既にご覧になられた方も多くいらっしゃると思いますが、金森さんのdirectionと遠藤龍さんの編集によるNoismの映像舞踊『BOLERO 2020』が本日公開されました。このところの金森さん、多岐にわたって精力的です、いつにも増して!
「2020年」ということで言えば、昨年末~今年初の「森優貴/金森穣Double Bill」において『Farben』を振り付けた森優貴さんが、夏(8月)のアーキタンツ20周年記念公演で、「ボレロ(新作)」を発表する予定だったことも記憶に新しいところです。
…『ボレロ』。森さん振付の新作、私もチケットを買って、楽しみに待っていたのですが、「コロナ禍」で公演中止となってしまい、残念な気持ちでいた折も折、逆に今度は金森さんが「コロナ禍」ゆえに出来ることとして映像作品で取り上げて(そして/或いは、撮り上げて)くれました。『ボレロ』の穴は『ボレロ』で。金森さん、こう来たか。森さんだったら、どんなだったろう。そんな夢想にも浸れるほど、ぽっかり空いた穴が埋められていくように感じました。
この作品に関して、金森さんからのメッセージがあり、そのなかで製作の経緯などが語られています。こちらからもご覧いただけますので、どうぞ。
では、本編ですが、Noism公式ウェブサイトのニュース頁のリンクを貼っておきます。『BOLERO 2020』、そちら経由でどうぞ。(有料:「7日間レンタル」200円)
スマホでもご覧になれますが、少し大きなディスプレイでご覧になることをお薦めします。
私は幸いにも、プレビュー公演、先日の和楽器集団「ぐるーぷ新潟」コンサートにゲスト出演したNoism2、そして金森さんが新潟市洋舞踊協会記念合同公演に振り付けた『畦道にて~8つの小品』と続けて観ることができましたが、そうはいかず、「Noismロス」状態できている方も多くいらっしゃる筈です。こちら、一週間、何度でもご覧になれますから、「ロス」解消の絶好のチャンス。言うまでもなく、必見です♪
(shin)
shinさま
私も見ました!
え、え、え!!
1回じゃ見きれない!
ということで3回も!
でももっと見ないと追いつかない!?
まさにコロナ禍、2020年、映像のための作品。
そして「ボレロ」ですね~~
個々人から全員への盛り上がりが凄い!
金森さん、あっぱれ、見事です!!
(fullmoon)
fullmoon さま
コメント、有難うございました。
なんと、既に3回!
もう踊れるんじゃないですか!?(笑)
でも、200円で7日とは、
コスパ、良過ぎというか…、
太っ腹というか…。
観ないという選択肢はありませんよね。
「コロナ禍」の思いと情念をキーワードに、
メンバーがマテリアルを作ったという創作過程も、
個々の個性が見えて、興味深いものがありますよね。
やはり『ボレロ』ゆえ、途中から、
「ラストはどうなるんだろう」って、
ドキドキワクワクで見てましたけれど、
師ベジャールへのオマージュも感じられ、そう来たかと。
私も繰り返し観ることに致します。
決して踊れるようにはなりませんが…。(汗)
(shin)
shinさま 皆さま
映像っていいですね!
止めたり戻ったり、気になるところを繰り返し見たり、自由自在♪
ありがたや~~
(fullmoon)
fullmoon さま
「自由自在♪」とはスティーヴンさんみたいですね。
でも、わかります、わかります。
最初の7日がもうじき終わろうとしているので、
慌てて、連続して観ていました。
で、これまでにSNSに書いた文章に少し手を入れて、ここに纏めておこうと思います。
「watch(じっくり見る)」+「see(見える)」を同時に成り立たせるためには、あまり大きすぎる画面は不向きで、せいぜいPCのディスプレイくらいが望ましいように思います。
単眼鏡を片目で覗き込み「watch」しながらも、もう片目をつむらず、周囲の画も拾って「see」する感覚(←こちら、綿矢りさ『勝手にふるえてろ』に出てくる「視野見」みたいなもの)に似ています。
1954年、ヒッチコックは『裏窓』でジェームズ・ステュアートに殺人を目撃させ、サスペンスを生んだ。『BOLERO 2020』、今度は覗いても、一様に「移動」を封じられた者がいるだけという異様さ。各人の抑圧された情念は、ボレロに乗って、緊張感を高めていく。それを活写した映像舞踊という新手も、間違いなく、この時代の「芸術」を後世に伝え、歴史的価値を持つことだろう。素晴らしい作品を有難うございましたと言いたい。
10月15日、日付が変わる前に記しました。
私の視聴期間は明日いっぱい。
どうせ、また7日間のレンタルを繰り返すのだろうけれど…。
(shin)
初日にレンタルした期限が来たので、続けて2度目のレンタルをして、また7日間楽しむことにしました♪
もはや日課…何しろ200円ですから。…そんな人、多い筈。
言われるように、自室にNoismがいる感じ♪(笑)…決して覗かれたくはないけれど…。(汗)
(shin)
shinさま
Filmuyコミュニティへの投稿はやはりshinさんでしたね♪
私もレンタル更新しました!
(fullmoon)
映像舞踊、繰り返し観ているうちに、当初は言語化できずにいた事柄で、少し考えが纏まったものがあります。SNSで書き散らしていたものに、少し手を加えて、またこちらにも載せさせて頂きます。
Noism映像舞踊『BOLERO 2020』、オート再生のトーンアームがレコード盤に降りると、スクラッチノイズ混じりのボレロに乗って踊り出される。「コピー」たるアナログレコードを音源とする体裁をとることで、音楽そのものとの本源的な繋がりに至れない、隔絶された舞踊家、つまり、シミュラークル(虚像)が現出することになる。
しかし、やがて、かように抑圧された舞踊家たちの情念が溢れ出し、迸り、状況に「穴」が穿たれるときが訪れる。そのとき、既にノイズは耳に届いて来ず、舞踊家が音楽そのものとの一体化を果たすさまを目撃するだろう。
取り除けないノイズのようにのし掛かってきては、この身を侵さんとする現在の不自由さ、それに屈してしまうことなく、越え出る逞しさを描いた作品に、勇気を貰った。
(shin)