「そろそろだな」「今日あたりかな」、朝早く目覚めると、そんな風に思い、ネットを繋いでみたところ、案の定、前日(10/27)にアップされていました。「dancedition」の井関さん連載インタビュー「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(10)」♪前日にもチェックしてはいたのですが、遅い時間の掲載だったのでしょうか。一日遅れになってしまったのが、残念と言えば、残念。でも、早々に気付けて良かったかなとも。

今回語られたのは、先ず、「NHKバレエの饗宴2012」で踊られた『solo for 2』(初演:2012年3月13日・宮城、東京、新潟、神奈川)。『academic』(「ZONE」)の改訂版ということですが、再演においては「穣さんは必ずリメイクします」と井関さん。作品の「核」が明確になってくると同時に、清新な息吹も吹き込まれるように感じます。そのあたり、今冬の『マレビトの歌』においても、事情は同じ。楽しみが増す所以です。
で、『solo for 2』、やはり印象に残るのは、井関さんが語ったゲストメンバーの小㞍健太さん、そして須長檀さんによる椅子でした。
小㞍さんとの欧州NDT時代の思い出、そしてパートナーとして踊るときの小㞍さんのこと(及び金森さんと踊るときとの感覚の違い)、どちらも興味深いものがありました。
須長さん作品の椅子が醸し出す緊張と、そして機能性以上のえも言われぬ美しさ。『solo for 2』の主題にベストマッチする小道具だったと思います。(日常生活で使ったならば、さも体幹が鍛えられるだろうな、そんな機能性も有するものかもしれませんが。)
そしてバッハの音楽(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ)も、舞台上の哀切極まりない身体と相俟って、耳に、そして目に刺さるように響いてきたことも忘れられません。
次に語られた作品は見世物小屋シリーズ第3弾『Nameless Voice-水の庭、砂の家』(初演:2012年6月29日・新潟、埼玉、静岡、愛知、石川)。新潟の「水と土の芸術祭2012」参加作品で、金森さんにしては珍しくガッツリ環境問題を取り上げるものだったと言えます。まず、正面奥にはリサーチされた水と急速に進む干魃、砂漠化に纏わる夥しい画像と膨大なデータ(数値)が、目で追うことなど許さぬ速さで、抽象的かつ無機質に映し出されると、そこから、身体による具象化、アレゴリーを通して、現代から未来に向かったのち、太古、地上の人類に与えられた始原の水の恵みにまで遡るような壮大なメッセージを有するものだったと記憶しています。
井関さんが触れたペットボトルの塔、目に焼き付いています。毎回、大変な苦労があったのですね。そして石川ではアクシデントも!それ、観たかったです。残念。
そして、ラスト、砂と水にまみれてのダンスの難しさも伝わってきました。

そんな「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る」の連載第10回、今回も読み応えありまくりです。こちらからもどうぞ。
次回もまた当ブログでもご紹介させていただきます。それではまた。
(shin)
shinさま
素早いブログアップ、さすがです!
いつもありがとうございます♪
「NHKバレエの饗宴2012」の『solo for 2』、椅子と照明のみのシンプルな舞台がとても綺麗でした✨
演奏はソロバイオリンのみ。緊張感あふれる20分間。
井関さんと小㞍さんのデュオ、魅入られました。
https://noism.jp/works/solo-for-2/
そして、見世物小屋シリーズ第3弾『Nameless Voice-水の庭、砂の家』!
この作品にも小㞍さんが出演しました。ペットボトルの衝撃が忘れられません。中川賢さんのPも。
見世物小屋シリーズは凄いですよね~~
金森穣の天才を惜しみなく披歴する三部作!
完結 第3弾、砂は降る、水は降る、地球は壊れるで、もう大変!
凄まじくも怖ろしい作品でありました。
https://noism.jp/works/nameless-voice/
(fullmoon)
fullmoon さま
コメント有難うございます。
「NHKバレエの饗宴2012」の『solo for 2』、見惚れますよね。
で、その後、前回の井関さんの連載第9回で語られた『中国の不思議な役人』とのダブルビル(初演:2012年12月20日)として上演されていくのですから、それはもう豪華でしたよね。
そして見世物小屋シリーズvol.3『Nameless Voice-水の庭、砂の家』。お恥ずかしながら、私はこのタイトル後半の日本語部分がこんがらがってしまって、なかなか正確に言えなかったりもしたのですが、網膜にはその衝撃がまざまざ刻みつけられています。「私たちはどう生きるのか。お前はどう生きるのか」苛酷で厳しい内容が忘れられません。
今回もfullmoonさんと管理人さんのご尽力を得て、この演目に関して当時書いた文章をご紹介させていただきます。fullmoonさんが言及された中川賢さんの役名「P」に絡めて綴ったものです。少し長いですが、よろしければご覧ください。
*イニシャル「P」をめぐって 『Nameless Voice ~ 水の庭、砂の家』(初出:「Noismサポーターズ会報022号・2012.12.20)
fullmoonさん、管理人さん、今回もこうした再読の機会を与えて頂けたこと、感謝しかありません。有難うございます。
(shin)