2ヶ月強振り♪ウェブ「dancedition」連載「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(17)」

2026年7月8日(水)、ウェブ「dancedition」の連載企画は、「金森穣&井関佐和子に聞く、退任発表の真意とNoismの行方(2)」(6/22)を挟んで、この日、「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(17)」をアップしました。正規の連載としましては、前回(16回)からは2ヶ月強経ってのものとなります。

今回、先ず井関さんが語ったのは、劇的舞踊『ROMEO & JULIETS』(初演:2018年7月6日・新潟・富山・静岡・埼玉)。井関さんが書いておられたように、SPAC(静岡県舞台芸術センター)の俳優さんたちが大勢出演された豪華な大作でした。

「ジュリエットたち(複数)」という点でも、井関さんがアンドロイドであるという点でも、実にオリジナリティ溢れる、観ていて楽しい作品でした。そのなかで、井関さん演じるロザラインは、当初はまだ充分に書き込まれていないところから創作が始まっていたのですね。「頭で考えてわかるものではない」「身体で空間に入り、理解して、そこから役がどんどん入っていくようになりました」と井関さん。あの楽しさの裏にそんな当惑する事情があったとは。

その『ROMEO & JULIETS』ですが、各地の劇場を巡演する間に、大小様々な変更がなされていったことも記憶に新しいところです。とりわけ、各劇場の舞台形状の都合からトップシーンが変わり、「死」の表現も違うものになっていたり、挿入されるロザラインの映像が何度も差し替えられていたりと各地で様々なヴァージョンを観ることになり、それも楽しさに繋がっていたことは確かでした。

そして諸々節目の年でもあったという「不惑」の40歳の頃のこと。先入観を捨てて、身体への向き合い方を見直していく作業は本当に大変だったに違いないでしょうが、「実感を伴った」ことで続けられたとされたあたりは、「やはりそれはそうなのだな」と繊細な作業の「真実」を感じながら読みました。

次いでは、「R.O.O.M./鏡の中の鏡」公演(実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』『鏡の中の鏡』)(初演:2019年1月25日・新潟・東京)です。

こちらも魅力的な2演目でしたね。あの存在感溢れる「箱」は、あれ以前も、あれ以後も見たこともないものであり、その存在感に舞踊家たちが絶妙に絡み合う様子は、とてもシュールで美しく、ワクワク感に半端ないものがありました。

愉しいことこの上ない演目『R.O.O.M.』では、トウシューズには、勿論、大きなインパクトがありましたが、それを巡って、ここでも、井関さんは身体への気付きを得て、それを新たなテクニックに落とし込んで進んでいたのですね。

もうひとつの『鏡の中の鏡」 の方は、最初にまったく別の音楽を用いて振付を行っていたことも興味深い事実ではありますが、目を合わすことなく踊られていくデュオ、その緊張感、思い出しました。最後のところ、タイミングを決めずに、初めて顔を上げて相手を見やる場面の「一回性」、その妙味もはっきり思い出しました。

読んでいると、舞踊家(井関さん)が自らの身体に注ぐ視線のその奥深さを、少しなりとも想像出来るような「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(17)」でした。こちらからどうぞ。

【追記】今回も、この後、コメント欄にて、舞踊評論家の故・山野博大さんによる『ROMEO & JULIETS』のご批評ほか(PDF)へのリンクを貼らせて貰う予定です。そちらも是非ご覧ください。

(shin)

「2ヶ月強振り♪ウェブ「dancedition」連載「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(17)」」への2件のフィードバック

  1. 皆さま
    それでは今回も、記事中に触れた故・山野博大さんによるご批評のほか、サポーターズ会報及びサポーターズInformationからお読み頂きたいものを再掲致します。

    *【左頁】舞踊評論家の故・山野博大さんにご執筆頂いたご批評「『ROMEO & JULIETS』、世界に誇るべき新バージョンの誕生」
    【右頁】Supporters’ Columnとして、サポーターズ4人からの文章
    (その中に、私の拙文「劇的舞踊vol.4『ROMEO & JULIETS』の複数性び戯れる」もあります。)
    (初出:Noismサポーターズ会報第35号・JANUARY 2019)

    *サポーターズ会員5名からの文章(その一番初め、同じく私が書いた「『箱』の着想と可視化された解 ~実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』~」も含まれています。)
    (初出:NoismサポーターズInformation #1・July 2019)

    どうぞお読みください。
    (shin)

  2. shinさま
    アップ諸々、ありがとうございました!
    劇的舞踊『ROMEO & JULIETS』✨
    懐かしいです。
    ミステリアスな展開、煌びやかさと暗さの対照が印象的でした。
    上演各地で鑑賞し、思い出深い作品です。
    井関さんの知られざる煩悶も感慨深いです。

    『R.O.O.M.』は、あっと驚く仰天の作品で、何度観ても面白かったです♪
    舞踊家たちは狭い所の移動で大変だったようですね(苦笑)
    『鏡の中の鏡』は、じょうさわさんが一緒に踊るというだけで、
    ロマンティックに感じてしまいます♡
    何かハラハラしつつも、とても素敵でした♪

    リンクもありがとうございました。
    懐かしい山野博大さん。
    そして皆さんのご感想。
    何もかも感慨深いです。
    このあとコロナ禍になっていくということも。
    (fullmoon)

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