兵庫公演無事終了、次は愛知公演!

兵庫公演には残念ながら行かれませんでしたが、盛況のようでよかったです♪

今週末16日(土)は名古屋、その翌週は静岡、私も行って参りまーす!皆様もぜひ!!

閑話休題:

金森さんも講師として参加する、9/10-12開催「ゲンロン 利賀セミナー 2016」申込受付中です。http://school.genron.co.jp/seminars/

講師陣は金森さんのほか、鈴木忠志、大沢真幸、平田オリザ、佐々木敦、梅沢和木、そして東浩紀という錚々たる顔ぶれ。

1日目だけ参加したいなあ。。

さて、前のブログでもご紹介しました、元Noism所属、中野綾子さん、加藤千明さん砂丘館公演、堀田千晶さん「メシュラシュ」燕喜館公演、再掲します。

加藤・中野さんの公演は静岡公演と重なっているので残念ですが私は行かれませんが、メシュラシュ公演は行きます。皆様どちらもぜひどうぞ!

加藤千明・中野綾子ダンスパフォーマンス「カンパネラ」

7月23日(土)16:00、24日(日)14:00・17:00 料金各回1,500円(学生1,000円)予約受付中、申込は砂丘館へ。http://www.sakyukan.jp/2016/06/4243

「メシュラシュ」公演 振付・出演:堀田千晶、イタイ エクセルロード、ダニエル デヴェリースhttp://www.you-can-dance.jp/archives/7315

新潟公演 :7月25日(月) 17:00 19:00 全2回 会場: 燕喜館 チケット: 1,500円 お問い合わせ: sankakusan.jp@gmail.com

東京、広島、京都公演、ワークショップも開催  Facebook[メシュラシュ] https://www.facebook.com/Meshulash-%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%8B%E3%81%8F-1138045622894537/

そして、8月20,21日は言わずと知れたNoism0さいたま公演!!今年もダンスが熱い夏です。(fullmoon)

堂々の終幕 『ラ・バヤデール -幻の国』KAAT公演楽日

7月3日(日)、うだるような真夏日の横浜、
Noism『ラ・バヤデール -幻の国』KAAT公演は楽日を迎えました。

チケット前売り分はこの日も売り切れ。
嬉しいことに、神奈川公演は三日間通して完売だったのだそうです。

私は神奈川公演は2日目だけのつもりでいたのですが、
この日(楽日)の早朝、
「神奈川に来てからも結構変わって
昨日(2日目)御大鈴木忠志さんが見たので
その意見もあって今日またさらに変更ある事を覚悟しております」
などというお話しが伝わってきたものですから、もういけません。
「折角、まだ近くにいるのだし、ならば・・・」という気分に傾くと、
急遽、新幹線の切符を変更し、当日券を求めることにしてしまいました。
当日券は1枚4,500円。前売りより1,000円安い価格はお得でした。

当日券で売り出された3階席は、ホールのかなり上方で、
まるで「天井桟敷」のような席。
そこでは身を乗り出し、両の掌で頬杖をつくといった寛いだ姿勢で見ることすらOK。
そんな急勾配の下に舞台を見下ろす席は、
照明の様子もつぶさに受け止められる「良席」でした。

そして私が買った席ですが、
「二幕」で中川賢さんと亡霊が形作る「縦列」の延長線上に位置する席でしたし、
とりわけ、その流れから、為す術なく立ちすくむバートル(中川さん)の手前、
舞台を埋め尽くすように、一斉に仰臥位に横たわった亡霊たちが
今度は次々に時間差で上半身を起こし、
顔を隠しながら客席側へと捻る場面を、
(個人的に最も好きな場面のひとつなのですが、)
舞台上の一部始終を余すところなく視野に収めて見つめたとき、
その儚さは一層際立ち、
戦慄にも似た、身震いするほどスリリングな視覚体験に、鳥肌が立ちました。

「劇的舞踊」の全体を俯瞰することで、この日初めて気付いたことも数多くありました。
『ラ・バヤデール -幻の国』、後方席もお勧めですよ。

神奈川公演楽日の様子に話を戻しますと、
回を重ねることで、舞台はこなれて、メリハリのある情感豊かなものとなり、
全てがスムーズに繋がって展開していくさまに、目は釘付けにされていました。

上に書いた「影の王国」のほか、
特に、この日はエッジの効いた「一幕」に目を奪われました。
前半終わりの幕が下りたとき、隣の連れ合いと顔を見合わせると、思わず口をついて出たのは
「面白い!」「よかったね!」というものだったのですが、
それも不思議はありません。
何しろ、この日遅く、日付が変わろうとする頃に伝わってきた金森さんの舞台評は、
「今日(神奈川楽日)の前半は今までで一番良かった」というものだったらしいので。

それはそうと、目を皿のようにして待ち受けたはずの「変更」ですが、
・・・気付きませんでした。(汗)
ラストも前日と同じ「神奈川エンディング」で、変わりありませんでしたし。

充実の2時間も終演を迎え、
幕が下りると、劇場内には前日よりも更に大きな拍手が谺しました。
なかでも、当日券の3階席、私の付近の
「天井桟敷の人々」が最も熱心に拍手されていた印象があります。
「ブラボー!」の掛け声も、スタンディングオベーションも、
「1,000円安い」ホール最後列がその中心だったように感じました。
勿論、私も、自然な流れでそのどちらにも加わりました。

ややあって午後5時半前、KAATの自動ドアを出ると、
外にはまだむせかえるような暑さが残っていましたが、
私たち幸福な観客の心はそれ以上の熱を帯びていたと思います。
みんな、暑さなどものともせず、満ち足りたような笑顔を浮かべていましたし、
何人かでご覧になられた人たちは例外なく饒舌に話していました。

そんなふうに、堂々と終幕を迎えた神奈川3DAYSの楽日。
一日遅れでこれを書いていますが、
この間にNoism+SPACご一行様は、既に関西入りしておられるご様子。

次は今週末、7月8日(金)、9日(土)の兵庫公演。
両日とも熱い舞台になること請け合い。
乞うご期待! ですね。  (shin)

 

 

 

『ラ・バヤデール』KAAT公演2日目に驚く

本格的な「日本の夏」と言う他ないような
蒸し蒸ししたこの日7月2日(土)、
神奈川芸術劇場KAATに
『ラ・バヤデール −幻の国』の神奈川公演2日目を観に来ました。

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2幕見終えたとき、舞踊家も俳優陣も明らかに滑らかさを増した印象を持ちました。
加えて、表現は刈り込まれ、削ぎ落とされ、
よりシンプルなものになっていたように感じました。

前日の神奈川初日を観ていない私にとって
最大の驚きは変更がラストにまで及んでいたことです。

新潟・りゅーとぴあでは基本的に3日間同じエンディングだったものが、
この日、目にしたのは明らかに別のスタイルへの変更だったからです。
SNSで様々な方面から教えて頂いたところによれば、
ラストの変更は前日からのものだったとのこと。
言ってみれば、それは新潟とは異なる「神奈川エンディング」、
この先はこれでいくのでしょうか。
それとも、兵庫、愛知、静岡でも変わっていく余地があるのでしょうか。
目が離せないとはこのことですね。

終演後のホワイエで衣裳を担当された宮前義之さんを見かけ、
畏れ多くも言葉を交わす機会を得てみると、
お互いの口をついて出たのは、
まず「ラスト、変わってましたねぇ」ということ。

宮前さんは続けて「あれは相当キツイですよね。
Noismだからできるんですよね」と、
より強度を増したスタイルへの変更に言及されておられましたが、
まさに「我が意を得たり」の感を得ました。
他にも割と大きなものから細かなものまで、
様々な変更が目にとまった、と書き記しておきたいと思います。

実際、連日推敲が繰り返される舞台を前にして
「明日はまたどうなっているのだろうか」などと考えてしまうと、
胸中、嫉妬心が膨らんでくるのを如何ともしがたくて困ってしまいます。

かように人の心を揺さぶり続けるNoism『ラ・バヤデール −幻の国』。
神奈川公演も残すところ、あと1日。
複数回観ても飽きないばかりか、
まだまだ観たくなる、そんな舞台です。

神奈川楽日は15:00からの2幕・2時間。
あなたが目にするのはどんな『ラ・バヤデール』なのか、
興味は尽きないところです。
開演1時間前から当日券販売もあるとのこと。
楽日のKAAT公演にご期待ください。 (shin)

 

 

 

明日から、『ラ・バヤデール-幻の国』KAAT公演!

今日で6月が終わり、いよいよ明日7月1日、バヤデールKAAT公演開幕です!2日チケット完売、3日残席わずかのようですが、当日券が出るようですので、皆様ぜひお運びください!

KAATはじめ兵庫、愛知、静岡各公演会場ではNoismサポーターズUnofficial会報、さわさわ会 会報誌とも無料配布いたします。

サポーターズ会報へご寄稿及び金森さんと対談してくださった山野博大さん、ツイッターでさわさわ会会報誌の写真を掲載してくださった乗越たかおさん(https://mobile.twitter.com/NorikoshiTakao/status/746948991108079617/photo/1)どうもありがとうございました。おふたりとも2日にKAAT公演をご覧になられるようです。

『ラ・バヤデール-幻の国』情報詳細:http://labayadere.noism.jp/

◆そして、Noism0『愛と精霊の家』

さいたま公演チケット好評発売中!

8月20日(土)18:00、21日(日)15:00彩の国さいたま芸術劇場大ホールhttp://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/3603

新潟公演は10月7日(金)19:00 りゅーとぴあ劇場、チケット発売日は8月11日(木・祝)です。http://noism.jp/npe/noism0_2016_niigata/

その後のNoism公演予定(当メニュー欄「Noism公演情報」から詳細ご覧いただけます)

Noism2定期公演

12月16日(金)19:00、17日(土)17:00、18日(日)13:30・17:00(全4回)りゅーとぴあスタジオB チケット発売日 一般10/15、会員10/13

Noism1新作【新潟公演】

2017年1月20日(金)~29日(日)、2月18日(土)~26日(日)予定 りゅーとぴあスタジオB チケット発売日 一般11/26、会員11/24

【埼玉公演】2017年2月10日(金)~12日(日)予定 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール

ワークショップ

◆Noismサマースクール2016開催!

7月27日(水)~31日(日)りゅーとぴあスタジオB

◆からだワークショップも!

7月31日(日) りゅーとぴあ練習室5

15:00~16:30 こどものためのからだワークショップ 16:45~18:00 おとなのためのからだワークショップ

兵庫、愛知、静岡でもワークショップ開催します!http://noism.jp/npelist/?category=%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96

 

閑話休題:

おなじみの中野さん加藤さんの公演が砂丘館であります。静岡公演とかぶっていますが、ぜひどうぞ。

★加藤千明・中野綾子ダンスパフォーマンス「カンパネラ」

7月23日(土)16:00、24日(日)14:00・17:00 料金各回1,500円(学生1,000円)7/2より受付開始、申込は砂丘館へ。http://www.sakyukan.jp/2016/06/4243

★「メシュラシュ」公演

振付・出演:堀田千晶・イタイ エクセルロード・ダニエル デヴェリース

http://www.you-can-dance.jp/archives/7315

1989年生まれで17歳から2年間、Noism研修生だった堀田千晶(ほりたちあき)さん振付出演の公演です。堀田さんはNoism研修生の後、ネザーランドダンスシアター2(オランダ)に入団。2011年スウェーデンのヨーテボリダンスカンパニーに入団。2015年からバットシェバアンサンブルに入団して今に至ります。こちらもぜひどうぞ!

新潟公演 日時: 2016年7月25日(月) 17:00 19:00 全2回公演 会場: 燕喜館 チケット: 1,500円 お問い合わせ: sankakusan.jp@gmail.com

東京公演 日時: 2016年7月28日(木) 20:00 会場: 三鷹市芸術文化センター・星のホール チケット: 3,000円(20歳以下は1,500円) WEB予約:  こりっち舞台芸術! ←クリック! ※ ワークショップも開催

広島公演 日時: 2016年8月4日(木) 17:30 19:30 全2回公演 会場: JMSアステールプラザ・リハーサル室 チケット: 1,500円 お問い合わせ: sankakusan.jp@gmail.com ※ ワークショップも開催

京都公演 日時: 2016年8月11日(木) 15:00 17:00 全2回公演 会場: 京都芸術センター講堂 チケット: 1,500円 お問い合わせ: sankakusan.jp@gmail.com ※ ワークショップも開催

●Facebook[メシュラシュ] https://www.facebook.com/Meshulash-%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%8B%E3%81%8F-1138045622894537/

遠藤龍 写真展「LIMITS OF CONTROL/RYU ENDO」開催中!

Noismの写真や映像、mikyozとしての活動で知られる遠藤龍氏。Blue Café(新潟市中央区上大川前通7 サンシャイン新飯田ビル2F)で初個展7月10日まで開催中です。月曜休み、要1オーダー。

写真はすべて原子力発電所と関わりがある(あった)土地で撮影。自然が人間のコントロールからすり抜けるように本来の姿に回帰していく光景の写真が展示されています。LIMITS(限界)をネガティブな問題としてだけではなく、重要な転換点へと考えていくことを提起している写真展です。どうぞご覧ください。http://pbs.twimg.com/media/Ck41jvxUYAAu0l0.jpg

(fullmoon)

 

連日進化する舞台『ラ・バヤデール -幻の国』新潟楽日

2016年6月19日、早くから気温が上昇し、梅雨を通り越して、「真夏日」を記録した日曜日、
Noism『ラ・バヤデール -幻の国』は早くも新潟楽日を迎えました。

公演後、ミストレスの真下さんやSPACの俳優・奥野さんも話されていたことですが、
この日、出演者は一人残らず、3日間でもベストのパフォーマンスを示していたように思います。
それはまるで「幻の民族」(金森さん)が、個々の舞踊家や俳優を越え、時空を越えて、
りゅーとぴあ・劇場の舞台上に出現し、呼吸していたかのようでした。

いきなり話はアフタートークに飛びますが、この日、久方ぶりに金森さんと舞踊家(井関さん、中川さん、石原さん)が登壇し、公演に負けず劣らず、興味深い話を聞かせてくださいました。

誰しも関心を寄せる事柄であり、この場で紹介しても差し支えなさそうな、
「振付: Noism 1」というクレジットについて書きます。
質問シートでそのプロセスを質されると、
①まず、今回、金森さんは1個も振りを作っておらず、②Noism 1メンバーにキーワードが示され、
③メンバーが各自、それから喚起される言葉や音を20ほど挙げ、④そのなかから3~4程度の動きを作る。
⑤そうして集まった40~50の断片を金森さんが編集して、舞踊家に割り当てるというプロセスだったことが明かされました。
その時の様子を、「『悠子の振りは激しいから、お願い、私のところに来ないで』と思っていた」と井関さんが笑って打ち明ければ、石原さんは「(金森)穣さんが自分を消そうとして、抑制する姿が印象的だった」と振り返りました。
続けて、割り当てられた振りを覚えるために、メンバーは一つひとつの振りに考案者の名前を付け、
例えば、「悠子」「賢」・・・などと声に出しながら動いて練習していたという裏話が披露されると、
会場はその様子を想像して頷きながら聞き入っていました。
他も興味深い話ばかりでしたが、ネタバレになりそうな部分もあるため、
ここでは差し控えさせていただきます。

また、アフタートーク後、6F展望ラウンジに場所を移して開かれた初の試み
「公演感想を語り合いましょう!」も30名ほどの参加者を得ました。
公演を終えたばかりでお疲れのところ、
上に名前を挙げた真下さんと奥野さんからもご参加いただきました。どうも有難うございました。
和気藹々とした、とても自由な集まりになり、楽しい時間を過ごしたことを記しておきます。
また集まりましょう。

話を公演に戻します。
私たち観客の心に生涯に渡って煌めき続けるだろう今回の劇的舞踊は、
150年前に作られたバレエ『ラ・バヤデール』を云々する際、
堂々と参照すべきもうひとつの基準たる舞台作品の誕生を告げるものであり、
そのあたり、どう控えめに見積もっても、
「バレエの歴史に爪痕を残す」(平田オリザさん)ことは
成し遂げられたと言って間違いないでしょう。
21世紀に創作されるべき意義と、同時に、歴史に名を残す普遍性を備えた品格ある舞台。
ご覧になられた方々は幸福です。

他方、世界初演の一昨日から連日の変更を重ね、常に進化を続ける舞台はまさに生き物。
あまり気が回らない私は変化にも気付かないことが多いのですが、
それでも、何度も足を運びたくなる所以です。

そして、この後、神奈川、兵庫、愛知、静岡、少しおいて鳥取を巡るツアーにあっても、
連日進化するだろう舞台。
「情熱とお時間とゆとりがある方は追っかけて欲しい」と金森さん。
ただ、そのどれもが揃わない限り追いかけるのは難しい規模のツアーです。
それ故、この先成熟していく舞台に心底嫉妬せずにはいられない人が大多数でしょう。
オリジナルのバレエを凌駕したと言っても過言ではないくらい、幻想的で、
筆舌に尽くしがたい「影の王国」の美しさをはじめ、
様々な種類の「美」が途切れることなく繰り出される、『ラ・バヤデール -幻の国』。
これからご覧になられる方々は幸福です。

公演会場がお近くなら、是非お誘い合わせの上、ご来場いただき、
大人数で「約束された幸福」に浸って欲しいものです。  (shin)

会場を魅了! 『ラ・バヤデール ー幻の国』新潟公演2日目

2016年6月18日(土)、新潟市内某所で開催される大がかりなイヴェントと重なり、
その影響が心配された日だったのですが、さほどの混乱もなく、
前夜、平田オリザさんから「こちらの方が大事」と言って頂いた『ラ・バヤデール -幻の国』の新潟公演2日目は午後5時、無事にスタートしました。

二日続けての鑑賞でしたが、舞踊家も俳優も、動きが台詞が滑らかになった印象を持ちました。
細かな変更や小さなアクシデントもあったようですが、
舞台狭しと繰り広げられる群舞やパ・ド・ドゥに魅了されるうちに、
一幕50分、二幕45分、休憩を入れると110分という時間が嘘のように過ぎていきました。

中川さんのバートル(=ソロル)が、井関さんのミラン(=ニキヤ)が、
オリジナルのバレエ版『ラ・バヤデール』に欠けている「深み」を備えて、
あの環境下で「言葉」を持たない者、
為す術なく翻弄されるだけの者の悲哀を可視化して踊る点は
オリジナルを凌駕していると断言しましょう。

終盤、たきいみきさん演じるマランシュ帝国皇女フイシェンは言います。
「この国では誰も本当のことは言えない。」
中川さんの身体が、井関さんの身体が、あるいは全ての舞踊家の身体が示す深度や強度が、
更には俳優の示す存在感が、そして衣裳、音楽、照明、空間、美術、その他諸々が、
見事に渾然一体となって、この劇的舞踊における「本当のこと」を立ち上げていきます。

圧巻の分厚さで終演を迎えると、カーテンコールでは、
「ブラボー!」という掛け声があちらからもこちらからも飛び交いました。
なかには、金森さん曰く「Noism公演では珍しく」、
「(中川)さとしさ~ん!」という黄色い声援も含まれていました。
しかし、その気持ちは充分わかります。

アフタートークでは、前日の平田オリザさんの言葉とシンクロするかのように、
オリジナルの『ラ・バヤデール』を何度もご覧になられているお客様から
是非ともヨーロッパに持って行って欲しいとの声があがりました。

また、二幕冒頭の亡霊の群舞について、
「個人的には好きなシーン。悪くないんじゃないかな。」
「バレエの歴史のなかでも重要なシーンであり、
150年前のミンクスを21世紀にどう蘇らせるかが課題だった。
正直、ホッとした。」と金森さん。

更に、「マランシュ帝国の13年」と「13年目のNoism」という符合に関する質問には、
平田さんが下敷きにした史実からくる年数であると答えながらも、
「すぐ気付きましたよ。平田さんの脚本を見て、これ、Noismじゃん。ヤバイじゃん。」と
おどけて笑いながら話す金森さん。和やかさのうちにこの日のアフタートークは閉じられました。

新潟・りゅーとぴあ公演も残り一日。
前売り席は完売とのことですが、お得な見切れ席の当日販売はございます。
金森さんをはじめ、結集した全てのクリエイターたちの自信作『ラ・バヤデール -幻の国』。
お見逃しなく。

追記    19日(日)は、アフタートーク後 18:00頃~19:00 りゅーとぴあ展望ラウンジにて、
「公演感想を語り合いましょう!」の予定もあります。そちらも是非。   (shin)

バレエの歴史に新たな一頁! 劇的舞踊『ラ・バヤデール ー幻の国』初日、遂に世界初演の幕上がる

朝、激しい雨に見舞われた記憶もあるのですが、
同じ一日のうちにこうも変わるものかというくらい
連続性を欠いた天気の変わりようは何かの暗示だったのかもしれません。

2016年6月17日(金)、新潟、りゅーとぴあ・劇場、
少し早く会場に着いてみると、はやくも見知った顔がちらほら。
時間を追う毎に、明らかに期待で上気した面持ちの輪があちらこちらで形作られ、
ロビー開場されたのちのホワイエでは、待ち遠しさは既に幸福の予感へと姿を変えて膨らみ、
それさえ、あと数分で現実のものとなることを知る全ての顔には
「劇場」が果たす役割が見事に投影されていたと言えます。
そして午後7時、遂にNoism劇的舞踊『ラ・バヤデール -幻の国』世界初演の幕が上がりました。

斜陽。自らの来し方を証し立てようとでもするかのように語り始める車椅子のムラカミ。
舞台を占める鈍い銀色は生命の躍動から最も隔たったかのような配色です。

一転、回想のなかにあっては、衣裳の色彩は鮮烈にして、
その民族のアイデンティティの別を視覚的に浮かび上がらせます。
馬賊の赤、カリオン族の青、高貴なガルシンの紫等々、
勢揃いする場面では、あたかも色の洪水のよう。
なかでも踊り子たちの背中や肩が青い衣裳から零れて露出するさまの、
優美にして官能的な、えもいわれぬ美しさに思わず息を呑みました。

ムラカミが回顧する総天然色の物語部分にあっては、まずはミンクスの音楽ありきで、
いつになくバレエらしさを示して踊るNoismダンサーたちが却って新鮮に映じました。

フイシェンとバートルの婚約式の席上、ミランが仕掛けられた奸計に陥り、一幕が閉じると、
休憩をはさみ、二幕は「影の王国」から始まります。
冒頭は、過日、公開リハーサルで見たパートの筈が、
大胆に手が加えられていて、よりスッキリとした印象で滑り出します。

芥子の白い花びらを思わせる装置の下、繰り広げられる亡霊たちによる耽美的な群舞には
バートルならずとも目を奪われるほかありません。
瞬きも忘れて見開かれたままの両の眼は潤いを失い、ドライアイになるとも、
幻覚の亡霊たちによる誘惑と、それに翻弄されるバートルの寄る辺ない背中とに
釘付けになる以外なかったのです。
まさにこの世のものならぬ美しさに酔いしれる時間。贅沢このうえありません。

はなから宮前義之さんによって描き分けられた異なる色と質感の衣裳たちは
それぞれに異なる神をいただき、相和することなど幻想でしかなかった筈です。
未だ若い国にとって必要とされたはずの憎しみが、
ほんの13年間という時間ののちに全てを跡形もなく葬り去ってしまうまでを描くのに、
奇を衒いすぎることなく、敢えてバレエのフィールドに留まったまま、
バレエの古典『ラ・バヤデール』に挑んでいく金森さんとNoismダンサーたち、
そして素晴らしい存在感を示す3人の俳優。
それは古典的な佇まいを残しながら、現代的なバレエを模索する営みと言えるでしょう。
今回のNoismの「実験」(金森さん)には、またまた虚を衝かれたと打ち明けざるを得ません。

終演後、観客と共に初日の舞台を見届けた篠田新潟市長が登壇、挨拶し、「今までで一番解りやすかった」等と感想を述べたあとのアフタートークで、「ヨーロッパでも勝負できる舞台ができた。
100年後演じられるのは、この演出の『ラ・バヤデール』だろう」と平田オリザさん。
俳優が話す台詞との対比から、「改めて舞踊の本質に向き合う機会を得た」と語る金森さん。
この日、確かにバレエはその懐を広げたと言っても過言ではないでしょう。

様々な才能が結集して、
バレエの歴史に新たな一頁を刻む、
新しい古典・Noism劇的舞踊『ラ・バヤデール -幻の国』がここに誕生しました。
新潟・りゅーとぴあから世界を目指す、その船出をみんなで祝おうではありませんか。
土曜、日曜も是非りゅーとぴあ・劇場へ。 (shin)

いよいよ明日、世界初演!

いよいよ明日です!チケット完売or残席わずかにつき、当日は各公演見切れ席(3階)が1,000円(税込)で販売予定だそうです!諦めていた方もぜひご覧ください!お問い合わせは、公演当日11:00~りゅーとぴあチケットダイヤル025-224-5521、もしくは2Fインフォメーションへ!

公演特設サイト http://labayadere.noism.jp/

 

◆さて、急遽決定しました!6月20日、バヤデール新潟公演 終了後の後夜祭的リーディングイベント!!★おくぬ~(奥野晃士)の『声に出して読む安吾』

 バヤデール出演のSPAC俳優、おくぬ~こと、奥野晃士(おくのあきひと)さんがナビゲートします!テキストは、坂口安吾、「桜の森の満開の下」!

日時:6月20日(月)19:00~  ナビゲーター:奥野晃士  会場:foodelic(フーデリック)F Bar Ace (バー・エース)新潟市中央区古町通3番町653

料金:2,000円(ワンドリンク・ミニおつまみ付き)  定員:20名  申込締切:6/19(日)までに、090-8615-9942 へお申し込みください。

◆公演最終日、19日(日)は、アフタートーク終了後 18:00頃~19:00 りゅーとぴあ展望ラウンジで、「公演感想を語り合いましょう!」があります。さわさわ会会長の斎藤正行さんも参加しますよ!

皆さま、ぜひどうぞ!
(fullmoon)

サポーターズ会報29号 & さわさわ会会報誌vol.3発送しました! プレス向け公開リハーサル写真 !

両誌とも、会員の皆様宛に6/11に発送しました。発送作業をしてくださった皆さん、どうもありがとうございました ! そろそろ会員の皆様のお手元に届いているのではないかと思います。

サポーターズ会報の内容は、金森監督と舞踊評論家 山野博大氏の対談、及び山野さんの特別寄稿、『カルメン』再演公演についての浦野芳子さん特別寄稿と会員感想、舞踊家(Noism1メンバー)の『バヤデール』メッセージ、そしてシリーズの「私がダンスを始めた頃」(吉崎裕哉)&バレエミストレス日誌(真下恵)、他となっています。

さわさわ会会報誌の内容は、なんと、金森さんから佐和子さんへの質問、そして、『箱入り娘』、『愛と精霊の家』、『カルメン』再演、各公演に対しての佐和子さんの想いが掲載されています。

両誌とも素敵な写真が満載!会員の皆様には公演に先駆けて郵送いたしました。『バヤデール』公演各会場では、この豪華会報&会報誌が無料折込配布される予定です!どうぞお楽しみに♪

会報作成は会員の皆様の年会費によって支えられています。ご入会&ご更新、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、ここからは、いよいよ間近に迫りました『ラ・バヤデール-幻の国』、先日のプレス向け公開リハーサルの写真です!本番まで写真は見たくないという方はご注意くださいね。

まずは一番最初。年老いたムラカミの登場。
バヤデール写真

愛し合うミラン(ニキヤ)とバートル(ソロル)。
バヤデール写真2 089

フイシェン(ガムザッティ)とミラン、そして謎の侍女ポーヤン。
バヤデール写真3  123

反乱軍の馬族と帝国陸軍のメンガイ族。左後方は大僧正ガルシン。
バヤデール写真4 143

このあとミランの死、そして・・・・物語は続きます。

公開リハーサルのあと、囲み取材で質問に応える金森監督。
バヤデール写真5 222

写真はほんの一部です。あっと驚く劇的舞踊が繰り広げられます。美しく贅沢な舞台をどうぞお楽しみに!! (fullmoon)

『バヤデール』プレス向け公開リハーサルに行ってきました!

2016年6月10日(金)。
なんと、第一幕全篇を見せていただきました!約1時間。とにかくすごい!すばらしい!!早く次が見たい!!!

5月の会員向け公開リハーサルでは、このあとの第2幕、「影の王国」のあたりを見せてもらったので、繋がり具合はなんとなくわかりますが、そういうことでは全くありません。とにかくもうびっくりです。

バヤデールであってバヤデールではありません。導入からして違います。まさに劇的舞踊!『ホフマン』、『カルメン』を経て、その次を行く第3弾にふさわしい作品です。全くの新作ではなく、古典バレエ『バヤデール』そのものでもない、「歴史を踏まえ、今を考える」という金森監督の言葉に大納得です。

皆様ぜひぜひご覧くださいね。全国ツアーでよかった!

とりいそぎ、興奮状態ですみません。写真、詳細はまたのちほど。(fullmoon)