『鬼』新潟公演、一分の隙もない印象のうちに楽日の幕をおろす

2022年7月3日(日)が遂に来てしまう。連日、多くの観客を虜にしてきたNoism×鼓童『鬼』新潟公演の楽日が早くも訪れてしまう。

空を見上げると、この日は雲が多く、暑いとはいえ、幾分かはましな暑さに感じたのですが、それがそのまま、新潟市界隈でのNoism的熱狂が一段落する日のことであってみれば、幾分か以上の寂しさを感じてしまう部分もありました。楽日、開演前の劇場付近、大いに賑わう、その華やかさにはある種の寂寥感が忍び込まざるを得ません。とりあえず新潟では見納めなのです。

場内に足を運んで席に腰掛けてもよい時間にはなっていましたが、出来るだけそれを先送りして、過ぎていってしまう時間を惜しみながら、ホワイエに友人・知人の顔を探しては、言葉を交わしていたときのこと、連れ合いが私に教えてくれたのは、この日も音楽の原田敬子さんがいらしているということ。入口付近で座席表にて自席を確認されている原田さんの姿を見つけ、勇気を振り絞って声掛けをさせていただきました。一昨日も昨日も出来なかったことですが、これが最後の機会ということで、ありったけの勇気を振り絞って…。
Noismサポーターズのブログを書いていることをお伝えしましたら、ご覧になられたことがあるとのご返事に、一層しっかりしたものを書いていかなければならないとの思いが込み上げてきました。
まずは2日間の感動を拙い言葉でお伝えしたのち、失礼なことを口走らないようにしたつもりが、「今回の曲を作曲されているとき、全ての音が聞えているのでしょうか」などと、愚にもつかない不調法なことを訊ねてしまいます。しかし、原田さんは気分を害されたふうもなく、「はい。とりあえずは」のお答えを返してくださいました。当然ですよね、そんなこと。(汗)(でも、私みたいな者の感覚としては、くしゃくしゃにしたクッキングシートで太鼓をこする音とか想像もつかなかったのでして…。)
うなだれかける私に、「音、大きすぎませんか。抑えるようにしているのですが、鼓童の皆さんが叩くと、1.8倍(*)くらいの音になるので」と原田さん。で、「大きすぎたりはしません。逆に途中の静寂が印象的なくらいです」そんなことを言った後に、「全宇宙の音、そんなふうにも感じます」と付け足すと、原田さんは「よく、今鳴っている音に混じって昔の音が聞えてくるようだと言われます」と教えてくださいました。
緊張も手伝ってのくだらない質問の一つひとつに丁寧に応対してくださった原田さんは決して「鬼」などではありませんでした。(笑)
原田さん、どうも有難うございました。この場を借りて御礼申し上げます。物販コーナーで求めたCDでもっと原田さんの音楽を聴かせて頂こうと思います。

私事が長くなってしまいました。スミマセン。ここからはこの日の公演についてですが、ネタバレもできませんし、今書けることの大半は初日中日のブログで書きましたので、ここでは少し違った角度から、初めて書く事柄を極々簡潔にご紹介します。(このブログ、画像にあげた原田さんのCDを聴きながら書いています。)

まずは『お菊の結婚』。Noismを介して知り合った東京の友人、彼女はこの日初めて今公演に足を運んだのですが、バレエに詳しい彼女は、この演目中に、同じくストラヴィンスキー『結婚』の、ニジンスカによるバレエ・リュスへの振付(1923)からの引用が見られたことにもとても感動したそうです。ほぼ100年前のことです。連綿と続く豊かなバレエの歴史が現在に至ることを思うとき、舞踊を観ることの奥の深さを痛感させられます。
この演目、まずは音に操られるようにちょこまか動く圧倒的な人形振りとその結末を、どうぞお楽しみください。

続いて、『鬼』。上に紹介した原田さんとのやりとりがあったことで、私なりに耳にも魂を込めたつもりです。目は勿論です。40分間、そうやって耳と目を凝らして向き合ったのですが、金森さんによって一分の隙もなく構築された作品世界は、一切の夾雑物を含まない、極めて純度の高い演目との印象を受けました、この日も。


鼓童による(カウントの一定性によらない)生演奏と、そうやって繰り出される音と都度、即座に多様な関係性を結ぶことで初めて成立する舞踊。元来が「fragile(脆い)」に過ぎないその属性すら忘れて没頭出来ること自体、人間業とは思えない驚くべき達成と呼ぶべきものでしょう。その演者の「気」を客席で一緒に体感すること。尋常ならざる40分にその身を浸してください。

圧倒的な舞台が終わった、楽日のカーテンコール、舞台上に一列となった演者に対して、いつにも増して数多くの方々がスタンディングオベーションを送っておられました。声を発することが出来ない以上、そうやってしか伝えられない思いがある、ただそういうことに過ぎません。そしてみんなもっと何回も観たかったのです、間違いなく。

りゅーとぴあを後にし、駐車場まで戻ってみますと、いつの間に降ったのか、ボディには雨粒が。公演中の雨がこの日の暑さを幾分か和らげてくれていたようです。
まだまだ暑い夏は始まったばかりですが、新潟市界隈でのNoism的熱狂の季節は終わりました。大きな感動の思い出と共に、寂寥感に耐える日々の始まりです。また来シーズンまで。

新潟を代表する2団体、Noismと鼓童の初共演はやはり物凄いものでした。否、予想以上に物凄いものでした。埼玉、京都、愛知、そして山形でご覧になる皆さま、鼓童も加わったかたちでのNoism的熱狂がリレーされていきます。全身で受け止めて、その身を焦がしてください。火傷を恐れることなしに。

(shin)

*註: 信じ難いことに、原田さんご本人より私信を頂戴し、そのなかで「1.8倍」をめぐるやりとりに関しましても触れて頂いてますので、その部分をこちらにてご紹介致します。
「ちょっと間違えてしまって、鼓童さんは本番になるとやはりエネルギーが更に高まるので、『練習の時の1.5倍』くらいとお伝えするつもりが、1.8倍とお伝えしてしまったのですね、、すみませんでした。流石に1.8倍で打つと皮が破れてしまうかも知れません(笑、、実は本日は上演中にお箏の柱が飛び、とあるダンサーさんの踵に落ちてきたそうです!汗、、)。」(原田さん)
…聞いたときは、「1.8倍!原田さん、刻むなぁ」そう思ったものでしたが、もしかしたら私の聞き間違いの可能性もあります。だとしたらスミマセン。
しかし、それに続く部分に見られるユーモアも魅力たっぷりで、いっぺんでファンになってしまいました。
更に、この日、演目の後半に至り、落下した「物体」がお琴の柱だったとわかり、そちらもなるほどです。
原田さん、諸々有難うございました。m(_ _)m

日常を傍らにする醍醐味を満喫♪ Noism×鼓童『鬼』新潟公演中日

2022年7月2日(土)の新潟市はこの日もうだるような蒸し暑さ。しかし、それを観ている間の感覚はそんなこととは無縁のもの。今ここが2022年7月の新潟市であるという了解は舞台の背後に遠ざかり、いつとも知れず、どことも知れない時空に投げ込まれることのえも言われぬ醍醐味をこの日も満喫しました。それは勿論、Noism×鼓童『鬼』公演のこと。完全に日常を傍らにし、舞台に浸る快感が約束された極上の2演目です。

6F・展望ラウンジから夏の新潟市

「世界初演」に度肝を抜かれた感が強かった前日に続けてのこの日の鑑賞は、どこを観ようかとか、何を待つのかとか、やはり心に若干のゆとりが生まれてはいましたが、それはしかし、客席にあって安心し切ることを意味しません。前日は見えていなかった細部が突出してきては、ドキリとさせられることが続くのですから、その都度、「えっ!」とばかりに取り乱すような焦りの感覚に襲われるのだとも言えるでしょう。そしてこう思うのです。「まだまだ見逃している部分が多く、気付かない細部がある筈。金森さんだもの」と。この度のNoism×鼓童『鬼』はまさしく何度も観たくなる豊穣極まりない舞台です。

怒濤の人形振りが終始見詰める目を楽しませる最初の演目『お菊の結婚』。Noism0の井関さん、山田勇気さんは勿論ですが、要所を締める井本星那さんの艶やかさ滲む存在感も特筆ものでしょう。更にNoism2から出演している糸川祐希さんのフレッシュな長軀も華があり、気付くと追いかけて見詰めていることがしばしばでした。

踊られる可視的な夥しい人形とそこに幾重にも折り重なる人形のメタファー。脱ぐこと、着替えること、或いは重ね着すること。さるCM風に言えば、「そこに愛はあるんか?」的な因習や欲望に染まった共同体(ゲマインシャフト)と完全アウェイの西洋人等々…。
(ロシア語は全くわからないし、ストラヴィンスキーのバレエ・カンタータの方が金森さんのこの舞踊作品のオリジナルサウンドトラックなんじゃないかみたいな錯覚に浸りながら、)25分間観ているだけでもう充分に大満足なのですが、誤って一歩足を踏み入れてしまったなら、読み解かねば気が済まない類いのものがわんさかわんさか出てくる演目でもある訳です。金森さんの頭の中はいったいどうなっているのか、本当に興味は尽きません。

そしてふたつ目の演目は『鬼』。この日も、鼓童によってもたらされた鮮烈な響きが充満する空間(客席)に作曲された原田敬子さんの姿をお見かけしました。「鬼」からはほど遠い印象を受けますが、外見ではわからないことは舞台で井関さんが往還して示すところですし、ここでは立ち入れません。(笑)それより、作曲者とともにあの厳しい音たちの中に身を置いたことは特権的な事柄だったと思います。全身、否、全存在を揺すぶるかのような強打かと思えば、(そう言って適切なら)全休符が立ち上げるどこまでも深い突然の静寂。そうした音と無音とを受容するだけでも相当にエネルギーを要すると言っても過言ではない気がします。

そこに舞踊です。常に私たちは自身のキャパすれすれのところで相対することにならざるを得ません。2日続けて観ても見落としは多数ありますが、全てを観る訳にはいかないのだし、それも止むなしかと思うことにして臨んでいます。

この演目、井関さんと山田勇気さんの表情は刮目に値するとだけは言っておきたいと思います。場面場面でふたりがどのような表情を浮かべるかを見ている/見ていないによって、作品はまったく異なる相貌を呈してくることでしょう。片時も目を離せない力作です。その意味でも、金森さんも言っていたように、体調を整えてご覧になることを強くお薦めします。

終演後、繰り返されたカーテンコール。この日も満席の客席からは割れんばかりの大きな拍手とともに、スタンディングオベーションも見られました。

ツアー劈頭、高い関心とともに耳目を集める新潟3Daysも残すところ、あと1日。新潟楽日のチケットをお持ちの方、お待ちどおさまでした。心ゆくまでご堪能ください。その後、ツアー先でご鑑賞予定の方々、今暫くお待ちください。期待は決して裏切られませんので。

(shin)

2演目の振れ幅極大!贅沢なことこの上なし!『鬼』新潟公演初日

先月のうちに、稀に見る早さで梅雨が明け、迎えた文月、2022年7月1日(金)は、ですから「暑い」などと口にするのも既に無粋な振る舞いと化してしまったかのようでありながら、しかし、他に気の利いた言葉も思い浮かばず、つい口の端に乗せてしまうといった難儀な一日でした。

そんな難儀な日、Noism×鼓童『鬼』新潟公演の初日の幕があがりました。新潟公演のチケットは3日間とも発売開始時から売れ行きがよく、追加席まで含めて早々に完売。Noismと鼓童の初共演を待ちわびたお客さんたちがプラチナチケットを手にりゅーとぴあに集まってくる様子はいつもとは趣きを異にする印象でした。

今公演は物販コーナーも充実していますから、そちらを覗く時間もあるといいかと思います。Tシャツから、手ぬぐい、浮き星というお菓子(ダブルネームの缶入り!)に、佐渡番茶。そして原田敬子さんのCDと色々ありますが、初日だけでも、大勢の方がお買い求めになられていました。お目当ての品はお早めに。

そんな開演前のホワイエで、私もいつもの「ホーム」新潟の面々に加えて、東京・富山からの知人(友人)にも会い、それぞれと言葉を交わし、これから観ることになる演目への期待感を共有することで気持ちはあがる一方でした。

そうこうしているうちに開演予定時刻間近となり、慌ててトイレに行ってから客席に腰を下ろしました。

19:03、あるSE(効果音)が耳に届いてきて、最初の演目『お菊の結婚』が始まります。目に飛び込んできた舞台装置には、「そう来たか!」の思いが湧きました。この日に先立つ2度の公開リハーサルで、鼓童の奏者を配する『鬼』の基本セッティングを観ていたため、「どう繋ぐのだろう?」と思っていたのですが、何の違和感もないばかりか、「見事!」と唸るほかありませんでした。

限りなく奇天烈なストラヴィンスキーのバレエ・カンタータ『結婚』にのって、東洋に足を踏み入れた西洋人、その彼が身を以て体験する異文化の衝撃がコスチューム・プレイ的に展開していきます。蔑みの眼差しに対する共同体側からの排除。毒のあるカリカチュアは極めてアクの強い諧謔味を生み、これまでのNoismの舞台では目にしてこなかった新味に溢れています。人形振りの果てに目にすることになるのは…。先の読めない展開に目は釘付けにされました。外連味たっぷりの照明も印象的な演目です。

15分の休憩を挟んで、Noism×鼓童『鬼』です。前回の公開リハのレポートでも書いた通り、この日も「夏」であることを忘れてしまうような演目でした。鼓童の奏者たちの屹然たる姿からは彼らが繰り出す音が人為的なものにはつゆ思えず、その研ぎ澄まされた精神と肉体が太鼓(と他の楽器)をメディア(媒体)として宙からもたらす音と捉えた方が理に適っているようですし、それに即応するNoismメンバーの身体も人間業とは思えない点で一歩も引けを取りません。隅々まで行き届いた一体感が恐ろしい次元で達成されていることに身震いするほかないのでしょう。

そして配役表で見られる、山田勇気さんを除く、全てのキャストに振られた「鬼」の一文字ですが、それによって、一面的な「鬼」理解は蹴散らされてしまうほかないのですが、舞台上、鼓童によって響かせられた鋭い音とNoismの舞踊家によって可視化された多義的な身体とを受け止めていると、その「配役」に込められた意図に深く納得することになるでしょう。まさに、その都度、体感するべき演目と言えるかと思います。

終演後のカーテンコールにはNoismと鼓童に加え、世界初演とあって、衣裳の堂本教子さん、音楽の原田敬子さんも加わり、一段と大きな拍手とスタンディングオベーションが起こりました。何度目かのカーテンコールで、金森さんが満員の客席に向けて右手を差し出し、次いで拍手を返してくれるに至り、立ち上がって拍手する観客の数もどっと増えました。みんなそろって喜色満面、ツアーはまさに最高のスタートを切ったと言えます。

そんな振れ幅極大の2演目を、僅か1時間半足らずのうちに並べて観ることの贅沢さはどう言い表したらよいのでしょうか。「いやあ、凄かった」とか「良かったぁ」みたいな陳腐な言葉しか出て来ず、気の利いた感想など口に出来ない難儀な思いに直面することでしょう。ならば、かように圧倒され尽くした果てに、言葉を失い、無粋に同語反復的たらざるを得ない感覚を楽しむこと、それに尽きるかと。何しろ相手は「鬼」、勝ち目はなさそうです。これからご覧になられる方々、そんな難儀な思いを存分にお楽しみください。

(shin)

あたかも鬼窟に迷い込んだかのようだった『鬼』視覚障がい者/活動支援会員対象公開リハーサル

真夏を思わせる日差しの強さに、気温がぐんぐん上昇した2022年6月25日(土)の新潟市。エアコンを効かせた車で、13時に予定されたNoism×鼓童『鬼』活動支援会員対象の公開リハーサルに向けてりゅーとぴあ・劇場を目指しました。

入場前に挨拶を交わしたいつもの面々の額は一様に汗ばんでいましたが、それでなくても、誰もがNoism×鼓童『鬼』への期待感から身体は火照って仕様がない感じだったと思います。

私は活動支援会員枠で参加しましたが、この日は初めて視覚障がい者の方たちもお招きして開催される形式の公開リハーサルでした。盲導犬をお連れの方もおられ、間近に見たお行儀の良い犬に感心したりもしました。

劇場内では視覚障がい者の方たちに最前列が割り当てられた他は、自由にどの席に座ってもよいとのことで、私は鼓童の奏者たちも視野に収められるやや後方の席を選んで腰を下ろしました。

そのときが来ると、照明も含め、ほぼ本番と同じ(だろう)『鬼』を最初から最後まで通して観ることになると知りました。両袖からゆっくり舞台上に姿を現す舞踊家たちの摺り足、衣擦れ、そうした音に耳を澄ませているところに、打音の一撃。極めてダイナミックレンジの広い演目の始まりです。

2日前のメディア向け公開リハーサルで「苦労」していた「ピタリ」タイミングの模索は既に過去のこと。舞台上には信じられないほどの一体感が出現しています。
そして太鼓の連打といい、激しい動きといい、演者の身体温度は間違いなく上昇の一途を辿っているのでしょうが、客席から観ていると、あたかも鬼窟に迷い込みでもしたかのような印象の故に、作品の表面温度は極めて低いものに感じられてしまいます。何ということでしょう。

黒と赤に、もう一色…。怪しい仄暗さのなか、鬼にまつわる新たな民話が紡がれていくのを目撃する醍醐味には、かつての『ASU -不可視への献身』を彷彿とさせるものがあるように感じました。そしてそして舞踊家の身体で可視化されていく鬼という異形。その表現には息を呑むほかありません。

そんな圧倒的な演目を最初から最後まで通して見詰めること、約40分。
本番さながらに緞帳が下りると、場内から拍手が沸き起こりました。いつもでもいつまでも。そちらも本番さながらに。
そして先刻まで踊っていた金森さんがタオルで汗を拭きながら出てくると、極めて低く感じられた作品の表面温度が錯覚に過ぎなかったことがはっきりしただけでなく、りゅーとぴあの外は激しく蒸し暑いことも思い出されました。そんな鬼窟からの生還。

「今、みなさんに『鬼』をお見せする前に、『結婚』も通しました。(演者に向かって)みんなご苦労さん」と金森さん。続けて、客席に向かって、「初日に向けて、もっともっと精度をあげていきます。楽しみにしていてください」と話すと、またまた大きな拍手が送られていました。

まだ観ぬ『お菊の結婚』と併せて、超弩級のダブルビルと言っても過言ではないでしょう。日々高まる期待に身悶えすること、それだけが公演を待つ私たちにとって唯一許された身振りである筈です。その落ち着かなさに耐えることを楽しみとしてもう数日過ごしましょう。

(shin)

Noism×鼓童『鬼』メディア向け公開リハーサルに出掛けてきました♪

朝降った雨が空気中の湿度と化して身に纏わり付くようなじっとりとした暑さのもととなっている、そんな2022年6月23日(木)の13時。Noism×鼓童『鬼』のメディア向け公開リハーサルを観にりゅーとぴあの劇場まで出掛けてきました。

ホワイエの窓際に座って、劇場内に通されるのを待つ間、中の様子を確かめようとしたスタッフが少し扉を開けた瞬間、フォルテッシモの打音が音圧を伴って周囲を浸してしまうようなことがあり、これから物凄いものを体感することになるとの思いを抱きました。

予定時間を少し過ぎて、劇場内に通され、舞台に目をやると、先刻、大音量を発した太鼓をはじめ、楽器は全て鼓童の奏者ともども桟敷の上にあり、Noismメンバーはいつもの床の上にいました。奏でる者は踊る者に目をやる必要があり、かつ、踊る者のアクティングエリアを確保しようとするなら、これは必然の配置かと思われます。その美しき威容。踊る者たちは奏でる者たちが発する音(と音圧と)を頭上から浴びるかたちで踊ることになるでしょう。(『お菊の結婚』との間の舞台転換はどうなるのだろう。そこは当日のお楽しみですね。)

この日の公開リハーサルの前半では、「劇場入りして3日目」(金森さん)ということもあり、まずは太鼓の位置を調整することから始まり、次いで、演奏と踊りを合わせることにじっくり時間をかけながら、綿密のうえにも綿密に、ある「暗転」のタイミングを探ってる様子に目と耳とを凝らしました。口調はいつになく柔らかい金森さんと、更に穏やかな話し振りの鼓童・石塚充さんが客席から舞台上に言葉掛けを行いながら、「ピタリ」のその一瞬を探っていきます。その場面、太鼓の音が始まるタイミングは決まっていても、その後、叩かれる回数が一定ではないらしく、照明のキーのタイミングが掴み難いようでした。

全編にわたって、太鼓と舞踊の間に根源的に横たわる「共約不可能性」とでも呼ぶべきものを超えた「ピタリ」の一瞬を探ろうという双方からの挑戦ですから、容易な筈はありません。初日を迎えるまでブラッシュアップを続けていくことでしょう。そして、これまで観てきたNoismの舞台から明らかなことがひとつあるとすれば、私たちはその果ての達成に身震いするだろうということです。そのときが楽しみでなりません。

予定では終了時間と目されていた13:30、金森さんの「Bを頭からいってみましょうか」の言葉で、作品を一部見せて貰いました。そう、ほんの一部のみでしたが、見惚れました。

その後、13:40頃よりホワイエにて、金森さんと石塚さんへの囲み取材に移りました。少しですが、以下にご紹介を試みます。

*初共演に関して
金森さん: 過去にも鼓童との共演の話はあったが、実現に至らなかった。しかし、「いずれ、いずれ」と思っていたところ、昨年、鼓童の新代表・船橋裕一郎さんとの対談をきっかけに打診をし、快諾を得たもの。
石塚さん: (金森さん・船橋さん・石塚さん)3人とも同世代。共演したいと思っていた。新代表のもと、鼓童の体制や音楽性も変わっていくなかで、打診を受け、「今なら良い共演ができる」と思った。

*和太鼓の生演奏で踊ることに関して
金森さん: 単純に波動が違う。西洋の打楽器とも振動のレベルが違う。身体に強烈に響いてくる楽器。舞踊家はそれを力に変えたり、逆にそれを引っ張り出すような身体だったり、今まで味わったことのない感覚を味わっている。
実演家としては共演者が増えることで密度も濃くなり、単純に楽しい。

*Noismが踊るところで演奏することに関して
石塚さん: ただ音楽を奏でているのとは異なり、自分たちの音に反応して動く生命体が前にいることに、音に入るエネルギーや熱が変わっている感じがする。
曲自体が難しいのだが、それを曲だけで演奏していたときよりも、Noismが入ってからの方が曲に輪郭や命が込められて演奏しやすくなった実感がある。

*今公演の見所は
金森さん: 後にも先にもNoismと鼓童の共演。日本中探しても、このレベルのクオリティで舞台芸術を作っているところはそうはない。それがここ新潟で生まれている。それ以上の見所があるとは思えない。それが新潟の魅力であって欲しいし、それを全国各地、世界に届けたい。
石塚さん: 鼓童とNoism両者が音を出し、動いている空間が贅沢。その空間に身を投じに来て欲しい。

*原田敬子さんの音楽の難しさ
金森さん: 要するに決まってない。何回これやって、何小節行ったら終わりって決まってない。それを奏者たちがその瞬間に選んでいっている。即興性が含まれた楽曲に何とか合わせようとしているのが今の段階。
石塚さん: 今回、使っている楽器数は30以上で凄く多いうえ、細かく厳密な指定がなされている。

*新たな発見について
石塚さん: Noismの皆さんは自分たちの音楽を自分たち以上に聴いているというのがあって、自分たちの音楽でありながら、自分たちが意識していなかったところに命があることを知り、自分たちが持っている譜面が豊かなものに見えてきたことがある。
金森さん: 劇場入りした日に久し振りに鼓童さんの生音聴いたときに、「あれ、こんな感じだっけな?」と感じた。翌日はまた全然違っていて、「なんか音変わりましたよね」と訊いたところ、「自分たちが空間に慣れるように、楽器もその空間における響きに慣れるし、劇場の舞台構造(空間)も、その音を受け慣れる」との答えを得て、その視点を面白いと思った。じっくり時間をかけられる専属舞踊団としての強みを存分に発揮できるものと思う。

様々に興味深かったおふたりの囲み取材が終わったタイミングで、Noismスタッフから新潟3公演のチケット追加発売についてのお知らせがありました。
発売されるのは若干枚のみということですが、6月25日(土)11時よりオンラインもしくは電話にて受付が始まるとの告知がなされ、詳細はNoismの公式サイトにて発表とのことです。チケットの動きが「鬼」速かったためについ買いそびれてしまわれたという方、この機会にお求めください。

期待値がもろ「鬼」Maxに押し上げられたこの日のメディア向け公開リハーサルについてかいつまんでのご紹介でした。このあとは活動支援会員対象の公開リハーサル(6/25・土)後にまたレポートしようと思います。ではでは。

(shin)

「2日で2公演じゃ勿体ない!」そんな実感のNoism2定期公演vol.13楽日

2022年5月22日(日)、見事にたくさんの「2」で表記されたこの日の15時から、りゅーとぴあ・劇場にて、Noism2定期公演vol.13楽日の公演を堪能しました。前日に幕が上がり、もうこの日がラストです。日曜日の楽日とあって、メンバーのご家族と思しき方々も多く訪れていたようです。

夥しい数の「2」が本公演を祝福♪

運良く、両日とも観ることができた者のひとりとして、まず感じたのは、たった1日の本番経験で踊りが格段に練度を上げていることでした。昨日は昨日で、ある意味、初々しさが目を楽しませましたが、今日の舞台は、全くその趣を異にし、自信と確信を増した8人の舞踊を観ることになったと言い切りたいと思います。彼ら彼女たちの伸びしろ、そして成長速度の恐ろしさよ。勿論、良い意味です。

第1幕、金森さん振付のNoismレパートリー。この日の舞台の印象としては、全員に「攻める」部分が出て来ていると感じられたことが大きかったと思います。泣いても笑っても、この日が最後。ならば、全部出し切ろうという覚悟が動きのキレとなって表出されていて、ビンビン心に刺さってきました。
なかでも(あくまでも個人的に、ですが、)圧巻だったのは、レパートリーの最後に踊られた『砕波』です。鼓童の太鼓が刻む細かいビートが8人の身体によって増幅されてくるかのようで、観ているこちらも、金森さんが折々に口にするミラーニューロンの働きにより、完全なシンクロ状態に至り、演者と同じ時間を共有し得たことに大きな満足感を感じる自分を見出しました。この後、Noism2は鼓童のイベント「アース・セレブレーション」に参加して、同演目を生演奏で踊る予定があるらしく、一気に、佐渡へ出掛けて、その時間を堪能したい思いが膨らんでしまったのは私ひとりではなかったでしょう。『砕波』、全編通してまた観たいです♪その後の15分間の休憩は、8つの身体が心地よく刻んだビートのままに過ぎていきました。

休憩後、再び、緞帳が上がると蹲る少年と背後には黒衣たち。この日も名作『火の鳥』を観られることが嬉しくない訳がありませんでした。ダブルキャストで踊られた同作は、この日の火の鳥は土屋景衣子さんで、少年が太田菜月さん。前日と異なるメインキャストのみならず、8人全員が、作品全体の趣を一変させ、また違った味わいの『火の鳥』を見せてくれたことは、正直、驚きでした。「こんなにも違うのか!」といった案配だっただけに、ダブルキャストの両方を観られたことは実に嬉しい事柄でした。昨日とは違うものを観ている意識で視線を送るうちに、作品は最後の場面を迎えます。知ってはいても、やはり鳥肌もののラストの切れ味です。この日も大きな拍手が湧き上がり、カーテンコールが繰り返されました。客電が点ってからも、鳴り止まぬ拍手に、緞帳があがり、笑顔の演者たちはより一層の笑顔で拍手に応えます。場内を包んだ多幸感。それはもう言葉で表現することなどできよう筈のないものでした…。

そして今思うこと、それは「2日で2公演じゃ勿体ない!勿体なさ過ぎる!」ってことのみです。舞台で踊った者も、客席から視線を送った者も、例外なく、そんなことを思っていたと断定して間違いなかった筈です。2日間、それほどまでに充実した公演を見せてくれたNoism2メンバーの今後に期待は膨らむ一方の今です。

(shin)

3ヶ月半振りのインスタライヴで話された『結婚』と『鬼』♪

2022年5月15日(日)20時、前回から3ヶ月半振りとなるインスタライヴが配信され、Day Offの宵の寛いだ雰囲気のなか、主に、来る公演の演目である『結婚』(正式タイトルは『お菊の結婚』となる模様)と『鬼』についての前情報が披露されました。詳細はおふたりのインスタアカウントに保存されたアーカイヴにてご覧頂きたいと思いますが、こちらでも、ごくごくかいつまんでご紹介を致します。

途中、金森さんは大変お気に入りの様子の米粉のエクレア(フランス語で「稲妻」を意味するお菓子は、金曜日に「電撃的に」告知され、次回公演について語られることとなったこの日のインスタライヴの性格と呼応していなくもありません。)を頬張りながらの配信でした。

ふたつの演目のうち、まず着手されたのはストラヴィンスキーの音楽『結婚』の方で、歌詞に合わせて踊られる約23分の作品。(22分58秒くらい?)
3月から振り写ししつつ創作されるも、『春の祭典』よりも難しく、1日1分という感じで進み、昨日初めて通したとのこと。井関さんによれば「脳内的に(情報量的に)は40分は軽くある」ほどの作品と。
「展開が早く、ちょっとコミカル」「ビシッとくると思っちゃうと、『えっ?』となって、『面白かった』で良かったの?」ってなるような「笑って貰って良い」作品。(井関さん)「金森作品にしては珍しくコミカル」「コケティッシュ」、人形的な身体性で、感覚的には『Nameless Hands』の系譜ながら、『箱入り娘』のような路線とは違い、話がコミカルなのではなく、物凄く速くてコンプレックスな動きがコミカルに映ると金森さん。(井関さんは「首」の扱い方から人形振りのコツを解説してくださいました。)
ピエール・ロティ(仏・1850-1923)の『お菊さん』、旅行記的、外からの目で見た日本、その文化・風土。それを基に「楼閣」が人形的に見えるという設定で創作。衣裳面では、山田勇気さんの衣裳に付けられた「紋」には特別な含意があり、注意して観て欲しいとのこと。

公演の上演時間は、『結婚』が23分、転換で15~20分、『鬼』が40分弱になる予定とのこと。

そして『鬼』。原田さんからのメールでテーマが「鬼」と知らされたとき、思考・趣味等、別次元にあり、次元が変わる刺激に満ちていて、「挑戦状的な感じがいいな」と思ったと井関さん。「楽していたのでは出てこない熱量が喚起される」と金森さん。(物語的なものはあっても)物語はない音楽。
稽古のために録音が必要ということで、昨年暮れに原田さんが極寒の佐渡・鼓童村に入って録音。合同稽古までの3週間、それによって振付を始めた。
ライヴは想像を超えて凄かった。「締太鼓の音が身体にくる」(井関さん)「物凄く身体に作用する。皮が皮膚にくる。あれだけの音響のど真ん中にいること、その強度はあまりないこと」(金森さん)
「一番ゾクってくるのは全員静止のとき」(井関さん)「まずデフォルトでピーンと張り詰めた無音があって、そこからどう鳴り始めるか。鳴ったものがどう消えていくか。その隙間に原田さんは『鬼』的なものを直覚して作曲している。『あの始まり』はそれを掴むためにはあれしかなかった」(金森さん)
鼓童さんも普段、演奏時のミスはつきもので、お互いカヴァーし合っているのだが、今回は舞踊家たちがいることで緊張感が凄いと話されていたと。舞踊家にとっても、楽曲が揺らいだとき、「瞬間的に選び取る、凄い客観性が必要」(井関さん)「ある意味、偶然をコンマ毎に必然に置き換えていかなければならない」(金森さん)「めっちゃ楽しいよね」(井関さん)「物凄い集中していかなければ無理。それが楽しい。(観客の)皆さんも今回、体調万全で来られた方がいい。なんとなくふらっと、はやめた方がいい。(笑)集中が引き出されるような空間になる」(金森さん)
「音波が凄くて疲れる。圧が凄い」(井関さん)「音に触れる。音を聴いて踊るのではなく。それが今回、鼓童さんたちとのコラボレーションの醍醐味」(金森さん)その金森さんも少し踊るとのことです。

…そのほかにも興味深い話が続々ぽんぽん出て来て、「もう必聴!」以外には言い表せない、この日のインスタライヴでした。そのあたり、是非、アーカイヴにてお確かめください。
で、その公演、Noism史上最速で、りゅーとぴあは完売。ほかの劇場も好評発売中。お早めにお求めください。また、今週末に迫りましたNoism2定期公演vol.13(@りゅーとぴあ・劇場)にもお運びください。

(shin)

Noism×鼓童『鬼』記者発表に行ってきました!

日時:2022年4月22日(金)10:30-11:30(会場受付10:00より/オンライン受付10:20より)
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈劇場 ホワイエ〉
登壇者:
・金森穣(りゅーとぴあ舞踊部門芸術監督、Noism Company Niigata芸術監督)
・原田敬子(作曲家)
・石塚充(太鼓芸能集団 鼓童)

曇り空ながら春らしい暖かさ。りゅーとぴあの桜は終わり、若葉が萌え出ています♪
会場の劇場ホワイエにはテレビカメラやビデオカメラが何台も並び、オンライン参加もあるということで、機械設備がなにやら物々しい雰囲気です。

*公演の詳細は、こちらのプレスリリースをご覧ください。▶Noism×鼓童『鬼』プレスリリース

上記資料が配布されました。司会は りゅーとぴあ坂内さん。

まずは金森さんがお話しされ、企画の経緯や作品について、「新潟」をテーマにしたいということ、作曲家 原田敬子さんとの出会い、鼓童 船橋さんとの対談等について話されました。上のプレスリリースをお読みいただけると、ほぼおわかりになると存じます。

続いて原田敬子さんです。
2019年 利賀村のシアターオリンピックスでの曲を聴いているので、どんな(怖そうな)人かと思っていたら、なんと、見目麗しく、スリムで、明るくて面白くて、もしかしたら天然入っている?と思わせるような方で驚きました!

原田さんは作曲のためのリサーチをされたそうです。シアターオリンピックスがあったので、2018年頃から頻繁に新潟に来ていたそうですが、この度は「新潟をテーマに」「新潟とは何か」ということで、Noism・鼓童見学のみならず、いろいろなお店の人にもリサーチし、新潟の政治、音楽、地形などの研究者も5名紹介してもらってお話を伺ったそうです。
新潟の人は真面目で堅実、土地に根付いたものを作っているという印象のようです。
今回の鼓童の出演者は、20代半ば~後半の若い新世代7名で、それに「声」が入るそうです。
全員楽譜が読めて、「太鼓が好き!」という個性豊かな面々で、「いろいろな鬼がいるな~」と思われたそうです。
「鼓童は40年の歴史があり、その前に鬼太鼓座として10年、合わせて50年の歴史がありますが、これまでは、能力の三分の一しか使っていないのでは」と話され(ビックリ)、「鼓童さんのからだの中が変容してしてしまうようなものになってほしい」と期待されました(二度ビックリ)。

続いて、鼓童 石塚充さん。
「Noismには以前から注目していて、自分は いちファン。いつかは共演したいと思っていて、ようやく実現した。一緒に稽古をして刺激を受けている。」
「原田さんの楽曲に取り組んでいるが、難しい。これまでの最高難度だが、得るものが多い。魂を注ぎ込んでいる。充実した時間である。早く観ていただきたい。」と話されました。

登壇者のお話が終わり、会場からの質問、続いてリモートでの質問となります。

かいつまんでご紹介します。

Q:原田さんにとって「新潟らしさ」とは?
-原田:Noismと鼓童が実現してくれると期待している。タイトルの『鬼』は鬼太鼓座の「鬼」にも由来している。鬼にまつわる民話も多い。鬼は人間が作り出したものであり、新潟発にとどまらず世界に通用するテーマ。心が邪鬼に襲われた、ネガティブな暴走を振り払いたい。

この回答に対し、金森さんから、
「鬼はネガティブなだけのものではない。負だけではなく、それを肯定し、光にもなりうるもの。」
原田さんも、「鬼太鼓の鬼はいい鬼です。」と。

Q:観客に示したいものは?
-金森:「新潟スゲェー!」
-石塚:スマホやパソコンなどで何でもできるような時代だが、生身のからだが素晴らしいことを見てもらいたい。

Q:作品について、新潟に住んでいる者として、お互いが受ける刺激について。
-石塚:特に意識はしていない。日々の体験が結果として出ていると思う。佐渡や新潟を意識しなくても面白い作品と思う。
-金森:我々は実演集団。からだに新潟が宿されている。
刺激と言ってもまだ4日のみだが、集団生活をしているせいか、鼓童は大人。向き合い方全てが真摯。
-石塚:Noismはからだの鍛え方が凄い。全力で磨き上げていく魂が凄い。
音楽を神様に捧げるときは、踊る人を通して届ける。これまでは自分たちのみの演奏を観客に届けていたが、今回は違う。 

Q:利賀村やサラダ音楽祭は別として、初めての生演奏だが。
-金森:太鼓の強烈な響き方がヒリヒリして面白い。自分も少し踊る。
-石塚:鬼はいい意味で人間のことであり自分たちのこと。身近な人たちへ、神様との橋渡しとして、人間のエネルギーを変化させて願いとして届けたい。

そのほか、同時上演の『結婚』についての質問もありましたが、とにかく劇場に来て、その場に身を投じて体感してほしいという金森さん、石塚さんの強い気持ちが伝わりました。

原田さんから、サービストーク?として、
「曲に旋律は無い。リズムがある。それは心臓の鼓動で、歪んだ3拍子。鼓動は洒落じゃないけど、鼓童が由来。鼓動が全曲に渡っていろいろな形で出てくる。それが新曲の特徴。」

-金森:7名の鼓童は14本の腕を持った鬼。14名のNoismは手(足)を28本持った鬼。

そして最後に金森さんから…
「これは公演の後に言おうと思っていたけど今言います。原田さんが一番『鬼』です!」

おあとがよろしいようで♪

(fullmoon)
(撮影:aqua)

2022年7月Noism×鼓童公演に向けて、『鬼』特設サイト設けらる♪

きたる7月、Noism Company Niigataと鼓童という、世界に向けて本県のパフォーミングアーツを牽引する「新潟ツートップ」が本格的に初共演します。双方の本拠地である新潟を皮切りに、埼玉、京都、愛知、山形と巡るツアーですが、募るその期待感の「受け皿」として、この度、強力な特設サイトがオープンしました。

こちら、もうご覧のことかと存じますが、内容「鬼」充実で、読み応え満点なうえ、更に以前の金森さんと鼓童・船橋裕一郎さんの「代表対談」動画も見ることが出来ます。2020年7月に配信されたこちらの動画に関しては、本ブログでも取り上げております(「金森さん×「鼓童」船橋裕一郎代表オンライン対談@鼓童YouTubeチャンネル」)が、そのなかで、金森さんが「オレ、せっかちだから」としながら、「そのへんの制作の人」に訴えた「2022年の春夏でお願いしま~す」の共演が実現するのがズバリ2022年7月!さすがはこれまで数々の開かずの扉をこじ開けてきた「有言実行の人」金森さんですね。

作曲家・原田敬子氏による新曲でNoism×鼓童により新たに創作される『鬼』。原田さんと言えば、富山・利賀村で上演されたNoism0『speed/ still/ silence』(@第9回シアター・オリンピックス:2019)の音楽に立ちこめる不穏な濃密さの印象が記憶に新しいところです。そして同時上演されるのはディアギレフ生誕150周年記念・Noism版ストラヴィンスキー作曲『結婚』。こちらのバレエ・カンタータも打楽器と歌を中心とした特異な組み合わせの楽曲ですし、出るのは鬼か蛇か、今から両作に溢れるだろう豊穣なリズムに乗って展開される「異形」の舞踊を妄想しております。

この新作2本立てダブルビル公演は、最初の速報チラシによる告知以来、ワクワク感しかなかった訳ですが、この特設サイトを見ることで、更にそのワクワク感は加速し、身悶えするまでに至ること必至です。まだご覧になってない方は是非とっぷりご堪能ください。

(shin)

りゅーとぴあマガジンに、shinさんご家族 登場!

2020年10月1日発行のRYUTOPIA MAGAZINE vol.62 2020 Autumnに、我らがshinさんとご家族が登場しました(写真はshinさんだけ)! 「偏愛、Noism」のコーナー、7ページです♪ ぜひご覧くださいね!!

(fullmoon)