この夜は中尾さんと糸川さんがFM-NIIGATAの「NAMARA MIX」に出演♪

2025年6月3日(火)、FM-NIIGATAのラジオ番組「NAMARA MIX」(20:14~)にNoism1の中尾洸太さんと糸川祐希さんが出演されました。同番組は新潟のお笑い集団「NAMARA」の江口歩代表さんとオダニハジメさんがパーソナリティを務めるトーク番組で、以前にはこのブログでも、井関さん(2024/11/5)山田勇気さん(2025/2/18)、それぞれの登場回を紹介させて貰ったことがあります。ラジオ出演ということでは、先日、井関さんがBSNラジオ「サロン・ド・かおり」に出演されたばかりで、今度は中尾さんと糸川さん。Noismのメディア露出が続いており、嬉しい限りですね。

おふたりが出演されたのは「NAMARA MIX 30分1本勝負」で、「青コーナー」の挑戦者として、江口さん、オダニさんとやりとりされました。語られた内容をかいつまんでご紹介します。その江口さん、「NAMARA」事務所の脇に、Noismの稽古場があり、いつも覗きたい、覗きたいと思っていると語り出しました。

*朝10:30から「Noismバレエ」「Noismメソッド」、12:00から18:00頃までが次の公演に向けたリハーサルというNoismの毎日。

*Noismバレエ・Noismメソッド: 垂直軸を意識して、「外側に開いていく」ことを基本とする西洋発祥のクラシックバレエ。東洋的な水平軸を意識しながら融合・発展させていこうとするNoismバレエ・Noismメソッド。(糸川さん)

*Noism所属の経緯:
*中尾さん: 5歳からバレエを始める。その後、ドイツで学び、2020年2月にオーディションを受けようとするも、一足先に「コロナ禍」に見舞われた欧州ではオーディション全てがなくなってしまう。その前、フランスでのオーディションで出会ったアジア人の元NoismメンバーからNoismの話を聞き、自分でも調べて、4月に日本でのオーディションを受けて、Noism1メンバーとなった。
*中尾さんが感じるNoism: 所属した頃は、ある意味「宗教」チックで、思想や身体的なテーマ性があると感じ、それをどう自分に溶け込ませて、血肉にしていくか考えていた。最近はそれに加えて、Noismという「家族」になっていると感じている。
*糸川さん: アメリカに留学していたが、やはり「コロナ禍」で日本に帰らざるを得なくなった。そのタイミングで出会ったバレエの先生からNoismのことを聞き、すぐオーディションを受けたいと思い、単身、新潟に来て、オーディションを受けて、Noism2に所属した(2021年)。
*糸川さんが感じるNoism: 舞踊に全てを賭けている人たちの集まり。みんな、一日をほぼ舞踊に費やして、ひたすら身体に向き合っている。

*舞踊家が身体と向き合うこと: イメージしたもの、与えられた振りを身体で実践できるように、一致させるように身体を研ぎ澄ませていく作業。一朝一夕にはいかない、時間がかかる。(糸川さん)
イメージしたものに、運動神経的なもので辿り着けても、柔軟性的には辿り着けない部分もある。思い描いた通りに身体が動いたとしても、身体がその形になっていないみたいなリアリティとの闘いも常にある。(中尾さん)
共通の価値基準・身体言語としてのNoismメソッド、それはNoismとして高めていくべきものであり、身体と向き合っての身体表現は各々が向き合っていくべきもの。その中で、他者から影響を受けることになり、イコール、他者と向き合うことは自分と向き合うことになる。(中尾さん)

*ふたりがお互いに凄いと思うところ:
*糸川さんから見た中尾さん: 自分が持っていないものを持っていて、結構、影響を受けている。体つきも違うし、得意とする身体の使い方も異なっていて、凄い勉強になる。
*中尾さんから見た糸川さん: 没入力。何かに没頭する、その入り込み方。リハーサルの段階から表れている。

(倉木麻衣さんの『Body talkin’』を挟んで、後半へ。)

*「アルルの女/ボレロ」公演: 
*『アルルの女』: 糸川さんは「フレデリ」役(主役)、中尾さんは「村人」役。中心にくる「家族」はキャラクターに基づいて配役された感じ。
*台詞はなし。(メンバーは見せられていないが)台本のようなものは金森さんは持っている。振付・所作・動きの中で(身体で)表現していく。
*「アルルの女」は登場しない。「フレデリ」にしか見えていない幻想かも、何かが起こした妄想かもしれないが、その女性に取り憑かれて、追いかけてしまう。(糸川さん)
*初日に何も見ずにピュアなかたちで観て、その後、色々調べたりして、2日目・3日目にまた来て貰えるというのがよいのでは。(中尾さん)
*ストーリー以外にも、舞踊家の身体から出てくるエネルギーは強いので、それを感じて貰えたら嬉しい。(糸川さん)
*その瞬間が忘れられないものになれば、ということがメンバー全員が強く思っていること。(中尾さん)
*観客は常に意識している。「見てくれるお客さんありき」なので。どうやったら身体で伝えられるかは常に頭にある。それが具体的に言葉で表現出来ないものだったとしても、何か感動だったり、新しい発見だったりしてくれたら嬉しい。(糸川さん)
*「振付家としての中尾さんから金森さんはどう見えているのか」(江口さん)
 →「芸術家として、振付家としての先輩であり、Noismの『ビッグボス』として尊敬している」(中尾さん)
 →「そこ、俺だったら、こうするのになぁみたいなのは…」(江口さん)
 →「勿論ある。この曲はそういうふうに使うんだとか、ここはこの人数で、こういう空間的な配置をするんだとか、常に考えてしまう」(中尾さん)

*『ボレロ」: 
*具体的なストーリーがある訳ではなく、抽象的で、純粋な舞踊。(糸川さん)
*こちらは台本はないが、イメージから連想される人と人の繋がりは確実にある。(中尾さん)

*「アルルの女/ボレロ」公演のみどころ(江口さん「今、聴いている人の7割くらいが観に来てくれるような紹介を」): 
*大きなテーマが「生と死」。ふたつの作品が表裏一体で、ひとつの「イヴニング」にて上演される面白い公演になる。(糸川さん)
*「劇場」は人間の「生」の根源的な部分を舞台から見せ、観客はそれを新たな別の人、或いはリアリティとして受け取り、感じて、考えて、感動を受け取る場所。ひとりの人間である舞踊家が踊る「虚構」に非現実性を感じ、逆にそれがリアリティになる。(中尾さん)

最後の最後、「新潟は好きか」訊ねられ、間髪を入れず、即座に「好きです」と答えたおふたり。嬉しかったですね。で、訊ねた江口さんはNoismの連載(「古町通信」)があるタウン誌「月刊にいがた」にも触れていました。(糸川さん登場回の2025年3月号。)興味のある方はそちらも是非ご覧ください。

話は逸れますが、雑誌の連載ということで言えば、新潟市民映画館シネ・ウインドが出している「月刊ウインド」にもNoismの連載(「Voice of Noism」)があり、今月(6月)号は中尾さんのとても興味深い文章が掲載されています。そちらもこの機に是非併せてお読み頂けたらと思います。では、話を戻して、そろそろ締め括りです。

…以上で、この日の「NAMARA MIX」、中尾さんと糸川さん登場回(約30分)のご紹介とさせて頂きます。なお、radikoのタイムフリーで(暫くは?)聴くことも出来るようですので、是非そちらを活用されて、ご自分の耳でもお聴きください。

是非、是非、是非と連打で来ましたが、もう一度だけ。そうです。ほぼ3週間後に迫ったNoism Company Niigata「アルルの女/ボレロ」公演!皆さま、劇場に足を運んで、舞踊家の献身を一緒に見詰めましょう。大きな感動に浸れることでしょうから。是非!

(shin)

FM-NIIGATA「NAMARA MIX」に山田勇気さん登場♪(2025/02/18)

この日から強烈な寒波が約1週間も居座る予報などが出ていて、「またか!」って感じの2025年2月18日(火)。その夜19時21分から、FM-NIIGATAの番組「NAMARA MIX」(第151回)にNoismの地域活動部門芸術監督の山田勇気さんがゲストで出演されました。昨年11月には井関さんも出演された番組です。

山田さんが登場したのは、「こちら、NAMARA党本部」というコーナーで、この日の番組案内には次のようにあります。

架空の政党であるNAMARA党の総裁・江口歩が新潟をより明るくするため、社会課題について有識者とトーク。そして机上の空論にならないよう、実際に社会に向けて番組からアクションを起こしていくコーナーです。今回はNoism Company Niigata地域活動部門芸術監督として活動する山田勇気さんが登場します!

2005年Noismに入団し、プロを目指す若手舞踊家を率い、作品を発表されている山田さん。近年は新潟市内の小中学生や舞踊未経験者にむけたワークショップ等のアウトリーチ活動も積極的に行っています。

そもそもNoismとはどんな団体なのか、20年間Noismを見てきた山田さんが思うNoismと新潟エンタメの変化、そして今後Noismはどこへ向かっていくのか、また現在鋭意準備されている直近の公演と対談についてもお話をお聞きします。

約12分にわたって、多岐にわたるお話しをお聞き出来ました。そのアウトラインだけですが、ご紹介します。

*日本で唯一の公共劇場専属舞踊団Noism(20年間)。
*地域活動部門の活動。
*「視覚障がい者のためのからだワークショップ」(2025/02/16)。視覚障がい者の「研ぎ澄まされている皮膚感」。相互に刺激を受け、勉強になる機会。

*北海道出身で「サッカーばかりやっていた」山田勇気さん。ダンスにはまって、東京でブラブラしていた折、Noismが設立されて、「日本で唯一、ダンスでめし食えるカンパニー。これは行くしかないと思った」。2年目のNoismに加わる。
一旦、離れた期間もあったが、研修生カンパニーNoism2が設立されたことをきっかけに戻ってきた。20歳頃にダンスを始めて、のめり込んでやってきた「雑草」。その部分が、地域活動をやっていくうえで、普段、踊りをやっていない人にも何か伝えられることがあるんじゃないか。
*昔のNoismはもっと尖っていた。設立当時は環境も整っていなかったし、「今日この一瞬で全力出して証明していかないと、いつ潰れるかわからない」という緊張感があった。
今は20年経って、ある程度認知も進んだNoismをどう育てていって、もっと広く知って貰うためにどうすればいいか、に変わってきた。
*「Noism2定期公演vol.16」(2025年3月8日・9日)、金森さんの『火の鳥』再演とNoism1メンバーによる振付の新作(2つ)。瑞々しい公演になる筈。エネルギーを感じて貰いたい。


*「柳都会vol.30」(2025年2月23日)、ゲストは二代目 永島鼓山(えいじまこざん)さん(永島流新潟樽砧伝承会)。Noism2の作品(Noism2×永島流新潟樽砧伝承会『赤降る校庭 さらにもう一度 火の花 散れ』)でコラボしたときに、「只者じゃないな」と思った。「二代目襲名」の彼女(2022年)、自分たちNoismも「次の世代」を担うことを考える時期。

以上をもって、報告といたします。

明日(2025年2月19日)17:00からは、金森さんと井関さんがゲスト登場する牧阿佐美バレヱ団「ダンス・ヴァンドゥⅢ」のインスタLIVEもあり、そこでは金森さんが振り付けた『Tryptique~1人の青年の成長、その記憶、そして夢』についても話されることになっています。

春のNoism、さながら「百花繚乱」の趣で、雪にも折れない心を取り戻せそうです。そんな気分にさせて貰いました。

(shin)

FM-NIIGATA「NAMARA MIX」に井関さん登場♪(2024/11/05)

ホント急に気温が下がった2024年11月5日(火)、その夜のFM-NIIGATAのラジオ番組に、こちらは予定通り、井関さんが登場されました。それは、「NAMARAがにいがたをかき混ぜる」番組「NAMARA MIX」(毎週火曜日19:00~20:55)

「新潟お笑い集団NAMARAによるNAMARAのラジオ!様々なゲストやコーナーをNAMARAがMIX! 出来上がりは誰にも分からないけれど、もしかしたらスゴイものが生まれるかもしれない番組!」だそうで、その第136回放送の中の、「NAMARA MIX 30分1本勝負」(20:14頃~)というコーナーに事前収録での出演でした。

「新潟で何かに立ち向かう挑戦者をお呼びして、本音で意見を交わし合う」というそのコーナーで、井関さんはこの日の「青コーナー」の「挑戦者」として招かれたのでした。

この日の放送では、開始のゴングとともに、ふたりのパーソナリティ(江口歩さんとオダニハジメさん)とのやりとりで多岐にわたるお話しを聞くことが出来ました。少しだけそのご紹介を試みたいと思います。

*新潟市に日本で唯一の公立劇場専属舞踊団Noism Company Niigata。その凄さは伝わっているか?
*欧州の劇場におけるプロの舞踊家。給料を貰って踊って、40歳になると生涯、年金の支給がある。
*Noism20周年記念公演「Amomentof」。井関さん、25歳が45歳に。でも、考えると一瞬だった。
*各地方独自のものを創っていくべき。従来の舞踊部門の予算の使い途を変えることでNoismは始まった。
*国際活動部門芸術監督: Noism0とNoism1の芸術監督という割り振り。
*新潟市のインバウンドとNoism。新潟市に利用して欲しい。東京を介さずに海外から新潟市にNoismを観に来てくれるようになることが夢。
*「元気のある地方都市は、行政・経済人がアートや芸術家に力を入れている」(江口さん)
*新潟市からの補助金のほか、国からの助成金を得て、更に協賛を募っての運営。それでも年齢が若いメンバーはかつかつの暮らし。給料を上げてあげたい。
*3歳から踊ってきた。身体の使い方が変わってきて、「50(歳)が全盛期かな」(井関さん) 動きの意味がわかってくる。身体と精神の一致。

---ジョン・アダムス『ザ・チェアマンダンス』(Noismレパートリー『過ぎゆく時の中で』使用曲)が(一部)オンエアされる。---

*「円環」トリプルビル: 近藤さん演出振付の『にんげんしかく』。(井関さん、2005年には近藤良平さんのコントをやっている。)宮河愛一郎さん、中川賢さんもゲストで出演し、井関さんと山田勇気さんと踊る『Suspended Garden』。Noismレパートリー『過ぎゆく時の中で』。
*振付家のスタイル: 精密なカウントで事細かに振り付ける金森さん。ダンサーに「やってみて」って言って、「ああ、いいね、それ」ってする可能性もあるのが近藤さん。
*バレエを基礎にしていて、「モダン・バレエ」「モダン・ダンス」のようなNoism。基礎が必要。基礎があれば自由にやってもきまってくる。
*Noismメソッド: やることが決まっていて、それにのっとって、自分の身体を見つけていく作業。トレーニングで意識を身体に入れていく。
*感覚は自分のもの。感覚は共有できない。それが舞台と繋がってくる。
*Noismの30周年は?: 「もっとお客さんが来て、新潟市がもっと盛り上がって、世界とダイレクトに通じているようになるために、今、どう動いていくか…。それがあと10年くらいで出来たら最高」(井関さん)

終了の合図のゴングが鳴り、NAMARA代表・江口さんの総括: Noismを知らないということを、まだ観ていない人たちはいずれ後悔する日がくると思う。是非、生の目撃者に。

…といったところでしたでしょうか。聴いた人たちはみんな、もうリアルにKOされてしまって、12月からの「円環」トリプルビルへの期待に胸を踊らせることになった筈です。よいお席はお早めにどうぞ。
以上、ご報告とさせて頂きます。

(shin)