2ヶ月強振り♪ウェブ「dancedition」連載「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(17)」

2026年7月8日(水)、ウェブ「dancedition」の連載企画は、「金森穣&井関佐和子に聞く、退任発表の真意とNoismの行方(2)」(6/22)を挟んで、この日、「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(17)」をアップしました。正規の連載としましては、前回(16回)からは2ヶ月強経ってのものとなります。

今回、先ず井関さんが語ったのは、劇的舞踊『ROMEO & JULIETS』(初演:2018年7月6日・新潟・富山・静岡・埼玉)。井関さんが書いておられたように、SPAC(静岡県舞台芸術センター)の俳優さんたちが大勢出演された豪華な大作でした。

「ジュリエットたち(複数)」という点でも、井関さんがアンドロイドであるという点でも、実にオリジナリティ溢れる、観ていて楽しい作品でした。そのなかで、井関さん演じるロザラインは、当初はまだ充分に書き込まれていないところから創作が始まっていたのですね。「頭で考えてわかるものではない」「身体で空間に入り、理解して、そこから役がどんどん入っていくようになりました」と井関さん。あの楽しさの裏にそんな当惑する事情があったとは。

その『ROMEO & JULIETS』ですが、各地の劇場を巡演する間に、大小様々な変更がなされていったことも記憶に新しいところです。とりわけ、各劇場の舞台形状の都合からトップシーンが変わり、「死」の表現も違うものになっていたり、挿入されるロザラインの映像が何度も差し替えられていたりと各地で様々なヴァージョンを観ることになり、それも楽しさに繋がっていたことは確かでした。

そして諸々節目の年でもあったという「不惑」の40歳の頃のこと。先入観を捨てて、身体への向き合い方を見直していく作業は本当に大変だったに違いないでしょうが、「実感を伴った」ことで続けられたとされたあたりは、「やはりそれはそうなのだな」と繊細な作業の「真実」を感じながら読みました。

次いでは、「R.O.O.M./鏡の中の鏡」公演(実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』『鏡の中の鏡』)(初演:2019年1月25日・新潟・東京)です。

こちらも魅力的な2演目でしたね。あの存在感溢れる「箱」は、あれ以前も、あれ以後も見たこともないものであり、その存在感に舞踊家たちが絶妙に絡み合う様子は、とてもシュールで美しく、ワクワク感に半端ないものがありました。

愉しいことこの上ない演目『R.O.O.M.』では、トウシューズには、勿論、大きなインパクトがありましたが、それを巡って、ここでも、井関さんは身体への気付きを得て、それを新たなテクニックに落とし込んで進んでいたのですね。

もうひとつの『鏡の中の鏡」 の方は、最初にまったく別の音楽を用いて振付を行っていたことも興味深い事実ではありますが、目を合わすことなく踊られていくデュオ、その緊張感、思い出しました。最後のところ、タイミングを決めずに、初めて顔を上げて相手を見やる場面の「一回性」、その妙味もはっきり思い出しました。

読んでいると、舞踊家(井関さん)が自らの身体に注ぐ視線のその奥深さを、少しなりとも想像出来るような「Noism20年 井関佐和子、全作品を語る(17)」でした。こちらからどうぞ。

【追記】今回も、この後、コメント欄にて、舞踊評論家の故・山野博大さんによる『ROMEO & JULIETS』のご批評ほか(PDF)へのリンクを貼らせて貰う予定です。そちらも是非ご覧ください。

(shin)

「Noism『私は海をだきしめていたい』/改訂版『春の祭典』公演初日を観て」再掲載(2026/07/05 新潟公演千穐楽)

2026年7月5日(日)、Noism『私は海をだきしめていたい』/改訂版『春の祭典』の新潟公演千穐楽。
艶めかしさが横溢するところに、シュールな要素が交錯する前者は瞬きするのさえ惜しく、見詰め過ぎたせいか、ドライアイ状態になり、後者には徹頭徹尾、音の洪水と群舞の迫力に圧し潰され、全存在を揺さ振られ、その2演目、もうこれ以上は望めないほどに分厚い時間を目いっぱい堪能し尽くしました。

新潟公演楽日のこの日、見詰める最中に私を捉えて離さなかった思いをここに書き記しておくなら、こうです。
舞台上、舞踊に献身する舞踊家という、この世のものとは思えないほどに美しい生き物を観た、と。

この日はそれが全てですし、未だネタバレは出来ない状況から書かない方がよいことだらけなのですが、前日、話に出した『私は海をだきしめたい』冒頭の「変更」の有無についてだけはお伝えしておきます。結論から言えば、前日(3日目)とまるっきり同じではありませんでしたが、かと言って、全くの別物でもなく、「新潟version2b」くらいの表記が相応しいものだったように思います。果たして、埼玉公演ではどうなるのでしょうか。とても興味をそそられるものがあります。

この日、新潟公演千穐楽の舞台を目撃し、このブログを書くにあたって、現時点で、書き得ることはほぼ全て、初日に、新潟・市民映画館 シネ・ウインドさんから依頼を受けてものした拙稿のなかに書き尽くしています。(全公演が終わったときには、書きたいことはありますが。)
そこで、シネ・ウインドさんの許可を得て、ここにその文章を、一切の改稿を行わず、体裁もそのままにこのブログにも再掲載させて頂きます。
私個人の思いに過ぎない文章ではありますが、読まれた皆さまが、3週間後、埼玉公演を観る選択をして頂くために、少しでも背中を押すことに繋がれば、そう願う気持ちがあります。
実にイレギュラーなことで、既に読まれた方もいらっしゃるかとは思いますが、是非、このタイミングでもお読み頂きたく、ここに再掲載致します。

☆☆☆☆☆

Noism『私は海をだきしめていたい』/改訂版『春の祭典』公演初日を観て

 2026年6月27日、Noism夏公演の初日の舞台を観てきた。渾身の2演目には徹頭徹尾、圧倒され通しだった。同時に、新潟市民としてシビックプライドをかき立てられずにはいられない「公共劇場専属舞踊団」という在り方でのNoismを観る機会がこれを含めて3回になってしまったことを残念に思う気持ちもある。今回も物凄い舞台を目撃したからである。


 印象的な赤と黒、静謐なタブローを思わせる『私は海をだきしめていたい』。官能的でいて、パリのエスプリ要素やアラン・レネ『去年マリエンバードで』のような不条理も香しい。休憩を挟んだ後は、情動を煽りたてて止まない激烈な改訂版『春の祭典』。神経症的不安が募る季節、「木の芽どき」としての「春」に身の毛もよだつ思いはどんどん加速していった。そんな静と動、真逆とも言える2演目を併せて観る公演はまさに豊穣そのものであり、贅沢なことこの上ない。
 しかし、この舞台、観終えたとき、人は、(今回もまた、)せいぜいが「良かった」「凄かった」或いは「美しかった」くらいの陳腐な言葉しか出てこないことに絶望するほかない筈である。観る者を感動にうち震わせておきながら、いざ語ろうとすると、その言葉の限界にまざまざ直面させては、絶望に苛まれることを余儀なくさせてしまう舞台、それがNoism。幾百、幾千もの言葉を費やして語ろうとも、その絶望はおおよそ変わらない。舞踊への献身のみが可能にするその境地、まさに語り得ないのである。
「自由に観てくれればよい」、金森さんは常にそう言ってくれるのだが、ことによると、その「自由」ほど厄介なものもないのかもしれない。その「自由」。「わかる/わからない」の次元とは一線を画すものなのだが、容易に言語化されたり、要約されたりしない舞台を「自由に」見詰めることが、市民への浸透という積年の課題にとってある種の障壁となっていたのかもしれないとすれば、実に皮肉なことと言えようが、それも今は別の話か。ともかく、舞踊家の身体が、言語を介することなしに、音楽と照明、限られた装置と渾然一体となって、客席にいるこちらの身体に届き、そこに共振が始まるや、そこからはもう感情は揺さぶられっ放しになり、最後には陶然となって、大きな感動に包まれている自分を見出すことになるのである。その一期一会の生々しさの体験はまさに「事件」と呼ぶに如くはなく、足を運ばぬことを選んでしまうのは実に勿体ない。


 これまで、Noismの公演時間にあって、観ることが出来るにも拘わらず、それを選ばずに、その一時間強を、それに勝る豊穣な時間にする術などついぞ思いつきもしなかったので、可能な限り、公演会場を訪れることにしてきた。足を運びさえすれば、(たとえ何度目の鑑賞であったとしても、)その都度、(その一度限りの)途方もない渾身の舞台を総身で受け止める至福にあずかることが出来るからである。そして今回、幸い、埼玉もさして遠くはないのだし、全公演を観ることが出来る僥倖を有難く噛み締めている。他の選択肢などあり得ないし、別に難儀なことなど何もない。この「語り得ぬもの」を目撃する時間が私の人生にとってかけがえのないものであると確信するからである。
今、私はNoismをだきしめていたい。  (2026/06/27)

              NoismサポーターズUnofficial 下村 伸


    (初出:新潟・市民映画館 シネ・ウインド公式サイト『新着情報』(2026/06/28)

☆☆☆☆☆

(shin)

「それ」も想定内だった♪『私は海をだきしめていたい』/改訂版『春の祭典』新潟公演3日目(アフタートーク付き)。

先週の2公演はまだ水無月でしたが、2026年7月4日(土)、この日は月が替わって、気温も上昇した文月のりゅーとぴあ〈劇場〉で迎える『私は海をだきしめていたい』/改訂版『春の祭典』新潟公演3日目です。

中5日で迎えた公演3日目でしたから、「それ」はもう充分に想定内でした。そしてやはり「それ」を目にすることになりました。『私は海をだきしめていたい』のまさに冒頭部です。「それ」とは何か。お察しの早い皆さんは既にお気付きかと思います。そう、冒頭部に演出の変更があったのでした。よりスタイリッシュになった感があります。もとより、変更など、金森さんには別に珍しいことでもありませんし、中5日も挟むのなら、「絶対あるだろう」そう思っていた程です。とりあえず、明日もこの日と同じ冒頭部だろうと考えて、「新潟version2」としておきますが、もしかしたら、明日も変わることで、それぞれ「新潟3日目version」と「新潟楽日version」となることだってあるかもしれません。金森さん作品、そうした点でも一期一会なのです。

今日のブログですが、先ずは入場時にお手許に届く「Noism Supporters Information #14(June 2026)」のご紹介から始めさせて頂きます。金森さん、井関さん、そして山田勇気さんからのメッセージは必読ですので、こちらにも掲載したいと考えました。少々見にくいかもしれませんが、ピンチアウトしてご覧頂けましたら幸いです。

この日も「希望」に満ちた「身体の咆哮」はとても胸熱で、見詰める私たちの身体を熱く熱くしていってくれました。大きな感動に揺さぶられました、この日も。しかし、ネタバレは出来ませんし、そうした舞台の素晴らしさすら、ほんの「想定内」でしかありませんし、また、初日と2日目のブログにも(ネタバレなしで)それなりに書いてありますしで、今ここでこれ以上の記述はしないでおきます。否、する必要があるとは思えません。

その代わりに、ここでは、終演後に行われたNoismメンバーたちによるアフタートークについてご紹介させて頂くこととします。

この日の進行役は山田勇気さん、そして、Noism1の中尾洸太さん、庄島さくらさん、庄島すみれさん、坪田光さん、糸川祐希さん、太田菜月さん、松永樹志さん、春木有紗さん、Noism1凖メンバーの江川瑞菜さん、与儀直希さんが登壇されました。

広角に全員を1枚に収める画像は撮れませんでしたので、先ずは画像2枚でのご紹介です。(重なるメンバーもいます。)
【1枚目】左から、山田さん(進行)、坪田さん、糸川さん、与儀さん、すみれさん、中尾さん、春木さん。

【2枚目】左から、与儀さん、すみれさん、中尾さん、春木さん、さくらさん、松永さん、太田だん、江川さんです。

(これ以降の画像は、メモをとる傍らに撮ったものであるため、目の前にいたメンバーのものが多くなっております。ご了承ください。)

それではトークについて、掻い摘んでのご紹介です。(なお、演出に関する質問もあったようですが、この日は実際に踊った舞踊家への質問に限るかたちでの進行となりました。)

Q: 傘や帽子といった小物を持っての踊りについて
 -坪田さん:
 毎回どきどきする。傘は速く動かしたいけれど、空気の抵抗で煽られてしまう。角度が揃うようにとか、帽子は速くかぶるようにとか気を遣う。
 -糸川さん: 帽子はレディースにかぶせたり、自分でかぶったり。サイズも違うので、交換し合ったりしている。(「一番大きなサイズは自分」と坪田さん。)
 -すみれさん: 動きのなかで帽子をとったり、かぶせたりするが、目のところまでかぶせてしまうと、見えなくて踊り難そうなので少し難しい。傘もちょっとした角度で平行に見えなくなってしますし、軸をしっかり持って踊るのは大変そう。

Q: 踊っている感覚なのか、演じている感覚なのか
 -与儀さん(『春の祭典』のみ出演): 今回、曲を覚えるところから始まり、踊っている感覚だったが、今はエモーションが聞こえてくるようになり、演技の感覚もある。
 -中尾さん: 演じている感覚はそれほどない。無意識に陥り過ぎないように意識しよとしていて、表裏一体。どっちが表でどっちが裏かわからないべた~っとした状態。
 -春木さん: 自分が音楽と合わさったときに踊る感覚。演じている訳ではない。「演じている」を出すために、動いたときに出るものを積み重ねていくようにしている。

Q: 2週に跨る公演、どう過ごしてきたか
 -さくらさん:
 最初は詰めてやってきていて、気持ちを結構あげていた。その2公演の後は、客観的にどう見えているのか、冷静になれて、どうやったらスムーズにいくかなど「研究」することが出来ている。
 -松永さん: オフが2日あって、その間はしっかり忘れて休んだ。そうしないと心と頭がもたない。
 -太田さん: 2日間、何も考えずに休むことにして、趣味の映画や温泉を入れて、何とか乗り切れた。
 -江川さん(『春の祭典』のみ出演): 気持ちの持って行き方や集中の持って行き方、よい緊張感を保っていくのは難しいなと感じた。

Q: 『春の祭典』は変拍子の曲。拍で踊るのか、音で踊るのか
 -坪田さん:
 2020年のこのクリエイションが始まった頃には、全部数えていた。楽譜が用意されて、全部カウントした。今は、数えているところと、音でいこうとしているところとそれぞれがある。
 -春木さん: 今回から加わったメンバーは、結構、カラオケ的に歌えるようになっていると思う。5とか、6、7,4だったり、自分の音は歌えるようになっている。

Q: 動きや振りを他者に伝えるときに意識していることは
 -中尾さん:
 最初はあまり言語化しなくていい。言語化すると、情報を限定しがちになるので、オノマトペを使うとか、ざっくりした言い方やふわっとした言葉で伝える。

Q: 『春の祭典』は、ひとり間違えると目立ってしまうが、もし間違えたらどうするか
 -松永さん:
 間違えではないが、今日はちょっと事故ってしまい、椅子を踏み外して、「破壊」してしまった。しかし、焦ったら、次に響いてしまうので、やることに集中してやることに。それから、まわりに頼る。「折れた破片、どうしよう?」と思ったが、洸太くん(=中尾洸太さん)が走ってくるので任せた。結構、助け合いもある。
 -糸川さん: 『春の祭典』は、椅子の配置、フォーメーション、バミリも多くて大変。間違えたときには、後に引き摺らず、「今」に集中することが大事。
 -山田勇気さん(司会): 自分のなかに、「挽回しよう」だとか、いろんな自分がいる。最善にするために、自分のなかで自分とのコミュニケーションが起こっている。

Q:) 演劇と比べて、抽象度が高くて、感情が生々しく伝わってきて驚いた。とても現代的と感じたが、この先のビジョンは
 -山田勇気さん:
 踊っている立場からすると、音楽やスタイル、ジャンルは変わっても人間はそう変わっていないので、ずっと同じことが繰り返されている。生身の人間がそこにいることを感じさせる舞踊の価値そのものは変わらない。

Q: 『春の祭典』は当初、オーケストラが踊り出したらという設定でクリエイションされた。それぞれどんな楽器が割り当てられているのか
 -山田勇気さん:フレンチホルン、 坪田さん:ティンパニー、 糸川さん:オーボエ、 
与儀さん:ビオラ・トランペット、 すみれさん:クラリネットほか、 中尾さん:フルート・アルト、 春木さん:ファゴット・ヴァイオリン・ピッコロ、 さくらさん:ヴァイオリン他、 松永さん:ホルン、 太田さん:ファゴット・ヴァイオリン、 江川さん:フルート 

Q: 表現するとき、どんなことを意識しているか
 -坪田さん:
 このような舞台では全身が見えるので、全てをどう見せるか。
 -糸川さん: 舞台で存在していくのにエネルギーを回して、立っているだけで魅了出来るように。そして、外の環境や空気を動かすこと。
 -与儀さん: 身体の外、空間を意識している。そして目の使い方。あと、「次のこと」は考えないようにしている。
 -すみれさん: 目は大事。あと、外から見られている意識。
 -中尾さん: みんなの答えに加えて、どこから照明が当たっていて、どこにどう影ができているかなども表現に含まれる。
 -春木さん: 空気全部を動かすこと、自分のなかを満たすこと。
 -さくらさん: 表現が小さくなってしまわないこと。想像して、どういう表現が出来るか考える。
 -松永さん: 身体の前から出るエネルギーだけではなく、後ろから出るエネルギーも。
 -太田さん: 客観視すること。燃やし切ること。
 -江川さん: 全身。ふとしたときに抜ける瞬間のないよう心に留めている。


…と大体、そんなところでしたでしょうか。 (~17:20)

「ホーム」新潟では、4公演のうち、気付けば明日、楽日の1公演を残すのみとなりました。もう寂しさがひしひしと。ですから、その部分の癒しにでもなればと思い、終演後に撮らせて頂いた素敵な画像を一枚を投下致します。ど~ん♪


どうです。太田さん(左)と春木さんの素敵過ぎる笑顔画像に、もうキュン死寸前です、私。このおふたりを含めて、舞踊家の全員の「希望」に満ちた「身体の咆哮」に共振するべく、明日の舞台も是非!見逃しはなりませんよ!
果たして金森さんはまた変えてくるのか、それも見どころとしてありますね。また明日、新潟公演楽日の劇場でお会いしましょう♪

(shin)

「纏うNoism」#12:松永樹志さん

メール取材日:2026/05/23(Sat.)&07/02(Thurs.)

Noism夏公演の『私は海をだきしめていたい』/改訂版『春の祭典』、その新潟公演の1週目と2種目の間、かな~りお忙しい筈なのに、それでも律儀にメール取材に応じて頂いたのは「ザ・男前」松永樹志さん。気持ちの切り替えが上手いんですね。それ、実に羨ましいです。ですからこのタイミングでもお届け出来ちゃうんです、「纏うNoism」第12回、松永樹志さんの回。どうぞお楽しみください。

「おしゃれのポイントは服自体よりもむしろ、着こなし方にある」(オノレ・ド・バルザック)

それでは「纏う」松永樹志さん、はじまりです。

纏う1: 稽古着の松永さん

 *おおっとぉ、意表を突くご登場ですねぇ。画像の上下はこれでよかったのですよね。これは寝ているのでしょうか。はたまたなにか瞑想中とか。どちらにせよ、稽古の合間とお見受けしましたが、この日の稽古着のポイントを教えてください。

 松永さん「稽古着は、リハーサル中に自分の気が服に散らないよう、なるべく黒でシンプルなものをいつも選んでいます」

 *なるほど、黒でシンプル。着る物は気持ちに影響与えますからね。黒がお好みなのかと思いますが、なかでも「コレは特別♪」っていう位置付けの黒の稽古着ってありますか。特に気合を入れるときなどに着るものとか。

 松永さん「Noism20 周年のTシャツですね!」

 *あ、私たちと同じ感覚! わかります。あの黒Tシャツにはパワーを貰えますよね。確かに特別です。画像に戻りますが、上がTシャツ、下はフルレングスのようですが、やはりその組み合わせが基本でしょうか。

 松永さん「この組み合わせが基本です。動きやすさが理由です」

 *そうなのですね。あと、「黒」と言えば、金森さんが「ユニフォームが出来た」と喜ばれていた「ニュートラルワークス」もそうですが、あれはどんなときに着るのですか。また、「今日は着るように」と言われる日はありますか。

 松永さん「本番前に身体を冷やさないようにするために着たりします。集合写真を撮るときは着るように指定があったりします」

 *「ユニフォーム」ですものね。で、次は皆さんにお訊きしている「お約束」の質問になるのですが、お好みの靴下などありますか。お気に入りポイントも教えてください。

 松永さん「こだわりはありませんが、いつもUNIQLOのものです。本番で用意される靴下がUNIQLOのものなので、普段から同じものを履けることが良い点です」

 *ユニクロのソックスを好まれていたのは、坪田光さん、樋浦瞳さん、糸川佑希さんがそうでしたね。ところで、お訊きしたくてたまらなくなっちゃったことがあって。衣裳とは直接関係ない質問にはなるのですが、稽古着画像でのポーズ(?)はもしかすると、何かウォーミングアップのルーティーンのようなものですか。ジグソーパズルのピースのようにさえ見えますけれど。また、Noismの皆さんのなかで、松永さんは身体は柔らかい方ですか。

 松永さん「休憩中に爆睡していたときで、ストレッチしていたわけではありません(笑)。体の柔らかさは中の中だと思います(笑)」

 *あっ、寝てたんだ、やっぱり。あの姿勢で。で、軟体レベル的には「中の中」と。それ、どセンターじゃないですか(笑)。なるほど、わかりました。
一度そう見えちゃうと、そこから先、もうどうやってもジグソーパズル感満載に映りますけれど、でも、どんな格好でも絵になりますね。

纏う2: 松永さん思い出の舞台衣裳

 *これまでの舞踊人生で大事にしている衣裳と舞台の思い出を教えてください。

 松永さん「4年ほど前、コンクールに出場した時の衣裳です。これは、もともとあった上下白の衣裳に、自分で黒やグレーの絵の具を撒き散らして製作しました。Noismに入団する前、最後に参加したコンクールでした」

 *モノクロの画像なのですが、黒やグレーが撒き散らされたモノトーンの衣裳だったのですね。

 松永さん「はい、モノトーンの衣裳でした」

 *その衣裳を仕上げるにあたって、どんなことを考えて作られたのでしょうか。衣裳作りはご自分で行うのですか。ご自分では得意な方とお考えでしょうか。

 松永さん「ボロボロのような、汚れているような感じでつくりました。普段は衣裳の方に作ってもらうのですが、その時は時間がなく、自分で急遽仕上げました。美術の成績は学年1位2位を争う感じだったので笑、こういうことは得意な方だと思います」

 *そうなのですね。凄い、凄い。で、その衣裳を纏って、どんな曲で、どんなダンスを踊ったのでしょうか。

 松永さん「ピアノとストリングスがメインのスローテンポな曲で、暗闇の中から這い上がって一筋の光を掴むといったようなテーマで踊りました」

 *ああ、はい、そんな感じ。見えます、そんな感じに。そのコンクールについて、よろしければ、もう少し教えて頂けますか。

 松永さん「埼玉全国舞踊コンクールというコンクールに出場しました。入賞は出来ずでした(笑)」

 *それは残念。いい雰囲気の魅力的な画像なだけに…。

纏う3: 松永さんにとって印象深いNoismの衣裳

 *Noismの公演で最も印象に残っている衣裳とその舞台の思い出を教えてください。

 松永さん「『セレネ、あるいは黄昏の歌』です。この作品は、初めてNoism0・Noism1のメンバーと参加した作品でした。衣裳は一人ひとりデザインが違っており、自分のデザインもお気に入りでしたが、すみれさん(=庄島すみれさん)のフワフワしたトップスが印象的で、暇があればみんなが触っていたのを覚えています(笑)」

 *すみれさんの「ふわふわしたトップス」、剝ぎ取られてしまうアレですよね。実際、松永さんも触ってみましたか。どんな印象?肌ざわり?ふわふわ感?でしたか。そのあたり教えてください。

 松永さん「触った感触は羽毛のような感触でした。ずっと触っていたいくらいだったのですが、手に毛がつくので程々にしておきました」

 *程々! 理性が欲望に勝ったのですね(笑)。

 *Noism Web Site へのリンクを貼ります。
『セレネ、あるいは黄昏の歌』、2024年5月、前沢ガーデンでの画像翌6月、20周年記念公演「Amomentof」のときの画像をどうぞ。

 *『セレネ、あるいは黄昏の歌』。衣裳だけ見ていると、みんな妖精っぽい雰囲気です。松永さんの衣裳は着丈の短い半袖に、下はフルレングスで、それぞれ袖口も足元もすぼまっていて、かなり手がこんだものですよね。最初、それが自分の衣裳だと知ったときの第一印象はどんなものでしたか。また、ご自分の衣裳のお気に入りポイントはどこですか。

 松永さん「最初はヒカルくん(=坪田光さん)が着ていた衣裳が自分の衣裳だったのですが、全体のバランスなどをみて交換になりました。第一印象は、交換した後の実際に着た衣裳の方が自分に似合っているような気がして、お気に入りでした。クロップド丈のジャケットがお気に入りでした」

 *おお、それは、それは。交換後のものが気に入って良かったです。

纏う4: 普段着の松永さん 

 *こ、これはっ! キラースマイルといい、もうキュンキュンくるやつやないかい。

 松永さん「ありがとうございます(照)」

 *さりげなくも、爽やかさが前面に出てきて、しっかりお洒落ですね。この日のポイントと普段着のこだわりを教えてください。

 松永さん「この季節は基本的にワイドめのデニムにタンクトップをインして、シャツを羽織るスタイルが多いです。足が太いので個人的にスリムなパンツはNGです(笑)」

 *お好みのデニム、ブランドなども教えて貰えますか。加えて、タンクトップやシャツのお好みやこだわりなどについてもお願いします。

 松永さん「ブランドにこだわりはないのですが、デニムはある程度ダボっとしているものを選んで、シャツはクロップド丈のものを選ぶことが多いです。タンクトップはUネックで、ネックレスをポイントにつけることが多いです」

 *はい、普段着でもクロップド丈! そうなんですね。 もうひとつお訊きします。身に着けておられるベルトも印象的なバックルをしつつ、全体を引き締めていてお洒落です。この日使っているベルトについても(ブランドやお気に入りポイント等々)教えてください。また、ベルトは何本くらいお持ちなのですか。どんな色目のものがお好みですか。

 松永さん「ベルトのブランドは忘れてしまいましたが、バックルがゴールドなところがお気に入りです。2種類を使い回しており、もう一つはシンプルな細めのブラックのベルトを使っています」

 *ここまでを通して感じたのは、安易にブランドで選んだりせずに、自分が似合う「好き」を見つけてくることが上手いこと。そのへんにも「男前」な割り切り方が感じられますし、何より、そうした姿勢がホントお洒落です。
松永さん、どうも有難うございました。

松永さんからもサポーターズの皆さまにメッセージをお預かりしています。

■サポーターズの皆さまへのメッセージ

「いつも応援ありがとうございます!
いつ皆さんにバッタリお会いしても良いように、普段からオシャレするよう心掛けます(笑)!」

やめてください、松永さん。キュン死しちゃいますから(笑)。でも、りゅーとぴあ界隈では偶然にお見かけすることもちょっぴり期待しつつ、きょろきょろすることになりそうです。てか、なります。楽しみです。
そして、週末の2公演、その後の埼玉での2公演も楽しみなのは言うまでもありません。頑張ってください。応援しています。お忙しいなか、本当に有難うございました。

これまで、当ブログでご紹介してきた松永さんの他の記事も併せてご覧ください。

 「私がダンスを始めた頃」#25(松永樹志さん)
 「ランチのNoism」#25(松永樹志さん)

今回の「纏うNoism」松永樹志さんの回、いかがでしたでしょうか。では、次回もどうぞお楽しみに♪

(shin)