*この度の日本各地を襲う大雨被害に見舞われた方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早く穏やかな日常が戻ってくることをお祈り致します。
2025年8月7日(木)、この日、ウェブ「dancedition」にて連載中の井関さんインタビュー「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る」はその第5回がアップされました。語られたのは、2006年に上演された2公演。

先ずは初めてのスタジオ公演となった、「感覚与件」を意味する『sense-datum』(初演:2006年5月6日)です。その公演を行った場所を見ても、「ホーム」新潟のほか、大阪、石川、宮城、茨城、静岡と近年にはない場所が並び、バラエティが感じられます。
鈴木忠志さんから言われたという「神(=金森さん)」と「巫女」の意識には、故・三波春夫さんの、(後年、誤解されまくった)有名なフレーズ「お客様は神様です」の真意に通ずるものも感じられ、芸能の始原を思わせられるものがあります。そして井関さんは更にそこから発して、「自分の意識との距離」を保つことの重要性に言及してくれていて、それを以て、強靭な舞踊を作り上げる秘訣或いは奥義のように捉えておられることは、(私など門外漢には想像の域を出ないことではありますが、それでも、)「なるほど」と深く納得させられる意義深い発言と読みました。
また、Noismメソッドに歩き方だけで8種類もあること(!)や、井関さんが初めての降板を経験されたこと(仙骨への処理の仕方も含めて)などの記述も驚きとともに目で追いました。
次いで、外部振付家招聘企画第2弾「TRIPLE VISION」(『Siboney』『solo, solo』「black ice』)(初演:2006年11月10日)が語られます。こちらの公演地も、新潟、岩手、東京、滋賀とあり、これもかなり大がかりなツアーだったことがわかります。
若き金森さん、そして若き井関さんとの接点から招聘された稲尾芳文さん&K.H.稲尾さんと大植真太郎さん。2006年当時のNoismとそこに至る迄の若き日々が交錯する公演は、語る井関さんのみならず、カンパニーの全員にとって刺激的な機会だったことがありありと読み取れるものです。
また、語られる若き日々のなかに、金森さんとの出会いについても触れられていて、今なら完全な「塩対応」と表現されてしまうのだろう電話での金森さん、現在のおふたりに至る端緒として見ると、何かちょっと微笑ましかったりもします…。
その「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(5)」、下のリンクからもどうぞ。
そして、コメント欄に掲載される「fullmoonさん、全作品を語る(5)」もお楽しみください。
(shin)
