インスタライヴ(2023/07/30)で語られた『Silentium』の「一体感」の真相、或いは深層

美容院に行っているときに思い立って、その午後の実施が決まるという油断出来なさ加減で届けられた7月30日(日)のインスタライヴは、リアルタイムでの対応が難しかった向きもあったかと思われますが、かく言う私もそう。その後もバタバタしていて、漸くアーカイヴをクリック出来たのは月も変わった葉月朔日のこと。

この日はゲンロンカフェも控えているし、ってことで、バタバタしたままに、かいつまんだご紹介をさせて頂こうと思います。詳しくは、おふたりのInstagramのアカウントに残されたアーカイヴをご覧ください。

約54分間、実に刺激的なお話を聴くことが出来ます。その「刺激的」というのは、如何に目の前で展開される踊りの実相に迫るのが難しいかということに尽きます。「領域」ダブルビル公演の『Silentium』において、金森さんと井関さんが「ほぼ初めてふたりだけで約18分間踊る」という前情報に接しただけで、おふたりの「息の合った」踊りを見ることになるのだろうという(ある意味、安直な紋切り型の)憶断が形作られてしまい、そうなるともう、それを離れて自由な視線を送り得なくなってしまうという、そんな作品、そんな実相…。

それでは…

*井関さんは昨年決まっていたこの作品を「軽いと思っていた。中継ぎみたいに凄く軽く考えていた。全く想像がつかなかったから」そう語ります。

*しかし、あちこち色々な場所で行われたクリエイションは「ペルトの『音楽ありき』で、曲だけ決まっていたが、曲が曲だけに音にあてて振りを作る訳にはいかず、振りは振りで無音で作っていった。何が生まれるか、実験的だった。漠然とは考えていたが、こんなに大変とは思わなかった」という展開をたどることになります。また、振りの前に宮前義之さんから衣裳が届いていたという稀有なパターンだったとも。

*本番では普通とは違う集中力で噛み合うものの、稽古では、お互い自分を出してくるので噛み合わないとか、本番では「その瞬間を生き切る」刹那感で、予定調和は全部はずれちゃう、と金森さんが語れば、井関さんは本番では委ねられる、委ねるしかないと言い、更に、一緒に踊ると、舞台にあがったときの金森さんはその差が激しく、「ここまではっきり違う人はいない」、びっくりするとも。

*『Silentium』での「一体感」については、ふたりは性格もアプローチの仕方も全然違っていて、直前のルーティンも別々。「そうじゃないとあそこまでいけない。一個人一個人なんだけど、お互い協力して乗り切るしかない」のだと金森さん。そのうえで、井関さんが、金森さんと踊るときの「面白いことふたつ」を、「①委ねられる。行こうとしている動きのところに必ずいてくれる。②自分の足に立てなくさせるときもある。基本、自分の足で立っていない」そう語り、その具合を「安心感」とともに「怖い」と表現して伝えてくれました。

*また、無音のなかカウントで踊るかたちだったのではなく、要は呼吸だったとし、アクセントからアクセントまでの尺のなかで、「ここらへんにいる」は決まっていても、それも大分揺らいでいて、そうした音に対する遅れがわかるのは井関さんの方で、金森さんはざっくりやっている感じなのだと明かしてくれました。

*宮前さんによるあの衣裳に関しては、「塗り壁」がコンセプト。あそこまで覆われていて踊るのはそうないので難しかったそう。軽くて着心地はいいが、存在感があり、骨や身体の中の構造を意識して踊る必要があったと金森さん。

*また、あの作品、床に敷かれていたのはリノリウムではなくて、パンチカーペット。「米を降らせたかったから」(金森さん)、音がしないのがよかった。キュッという音もなかった。「床大臣」の井関さんは滑らないスプレーを見つけたとのこと。

…と、そんなところを取り出して極々簡単なご紹介を試みてみましたが、勿論、もっともっと豊かな膨らみに満ちたお話を聴くことが出来ますから、実際にお楽しみ頂くのが一番です。

最後、再度、この日のインスタライヴを聴いた個人的な印象で締め括らせて頂きます。お話を聴けば聴くほど、予断を持たずに目に徹することが如何に困難だったかに直面させられた次第です。舞台に向かっていた約18分間、あの緩やかさのなかに、或いはその奥に激しさやらきつさやらを見出すことは出来ました。しかし、今、「息が合っている」という枠組みのなかで見詰めるのみだったことを思い出しています。勿論、「息が合っている」のですが、その真相、或いは深層を聴いて、見ることの困難さに愕然とさせられているような塩梅です。その意味で、とてもスリリングなインスタライヴだったと思います。また、聴こうと思います。

(shin)

8/14インスタライブvol.4、穣さんが語る恩師ベジャールの思い出はきっと言葉による『Mirroring Memories』になる♪

お盆の入り直前(8/12)に、穣さんから突然の告知、ビッグプレゼントの報が届きました。

不定期のインスタライブvol.4が二日後の8/14(金)21:00から行われるとのこと。

テーマは恩師のベジャール。前回のvol.3で、佐和子さんとの間に相当な開きがあったルードラへの思い。vol.4はその穣さん版になるのでしょう。佐和子さんを聞き役に、穣さんがじっくり語る予定とのこと。穣さんが語る言葉による『Mirroring Memories』はまさに必聴!よいお盆になる予感。楽しみですね♪

【追記】おふたりのインスタアカウントにアップされた思い出の画像へのリンクを貼ります。こちらからどうぞ。

(shin)

予告あり!「近々すぐやります、インスタライブvol.3『留学時代(後編)』」とのこと♪

2020年8月1日(土)、21時から配信されたインスタライブvol.2はおふたりの「留学時代(前半)」。もうお話が盛り沢山で、一回では到底、時間が足りず、次回、後編の配信が予告されました。

で、予告された「留学時代(後編)」では、佐和子さんが髪をバッサリ切り、今の長さになったのはベジャールのときだというお話やら、同じくベジャールにまつわる、次のような謎の図についても語られるとのこと。

用意されたものの、語られずじまいだった謎過ぎる図…

「なんじゃ、こりゃあ?」(←別に「ジーパン刑事」故・松田優作風に読む必要もありませんけれど…、って、古っ!(笑))今回、辿り着かなかったものとして井関さんが取り出し、金森さんが「これ、ベジャールの…」と少し触れた途端、即座に井関さんが「ダメ、ダメ、今言っちゃダメ」と遮った謎の図。興味をかき立てられずにはいませんよね。その正体は?

… to be continued

今のところ、日時未定ですが、はっきりし次第、コメント欄にてお知らせするつもりです。楽しみに待ちましょう♪

なお、vol.2「留学時代(前半)」はこんな感じでした。ご参考まで。

(shin)

愈々、今夜!葉月劈頭に穣さん+佐和子さんインスタライブvol.2♪

愈々、今夜ですね。穣さんと佐和子さんのインスタライブの第2回♪

おふたりが17歳と16歳から始まる「留学時代」がテーマとのこと。単なる昔話にはとどまらず、「夢」を追い求める「若者」の実話として、様々な世代の人たちに興味深いお話が展開されること、間違いありませんね。今夜21時、必聴かと。

インスタの穣さんアカウントにはこちらの画像

そして佐和子さんの方にはこちらの画像

そして、トークが展開されるインスタのアカウントにはこんな素敵な画像も。トークにはこちらからもどうぞ。

只今、時刻は16時半過ぎ。あと、4時間半弱、「しばしお待ちを」って感じですかね。

(shin)

SNSに新展開! 穣さん+佐和子さんインスタ共同アカウント始動♪

矢継ぎ早に繰り出される、まさにコンテンポラリー(同時代)な動き!

今度はインスタグラムに穣さんと佐和子さん共同アカウント始動の報。そして不定期にインスタライブが届けられるとのこと。楽しみが増えて、嬉しい限りですね。

そのインスタライブ、記念すべき第1回(vol.1)は来る7月25日(土)21:00からとのこと。テーマは「同業夫婦」だそう。先日、佐和子さんと小㞍さんのライブを満喫したばかりというのに、同じ週内に、今度もまた、恐らく高知から届けられる至福の時♪

皆さん、要チェックですからね。

(shin)