「纏うNoism」#11:兼述育見さん

メール取材日:2025/03/20(Thur.)&03/28(Fri.)

春の足音が確実に大きくなってきて、漸く、前の季節の忘れ物のようだった寒さも回収された感のある弥生の下旬。3ヶ月後のNoism0+Noism1『アルルの女/ボレロ』のチケット発売時期にもなり、その意味でも季節は決して留まることなく、前に進んでいると実感される今日この頃です。で、このタイミングでお届けするのは第11回の「纏うNoism」、兼述育見さんの回になります。どうぞお楽しみください。

「ファッションは楽しくて身近なものでなくちゃ」(アナ・スイ)

それでは「纏う」兼述育見さん、はじまりです。

纏う1: 稽古着の兼述さん

 *おお、「白+黒」!クールでシック、そしてすっきりシンプル。そして2枚目では、何と坪田光さんと糸川祐希さんにリフトされちゃって、ホント楽しそうな表情です♪
この日の稽古着のポイントを教えてください。

 兼述さん「アース・セレブレーション2023のTシャツです。ロゴが可愛くてお気に入りです!ズボンはユニクロで、とんでもなく伸びるので動きやすいです。靴下は靴下屋です」

 *他の色目(例えば、鮮やかな色)のものを着て稽古を行うことはありますか。あるとしたら、上下、どのような色のものですか。

 兼述さん「基本的にズボンは黒、Tシャツは白か黒が多いです。 衣装がぴったりしたものの時は、レオタードを着ることもあります。レオタードは寒色が多いです」

 *なるほど。そこは「締まる」感じのものを着られて稽古されているのですね。

 *「お約束」の靴下について伺います。靴下屋さんの靴下、黒の他にどのような色を買われますか。また、靴下屋さんの靴下はどのようなところが気に入っているのでしょうか。

 兼述さん「去年までずっとNEW ERAの靴下を履いていて、最近、靴下屋のものを履き始めました。まだ黒しか買ったことがありません!(気に入っているのは)素材が薄くて、床がつかみやすいところです!」

 *足裏の感覚が大事なのですね。

 *続いて今度はTシャツに関してですが、「アース・セレブレーション2023」で印象に残る思い出なども教えてください。

 兼述さん「2022年と2023年と二度、出演させていただきました。2回とも鼓童村で初めて合わせた時の衝撃がすごかったです。どれだけスタジオで練習して行っても、音の迫力に飲まれてしまいそうになり、自分の足りないところがたくさん見つかりました。 真夏の野外ステージだったので、熱中症との戦いも大変でした!」

 *鼓童さんとのコラボでは、(例えば、『鬼』なども)観ていると、両者、互いに斬るか斬られるかみたいな、ギリギリのところで対峙することになっているように感じられます。惹きつけられる訳です。そして更に熱中症とも戦っていたのなら、忘れられないのも道理ですね。真夏に開催される「大地の祭事」、やはり相当に過酷なのですね。

纏う2: 兼述さん思い出の舞台衣裳

 *これまでの舞踊人生で大事にしている衣裳と舞台の思い出について教えてください。

これはまた全く違った雰囲気の写真!!

 *本格クラシックバレエの素敵な写真ですね。こちらは?

 兼述さん「高校2年生のとき、地元のバレエ教室の発表会で踊った『くるみ割り人形』の「金平糖の精」の衣裳です。初めてのグランパドドゥで、体力的にとてもハードでした。チュチュを着ると身体も重くなり、背中も曲がりにくくなり、大変さが増します(笑)」

 *そうなのですか。見た目は「優雅」の1語に尽きますが、着て踊るのは結構な重労働なのですね。こちらの「チュチュ」はおおよそどれくらいの重量になるのでしょうか。

 兼述さん「重さは分かりませんが、着ているかどうかで体感はかなり違いました。Noismに入って、からだにフィットして軽くて踊りやすい衣裳ばかりなので、今考えるとチュチュは重さがあり、生地に厚みもあったりして、踊るのが大変だったなと思います」

 *言われてみれば。でも、そうした衣裳を着て踊ることへの思いには強いものがあったとも思うのですが、バレエ留学を経て、コンテンポラリーダンスの道へと進まれます。Noismとの出会いはどのようなものだったのでしょうか。

 兼述さん「小さい頃からズボンばかりで、男の子に間違われていたタイプの人間だったので、バレエをやっている子の中では、意外とチュチュに憧れがないタイプだったかなと思います(笑)。留学する前の夏に、スタジオの先生にすすめられてNoismのサマースクールを受けました。初めてのことがたくさんの刺激的な時間で、留学を経てオーディション活動する際に、Noismの舞台に立ちたいと思いオーディションを受けました」

 *出会いと刺激があって、「縁」が出来て、新潟に来ることになったのですね。

纏う3: 兼述さんにとって印象深いNoismの衣裳

 *Noismの公演で最も印象に残っている衣裳とその舞台の思い出を教えてください。

 兼述さん「2022年のNoism2定期公演vol.13で着た、『火の鳥』の赤いレオタードです。あの赤を纏うと、舞台を背負うプレッシャーをすごく感じます。同時に、心と身体に気合も入ります。あのレオタードは肌触りが良く、着心地抜群でした!」

 *『火の鳥』の赤いレオタード、これまで多くの方が着てこられましたが、「着心地抜群」ということで、観客から見てもいつも着る方にフィットしているように見えます。体格の違いに応じられるようにサイズ違いを新調したりして、何着かあるのでしょうか。それとも調整して同じものを着ておられるのでしょうか。

 Noismスタッフ・深作さん「『火の鳥』の赤いレオタードですが、2022年のNoism2定期公演の際に『火の鳥』の衣裳をリニューアルしたため、兼述育見と土屋景衣子が初めて着用した2人でございます。衣裳は1着のみで、同じものを着用しています。
また、2024年度の新潟県文化祭で矢部真衣、Noism2定期公演vol.16で平尾玲が着用した赤いレオタードも兼述、土屋が着用したものと同じものです」

 *詳しいご説明、有難うございます。そうなのですね。リニューアルされたレオタード、初めて着用されたのですね。なるほど。いやあ、あのレオタード、実際どうなのだろうとずっと気になっていましたので、お訊ねしてみてよかったです。深作さん、どうも有難うございました。

 *Noism Web Siteへのリンクを貼ります。
2022年5月のNoism2「ディアギレフ生誕150周年記念『火の鳥』」画像をご覧いただけます。同公演で兼述さんが「火の鳥」役を踊ったのは1日目でした。

纏う4: 普段着の兼述さん

「黒と黄」! 私の好きな「あの組み合わせ」ではないですか(笑)

 *この日のポイントと普段着のこだわりを教えてください。

 兼述さん「黄色いズボンです!岡山のOKAPITALというお店で一目惚れして買いました!冬は暗い色の服が多くなりがちなので、このズボンを履くだけで気分が上がります」

 *はい、はい、はい、はい、「一目惚れ」。商品棚からこっちを捉えて放さないものってありますよね。こっちも「ロックオン」して近付いていくしかないという。「気分が上がる」感じもよくわかります。ええ、洋服が気分に及ぼす効果、絶大です。
で、そのズボン、「四角」と「三角」で「米」にも見えるステッチ柄は、なにか懐かしささえ覚えるような温かみのあるデザインで、とても素敵ですね。素材は何ですか。兼述さんは岡山ご出身で、岡山だけにデニムだったりするのですかやわらかそうにも見えますが。

 兼述さん「綿の生地に刺繍が入っています」

 *ご説明のなかに出て来た「OKAPITAL」、こちらのお店ですね。とても素敵です♪
他にも、「OKAPITAL(や「KAPITAL」)のものはお持ちだったり、よく着られたりしているのですか。もしそうなら、それはどんなものですか。

 兼述さん「ここ何年か岡山に帰るとお店に行って新作をチェックしていて、気に入ったものがあれば購入しています」

 兼述さん「この写真のトップスとズボンもOKAPITALのもので、袖のパッチワークがポイントです!」

 *そうですね。こちらのトップスも「和」のテイストが温もりのあるアクセントになっていて、お洒落なハイブリッドに映ります、うん。兼述さん、着こなしておられて、とてもカッコいいです。

■サポーターズの皆さまへのメッセージ

「いつも温かいご支援、ありがとうございます。みなさまの応援が励みになっています。これからも、より良い舞台を届けられるよう精進いたします。
今後ともよろしくお願いします!」

ということで、「纏うNoism」第11回、兼述育見さんの回はここまでとなります。

これまでに当ブログでご紹介してきた兼述さんの他の記事も併せてご覧ください。

「私がダンスを始めた頃」#24(兼述育見さん)

「ランチのNoism」#24(兼述育見さん)

「纏うNoism」兼述育見さんの回、お楽しみ頂けましたでしょうか。では、また次回ということで♪

(shin)

「「纏うNoism」#11:兼述育見さん」への2件のフィードバック

  1. 兼述さん shinさん
    ありがとうございました!
    おおー!!
    と惹きつけられるステキな写真の数々、そして文章!
    元気になります♪
    丁寧なリンクもうれしい~♪
    (fullmoon)

    1. fullmoon さま
      コメント有難うございました。
      兼述さん、ホントに丁寧にお答えいただき、嬉しく思いました。
      写真もどれも素敵ですよね。

      この間の「ランチのNoism」と今回の「纏うNoism」で、兼述さんについて、色々わかってきたように思っていたところ、兼述さん、新潟・市民映画館シネ・ウインドが発行している「月間ウインド」4月号のコラム「Voice of Noism」にも登場しておられ、そちらでは、中学・高校時代には百人一首部に入っていたことを書いてくださっています。何という多面性、間口の広さ!まだまだわかった気になどなれたもんじゃありませんね。
      そして最後にお気に入りの句も紹介してくれていますね。そちらはここには書かずにおきます。気になる方は是非、同誌でご確認ください。
      (shin)

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