『Der Wanderer-さすらい人』メディア・活動支援会員対象の公開リハーサルに行ってきました!

冬には珍しく、晴れて暖かな1日となった2023年1月12日(木)。
りゅーとぴあスタジオBでメディア及び活動支援会員対象の公開リハーサルが開催されました!
昨年11/26の活動支援公開リハに続き2回目です♪ 
舞台美術が配備され、いよいよ開幕間近となりました!

先回は前半部分を見せていただきましたが、今回は後半、15曲目からの4作品でした。
ひとつ終わるごとに、主に金森さんの振付指導が入ります。

うわ、何気に超絶技巧~、カッコイイ~、もっと見たいな~、なんという曲かな~
そう思ううちに、あっという間に30分が過ぎて、金森さん・井関さんの囲み取材です。
お二人揃っての囲み取材は初めて、ですよね。何か新鮮でした✨

・作品のテーマは「孤独」。 孤独とは何か、それは愛であり死である。
(金森さん永遠のテーマ)
・前半は愛、後半は死の楽曲で構成。
(上演時間70分、休憩なし)
・一人ひとりをイメージして選曲し、1対1でソロを創ることから始めた。
(曲目が公開されていますので、よかったらご覧くださいネ)
 *曲名を含めた詳細はこちらをどうぞ。:https://noism.jp/derwanderer/

その他の質問。
Q. 金森さんは指導が以前より優しくなったのでは?
A.金森さん:「これまでとは立ち位置が変わった。自分は創りたいものを創るだけで、最終的には佐和子が判断する。ゲスト振付家的な感覚に近づいている。ゲストで行くと優しいんですよ」
井関さん:「舞踊家と振付家は別々の存在。これまでは憑依してしまうようなところがあった」

Q. リハーサル作品中にNoism2メンバーが出ていたが、本番ではどうなのか?
A. 金森さん・井関さん:「基本的には1メンバーでやるが、2メンバーはいつでも出演できるようにアンダーとして付いている。そちらの方が作品が良くなるようなら2がやる場合もある」 ←判断するのは井関さんとのことです。

参加メディアも顔なじみとなり、和やかな雰囲気の囲み取材でした♪

1/15(日)は、視覚/聴覚障がい者及び活動支援会員対象の公開リハーサルがありますよ~!

(fullmoon)
(photos by aqua & fullmoon)

Noism2定期公演vol.12 メディア向け公開リハーサルに行ってきました。

このところ暖かい日が続いていた新潟市ですが、今日は肌寒い小雨模様の一日となりました。そんな4月14日水曜日、Noism2定期公演『Complex』メディア向け公開リハーサルに行ってきました。本公演の会場はNoism2定期としては初の劇場ですが、リハーサル会場はスタジオBです。

スタジオBの指導者席には金森さんと井関さん。金森さんの細かいチェックを井関さんがノートに書き留めます。音出しはNoism2リハーサル監督の浅海さん。『Complex~旧作と新作の複合による』というタイトルなので、レパートリーと新作を別々に踊るのかと思っていたら、そうではなく、まさに複合! レパートリーと新作が交互に、あるいは続けて踊られ、一連の流れの作品となっていました。前後半約30分、休憩を入れて全体で75分とのことです。

今回は前半部分を見せていただいたと思われますが、それは本番のお楽しみ♪ まずは、白い衣裳の『Training Piece』、Noism2メンバーが現れますが、始まりの音楽が違います。それに床に横たわるのではなく立っています。そうか、この導入部分が新作なのかな。その後、本来の『Training Piece』の動きとなりますが、このNoismメソッドを表した基本の動きは簡単そうに見えて実は意外に難しくて苦しい。途中や終わりの方はアレンジされています。10分?ほどで金森監督からまさかのストップがかかります!

「ぬるい!」「このあと苦しくなるから計算して踊っているのか!」「やり直し!」という叱咤で、また最初からです。久しぶりの金森節を聞きましたが、二度目は緊張が解けたのか、メンバーは顔が上気し汗が滲み、動きもスムーズになりエネルギーが感じられます。その後は流れるように新作となる男性ソロに続き『ZONE』の「academic」へ、そして『R.O.O.M.』へと続きますが、作品の合間合間にソロ、デュオ、トリオ、ユニゾンの新作や旧作アレンジが怒涛のように続き繋がり繰り広げられます。あれよあれよという間に予定時間の30分+やり直し分=40分ほどが過ぎていきました。

見応えがありましたが、金森さんの最後の言葉は「ぬるい、弱い、汚い!」。さすが鬼の金森! Noism2の皆さん、これでも以前よりは優しい方ですよ。金森さんの罵声罵倒(=期待激励)を聞けてよかったですね。つらさ苦しさ悔しさをエネルギーに変えてがんばってください!

そして囲み取材は金森さんとNoism2リハーサル監督の浅海侑加さん。金森さんは、「技術的なことは急には上達しない。問題は気持ち。いかにエネルギーを出し続けることができるか。たとえば普段の練習で8、9割の力を出していたとしても、今日のように人前で踊ると緊張もあって5、6割になってしまう。見ている人たちのエネルギーに圧されてしまう。そして疲れてくるとまた難しい。これが本番だとますますどうなってしまうことか。だからいつも10割以上の力で稽古に臨んでほしい。それができるように最後まで引っ張っていきたい」と話されました。

囲み取材
金森さんと浅海さん

レパートリーの演目を選んだのは浅海さんだそうです。浅海さんは「作品の特徴や表現、表情がそれぞれ違うものを選んだ。違う作品だけれども、それが一つの作品となった時に見えてくる流れがあると思う。メンバー個々人のエネルギーを信じている。稽古の時でも本番でも、自分自身を超えていくことを期待している」と話されました。

公演は一週間後。4月22日(木)19:00、23日(金)19:00、24日(土)17:00の3公演で、全自由席。土曜は残席わずか。どうぞ木曜、金曜にお運びください。若き舞踊家たちのエネルギーの炸裂にご期待ください! https://noism.jp/npe/noism2_12/

(fullmoon)
(撮影:aqua)

1/15『Duplex』メディア向け公開リハーサルに行ってきました

本日1月15日(金)、小正月。この時期には珍しく晴天で、気温も上がり、雪も少しは消えたでしょうか。 りゅーとぴあスタジオBで、メディア向け公開リハーサルと囲み取材が行われました。

公開リハは、森優貴さん新作『Das Zimmer』の冒頭部分でした。 森さんが細かく細かく指示を出しながら少しずつ進み、短い区切りで通します。ピアノのメロディが印象的です。 ヨーロッパ調のシックな衣裳を身に纏ったNoism1メンバー。指示に応えて何度もやり直します。 森さんの思い描くドラマにどこまで肉薄できるのか! 3,4シーン進んだところで時間切れになり、囲み取材です。

囲み取材は森さんと金森さん。 質問に応えての内容は概ね次の通りです。

森さん

  • どこまでが真実で、どこまでが架空なのか。不安と希望の狭間を生きる人の思いや感情を表したい。
  • 言葉は大切。動き一つ一つが言語であり、ダンサーたちには話すように動いてほしいと思う。
  • 『Das Zimmer』は「部屋」という意味。舞踊には、空間、場所、人が集まることが必要だが、それはすべて「いけないこと」になってしまった。 しかし「部屋」は破壊されない限り、そこに残っている。そこに存在していたという事実を残したいという思いがある。
  • 自分が帰国して、Noismに振付した(『Farben』)のが約1年前。そして、その1年前から日本にも新型ウイルスが忍び寄ってきていた。それから全ては変わり、自分の中にも壁ができてしまった。今回、前と同じメンバーがいるのはうれしいが、前年に引き続きという気持ちはない。前は前、今は今。こうして りゅーとぴあという劇場が機能し、リハーサルができていることは奇跡に近い。

金森さん

  • 今回、武満徹さん作曲の雅楽『秋庭歌一具』で創作した新作『残影の庭』は、ロームシアター京都の事業(依頼)によるもの。ロームシアターでの初演は伶楽舎との共演であり、舞台も大きかったが、スタジオ公演では同じ作品でも趣は違ってくる。舞踊のエッセンスがより凝縮されたものになると思う。
  • 目に見えているものは過ぎ去りし時の名残り。それは、感染症がもつ特殊な性格と同じで、時間を遡っていくものであり、今をどう過ごすかが未来に現れる。
  • 雅楽との共演は手応えがあった。その成果を「その先の芸術」として将来の作品に反映できればと思う。
  • この時節、自分たちは恵まれている。今後の文化芸術に影響を与える作品を創っていきたい。
取材に応じる森優貴さん(左)
と金森さん

新型ウイルスの影響は、計り知れないものがあります。無事の開幕を祈ります。

*翌日(1/16)の活動支援会員対象公開リハーサルに関しては、こちらからどうぞ。

(fullmoon)

公開リハB日程は金森さん『クロノスカイロス1』、疾走再び!

2019年12月5日(木)12:45のりゅーとぴあ・劇場、メディア各社も多数駆け付けるなか、B日程の公開リハーサルが行われました。劇場内へ進むより以前に、ホワイエから既に、各社ともリハ後の囲み取材を念頭に、予め機材を構える位置を想定して準備を進めているなど、これまでにないほどの念の入れように映りました。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は DSC_1467-300x169.jpg です

スタッフから場内へ促されるに際して、この日見せて貰えるのが、金森さんによる『シネマトダンス-3つの小品』のうち、Noism1出演の『クロノスカイロス1』と聞かされ、内心小躍りしたのは私だけではなかった筈です。先日の森さんの疾走する新作リハと併せて観ることが出来るのですから。

で、場内に入ると目に飛び込んで来たのは、濃淡はあるもののピンクで統一されたタイツ姿の舞踊家10人。

その10人、デジャヴかと見紛えるほどにこの日も疾走しているではありませんか。

バッハのチェンバロ協奏曲第1番ニ短調BWV1052。まずは林田さんとカイさん、そこに西澤さん、三好さん、鳥羽さん、チャーリーさん、スティーヴンさん、そして井本さん、池ヶ谷さん、ジョフォアさん。走って入ってきては踊って走り去る10人。挟まれた時間に示すソロ、デュオ、デュエットそして群舞のヴァリエイションが目を楽しませます。

この日は「映像、照明もなく、身体だけで、およそ3割~4割」(金森さん)とのこと。ラスト、音楽が止まったタイミングで、金森さんから「Are you alive?(どうだい、生きてるかい?)」と声がかかるほどの激しい「Run & Halt(駆け足と停止)」の連続。先週創作過程を見せていただいた森さんの『Farben』と併せて「ホントに大変そう!」とは思いましたが、彼らなら魅せてくれる筈、その確信に揺らぎはありません。そして、この2作、同じ「疾走」でも、その趣きやニュアンスなどを全く異にしていますから、楽しみで仕方ない訳です。

最後、金森さんからは走る姿勢やら、リフトの具合やら、ストップした際の頭の位置(向き)やら、主に英語で次々細かいチェックが入っていきました。動きの質がブラッシュアップされ、まだ見ぬ6割~7割が加わった「作品」は物凄いことになりそうです。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は DSC_1471-300x169.jpg です

リハーサルの後、金森さんと森さんの囲み取材が行われました。畢竟、質問は活動継続に絡むものが多くなりがちでしたが、金森さんは「作品を発表する際には、先を見据えようとするのではなしに、常にこれが最後の作品になってしまうかもしれないと思っている」など、特段それを誇大視することなく、作り手普遍の思いを語ることで応じているのが印象的でした。

そして自身の新作3つそれぞれについて、『クロノスカイロス1』は消えゆく時間、『夏の名残のバラ』は齢を重ねて、老いと向き合う舞踊家、『FratresII』は自己と向き合い、どれだけ闘い続けるかがテーマであると紹介してくれたうえで、『クロノスカイロス1』は個々の舞踊家による振付を基にNoismらしい集団性の表現を目指したものであると語り、また、『夏の名残のバラ』に関しては、井関さんが「新潟の舞踊家」として15年間積み重ねてきた踊りを観る醍醐味を味わって欲しいとの思いに力を込めました。

また、今回招聘した森さんに関しては、同世代のライバルとしながら、「凄くエモーショナル。音楽が持つエモーションが森さんのなかで増幅されていく。彼の良さとして。端的に言えば金森穣とは違う。その違いを感じて欲しい」と語りました。

8年振りにゲスト振付家を招き、今までにない映像の使い方をしている等々、これまで観たことのないNoismが見られる、「Noism第二章」にふさわしい新作公演として、クリエイションも最終盤に差し掛かっている様子が和やかなうちに語られました。

新潟公演、埼玉公演ともにチケット好評発売中。また、新潟公演中日12月14日(土)の終演後にはサポーターズの交流会も開催致します。そちらもふるってご参加ください。

(shin)
(撮影:aqua)