2022年7月Noism×鼓童公演に向けて、『鬼』特設サイト設けらる♪

きたる7月、Noism Company Niigataと鼓童という、世界に向けて本県のパフォーミングアーツを牽引する「新潟ツートップ」が本格的に初共演します。双方の本拠地である新潟を皮切りに、埼玉、京都、愛知、山形と巡るツアーですが、募るその期待感の「受け皿」として、この度、強力な特設サイトがオープンしました。

こちら、もうご覧のことかと存じますが、内容「鬼」充実で、読み応え満点なうえ、更に以前の金森さんと鼓童・船橋裕一郎さんの「代表対談」動画も見ることが出来ます。2020年7月に配信されたこちらの動画に関しては、本ブログでも取り上げております(「金森さん×「鼓童」船橋裕一郎代表オンライン対談@鼓童YouTubeチャンネル」)が、そのなかで、金森さんが「オレ、せっかちだから」としながら、「そのへんの制作の人」に訴えた「2022年の春夏でお願いしま~す」の共演が実現するのがズバリ2022年7月!さすがはこれまで数々の開かずの扉をこじ開けてきた「有言実行の人」金森さんですね。

作曲家・原田敬子氏による新曲でNoism×鼓童により新たに創作される『鬼』。原田さんと言えば、富山・利賀村で上演されたNoism0『speed/ still/ silence』(@第9回シアター・オリンピックス:2019)の音楽に立ちこめる不穏な濃密さの印象が記憶に新しいところです。そして同時上演されるのはディアギレフ生誕150周年記念・Noism版ストラヴィンスキー作曲『結婚』。こちらのバレエ・カンタータも打楽器と歌を中心とした特異な組み合わせの楽曲ですし、出るのは鬼か蛇か、今から両作に溢れるだろう豊穣なリズムに乗って展開される「異形」の舞踊を妄想しております。

この新作2本立てダブルビル公演は、最初の速報チラシによる告知以来、ワクワク感しかなかった訳ですが、この特設サイトを見ることで、更にそのワクワク感は加速し、身悶えするまでに至ること必至です。まだご覧になってない方は是非とっぷりご堪能ください。

(shin)

またまた朗報!国際交流基金が『春の祭典』&『残影の庭』を無料配信♪

皆さま
先頃のNHKのBSプレミアムシアターでの『境界』放映の記憶も新しい今日この頃ですが、今度は国際交流基金が、『春の祭典』と『残影の庭』の2作を、昨日(3/20)から来年の10/19までの期間で無料配信を始めました。
もう既にご覧になられた方も多いと思いますが、「境界」を越境していく(beyond borders)映像での鑑賞機会がこうして繋がったことは望外の喜びと言うほかありません。
その国際交流基金のプロジェクトとは以下の通りです。

———————————————————–
STAGE BEYOND BORDERSについて
新型コロナウイルスの影響により日本の舞台公演に接する機会を求める世界の人々に向けて、日本の優れた舞台公演作品をオンライン配信する国際交流基金のプロジェクト。配信する作品は、現代演劇、ダンス・パフォーマンス、伝統芸能の3分野で構成されており、各公演は約5か国語の多言語字幕付きで、JFの公式YouTubeチャンネルから無料で視聴できます。
今後、海外で活躍することが期待されるアーティストに注目し、YouTube視聴を前提とした作品を新たに制作・配信することで、日本の有望なアーティストの魅力をオンラインで世界に届けます。
詳細 https://www.jpf.go.jp/j/project/culture/perform/online/
———————————————————-

最初、少し見つけにくかったのですが、こちらからですと割と簡単にご覧頂けるかと思います。
私も今朝、久し振りに、珈琲など飲みながら、ゆったりとした気分で観始めたのですが、見詰めるうちに、やはりというか、またまた、ぐいぐい惹き込まれて見入っている自分に気付くことになりました。
舞台の映像記録版が否応なく「平板化」を引き起こすとしても、それをものともせず、作品と身体の強度が突出してくるさまはまさにNoismだからこそ。
かつて観た舞台の「残影」を追体験するのにとどまらず、むしろ、映像で観るからこその細部への気付きも満載で、別種の新たな視覚体験としてお楽しみ頂ける機会かと思います。(リストには山田うんさんの『コスモス』(Co.山田うん)もあって、そちらも観ることができます。)
1年半の長期にわたって、何度も繰り返し観ることができる点も本当に有難いですね。
先般の『境界』放映につづき、この度の『春の祭典』&『残影の庭』ダブルビル無料配信、是非、どれもお楽しみ頂き、感想なども新たにお寄せ頂けましたら幸いです。
(shin)

金森さん×「鼓童」船橋裕一郎代表オンライン対談@鼓童YouTubeチャンネル

新潟のアートシーンを背負うふたつのグループの代表による対談が実現しました。勿論、ひとりは我らが金森さん。そのお相手、もうおひとりは佐渡を拠点にこちらもワールドワイドな活動を展開してきた太鼓集団「鼓童」代表の船橋裕一郎さん。

対談のテーマは「新たな時代における芸術・文化の役割と可能性」。

「with Corona」時代、即ち、「3密」要素を退けつつ活動していくことを余儀なくされる「新しい生活様式」或いは「新しい日常」にあって、これまで東京という「中心」ではなく、新潟という所謂「周縁」で活動を展開してきたふたつのグループの代表ふたりのお話は、東京の「中心」性を異化し、その「中心」自体を書き換えるようなことも起こし得る、「周縁」が持つ動的なダイナミズムに満ちていて、もしかしたら、「この先」の舞台芸術を志向するうえでのアドバンテージとなりそうなものすら感じられるようでした。

30分弱にわたって展開された穏やかにして熱いオンライン対談「新潟から世界へ Noism×鼓童・代表対談」は、こちらからどうぞ。お話は以下のように進行していきます。

  • 2006年ぶりですね: 13年前の金森さんによるワークショップ
  • お互いのグループについて: お互いの変遷、代表としての思い
  • 若いメンバーの力: 「こういう時期だからこそ」のアイディア、「集団にとって必要なこと」、異なる年齢層・世代、或いは多国籍の豊かさ
  • 積み重ねての今: 継続(鼓童は来年40周年を迎える)、「いきなりそこには行けない」
  • 新型コロナウイルスの影響: 欧州ツアーの中断(鼓童)
  • 鼓童ヨーロッパツアーへの影響: 主催者側からのキャンセル
  • Noismへの影響は: 延期の判断と「どんな形であれ見せたい」思い、「できることをやるしかない」「なんとしても踊る場所を設けたい」
  • 鼓童の自宅待機: 世の中の状況も見ながら、初めて「音も出さずに過ごした一ヶ月半」稽古もやめてみた
  • 自宅待機期間~ここ最近の活動: 当たり前だった「叩いてこその筋肉」再認識、自分と向き合うことの気付き
  • この期間に得たもの: 「bright side」「怪我の功名」「自分の内側を見つめる良い機会」
  • やはり自宅だけでは…: 精神を含めた全身運動、複合的な連動、「広い空間で、空間を認識した上で、身体を大きく、空間的に使うこと」(Noism)「アンサンブル=他人(ひと)の音をどう聴くか、反応し合うこと」「お客さんがいる中でどういう反響・共鳴があるか」(鼓童)
  • (再び)新型コロナウイルスの影響: 「いつまでこれが続くのか」このなかで何ができるのか知恵を絞る必要がある
  • 今年のアース・セレブレーションは無観客&オンライン配信(鼓童): 様々なチャンネル・新しいチャレンジ
  • 動画配信と生の舞台(Noism): 生の舞台の何割減とはならない強度で「映像化するからこそできること」「ライヴとは違う舞踊の面白さ」を目指す配信用の舞踊作品を創作中。同時に「生の醍醐味」その普遍性も追求(Noism・鼓童)
  • Noismと鼓童で作品作りましょう: 「近い将来」(金森さん)、船一本で往来可能な「地の利を活かしたコラボレーション」(船橋さん)→新しい可能性、2022年春夏に何かが起こる?
  • パフォーマーの交換留学します?: 船橋さん提起→金森さん「お互い厳しくするという大前提で 。帰ってきたときに『ああ、ここで良かった』って思えるくらい厳しくするっていう前提で、送り合おうか」(笑)
  • ロベール・ルパージュさんとの新作〈NOVA〉(鼓童): 踏まえてきた40年の歴史と斬新さ
  • エア握手
  • 新潟から発信: 「プロフェッショナルなカンパニーとして、一緒に何か作り上げていく」(船橋さん)
  • 劇場文化の可能性: 「まだまだ日本の劇場文化には可能性がある」「一石を投じ続けて16年。という感じ」そして、新潟が理解してくれたこと、「新潟がその日本の可能性をある種証明している」(金森さん)
  • 活動を続けていくということ: 「支援のありがたみを感じる機会でもあった」「新潟に、ここまで志もあって、レベルの高いカンパニー(Noism)があることが心強い」(船橋さん)「有難うございま~す」(金森さん)

全編29分03秒。終始、寛いだ雰囲気で進行するお話は、聞きどころ満載です。是非お楽しみください♪

(shin)