2022年5月21日(土)の夕方17時、りゅーとぴあ・劇場を会場に、Noism2の定期公演vol.13初日の幕が上がり、若き研修生カンパニーが、それぞれの「今」に向き合いつつ、伸びやかで新鮮な舞踊を披露し、繰り返されたカーテンコールの間中、場内から大きな拍手を受けました。



この日に至る迄、Noism の公式インスタにて、Noism2メンバーのインタビュー動画が連続アップされるなど、今までにない新機軸が打ち出され、Noism2というカンパニーがより身近に感じられるようになっていたことも特筆ものだったと思います。
まず、休憩前の第1幕は金森穣振付レパートリー(35分)です。『Me/mento, 4am”ne”siac』、ミニマルで無機質な音楽と白の印象が強いスタイリッシュな演目でスタートしました。みんなシュッとしていて、観る者をアッという間に舞踊の内部に取り込んでいきました。そこから一転、バッハが流れる次の演目へと移行するのですが、その移行は見ていて楽しいものでした。明日ご覧になる方はそこもお楽しみ頂けるものと思います。『Phychic 3.11』『solo for 2』と陰影あるバッハが踊られた後、『R.O.O.M.』に転ずるところでは色味も増し、やはり目を楽しませるものがあります。その後、昨年の『Complex』を経て、鼓童の音楽による『砕波』と続く流れも多彩で、レパートリー作品としてよく練り上げられていると感じました。
そして何より、それらを次々踊っていくNoism2のメンバーたちがその若き身体を使って、過去に観たことのある数々のNoism作品をいっとき、この日の舞台上に召喚し、懸命にそれらと同化していこうとする姿を目撃したことで胸が熱くなりました。まだ休憩前の前半であるにも拘わらず、既に大きな拍手が送られたことには何の不思議もありません。休憩中のホワイエで目にした観客たちの顔という顔には満足げな表情が浮かんでいました。
そして、やはり休憩後の『火の鳥』では、期待を裏切ることのない渾身の舞踊を目にすることになりました。火の鳥の兼述育見さん、少年の渡部梨乃さんをはじめ、全員が持てる技量の限りを尽くし、情感たっぷりに作品世界の中に没入して踊る様子は一瞬一瞬、観客を虜にしていきます。一人ひとりがこの名作に一期一会のこの日の息吹を吹き込んでいくかのようで、8人による生命力漲る『火の鳥』を観た気がし、感動しました。冒頭に書いたように拍手が鳴り止まなかったことも宜なるかな、そんな案配で、正直、いつまでも拍手していたい気持ちでした。
終演後、Noism2リハーサル監督の浅海侑加さんの姿を見つけたので、内心の感動を伝えようとしましたが、なかなか言葉にならなくてもどかしい思いがしました。その際、お願いして、本ブログ用に写真を撮らせて頂きましたので、ここに掲載させて頂きます。
「浅海さん、どうも有難うございました。素晴らしい公演でした」
その後、エレベーターホールまで進んだところで、今度は、先刻まで鮮烈な赤の衣裳で火の鳥を踊っていた兼述さんにバッタリ会う幸運に恵まれました。ここでも感動を伝えようとしたのですが、やはり気の利いたことなど言えよう筈もありませんでした。ただ、「感動しました。有難うございました」と直接、ご本人に言えただけで良しとします。
若い舞踊家たちの挑戦に胸が熱くなりっ放しのNoism2定期公演。
明日はまた別キャストで『火の鳥』が踊られます。そちらも期待大。
皆さま、必見ですよ。是非劇場にて目撃ください。
(shin)
shinさま
Noism2定期公演初日、ブログアップありがとうございました!
公演、とてもよかったですね!!✨
『Me/mento,4am”ne”siac』の白の世界から始まって『砕波』の黒で終わる前半の流れが秀逸で、衣裳の早変わり(?)もさることながら、次々と踊り続けるメンバーたちの若い身体に引き付けられました。
そして後半『火の鳥』。
まずは火の鳥の赤い衣裳にビックリ!
これまでベージュのレオタード姿を見慣れていたので、鮮やかな色に驚きました。とてもいいですね♪
そしてメンバーの熱演にまたまたビックリ!!
公開リハーサルを見ていたとはいえ、会場も違いますし、本番は全く別物!
終盤はウルウルの人も多く、鳴りやまぬ温かい拍手でしたね♡
そして浅海さんの写真アップ、うれしいです♪
浅海さん、素晴らしい舞台をありがとうございました!
2日目も楽しみです♪
(fullmoon)
fullmoon さま
コメント有難うございました。
いい公演でしたね。
まず、前半のレパートリー。fullmoonさんが書いてくれたように、冒頭の際立つ白から陰影のある黒までの流れ、抑制が効いていて、凝集性の高い演目だったと思います。そのなか、(個人的に大好きな)『R.O.O.M.』部分において、緑色ほかが差し色として効果的に用いられていましたね。
断片的ながら、Noismの歴史との身体的な格闘を求められた彼ら彼女たちが必死で食らいつこうとする姿は緊張感溢れるものでした。
休憩後の後半、『火の鳥』。目に鮮やかな特権的な「赤」がもたらされ、劇的効果抜群でした。しかしそれを纏う者(初日は兼述さん)の重圧が半端ではなかろうことは想像に難くありません。そこに表情豊かな少年(渡部さん)が絡み、中心軸を形作りながら、Noism1の坪田さんとNoism1準メンバーの杉野さんのもたらす安定感のなか、休憩前の抑制を解き放たんとするかのように踊られた『火の鳥』には大きなカタルシスを感得することができました。客電が点るまで、拍手が鳴り止まなかったことも至極当然であったかと。
今日も期待は高まる一方です。当日券もあるかと思いますので、若き身体の挑戦と躍動をお見逃しなく!
(shin)