じ法則に従って次の舞踊家が反復する」(1/23新潟日報朝刊)と語り、
Noism1メンバーの西岡ひなのさんが「物語がなく、身体とこの空間でのロジック、とても複雑ですが一つの規則性があります」(Noismサポーターズ(unofficial)会報・35号)と紹介してくれた、
「法則性」或いは「規則性」に少しでも迫りたかったからです。
前日は最前列から観たので、この日は全体を引いて観ることを考えて、
後ろから2列目の席を選んで鑑賞しました。

結果、やはり舞踊言語に不案内な身にとっては荷が重く、まったく歯が立たずに、
「脳内で疑似体験する」(金森さん・上掲紙)だけに留まってしまったのですが、
それでもその「疑似体験」を今回も堪能しました。

中断し、「脱臼」させられる連続。
その不連続の連なりは、微細に動きながら、(部分の総和ではない全体として)新たなゲシュタルト相を生成していくようですし、
そのことはとりもなおさず、一見、「箱」のなかの純粋なミクロを標榜するように見せながらも、常に不可視の「箱」外部を想起させずには措かない訳で、
とてもスリリングな視覚体験と言えるでしょう。
それにしても、観ているだけで充分楽しいのですけれど、
同時に、「目に徹して見る」、
ただそれだけのことが途方もなく難しいことなのだと改めて気付かせられもする、
そんな作品です。

15分の休憩を挟んで、井関さんと金森さんが踊る『鏡の中の鏡』です。『R.O.O.M.』でも踊った井関さんがこちらも踊ること、ただそれだけでも驚きな訳ですけれど。

この作品は『R.O.O.M.』と「合わせ鏡」的な性格を有するものと言えるでしょう。苦悩する二人の人間の姿からのアプローチで紡がれていきます。(個人的に殊更新鮮に映るのは、いつも確信に満ちている金森さんが苦悩する様子です。あまり目にしませんよね。)

苦悩、絶望の果ての…、そこから先は書けません。ただ、片時も目を離さぬようにとだけ。

どちらの作品にも、長く続く盛大な拍手と「ブラボー!」の声が飛んだことも書き記しておきます。
個人的な事柄ですが、「昨日の今日」で観に来てよかったと思いました。
新潟は残り11公演、まだまだ観るチャンスはありますし、
たとえ、前売り完売だったとしても、
この日の私のように、当日券が発売されることもあります。
とても深い境地を見せてくれる2作品、まだの方は是非一度。既に楽しまれた方はまたもう一度。その時々の楽しみ方がきっとある公演です。是非、お越しください。

この日、公演の間、雪はそれほど降っていなかったとみえましたが、
時間的には気温が下がり、公演後には路面凍結もありました。
ただ濡れているようにしか見えない、怖い怖い「ブラックアイスバーン」状態の路面を
注意のうえにも注意しながら車を運転して帰路につきました。

…この日の小屋がはねてから、ちょうど2時間後。
放たれた力強いサーヴィスが、
相手ラケットによって正確にヒットされることなく、
リターンされるべき黄色の球体がコート外に弾んだとき、
世界と対峙していた日本人女性・大坂なおみ選手が全米OPに続いて、全豪OPも制し、
同時に女子テニス世界ランキング1位に登り詰めることで、
日本テニス界の歴史に新たな輝かしい1頁が刻まれる瞬間を目にしたのでした。

そんな日本人として感じる誇らしさの「二重奏」のうちに、
2019年1月26日という1日は過ぎていきました。
(shin)

Noism1新作世界初演(初日)、手もなく蹂躙されるその至福

「雪」の予報は出ているものの、まったくその白いものが落ちてくる気配のない新潟市の2019年1月25日(金)午後7時。待ちに待ったNoism新作公演、その世界初演初日の幕が上がり、『R.O.O.M.』50分+『鏡の中の鏡』20分、まさに金森さんが仕掛けた通り、手もなく蹂躙され尽くしたというか、何というか…、感情の振り子が両極に大きく振られてしまったというか…、もう心ゆくまで堪能しました、そう言う以外なさそうです。

スタジオBへの入り口の脇には、
先日、井関さんが受賞されたニムラ舞踊賞の賞状とトロフィーが、
そしてその横には、丁度、この日が授賞式だった金森さん受賞の毎日芸術賞を伝えるパネルが並べられていました。(画像は井関さんのものだけです。悪しからず。)
それを横目にいざスタジオBへ。

期待感を募らせた観客たち。場内暗転。ノイズめいた音楽。
先ずは『R.O.O.M.』の幕開けです。
やがて目に飛び込んできたのは、奥、両脇、天井の4面に正方形の銀色がびっしり張り詰められ、光の反射具合から繊細な市松模様を描いて見える「箱」。ただ「箱」、その内側。それが今回50分間にわたって、何が起きるか、目を凝らして眺める「実験スペース」です。

そして、「えっ! えええっ!!」(絶句)

既に冒頭からやられてしまい、その後も次々やられまくりでした。
見たこともない光景、そして反対に、どこかで、何かの映画で見たことがあるような既視感を覚える光景。
いずれにしても、メンバーの身体を使って、可視化・形象化しようとする何たる強靭な意志であることか、金森さん。

身体?肉体?---否、私が目にしたように思うのは身体的でも、肉体的でもなく、
まったくの別物です。
しかし、たとえそれが単に私ひとりの個人的な印象であれ、
今はまだ初日を終えたばかりですし、
そのあたり、詳しく書くことは差し控えることに致します。

更に、ほぼシーン毎に色味の変わる照明の美しさはどう書いたらいいのでしょうか。
そんな12シーン、引きずり込まれるように観ました。

終演後は、愉悦の拍手喝采と「ブラボー!」の声がスタジオ内を満たしました。
続く15分間の休憩中、観客はひとりの例外もなく興奮を隠し切れない様子でした。

そして後半、遂に『鏡の中の鏡』がそのヴェールを脱ぐ時が来ました。
同じ「箱」を使って演じらるとは知らされていましたが、まったく同一ということはなく、タイトルにもある鏡や照明など、いくつかの細部はこの作品に合わせての仕様に変えられていました。
金森さんのソロ→井関さんのソロ→デュエットという構成で、色濃い不安感と孤独、そして…、お二人でなければなし得ない世界を現出させていました。
金森さんがひく心理学者・ユングの用語であるアニマとアニムスと今作のタイトルに含まれた二つ目の「鏡」とが繋がる世界観とみました。
またしても大きな拍手と飛び交う「ブラボー!」が木霊したことは言うまでもありません。

ほんの15分の休憩を挟んで、感情を両極に大きく振られる2作とは! 

ホント物凄い公演でした。これは絶対見逃したら損です。「もっと観たい!」 

新潟最初の3日間は前売り完売で、この期間、私が買っていたのは今日だけだったのですが、明日、公演1時間前に若干枚売り出される当日券を求めて並ぼうかとマジで考え始めたような次第です。

「掛け値なしに面白いから絶対観て!」、自信をもってそう言いたい、
否、大声で触れて回りたい2作。
明日1/26(土)は17:00開演、
明後日1/27(日)は15:00開演。
期待値のハードルは上げるだけ上げておいても、上げ過ぎということがない筈です。
乞うご期待!
(shin)

NoismサポーターズUnofficial会報35号 発行

開幕目前!Noism1新作公演に合わせて、サポーターズ会報35号を発行し、
会員の皆様に発送いたしました。
各公演でも折込配布予定です。
どうぞ、ご来場いただき、お手にとってご覧ください。

会報35号、表紙もSo Cool!

公演直前につき、ワクワクドキドキ、そわそわのし通しで、
只今、毎回恒例の「そわそわ会」絶賛開催中です!(笑)
(fullmoon)

『R.O.O.M.』メディア向け 公開リハーサルを観てきました!

寒いながらも青空が見える、1月18日(金)、新潟市内に雪は全くありません。
先日の会員向け公開リハーサルに続き、メディア向け公開リハーサルを観てきました。

会場のスタジオBにはテレビカメラが3台。
新聞、雑誌等の記者さんたちもたくさん来ていました。
予定ではリハ公開は30分でしたが、なんと、通しで見せてくれるとのこと!
ちなみに今回は、『R.O.O.M.』45分、休憩15分、『鏡の中の鏡』20分の、
80分の公演となります。
舞台装置の箱(ROOM)は、天井や脇がふさがれ、先日の会員リハの時より、
かなり整いましたが、照明はまだです。

「始めましょう」という金森さんの声で、リハーサル開始!
会員リハの時より、ますます磨きがかかっています。

1番目の男性パートは、シャンユーさん以外は新メンバー。
2番目の女性パートは、よく見知っているメンバーなので、
『NINA』やロミジュリ、バヤデール、他、
彼女たちの出演場面がチラチラ脳裏をかすめます。

3番目は井関さんとジョフォアさんのデュエット。井関さんは無重力状態の軟体動物のようです。映画「2001年宇宙の旅」のようなイメージを持ちました。

しかし、やや平静でいられたのはここまで。
このあと次々と繰り広げられる、目まぐるしく、見たこともない凄い動きの連続シーンに、
目も心も奪われて、放心、陶然・・・
あっと気づいて、あと9つのシーンがあるのだと思い、なんとかメモを取ったのですが、
メモなんか取りたくなかったですね~
洪水のような身体の動きの量に、ただただ翻弄されていたかったです。
メモを取ったと言っても、ここで内容を書くようなことはしませんので、ご安心くださいね~
本番をぜひぜひお楽しみに。どうぞご期待ください!
素晴らしいですよ~!!

井関さんのポワント姿、よかった~♪
女性陣はポワントと靴下の両方で魅せますよ~
池ヶ谷さん、キレキレでした~
ロミジュリとはまた違った情報量の多さと、
ボレロのように盛り上がっていくノイズ音楽に、
観る者はノックアウトされることでしょう。

驚きの公開リハーサルの後は、金森さん囲み取材です。
金森さん自身、通しを見たのは、なんと、今日が初めてだそうで、
手応えを感じているようでした♪

以下に金森さんが話されたなかから少しご紹介しますと、…
・箱(ROOM)という制約された空間の中で創作し、新しい動きを実験、発見したい。
・『SHIKAKU』に通底するような実験的作品。初心に帰りたい。
  『NINA』に代わるような普遍的作品を創りたい。
・『R.O.O.M.』は物語性は全くなく、理数的、科学的に人間を捉えた。
・新潟市に限らず、財政難はどこも同じ。何が必要なのか、選択が問われている。
・新市長とはまだお会いしていない。お話ししたいと思っている。
・舞台装置は箱型だが、客席はフラットではなく雛段になる。
・公演後半の『鏡の中の鏡』は、箱の中で私と佐和子が踊る。
 … というようなお話でした。

プレスリリースもご覧ください。

https://noism.jp/wp2015/wp-content/uploads/e695f0f8bc62ae8aaeb8782277825ffe.pdf

本公演を、どうぞお見逃しなく!

新潟公演は、最初の3日間はチケット完売ですが、
1/31(木)~2/16(土)お席に余裕があります。
チケット情報:https://noism.jp/tks_room/

 お誘い合わせて、ぜひ何度もご覧くださいね!
(fullmoon)
(撮影:aqua)

実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』公開リハを観てきました♪

曇天なのか小雨混じりなのか俄に判然としないような2019年1月13日(日)、
新しい年の「Noism初め」として、
実験舞踊vol.1『R.O.O.M』公開リハーサルを観てきました。

会場のスタジオBへ足を運んで、入場を待っていると、
Noismスタッフの方からNHKの取材カメラが入るとのお話し。
前々日の毎日新聞、前日の読売新聞、そしてこの日のNHKと
メディアに取り上げられることが続き、
Noism界隈の潮目がいい感じに変わってきたと嬉しさが込み上げてきました。

予定されていた12:30を少し回った頃、スタジオBに設けられた席へと通されました。目の前には客席側のみ開け放たれていながらも、上方を含め、他の5面が区切られた「箱」状の舞台がありました。それはまるで、映画の横縦比2.35:1と横長のシネマスコープサイズの銀幕のよう。「銀幕」、そう、いみじくも、「箱」の内側5面はいずれも銀色のホイル(のようなもの)が張り巡らされています。その「箱」のなか、上手側にひとり板付きのシャンユーさんの姿。

「さあ、始めましょうか」金森さんの声がかかると、
電気的なノイズのような音楽が耳に届き始め、
陸上競技・短距離走のクラウチングスタート然とした姿勢から動き出すシャンユーさん。
そこに一人、また一人と加わり、5人の男性舞踊家のパートです。
音楽同様、彼らの動きも先を見通すには難しいものがあります。
メンズ5名が履いているのはグレーの靴下。銀色の内側に馴染むかのようなグレーは、
電気的な接点のようでもあります。(あくまで個人的な印象です。)
伸び切らない5つの身体が見せるのは、くねくね絡み合うような複雑な動き。

次は、女性舞踊家のパート。
上手側の壁の下から入って来るのは浅海さん、そして鳥羽さん。
やがてレディースは6人に。
彼女たちは揃ってポワントシューズを履いています。
「くねくね」はありながらも、「コツンコツン」と床を響かせ、直線的に身体を上方へと伸ばそうとする動きが含まれている点に、メンズとの違いも見えます。

続いて3つ目のシーンは井関さんと男性舞踊家・ジョフォアさんのデュエット。
ここでの二人はメンズと同じグレーの「靴下」組です。
「そう来たか!」このパートは前ふたつとは趣を異にする驚きの動きが目を奪うでしょう。
詳しくは書きません。ただ、私の目にはキューブリックの「或る作品」を彷彿とさせるものがあったと記すに留めます。
一体何のことやらですよね。
ご自分の目で本番を観て驚き、浸って堪能してください。

この日の公開リハ、デバイスの不具合から音楽にノイズが混じるトラブルがあり、
2度ほど中断をしながら、3つのパートを見せていただきました。
(もっとも、見ている私たちにはノイズか否かはよくわからずに進行していった訳ですが。)
その後は、金森さんによる舞踊の大手術。舞踊家それぞれが示した動きに対して、
「身体の各パートが独立して喋って欲しい!」、
或いは反対に「四肢+頭で『五肢』同時に!」等々、
金森さんの鋭い「メス」が各所で振るわれ、
一人ひとりの動きが別物に作り変えられていく過程をつぶさに見つめました。

私たちと一緒に公開リハを見守ったのが、元メンバーの宮河愛一郎さん。流れる音楽の不具合に対処する金森さんがその姿に気付いたときには「なんでそんなところにいるの?」、そして井関さんとのデュエットにおけるジョシュアさんの動きの修正に余念がないときにあっても「懐かしいだろ?」と声をかけられるなど、お二人が過ごした時間の厚みが伝わってくるようでした。

私たちサポーターズに囲まれる宮河さんの図
公開リハ終了後、
サポーターズに囲まれる宮河さんの図

この日は、『R.O.O.M』の全12シーンのうち、3シーンを拝見したあと、
最後に客席からのリクエストに応えるかたちで、
金森さんから新しいメンバーを紹介して頂き、
13:40頃、公開リハは締め括られました。

「まだ新潟のチケットはあります。
一度観ただけではわからないので」と金森さん。
理解しようとする視線を送るのではなく、
何より、次々繰り出されてくる「くねくね」などを
虚心に見つめているだけで、
目はこれまで出会ったことのない楽しみに出会える筈、
そんな作品として仕上がってくるのだろうことに違いはなさそうです。
ですから、私たちの側もひとつ鑑賞スタイルの「実験」などしてみる
というのは如何でしょうか。
「観ること」の新しい地平が開けることになるかもしれません。

東京公演は既に前売り完売ですが、
金森さんの言葉通り、新潟公演は最初の3日間(1/25~1/27)を除いて
まだお席に余裕はあります。
一度ならず何度か通ってみる価値のある作品であると確信できました。
皆さん、複数回の鑑賞は如何なものでしょうか。
きっと豊かな体験となることでしょう。ご検討ください。
(shin)

サポーターズのtwitterアカウント始動です♪

皆さま
お知らせです。

Noism活動期間延長の正式発表が待ち遠しい今日この頃。
タイトルにも書きました通り、
新しい年を迎え、当サポーターズもNoism本体に倣って、
更に前進するべく、twitterアカウントを作りました。
リンクページからもお進め頂けます。
今後、このブログ同様、皆さまからのご愛顧をお願いする次第です。

明日2019年1月13日(日)は実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』の公開リハーサル。
(12:30-13:30、受付開始は12:20~)
そのあたりから呟きたいと思います。
皆さまからのご参加を心よりお待ちしております。
(shin)

金森さん、第60回毎日芸術賞 受賞!

明けましておめでとうございます!
今年もご一緒に、金森穣Noismをますます応援してまいりましょう!

新年早々の吉報!
金森さんが第60回毎日芸術賞を受賞!!
おめでとうございます!!
https://mainichi.jp/articles/20190101/ddm/001/040/097000c

井関さんのニムラ舞踊賞受賞に続いての快挙!
春から縁起がいいですね~♪

そして今年のNoismスケジュールが一挙に発表されました!

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Noism1 実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』

新潟公演: 1月25日(金)- 2月17日(日)※全13回 
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
(1月25,26,27日 前売完売)

東京公演: 2月21日(木)- 2月24日(日)※全5回
会場:吉祥寺シアター(前売完売)

◆Noism2定期公演vol.10
3月15日(金)- 17日(日)※全5回
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

◆柳都会 vol.20 近藤一弥×金森穣
―グラフィックデザイナーの創造的知性
3月24日(日)15:00-17:00
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

◆Noism2札幌公演
4月19日(金)- 20日(土)※全2回
会場:札幌文化芸術劇場 hitaru

チェーホフ国際演劇祭2019
Noism劇的舞踊『カルメン』ロシア・モスクワ公演
5月29日(水)- 31日(金)
会場:Helikon Opera

シビウ国際演劇祭2019
Noism1実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』
ルーマニア・シビウ公演(予定)

6月中旬

◆Noism新作(予定)
新潟公演:7月19日(金)- 21日(日)
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸文化会館

東京公演:7月27日(土)- 28日(日)
会場:目黒パーシモンホール

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2度目となる、ルーマニア・シビウ公演や、7月のNoism1新作公演も!
9月には富山県でのシアター・オリンピックス招聘公演も予定されています。
亥年にふさわしい大活躍ですね!
私たちも、はりきって応援していきましょう♪

*閑話休題*

新年恒例、砂丘館での特別展示。
mikkyoz 013

Noism映像担当、遠藤龍さんの新作映像+音響作品(le)
mikkyoz(le+遠藤龍)13回目となる展示です。

開催期間:2019年 1月16日(水)~1月27日(日)
開館時間:9時~21時 (※1/16(水)~1/20(日)は9時~18時)
会場/砂丘館ギャラリー(蔵)
定休日:月曜日 
料金:観覧無料
主催:砂丘館
https://www.sakyukan.jp/2018/12/7197

こちらもどうぞお運びください♪

(fullmoon)

文化の厚みある湖岸の街・諏訪市で井関さん「ニムラ舞踊賞」受賞

2018年12月22日(土)。
年末の3連休初日であるこの日、
冬の1日にしては穏やかな空の下、湖岸の街・諏訪市まで出掛けて、
この街が生んだ世界的な舞踊家・ニムラエイイチ(新村英一:1897〜1979)に因む
「ニムラ舞踊賞」の第38回授賞式に臨席し、その様子を拝見して来ました。

ニムラエイイチ生誕120周年という、暦が丁度ふたまわりする区切りの今年、
受賞者は、言わずと知れた井関佐和子さん。
はるばる来なきゃならない訳です。


諏訪湖の恵みに与るこの街・諏訪市が、
「舞踊」の名の下に、100年の時を隔てて繋いだふたつの名前、
「ニムラエイイチ」と「井関佐和子」。
様々な感慨とともに、井関さんご本人ならずとも、
我が事のように嬉しさが込み上げてこようというものです。

午後3時からの授賞式に先立ち、開場後の舞台のスクリーンには、
先ず、ニムラエイイチの生涯を紹介する映像が、
次いで、今回の井関さん受賞の直接の理由である『Liebestod. -愛の死 -』の映像が、
式直前まで映し出されていました。
今、映像で観ても「心を持っていかれる」ものがありましたし、
映写が終わったときには、期せずして場内のあちこちから拍手が聞こえて来ました。
一新潟市民としては大変誇らしい気持ちがしたことは言うまでもなく、
そのことはきっとご理解頂けるものと思います。
そして授賞式の間、舞台下手にはサポーターズ及びさわさわ会からの2段のスタンド花が飾られ、文字通り、お祝いの席に花を添えていたことをここにご報告いたします。


今回の井関さんの受賞理由は、「Noism1の2017年6月公演において
金森穣振付『Liebestod -愛の死-』を、優れた身体能力を生かした
大胆かつ繊細な演技を駆使して成功に導いた。
また近年においては、副芸術監督としてNoismの活動の中核に参画し、
諸作品の再演をはじめ、カンパニーの活性化に大きく貢献した。
その功績を讃え、第38回ニムラ舞踊賞を送る」というもの。
まさにまさしくその通り。
遅過ぎる受賞かとも思われるのですが、
式冒頭の選考理由披露において、
選考委員長を務める山野博大さんも壇上からそのあたりのことを、
「(これまで)どうしても金森さんに賞が行っちゃうんですね。
で、(井関さんは)なかなか賞の対象になって来なかった。
それもおかしいんじゃないか。
これまでは作品の成功のために自分を捧げるスタイルだったのが、
『Liebestod』は井関さんの良いところを認める機会となった」と語りました。


受賞後のスピーチで井関さんが語ったこと。
16歳で欧州に行き、7年いる間に抱いたふたつの夢は、
舞踊団の設立に関わることと
振付家と一緒に作品を作ることだったが、どちらも叶った。
踊り続けてきて、同僚が去っていくなど辛いことも多くて、
簡単に、踊ることが好きというふうに言えるものではないが、
舞台に立つことが人生そのものであることは
ひとつだけずっと変わりのないことだった、と。
そして、それを支えてくれた存在として、
「さわさわ会、サポーターズ、そして(金森)穣さんに感謝します」と仰って頂きました。嬉しいことですね。

授賞式は続き、お祝いの花束贈呈と相成るのですが、
井関さんご本人には伏せられていたプレゼンターはなんと金森さん。
「サプライズですから…」と言いながら金森さんが壇上に進むと
会場は一気に華やぎを増して、
この日一番の大きな拍手が起こったことはご想像頂けるものと思います。

 

そして、授賞式後には、
選考委員の稲田奈緒美さん(舞踊評論家)を相手に井関さんのトークショーがあり、主にこれまでの歩みについて話されました。
3歳でバレエを始めて以来、所謂「受賞」からは縁遠く、これまでで直近の受賞経験としては、15歳のときの「四国バレエコンクール」まで遡ると明かし、熱心に耳を傾ける会場を笑わせました。
16歳のときに「親にも相談することなく」、「絶対に欧州に行くんだ」との揺るぎない思いを
実行に移した井関さんと1918年に単身渡米したニムラエイイチ。
ニムラ渡米から丁度100年での今回の受賞という事実が示すめぐり合わせも重なり、
ふたりは奇縁で結ばれていたようなところがあるとも言えそうです。
また、ニムラが、ニューヨークの地で、東洋と西洋の舞踊の融合を目指した点には、
金森さんが目指すところと重なり合うものがあるように思うとのお話も出ました。

トークショーを締め括る最後の質問として、稲田さんから今後の抱負を問われた井関さんは、
「諏訪市にNoismとして公演に来たい」と答えたのですが、
それは決して単なる社交辞令と片付けてしまえる性質のものではなかった筈です。
前日に諏訪市入りして、ニムラの墓参りをするなど、
生の諏訪市を身体で受け止め、この日の授賞式に備えた井関さんの心が、
「芸術は宝」と語る金子ゆかり市長(ニムラ舞踊賞運営委員長)の言葉を裏付ける
この街の文化の厚みに大きく揺さぶられ、真に魅せられたからだったのでしょう。
井関さんは、先ず何より美術館の多さにビックリしたとも語りました。

「芸術は宝」、新潟市でも同じ言葉を聞きたいと思ったのは私だけではない筈です。
しかし、新潟市だって負けてばかりではありません。
授賞式の途中、
Noismを抱えているのが新潟市であることが紹介された流れで、
井関さんの「私たちはお給料を貰いながら、プロの舞踊家として活動しているのです」
という言葉を聞いた会場から大きなどよめきの声があがったことが
それを証拠立てていたと思います。
内外に向けて「文化発信交流都市」を標榜し、
これまでNoismを支えてきた新潟市の「今後」に更に期待します。

授賞式パンフレットと復刻されたニムラエイイチ自伝(及び付属の外伝)

翌朝の信濃毎日新聞(左)と長野日報: 井関さんの受賞についても触れています

続きを読む 文化の厚みある湖岸の街・諏訪市で井関さん「ニムラ舞踊賞」受賞

会員特典 Noism1実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』公開リハーサルのご案内

新潟公演チケット好評発売中!

Noism1実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』
公演詳細:https://noism.jp/npe/n1_room_spiegel/

★公開リハーサルのご案内です。

日時:2019年1月13日(日) 12:30~13:30
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈スタジオB〉
対象:Noism活動支援会員、および本公演チケットを購入済のNoismサポーターズ会員
定員:50名

*受付開始は12:20~です。恐れ入りますが時間までは2階共通ロビーにてお待ちください。
*スペースの関係上リハーサル開始後はご入場いただくことができません。予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
*サポーターズ会員の方は、受付時にお名前とチケットの提示をお願いいたします。

お申し込み:お問い合わせフォーム、もしくは090-8615-9942にご連絡ください。

申込締切:2019年1月10日(木)

※定員になり次第、〆切とさせていただきますので、どうぞお早めにお申し込みください。

皆様のお申し込みをお待ちしております!
(fullmoon)

吉報!Noism活動延長を伝える第一報♪

皆さま、嬉しい知らせが飛び込んで参りました。
本日(12/15)、新潟日報朝刊がNoismの活動延長について第一報を報じました。

記事によりますと、
とりあえず、2020年8月末迄、一年間延長の線で
「調整中」とのこと。
近日中に正式発表があると報じられています。

まずは一安心。
ホッと胸を撫で下ろしているところでございます。
で、そうとなれば、これから2020年8月末迄の間に、
なお一層、私たちの力も結集して、
Noismを更に広く浸透、認知させていく
必要がありますね。

皆さまからの、ますます広汎なご支援を賜りたく、
ご報告させていただいたような次第です。

こうであるほかない訳ですけれど、それでも嬉しい、嬉しい。
とにかく嬉しい♪
新市長を迎えても、今日のこの日まで方向性は示されないできました。
この新聞報道に触れるまで、
信じてはいましたが、不安な気持ちもありましたから…。

>11月に就任した中原八一市長に、実績や成果を踏まえ、
>今後の活動の在り方を検討してもらうことが狙いとみられる。

世界に冠たるカンパニー・Noismを抱える自治体の首長として、
その存在意義を見誤るなどある筈もなく、
必ずやNoismと手を携えて歩んでいってくれるものと信じます。
私たちも心をひとつにして更に支えて参りましょう。

良い年の瀬になりました。とりあえずおめでたい!
祝杯をあげることと致します。

【追記】この記事は「新潟日報モア」でお読み頂けます。
こちらからどうぞ。
(shin)