「纏うNoism」#06:坪田光さん

メール取材日:2023/04/20(Thur.)&05/02(Tue .)

先日の『Noism1メンバー振付公演2023(及びNoism2定期公演vol.14)』においても、自作自演での単独作品において、或いは、Noism2メンバーを支えて、更にアフタートークの席上でも、充分にその存在感を示してくれた坪田光さん。今回、6回目となる「纏うNoism」にご登場いただきます。こちらではその坪田さんの「纏う」こだわりに迫りたいと思います。お楽しみください。

「ファッションとは服の中にだけ存在するものではない。ファッションは空にも街にも存在し、アイデア、わたしたちの生き方、世界の出来事に結びついている」(ココ・シャネル)

それでは拝見していきましょう。

纏う1:稽古着の坪田さん

 *おっとぉ、タンクトップきましたぁ!先日の『振付公演』でも上半身裸でのパフォーマンスで、そのしなやかな肉体美を眩しく見せていただいたばかりですが、今回も薄衣1枚でのご登場。女性ファンならずとも惹きつけられるものがあります。そしてそのバックプリントが青い鬼のイラストに「鬼は内」の文字!Noism×鼓童『鬼』公演時のものですね。お似合い(「鬼」愛)ですね。でも、まずは稽古着一般についてお話しください。

 坪田さん「服には、一番に着心地を意識します。あとひとつのものが気に入っちゃったらそればっかり着ちゃいます」

 *なるほど、な~るほど。服に着られちゃいけませんものね。あくまでもイニシアチブは着る方ってことで。着心地、大事です。

 *で、気になるそのタンクトップについても教えてください。 そのイラストって誰が描いたのですか。メンバーでしょうか。

 坪田さん「制作スタッフの遠藤龍さんが描いてくれました!」

 *遠藤さん! 写真や映像などを担当される方ですよね。もう、皆さん、マルチな才能の方たちばかりなんですね。欲しいです!欲しい!
それ、あの『鬼』公演のとき在籍の(Noismも鼓童も)全メンバーが持っているものなのでしょうか。

 坪田さん「出演メンバーNoism0&1と準メンバーと、鼓童メンバーと、スタッフさん達が持っています。当時の0、1なのでゆかさんは持ってません」

 *おっと、ゆかさん(=浅海侑加さん)!それは、それは。
あと、しつこいようですが、タンクトップについてもうひとつだけ。坪田さん着用の画像では黒地に青のイラストですが、色のヴァリエーションなんかはあるのですか。

 坪田さん「色のヴァリエーションは無いのですが、形は半袖とタンクトップがあります。タンクトップはさわさん(=井関佐和子さん)とこうた(=中尾洸太さん)、ひかる(=ご本人)、あきら(=樋浦瞳さん)の4枚だけで、あとは半袖になります」

 *商品化して物販コーナーに並べてくださったら、半袖もタンクトップも買ってたと思います、ワタクシ。いやぁ、欲しかったなぁ、と。「鬼」、可愛いですもん。

 *稽古着一般に戻りまして、「お約束」と化した質問です。
靴下についてなのですが、坪田さんも好きなブランドやメーカーなどありますか。

 坪田さん「靴下は圧倒的ユニクロ派です。自分は薄いのが好きなタイプなので、いつも穴があくギリギリの靴下を履いてます」

 *そうなんですね、ユニクロですか。やはり好みは分かれるのですね。以前出てきたファミマの靴下はしっかりしたもので、肉厚な感じがしましたから。靴下って、皆さんにとっては、言ってみれば「商売道具」(の一部)みたいなものでしょうから、それぞれ感覚的にフィットするものを選んで履いているってことがわかりました。履き方のこだわりも含めまして、なるほどです。

纏う2: 坪田さん思い出の舞台衣裳

 *これまでの舞踊人生で大事にしている衣裳と舞台の思い出を教えてください。

 坪田さん「思い出深さで言えば、自分は着てないのですが、昨年の『Noism1メンバー振付公演2022』で自分の作品を作った時に、イメージにピッタリのシャツがなくて、自分で白シャツを買って染めたことがありました」

 *ご自分で着たものではなくて、振り付けた作品の衣裳なのですね。で、その「色」ですが、何を使って染めたのでしょうか。珈琲でしょうか。それとも…?

 坪田さん「紅茶で染めました。染める時、10パックくらい一気に使いました」

 *おお、紅茶ですか。良い香りも付いたことでしょうね。アール・グレイの香り、好きですねぇ、ワタクシ。それはそれとして、今度はその「染め」について、もう少し教えてください。

 坪田さん「女性6人だったので6枚染めました。男2人は上裸で踊って貰いました」

 *坪田さん思い出の紅茶染め衣裳を着て踊った「女性」は杉野可林さん、横山ひかりさん、兼述育見さん、土屋景衣子さん、渡部梨乃さん、そして太田菜月さん。「男」のジョフォア・ポプラヴスキーさんと糸川祐希さんは今回の坪田さんと「同じ感じ」だったってことになりますね。

纏う3: 坪田さんにとって印象深いNoismの衣裳

 *Noismの公演で最も印象に残っている衣裳とその舞台の思い出を教えてください。

 坪田さん「自分がNoism2のときに定期公演で、いろいろな衣裳を着させてもらって嬉しかった思い出があります。Noismの衣裳には初演時の方々の名前が書かれており、Noismの歴史が感じられ、着るだけでシャキッとした気持ちになります。Noism2定期公演vol.12『Complex~旧作と新作の複合による』では、5着ほど着たのですが、その中でも『PLAY2PLAY―干渉する次元』(ver.2013)のさとしさん(=中川賢さん)の衣裳を着て踊った『passacaglia』がとても好きです」

 *う~む、いいお話ですね。「初演時の方々の名前」「Noismの歴史」、聞くだけでジーンと沁みてくるものがあります。うん、いいお話をお聞きしました♪

 *Noism Web Siteへのリンクを貼ります。
 2021年のNoism2定期公演vol.12『Complex~旧作と新作の複合による』画像です。

 そして触れられていた『PLAY2PLAY-干渉する次元』(ver.2013)及び『passacaglia』(含む『マッチ売りの話』)の画像も併せてどうぞ。

纏う4: 普段着の坪田さん

「4分の1」のソレとツヤツヤのアレと♪

 *この日のポイントと普段着のこだわりを教えてください。

 坪田さん「自分は普段着に全くこだわりがありません。着心地と動きやすさだけです。なので、パーカーばっかり着ています」

 *パーカー、坪田さんの雰囲気にピッタリなアイテムに見えます。
で、そのパーカーに対するこだわりとかありますか。好きな色とか、好きなブランド(メーカー)とか。

 坪田さん「こだわりはないのですが、自分は何も考えずに買うと全部グレーになっちゃうので、あえて色のあるものを選んでます。生地は伸縮性が必要です」

 *伸縮性ですか。着心地と繋がっていますものね。
画像では、かぶりのパーカーを着ておられますが、ジップアップなども着ますか。

 坪田さん「ジッパーのパーカーは全く持ってないです。お腹あたりがもごもごしちゃうので」

 *やはりフィットする感覚が大事なのですね。その点、充分伝わってきました。で、そのパーカー、色々数多く持っておられるのでしょうか。ジーンズとかスニーカーとかのマニアの人たちがめっちゃ沢山持っていたりするように…。

 坪田さん「気に入ってるのが4着あるので、それを着回しています」

 *素敵ですね、そういうの。うん。

 *普段着に関するやりとりをする場面ではありますが、手にして幸せそうな表情を浮かべている豪華な丼も気になりますねぇ。(以前、あるサイトで某店の油淋鶏のセットを「常連飯」としてあげておられて、それも美味しそうでしたし。)
ええい、訊いちゃいますね。ツヤツヤ美味しそうなアレ、ちらし寿司ですか。海鮮丼ですか。よく召し上がられるのでしょうか。

 坪田さん「海鮮丼です! 大好きです! 毎日食べたいくらいです!」

 *「エクスクラメイションマーク(感嘆符)みっついただきましたぁ!」(堺正章風に)って感じでしょうか。(って古っ!)その「みっつ」に坪田さんの思い、込められていますね。でも、芥川龍之介『芋粥』じゃないですけれど、いつも食べたいと思っていたとしても、いつも食べられる訳じゃないから、美味しく感じるんですよね。坪田さんにとっての海鮮丼もそうかなと。おっと、違うお話になってきちゃってますね。このまま脱線し続けますと、「ランチのNoism」スピンオフみたいになっちゃいますので、今回はここまでとさせていただきますね。
坪田さん、どうもごちそうさまでした。(って、違うし。)(笑) 

坪田さんからもサポーターズの皆さまにメッセージを頂いていますよ。

■サポーターズの皆さまへのメッセージ

「いつも応援してくださりありがとうございます。
これからもっとより良い舞台を皆様に届けられるように精進いたします。
応援の程よろしくお願いいたします」

…以上、「纏うNoism」第6回、坪田光さんの回をお届けしました。坪田さん、どうも有難うございました。

当ブログでご紹介してきた坪田さんの他の記事も併せてご覧ください。

 「私がダンスを始めた頃」⑱(坪田光さん)
 「ランチのNoism」#17(坪田光さん)

という訳で、今回の「ランチの…」、もとい、「纏うNoism」はここまでです。お楽しみいただけましたでしょうか。次回も乞うご期待ということで♪
ではでは。

(shin)

Noism2定期公演vol.12『Complex~旧作と新作の複合による』を観て(サポーター 公演感想)

☆Noism2定期公演vol.12『Complex~旧作と新作の複合による』(2021/4/24@りゅーとぴあ〈劇場〉)

先ずは、金森さんの受章おめでとうございます!! ますます勢いを増していくNoism Company Niigata 引き続き応援してまいります。

ひと月ほど前、行きつけのハチミツ専門店に寄ったら Noism2定期公演のフライヤが置いてありました。そこのマダムによると、近くに住んでいるメンバーがお店に時々来るのだが、本格的な一人暮らしは初めてというので気にかけているとのこと。私も実はサポーターズの一員で、市民向けのオープンクラスにも参加していてメンバーの方々にはお世話になっている、と告げていろいろ話が弾みました。いつもはハチミツ談義なのですが。

カンパニーが自然に街に溶け込んでいるのが感じられる良いひとときでした。

Noism2の公演を観るのは3年目。中日に行きました。旧作と新作の複合の『Complex』ですが、 Noism0,1による『Duplex』と韻を踏んでいて粋ですね!二つの公演が並列という気がしました。もちろん2は研修生で、そこから上に行くという図式ではあるのですが、今回は特に「Noism2ならではの個性」が感じられました。若さ、未熟さ、しなやかさ、勢い…などが混ざり合って醸し出す、今ここでしか発散できないエナジー。それらを総合してみると、0や1のメンバーによるパフォーマンスに匹敵するものがあると思います。(かなりボスにしごかれたようですが)

振付公演も含め、いろいろなカタチのNoism を観られるのは嬉しい。レジデンシャルカンパニーが新潟にある幸せを前にも増して感じられる今日この頃です。

(たーしゃ)

Noism2『Complex』楽日は「これ、研修生のカンパニーですか?」のクオリティ♪

2021年4月24日(土)、昨日に続いて、ほんの3日しか観ることのできないNoism2定期公演vol.12『Complex~旧作と新作の複合による』の楽日を観てきました。

この日は前日同様の最前列ではありながら、舞台を余すところなく視野に収める事が出来る、少し角度を付けた席から観たかったので、開場の約1時間前から並んで、思った通りの席を確保する事に成功しました。それというのも、若さの迸り、その熱量をダイレクトに受け止めたい思いと、メンバー一人ひとりをキチンと把握したいという気持ちからでした。

前日の公演を心から満喫していたので、この日も、その充実した時間の再現を期待して客席に身を沈めたのでしたが、それはNoism2の9人のメンバーに対して失礼極まりない態度だったと思い知らされることになります。この日、楽日の公演にはもっともっとハードルを上げて臨んだとしても、決して裏切られることのないクオリティを見せつけられたのでした。

公演プログラムより

3年目を迎えた池田穂乃香さん、カナール・ミラン・ハジメさん。2年目は坪田光さんと中村友美さん。そして昨年9月入団の青木愛実さん、兼述育見さん、小林亜優さん、土屋景衣子さん、渡部梨乃さん。みんな素敵で、凄くて、眼福、眼福。

彼(女)らの楽日。前半の30分も、後半の25分も、もうスルスル過ぎ去っていった感が強く、それというのも、9人が一人残らず、自信と確信に満ちた動きを示し、舞台狭しと躍動していたからです。研修生を見守る「保護者」に似た目線のハラハラ感など湧いてくる暇もありませんでした。この日、本当にスルスルと淀みなく過ぎていった舞台上の時間は、前日に体験していた時間とはそのレベルを異にするものだったと言えます。前日からの目を見張るほどの飛躍。若さ、本当に恐るべし。そう実感させられた次第です。

殊に、ラストに置かれた『R.O.O.M.』の「鬼」パートを踊る9人の顔に、揃いも揃って、紛れもない笑顔を観ることのあり得なさと言ったら、それはもう信じられないような光景であり、若い舞踊家がその9つの身体から発散させる「踊る喜び」が、客席に及び、観客と一体化して、感動的な時間が横溢する空間を現出させていたと思います。沸き起こる万雷の拍手とスタンディングオベーションはその証。それにはにかむような笑顔で応じる9人の瑞々しさ。りゅーとぴあ〈劇場〉はえも言われぬ多幸感に包まれていました。

冊子「りゅーとぴあ時間の楽しみ方BOOK」より

上に紹介した画像、りゅーとぴあ発行の冊子「りゅーとぴあ時間の楽しみ方BOOK」の12ページ、Q.16の記載に見られる通り、まさに「研修生だからと侮るなかれ」。圧巻の舞台に完全ノックアウトされてしまったのです。

終演後、ホワイエで友人・知人と言葉を交わそうにも、「凄かったですね」以外に何も浮かんでこず、興奮は一向に冷めやらず、火照った心と体のままに帰路に就くことになった土曜日の夕まぐれでした。

少し時間が経って、これを書いている今、何としても言いたいこと。「たった3回なんて勿体ない。また観たい。もっと観たい。堪らない、これ。大好き」と。正直な気持ちです。9人のこれからが楽しみでなりません、はい。

(shin)

Noism2『Complex』中日、観ているあいだ止まらないワクワク♪

fullmoon さんによるメディア向け公開リハーサルのレポートに掻き立てられた期待感が、更に公演初日の報告によって煽られるかたちで、「早く観たい」との渇望の熱を身中に宿したような塩梅で足を運んだNoism2定期公演vol.12『Complex~旧作と新作の複合による』2日目、2021年4月23日。もう観ているあいだじゅうワクワクが止まらなくって、最高の金曜日の夜を堪能させて貰いました。

今回、金森さんの振付による公演と知ったときから、思っていたことがあり、それを核にレポートしようという構想を持っていたのですが、それがプログラムに織り込まれた金森さんの「演出ノート」と題された紙片にそのまま書かれてしまっているじゃあ~りませんか。(←故チャーリー浜さんにオマージュを捧げつつ、)ガックシ。(涙)

以前、平原慎太郎さんや島地保武さんが招かれて振り付けた際に視認されたメンバー個々の個性の取り込みとも、かつて山田勇気さんが行った「あの年齢」特有の「揺らぎ」の可視化とも異質の創作になるのだろうという予想。まず「作品ありき」で、そこへの献身が求められる厳しさの予感。例えるなら、丈の大きな「大人の服」、それを着こなすことが求められる公演とでも言えるだろうとの思い。そのあたりが金森さんによって「演出ノート」にはっきり書き込まれていたのを目にしたのですから、呆然、悄然としながらも、的外れの捉え方ではなかったことに安堵の気持ちを覚えたり、個人的には、ちょっと複雑だった訳です。

で、目に映じた彼(女)らの「大人の服」への挑戦の程はどうだったかと言えば、その懸命さに「頑張れ、頑張れ」みたいな気持ちで見詰めていると、終始、ミラー・ニューロンが刺激されまくりで、こちらの身体もビートを刻み出す感じになり、もう楽しくて楽しくて、冒頭に書いたようにワクワクが止まらなかったというまとめになります。多くの方が同様だったと見え、終演後には拍手が鳴り止まず、カーテンコールが繰り返されました。

途中、苦しくない訳がない箇所にあってさえ、何人もの目の表情に笑みが認められたことに驚きも覚えましたし、若き舞踊家たちは全員、苦しさを踊る恍惚にその身を浸しているように観ました。当初、応援する気持ちで視線を送っていた筈が、観終える頃には、内面に嗜虐的な快感を覚えるに至っていた訳ですから、立派な舞台だったと言えるかと思います。そして、それはとりもなおさず、彼(女)らの今、この3日間でしか観ることのできない類いの何ものかであり、貴重なライヴとして、若さの眩しい光を発するものだったと言えるでしょう。

で、もともと、ラストにアレが控える妥協も容赦もない「大人の服」の着こなしにはきりなどあろう筈がないことに関してなら、そこは本田圭佑のように「伸びしろですね」と捉えて、精進していけばよいだけのことではないでしょうか。見応えたっぷりの素晴らしい舞台を見せてくれた彼(女)たちに、再び、心からの拍手を送りたいと思います。

この日、最前列で観たNoism2のメンバーたち。3年目となる池田穂乃香さんの気迫溢れる力強い両目が印象的だったのをはじめ、それぞれの顔や身体の特徴も見えてきて、応援したい気持ちも増そうというもの。最終日、更に各人をこの目に焼き付けようと思います。期待しています。皆さん、頑張って下さい。

(shin)

Noism2定期公演『Complex』初日、行ってきました!

春うららの4月22日(木)、Noism2定期公演vol.12『Complex~旧作と新作の複合による』初日に行ってまいりました。会場はりゅーとぴあ〈劇場〉。

大きな舞台に臆することなく、渾身の気迫で のびのびと舞うNoism2メンバーたち。とてもよかったです! あっという間に前後半70分が過ぎていきました。ブラボー!!! 終演後はスタンディングオベーション♪ Noism2メンバーをガッツリ導いた金森さん、浅海さんも登壇し、大拍手! 金森さんの覚悟のほどを見させていただきました。素晴らしい舞台に感謝感激です!

アレコレ書きたいのですが、今日は初日。お楽しみはこれからです。皆さま、若き舞踊家たちの輝きを ぜひ観に来てください。明日、あさっての公演に、どうぞご期待ください! 

★Noismスケジュールに新情報! 公演配布チラシによると、Noismサマースクール(7/7-11)開催、そして、「Noism0+Noism1 山田うん / 金森穣 」 あの山田うんさんがNoism1に新作振付! 金森さんの新作と2本立てで上演とのこと! 新潟公演12/17(金)- 19(日)りゅーとぴあ〈劇場〉、東京公演12/24(金)- 26(日)東京芸術劇場〈プレイハウス〉 これはすごい! ますます楽しみなNoism! 目が離せません!

(fullmoon)

Noism2定期公演vol.12 メディア向け公開リハーサルに行ってきました。

このところ暖かい日が続いていた新潟市ですが、今日は肌寒い小雨模様の一日となりました。そんな4月14日水曜日、Noism2定期公演『Complex』メディア向け公開リハーサルに行ってきました。本公演の会場はNoism2定期としては初の劇場ですが、リハーサル会場はスタジオBです。

スタジオBの指導者席には金森さんと井関さん。金森さんの細かいチェックを井関さんがノートに書き留めます。音出しはNoism2リハーサル監督の浅海さん。『Complex~旧作と新作の複合による』というタイトルなので、レパートリーと新作を別々に踊るのかと思っていたら、そうではなく、まさに複合! レパートリーと新作が交互に、あるいは続けて踊られ、一連の流れの作品となっていました。前後半約30分、休憩を入れて全体で75分とのことです。

今回は前半部分を見せていただいたと思われますが、それは本番のお楽しみ♪ まずは、白い衣裳の『Training Piece』、Noism2メンバーが現れますが、始まりの音楽が違います。それに床に横たわるのではなく立っています。そうか、この導入部分が新作なのかな。その後、本来の『Training Piece』の動きとなりますが、このNoismメソッドを表した基本の動きは簡単そうに見えて実は意外に難しくて苦しい。途中や終わりの方はアレンジされています。10分?ほどで金森監督からまさかのストップがかかります!

「ぬるい!」「このあと苦しくなるから計算して踊っているのか!」「やり直し!」という叱咤で、また最初からです。久しぶりの金森節を聞きましたが、二度目は緊張が解けたのか、メンバーは顔が上気し汗が滲み、動きもスムーズになりエネルギーが感じられます。その後は流れるように新作となる男性ソロに続き『ZONE』の「academic」へ、そして『R.O.O.M.』へと続きますが、作品の合間合間にソロ、デュオ、トリオ、ユニゾンの新作や旧作アレンジが怒涛のように続き繋がり繰り広げられます。あれよあれよという間に予定時間の30分+やり直し分=40分ほどが過ぎていきました。

見応えがありましたが、金森さんの最後の言葉は「ぬるい、弱い、汚い!」。さすが鬼の金森! Noism2の皆さん、これでも以前よりは優しい方ですよ。金森さんの罵声罵倒(=期待激励)を聞けてよかったですね。つらさ苦しさ悔しさをエネルギーに変えてがんばってください!

そして囲み取材は金森さんとNoism2リハーサル監督の浅海侑加さん。金森さんは、「技術的なことは急には上達しない。問題は気持ち。いかにエネルギーを出し続けることができるか。たとえば普段の練習で8、9割の力を出していたとしても、今日のように人前で踊ると緊張もあって5、6割になってしまう。見ている人たちのエネルギーに圧されてしまう。そして疲れてくるとまた難しい。これが本番だとますますどうなってしまうことか。だからいつも10割以上の力で稽古に臨んでほしい。それができるように最後まで引っ張っていきたい」と話されました。

囲み取材
金森さんと浅海さん

レパートリーの演目を選んだのは浅海さんだそうです。浅海さんは「作品の特徴や表現、表情がそれぞれ違うものを選んだ。違う作品だけれども、それが一つの作品となった時に見えてくる流れがあると思う。メンバー個々人のエネルギーを信じている。稽古の時でも本番でも、自分自身を超えていくことを期待している」と話されました。

公演は一週間後。4月22日(木)19:00、23日(金)19:00、24日(土)17:00の3公演で、全自由席。土曜は残席わずか。どうぞ木曜、金曜にお運びください。若き舞踊家たちのエネルギーの炸裂にご期待ください! https://noism.jp/npe/noism2_12/

(fullmoon)
(撮影:aqua)