22年目シーズンの幕開けに「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(11)」♪

先頃(11/3)、井関さんがお誕生日を迎えて、明くる日(11/4)に、Noismが22年目のシーズンをスタートさせ、またその翌日(11/5)、りゅーとぴあ「レジデンシャル制度」における金森さんの芸術監督任期の更新方針が報じられたこのタイミングで、ウェブ「dancedition」にて好評連載中の「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る」、その第11弾がアップされました(2025/11/6)。木曜日、ちょっと意表を突かれちゃいましたけれど、「なるほど」のタイミングとも言えますね。

今回、先ず井関さんが語ったのは、「ZAZA-祈りと欲望の間に」の『A・N・D・A・N・T・E』、『囚われの女王』、そして『ZAZA』(初演:2013年5月24日・新潟、神奈川、静岡)です。で、公演時の順番とは逆に、公演タイトルにも冠された第3部『ZAZA』から語られています。

その『ZAZA』、全員が黒スーツを纏って登場し、その中央には煙草をくゆらせる井関さん。THE THEのサウンドトラックのなか、まるでフィルム・ノワールのような雰囲気を漂わせる作品でした。『ジゼル』と『カルメン』も踊りたかったのですね、井関さん。

次は第2部『囚われの女王』、第1部と第3部に挟まれて、この作品だけ色も鮮烈。ブログ上部の画像、ヴィヴィッドな赤・緑・黄のなかに井関さんを捉えたビジュアルがとても印象的です。この作品の音楽にはシベリウスが用いられているのですが、当初は、トン・タッ・アンさんの音楽が使用される予定でした。「仮にアンさんの音楽だったら、どんなだっただろう?」そんな夢想も浮かべながら、身体ひとつで「4役」を踊る凛とした井関さんを見詰めたことを思い出します。井関さんはまだまだ納得していなかったようですが、凄いとしか言えないソロ・パフォーマンスでした。

ついで第1部『A・N・D・A・N・T・E』。引き伸ばされたバッハのヴァイオリン協奏曲第1番第2楽章アンダンテ、その非日常。そして、訪れる逆に1秒に圧縮されたバッハの破壊力。最後に登場する不動の井関さん、その姿が発散するオーラは圧倒的な迫力で、この作品を締めていました。

この公演で宮河愛一郎さんと藤井泉さんが退団されたのですが、信じたくありませんでしたし、それはそれは大きなショックだったことは観る側も同様でした。

次は『PLAY 2 PLAY-干渉する次元(ver.2013)』(初演:2013年12月20日・新潟、神奈川)が語られています。(当時は「改訂版再演」という表記でした。)去っていく人たちへの強い思いがあったのですね。再演ということもあり、更に洗練の度を増したこの作品を、私は先ずは会場に舞台上席から観る裏側から、そして通常客席から観る表側と、塔によって分けられた「2つのプレイ」を存分に満喫したことを思い出して噛み締めています。その圧倒的な美しさになぶられた感の強い公演でした。

紹介の体をとりながら、ちょっと個人的なことを書き過ぎたようで…。失礼しました。

その「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(11)」、こちらからどうぞ。今回も間違いなく面白いですから。

(shin)

秋寒の神無月最終週に井関さん連載第10回(dancedition)♪

「そろそろだな」「今日あたりかな」、朝早く目覚めると、そんな風に思い、ネットを繋いでみたところ、案の定、前日(10/27)にアップされていました。「dancedition」の井関さん連載インタビュー「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(10)」♪前日にもチェックしてはいたのですが、遅い時間の掲載だったのでしょうか。一日遅れになってしまったのが、残念と言えば、残念。でも、早々に気付けて良かったかなとも。

今回語られたのは、先ず、「NHKバレエの饗宴2012」で踊られた『solo for 2』(初演:2012年3月13日・宮城、東京、新潟、神奈川)。『academic』(「ZONE」)の改訂版ということですが、再演においては「穣さんは必ずリメイクします」と井関さん。作品の「核」が明確になってくると同時に、清新な息吹も吹き込まれるように感じます。そのあたり、今冬の『マレビトの歌』においても、事情は同じ。楽しみが増す所以です。

で、『solo for 2』、やはり印象に残るのは、井関さんが語ったゲストメンバーの小㞍健太さん、そして須長檀さんによる椅子でした。
小㞍さんとの欧州NDT時代の思い出、そしてパートナーとして踊るときの小㞍さんのこと(及び金森さんと踊るときとの感覚の違い)、どちらも興味深いものがありました。
須長さん作品の椅子が醸し出す緊張と、そして機能性以上のえも言われぬ美しさ。『solo for 2』の主題にベストマッチする小道具だったと思います。(日常生活で使ったならば、さも体幹が鍛えられるだろうな、そんな機能性も有するものかもしれませんが。)
そしてバッハの音楽(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ)も、舞台上の哀切極まりない身体と相俟って、耳に、そして目に刺さるように響いてきたことも忘れられません。

次に語られた作品は見世物小屋シリーズ第3弾『Nameless Voice-水の庭、砂の家』(初演:2012年6月29日・新潟、埼玉、静岡、愛知、石川)。新潟の「水と土の芸術祭2012」参加作品で、金森さんにしては珍しくガッツリ環境問題を取り上げるものだったと言えます。まず、正面奥にはリサーチされた水と急速に進む干魃、砂漠化に纏わる夥しい画像と膨大なデータ(数値)が、目で追うことなど許さぬ速さで、抽象的かつ無機質に映し出されると、そこから、身体による具象化、アレゴリーを通して、現代から未来に向かったのち、太古、地上の人類に与えられた始原の水の恵みにまで遡るような壮大なメッセージを有するものだったと記憶しています。

井関さんが触れたペットボトルの塔、目に焼き付いています。毎回、大変な苦労があったのですね。そして石川ではアクシデントも!それ、観たかったです。残念。
そして、ラスト、砂と水にまみれてのダンスの難しさも伝わってきました。

そんな「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る」の連載第10回、今回も読み応えありまくりです。こちらからもどうぞ。

次回もまた当ブログでもご紹介させていただきます。それではまた。

(shin)

「dancedition」井関さんの連載第9回はスロベニア滞在中のアップ♪

ウェブ「dancedition」にて好評連載中の「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(9)」がアップされた「2025年10月7日」の日付は、Noismがスロベニア滞在中ということで、(今回も)完全に油断していた以外の何物でもありませんでした。公開から2日経ってのご紹介となってしまってます。スミマセン。

それにしても、今回6年振りの海外公演があるにも拘わらず、その慌ただしさ、忙しさの最中、しっかり入稿締め切りを守る井関さんの律儀さには恐れ入ります。その貫かれた姿勢が可能にしてきた約2週間毎の公開、この先は心して待つことといたします。

では、ここから、その「第9回」のご紹介です。

先ずは、外部振付家招聘企画の第4弾、トリプルビルの「OTHERLAND」(初演:2011年5月27日・新潟、滋賀)です。演目は、アレッシオ・シルヴェストリン演出振付の『Orime no ue』、稲尾芳文&K.H.稲尾演出振付『Stem』、そして金森さん演出振付『Psychic 3.11』の3作品。いずれも作風や手法、そして味わいを異にする3作で、(当たり前のことに過ぎませんが、)「舞踊」の幅広さ・奥深さをまざまざ感じさせられる思いがしました。井関さんが語った言葉からも、そのあたりの三者三様振りが読み取れますね。

また、井関さんが「実際に起こっている出来事以上のものを感じる」とした『Orime no ue』、「動きたくなってしまう」舞踊家の性(さが)に向き合ったという『Stem』。そして、「ユニゾンを(金森さんと)二人で踊ると驚くほど合う」との言及を頷きながらも、興味深く読んだ『Psychic 3.11』。その3作をまた並べて観てみたい気持ちになりました。

で、個人的な事柄で恐縮ですけれど、当時、まだ「Noism歴」が浅かった私にとって、「初」ジェームズくんだったのが、この『Psychic 3.11』でした。で、舞台上に展開される追悼の舞踊を追いながらも、横倒しにされたままのジェームズくんが「そろそろ起き上がる筈」とばかり、何度も何度も目を向けては、その「動き」を待ったことを懐かしく思い出します(笑)。

続いて、「サイトウ・キネン・フェスティバル松本2011」でのオペラ『青ひげ公の城』op.11(小澤征爾・指揮)とバレエ『中国の不思議な役人』op.19(沼尻竜典・指揮)(初演:2011年8月21日・まつもと市民芸術館)です。

オペラ『青ひげ公の城』での「世界の小澤」描写は読んでいるだけでもその凄みが伝わってきますし、他にも様々な大変さはあったようですが、この先、金森さん演出振付のオペラもホント観てみたいです。

バレエ『中国の不思議な役人』は、その後(翌2012年)、観る機会に恵まれたのですが、他のNoism作品ではついぞ見ることのない(「スーパー歌舞伎」的な)大がかりな「外連(けれん)」が実に小気味よく、ぽか~んとしながら観ていたと思います。同時に美しくて、物悲しくて…。

そして、齋藤秀雄さんの門下生が集結したこの国のスーパー・ヴィルトゥオーゾ軍団と言うべき「サイトウ・キネン・オ-ケストラ」とのこの共演の機会は、同オーケストラでヴァイオリンを弾いていた矢部達哉さん(東京都交響楽団ソロ・コンサートマスター)とのその後の交流の端緒としても大きな意味を持つものと言えます。

そのあたりのことを井関さんとの「柳都会」vol.28(2024年2月4日)で、矢部さんが語っていますから、どうぞそちらも併せてお読みください。

そんなふうに、今回も多岐にわたって、興味深い事柄ばかりの「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(9)」はこちらからもどうぞ

(先日の公開リハーサルの折に、井関さんにあの『ほいたらね』についてお伺いしたところ、使ったことはないとのことでしたので、その朝ドラも既に終わってしまっていますし、ここは普通に、)それではまた、ということで。

(shin)

「えっ!そんなことが!?」驚きと緊迫の「dancedition」連載「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(8)」

漸く「ちいさい秋」の訪れも感じられるようになってきた2025年9月24日(水)、「間隔的に今日あたりの更新かな」と思っていたところ、案の定、ウェブ「dancediton」に「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(8)」がアップされました。

今回は『Nameless Poison-黒衣の僧』(初演:2009年11月20日)から語られていきます。同作は新潟、静岡、愛知、東京、長野、そして露モスクワで上演。井関さんの回想は創作に悩んでいる金森さんの姿から始まります。本番2週間前になってもできあがっていなかったとは驚きの事実です。金森さんにして、ちょっと想像もつかないというか!そんな「ギリギリ」の様子には、読んでいてもハラハラさせられるものがありました。更に入団間もない中川賢さん急遽の出演に至る事情なども、さぞや大変だったのだろうし、ホント色々あったのだなと。

加えて、音楽の変更やiPadのハプニング、抽象と具象の混在振りなど、諸々過酷な「刹那」に向き合って成し遂げられた公演だったことが読めます。金森さんが師と仰ぐ鈴木忠志さんとの関係性が色濃くなってくる様子も。

次に語られたのはグランシップ開館10周年記念事業 オペラ『椿姫』(初演:2009年12月11日、@静岡)はその鈴木忠志さん演出作品に金森さんが振付で参加した作品です。本番の舞台とその後のことはまさに驚きでしたね。

そして劇的舞踊『ホフマン物語』(初演:2010年7月16日)が続きます。新潟と静岡での上演です。この作品のなかで、タイプの異なる3つのキャラクターを踊った井関さんは、「いつの間にか役に入ってしまう」とし、役になりきろうとすると、「既視感が出て本質的でなく、薄っぺらくなってしまう」と自らの感覚を表出されています。何とも深い内容ですね。

また、床に貼ったパンチカーペットなるものの特徴やら、どの劇場にもある平台と箱馬を使った舞台装置とそれを巡る裏話にも興味深いものがあります。

そして、この作品の静岡公演の前には、2011年3月11日に東日本大震災が起こっている訳で、大変困難な状況だったことは想像に難くありません。

事程左様に、「えっ!そんなことが!?」の連続に息を呑んで読んだ連載第8回。行間の随所に、生々しい緊迫感が溢れています。

その「dancedition」「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(8)」はこちらからどうぞ。

Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(8) – dancedition

次回はどんなことが語られるのか、興味は尽きません。それではまた。

(shin)

2025年9月7日、ウェブ「dancedition」に「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(7)」アップさる♪

これを書いている本日は2025年9月9日(火)で、2日前の日曜日9月7日に、ウェブ「dancedition」に井関さんへの長期インタビュー企画「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る」の第7回がアップされておりました。

前日には「サラダ音楽祭」に向けた公開リハーサルがあり、同音楽祭の本番も近付いているような事情から、その後の更新になるものと思い、油断がありましたし、個人的には、「箱推し」している猛虎・阪神タイガースがNPB史上最速優勝記録を塗り替えた当日だったこともあり、虎党の私、今日になって漸く気付いたような次第です。もうお読みになられた方も多いかと存じますが、遅ればせながら、当ブログでもご紹介をさせて頂きます。

今回、井関さんによって語られたのは、2008年から2009年の上演演目です。先ずは見世物小屋シリーズ第1弾『Nameless Hands-人形の家』(初演:2008年6月2日)。新潟、静岡、東京、福島、石川の巡演です。私は2年後の再演で観たのですが、怪しく、少しいかがわしい、「癖になる」面白さのある作品だと思います。その面白さ、先ずは「人形振り」に由来すると言えます。ホントに人形になり切るために、「身体を真空状態にする」(井関さん)とは!この言葉、実感など到底できるべくもありませんが、頭では(何となく)わかるような気もします。何となく。篠山紀信さんが客席に中島みゆきさんを連れてきたこと、井関さんの圧巻のソロなどなど、興味深く読みました。

続いて、仏ナント市での『ZONE』 work in progress(日程:2009年1月31日)についてですが、鈴木のりたけさんの『大ピンチずかん』に擬えて言えば、「大ピンチレベル」最大級の井関さん。読んでいる身に過ぎないのにも拘わらず、胃のあたりがグルグルきそうな落ち着かなさが伝わってきます。今なお網膜に刻みつけられたタイルの柄!お気の毒です。

次は、「ZONE-陽炎 稲妻 水の月」で『academic』、『nomadic』、『psychic』(初演:2009年6月5日)が語られます。新潟、東京、そして米国ワシントンD.C.での上演です。

『academic』における心理的葛藤は、対極と言える『nomadic』においてもあったのだなと、読んでいてヒリヒリするものがありました。そして『psychic』に登場の金森さんから「型取り」された「ジェームズ」君、「たぶん倉庫でバラバラになって眠っていると思います」(井関さん)とは!装置や大道具・小道具も全て保存できないとすると、その観点からも「実演芸術」はその都度見逃せないのだなと強く強く感じたような次第です。

(私は「OTHERLANDS」(2011)で上演された『Psychic 3.11』で初めて「ジェームズ」君を観て以来、妙な愛着を感じていて、その後どうしているのだろうと思っておりましたが、「まさか!」そんな感じもありました。)

(私の初Noism鑑賞は、2010年2月21日の「震災フェニックス 新潟の芸術 鼓童&Noism」において上演された『nomadic』でした。圧倒されたことを覚えています。圧倒されたことしか覚えていません。まだもう少し先のことですけれど。蛇足2連発、失礼しました。)

「dancedition」「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(7)」はこちらからどうぞ。

Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(7) – dancedition

次回以降、油断しないよう気を付けたいと思います。それでは。

(shin)

「dancedition」井関さん連載第6回、公私ともに大きな転換期が語られる♪

2025年8月25日(月)、Noismメンバーたちが週末の「SCOT SUMMER SEASON 2025」出演に向けて、利賀村入りしたことが伝わってきているタイミングで、ウェブ「dancedition」連載の井関さんへのインタビュー企画「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(6)」がアップされました。

今回、井関さんによって語られるのは、2007年から翌2008年にかけて。Noismというカンパニーとしても、舞踊家・井関佐和子さんとしても、公私ともに大きな転換期を迎えた頃と言ってよい内容が読めます。

また、舞台に立つ舞踊家の心持ちや、出演者に選ばれる/選ばれないを巡る厳しさも窺い知ることが出来て、一観客としても、一ファンとしても、とても興味深いものがありました。

先ず、『PLAY 2 PLAY-干渉する次元』、初演は2007年4月20日。新潟、静岡、東京、兵庫で上演されました。金森さんから、空間の田根剛さん、音楽のトン・タッ・アンさん、衣裳の三原康裕さんに対して、「要望は特になく、『今彼らが何が作りたいか』というある意味一番難しい問いが投げかけられました」(井関さん)とクリエイション最初期の様子が語られています。そのあたり、「20周年記念冊子」には、次のような記載があります。「互いに意見(干渉)し合い、挑戦し、時代を共存すること。容易に分け与えるでもなく、閉ざし守ろうとするのでもなく、与えることによって得て、得たことを与えるという連鎖の中に、現代における総合芸術としての舞踊芸術を創造する。」タイトルに込められた「干渉」の2文字は、リスペクトし合う3人のクリエイターたちの「コラボレイション」の謂いだったことがわかります。

(この『PLAY 2 PLAY-干渉する次元』、私は6年後の「改訂版再演」で初めて観ることになるのですが、その「コラボレイション」が産み落とした「美しさ」にうっとりしたことを強烈に記憶しています。)

次は、外部振付家招聘企画第3弾「W-view」で、中村恩恵さんの『Waltz』、安藤洋子さんの『Nin-Siki』。2007年10月5日の初演で、新潟、東京、福岡、岩手、北海道と巡演。

『Waltz』における演出振付家から井関さんと金森さんへの「プレゼント」の件(くだり)は、「踊る者」同士であればこそ、の素敵さが読み取れる逸話で、私には想像してみることしか出来ませんが、「そうだよね、なるほど」って感じになりました。

井関さんにして、「当時はあまりお姉さん方の頭の中が理解できずにいた」と述懐された女性振付家による2作品ですが、転換期を迎えていたNoismというカンパニー、そして井関さんに対して、「外部」から大きな刺激をもたらしたのだろうことは想像に難くありません。

そして、時期は少し前後しますが、『NINA-物質化する生け贄(simple ver.)』(初演:2007年1月10日)。世界中からの注目に応えるかたちで、チリ、アメリカ、ブラジル、ロシアを巡って、「新潟から世界へ」を現実のものとした後、たたみかけるように、翌2008年には『NINA-物質化する生け贄(ver. black)』(初演:2008年2月7日)が、アメリカ、韓国、新潟、神奈川、台湾、フランスと巡演しました。

この『NINA』に関しては、井関さんが「1番たくさん踊っています」と語り、その上演回数が多かったことがわかります。やはりNoismの代表作のひとつですね。また、井関さんがこれまで色々な機会に語ってきたこのときのツアーの思い出も多彩で、そちらも「読みどころ」と言えます。

以下にリンクを貼っておきますので、今回の「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(6)」も、是非ご一読ください。

今回は、目下、NHK『あんぱん』で私たちにも広く知られるようになった、井関さんご出身の高知の言葉で締め括ることといたします。「ほいたらね。」(←林田理沙アナの声を脳内に召喚して頂けたら幸いです(笑)。)

(shin)

お盆前に「dancedition」井関さんの連載第5回♪

*この度の日本各地を襲う大雨被害に見舞われた方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早く穏やかな日常が戻ってくることをお祈り致します。

2025年8月7日(木)、この日、ウェブ「dancedition」にて連載中の井関さんインタビュー「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る」はその第5回がアップされました。語られたのは、2006年に上演された2公演。

先ずは初めてのスタジオ公演となった、「感覚与件」を意味する『sense-datum』(初演:2006年5月6日)です。その公演を行った場所を見ても、「ホーム」新潟のほか、大阪、石川、宮城、茨城、静岡と近年にはない場所が並び、バラエティが感じられます。

鈴木忠志さんから言われたという「神(=金森さん)」と「巫女」の意識には、故・三波春夫さんの、(後年、誤解されまくった)有名なフレーズ「お客様は神様です」の真意に通ずるものも感じられ、芸能の始原を思わせられるものがあります。そして井関さんは更にそこから発して、「自分の意識との距離」を保つことの重要性に言及してくれていて、それを以て、強靭な舞踊を作り上げる秘訣或いは奥義のように捉えておられることは、(私など門外漢には想像の域を出ないことではありますが、それでも、)「なるほど」と深く納得させられる意義深い発言と読みました。

また、Noismメソッドに歩き方だけで8種類もあること(!)や、井関さんが初めての降板を経験されたこと(仙骨への処理の仕方も含めて)などの記述も驚きとともに目で追いました。

次いで、外部振付家招聘企画第2弾「TRIPLE VISION」(『Siboney』『solo, solo』「black ice』)(初演:2006年11月10日)が語られます。こちらの公演地も、新潟、岩手、東京、滋賀とあり、これもかなり大がかりなツアーだったことがわかります。

若き金森さん、そして若き井関さんとの接点から招聘された稲尾芳文さん&K.H.稲尾さんと大植真太郎さん。2006年当時のNoismとそこに至る迄の若き日々が交錯する公演は、語る井関さんのみならず、カンパニーの全員にとって刺激的な機会だったことがありありと読み取れるものです。

また、語られる若き日々のなかに、金森さんとの出会いについても触れられていて、今なら完全な「塩対応」と表現されてしまうのだろう電話での金森さん、現在のおふたりに至る端緒として見ると、何かちょっと微笑ましかったりもします…。

その「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(5)」、下のリンクからもどうぞ。

そして、コメント欄に掲載される「fullmoonさん、全作品を語る(5)」もお楽しみください。

(shin)

「dancedition」井関さんの連載第4回、様々な舞台で踊っていたNoism♪

2025年7月24日(木)、エンタメ性に富んだNPBマイナビオールスターゲーム2025第2戦を見終えてから、今度はこの日アップされたこちらを楽しみました。「dancedition」連載中の「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(4)」。

で、なんと!そして、なんと!サッカー!?アルビレックス新潟の試合前にも踊っていたりしたのですね!相手が横浜Fマリノスならば、金森さんの故郷・横浜のクラブですけれど、場所は「ホーム」ビッグスワンスタジアムですから、「アイシテルニイガタ」のチャントが谺したことでしょうね。とても珍しい機会だったかと。(2005年10月22日)

次いで、あの『NINA-物質化する生け贄』(初演:2005年11月25日)なのですね。鈴木忠志さんからの影響、Noismメソッドの誕生、そしてタイトルに纏わるお話、とても興味深く読みました。

「様々な舞台」、続いてはりゅーとぴあ〈能楽堂〉での「能楽堂公演」(初演:2006年2月16日)なのですね。金森さんの古い作品を上演したとのことで、『side in / side out - 1st part』、『untitled』、『Lento e Largo』、『Cantus』、『play 4:38』。とても貴重な機会だったことに相違ありませんね。

そして、井関さんが語ってくれた「お面」のお話、「身体の表情」や「面の表情」というところは、「なるほど」と頷きながら読みました。

その「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(4)」は下のリンクからもどうぞ。

これを書いている私にとって、Noismとの出会いはまだ先のことなので、井関さんが語るお話を文字で追いながら、イメージしてみるよりほかにないのですけれど、この後、コメント欄に、fullmoonさんも「全作品」を語ってくれる筈ですので、どうぞ併せてご覧ください。
では、fullmoonさん、よろしくお願いします。

(shin)

「dancedition」井関さんの連載インタビュー第3回、Noism初期の興味深い逸話がザクザク、それにゾクゾク+ハラハラ♪

先日(7/6・日)、りゅーとぴあで落語(春風亭一之輔の「ドッサリまわるぜ2025」)を堪能し、幸せな心持ちで同館を後にしようとしていたところ、目指す方向、〈スタジオB〉から歩いて来る金森さんと井関さんおふたりにばったり遭遇するという嬉しい偶然が!

で、その際、おふたりと少し立ち話をさせて頂いたのですが、『アルルの女』/『ボレロ』埼玉公演への出発に関して伺ったりした後、井関さんに、「連載インタビューの次回は、明日(7/7・月)でしょうか?楽しみにしてます」とお訊きしましたら、「明日が原稿締切なんです」と教えて頂き、超弩級連載企画は今まさに「進行中」なのだということを知りました。それはそうですよね、うん。

で、そのウェブ「dancedition」の「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(3)」、本日2025年7月10日(木)、アップされておりました。

今回分(第3回)がカヴァーしているのは、「no・mad・ic project – 7 fragments in memory」(初演:2005年2月24日)、「新潟県中越地震チャリティ公演」(2005年4月16日)、そして、「Triple Bill」(『犬的生活』、『ラストパイ』、『DOOR INDOOR』)(初演:2005年7月15日)と盛り沢山。その一つひとつに興味深い逸話がザクザク語られて、その一つひとつをゾクゾク、ハラハラしながら読ませて頂きました。

個人的な事柄ですが、後年になって、私がこの目で実演を観た作品が初めて出てきました(汗)。『Under the marron tree』です。あとは、想像したり、DVDで観たりするのみ。まだまだですね。

この2005年の実演をご覧になられた方々からのコメントなどお寄せ頂けましたら幸いです。

ウェブ「dancedition」の「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(3)」はこちらからもどうぞ。必読の内容ですから♪

それではまた次回(第4回)に♪

(shin)

ウェブ「dancedition」井関さんの連載インタビュー第2回、アップされていました(汗)

Noism0+Noism1『アルルの女』/『ボレロ』新潟公演に完全に気持ちが向かっていたところ、「投稿日:2025/6/23」との日付で、ウェブ「dancedition」に、井関さんの連載インタビュー「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(2)」が掲載されておりました。1週間以上前になります(汗)!油断しておりました。

既にご覧になられた方も多くいらっしゃると思います。初回分をこちらのブログでもご紹介した際、同サイトでの他の連載ものの更新頻度を「2〜3週間」とみたまでは良かったのですが、『アルルの女』の『ボレロ』の公演が控えていたことから、勝手に次回は「3週間」後くらいかなと判断していました。正確に「2週間」後の第2回アップでしたね。すみませんでした。

でも、更新頻度が「2週間」であるならば、ひと月に2回アップされることになる訳で、予定も立ち易いですね。

で、今回は「black ice」(初演:2004年10月28日)。中越地震のこと、そして誕生日を祝う私家版「金森さん映画」(!)などにも触れられていて、惹き付けられて読みました。「black ice」公演、私はまだ観ていなかった頃ですので、ご覧になられた方々からのコメントをお待ちしております。

第2回へは下のリンクからもどうぞ。

次回は更新から遅れずにお届け出来ますよう、心して臨みます。m(_ _)m

(shin)