七夕の『ROMEO & JULIETS』、新潟2日目そしてサポーターズ交流会

長引く大雨、台風の影響で、ロマンティックに空を見上げる気分からは程遠く迎えた
今年の七夕、2018年7月7日(土)でしたが、
それでも、引き裂かれた織姫(織女)と彦星(牽牛)が、
ジュリエットとロミオに何やら符合するようにも感じられもし、
『ロミジュリ(複)』を観るならこの日を措いてあるまい
というような心持の方もおられたのではないでしょうか。
そんな新潟・りゅーとぴあ公演の2日目。

前日、公演初日の終演直後の観客席の雰囲気を、
主に「戸惑い」と「驚き」の2語で表出したのは金森さん。
確かにそうした要素も濃厚でした。
当初、「どうリアクションしたらよいのか」という空気感は確かにあったようです。
しかし、一幕45分+休憩15分+二幕50分の「非日常」を見つめてきた目が、
徐々に、観終えたばかりの質の高い「一回性」を反芻できるようになってくるや、
拍手は段々にその大きさを増していきましたし、
それに呼応するかたちで、
カーテンコールが何度も繰り返されました。
それが初日。

そして、fullmoonさんが前日のコメント欄で拾ってくれた金森さんの言葉
「今日はびっくりして、明日は少し慣れて(落ち着いて)、3日目は楽しんでください」で
迎えた2日目の客席は、2日連続でご覧になられる方も相当数おられた様子で、
それがレスポンスにおける瞬発力の違いとなって現れ、
劇場全体の雰囲気を押し上げていたように感じました。
一幕のラスト、禍々しい悲劇の予感が募っていくなか、
すべての登場人物が出揃ったところで、緞帳がおりてくると、
客席の抑えきれない思いはここでまず最初の拍手となって表現されたからです。
このとき既に落涙寸前の私も、それが当然とばかり、自然と拍手していました。

休憩中、ホワイエへ出てみると、
一見奇抜を装ったかに見える設定も、
その実、さして奇抜と受け取られてはいない様子で、
心地よい翻弄を楽しみ、二幕への期待感を募らせる
陶然とした表情の人たちばかりを目にしたものです。

そして美しいソロとデュエットで始まる二幕は、
この日も、金森さんが仕掛ける驚きの展開を含みつつ、
もうそれこそ怒涛の展開で、終幕へと雪崩れ込んでいきました。

よく知る「ロミジュリ」とは多分に異なっています。
若く美しく、同時に、世知に疎く、ナイーヴに過ぎる男女の
ストレート直球勝負の恋愛悲劇という趣ではないからです。

そして更に、
古典をベースにしながら、それを近未来的な設定で描くという
よくある類の翻案ものとしてさえ容易に片付けてしまえない、
多様なものの混在ぶりが襲ってくると言いましょう。
金森さんとNoism1、そしてSPACという3者がいてこその今回のクリエイションであって、
そこでは、金森さんお得意のとても「あやしい(怪しい・妖しい)」
呪術的な要素も堪能できます。
そう、この作品、ナイーヴなのではなく、「あやしい」のです、とても。

「戸惑いも価値あるもの」(金森さん)ながら、
この日、終演後の客席から、決然たる態度による勢いのある拍手が沸き起こり、
「ブラボー!」の掛け声が多く飛び交った点において、
前日とのレスポンスの違いが存するように思いました。
しかし、それは決して、どちらがどうと言いたいのではないことは付言しておきます。

☆  ★  ☆  ★  ☆

そして、この日はアフタートークのあと、
りゅーとぴあ内のリバージュを会場に、
サポーターズの交流会が開催されました。
悪天候のなか、遠くは、横浜や東京からお越しのサポーターの方々や、
今回初参加の「U25」とお若いサポーターの方などを含め、
Noism愛を共通項とする19名の参加者を得て、
屋外の雨も物かは、公演を観た後の充実した表情そのままに、
楽しく有意義な交流ができました。

その席での会話からは、11月のロシア・サンクトペテルブルク行はどうするかとか、
12月の諏訪市・ニムラ舞踊賞の授賞式はツアーを組んで行けるよねなど、
Noism繋がりの楽しみが尽きないことを喜ぶ声があちこちから聞こえて来ました。
そんなあれこれを耳にしていると、
何か、ロシア行さえ現実のものとしかねない猛者も出てきそうな気もし、
終始、あたかも不在の金森マジックにかかってしまった者たちばかりの宴だったかのようで、
それはもう、とても「あやしく」愉快な時間を過ごしました…。(笑)

☆  ★  ☆  ★  ☆

これを書いているのは、7月8日(日)の朝。
金森さんが言う「3回は」が果たされる最短日の朝です。
先程、地球規模の蹴球の祭典で、
「ホーム」ロシアが、延長120分の激闘の末の
PK戦でクロアチアに破れてしまいましたが、
そのロシア、最後の最後の瞬間まで「ホーム」ならではの存在感を示し続け、
テレビの画面からはその圧が溢れ出していて、
もう目を離すことなど出来ませんでした。

Noism1の「ホーム」新潟・りゅーとぴあでの公演も本日限り。
「ホーム」で躍動する我らが舞踊団を是非目撃しに来て欲しいものです。
勿論、決して「3回」でなくとも、
初めての方も、既にご覧になっておられる方も、
その回数分の刺激に満ちた舞台であることは言うまでもありません。

あなたはこの野心作にして、衝撃作、或いは問題作をどう見るでしょうか。
人生が変わるきっかけにもなり得る、は決して大袈裟ではありません。
間違いなく分厚い贅沢な時間がそこにはあるからです。
さあ、今日は、こぞって「ホーム」最終日の舞台へ!
(shin)

『ROMEO & JULIETS』驚愕の世界初演、その初日!

九州、中国地方をはじめ、西日本で猛威を振るい続ける記録的な大雨と台風、
被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
また、一日も早く平穏な日常が戻ってくることをお祈り致します。

全国を覆う何やら怪しい雲行きが、やはりと言うか、
夕方を前に多量の雨を降らせた、2018年7月6日(金)の新潟市にあって、
信濃川沿いのりゅーとぴあ・劇場にも
400年の昔に書かれた「あの戯曲」が人心を騒がせる風雲を運んできました。
「大時代的」とも称されかねない古典「ロミオとジュリエット」が、装いも一新。
現代的な肌感覚にも違和感のない「ロミオとジュリエットたち」として現前したのです。

客電が落ちる前から響きだすプロコフィエフによる「前奏曲」がその入り口です。
そこからはまさに怒涛の足し算の連続。

河合祥一郎訳による台詞、
過去作の記憶と綯い交ぜになりつつ「再利用」(金森さん)される舞台装置、
舞踊家と拮抗する役者、
或いは、役者と拮抗する舞踊家、
言葉、身体、手話、
語る者、語らない者、
「不在」にして言葉を押し付ける存在、
キャピュレットとモンタギューの二項の構図とそれを更に包摂する収容・監視・支配の構図、
文字、映像、
身体に散りばめられて輝く暖色(赤)と寒色(青)、
そしてシェイクスピア「原作」譲りの饒舌なロミオに対し、
時間感覚を引き延ばす効果を伴う5人のジュリエットたち、等々。

ひとりのインスピレーションから創られた舞台とは俄かには信じられない程の
情報量と高密度で圧倒的なボリュームは
観る者の度肝を抜き、観る者をして驚愕させずにはおかないことでしょう。
(実演家一人ひとりの熱演をダイレクトに受け止めることができる
前方のお席もさることながら、
今回の作品では、少し引いたお席からのご鑑賞も
充分お薦めできるように思いました。)

また、目に飛び込んでくる実演の舞台作品として、
渾然一体となって演じる舞踊家たちと役者たちの姿も驚きでした。
Noismを語るとき、真っ先に浮かぶ単語、身体性。
それを共有し、台詞や所作に込めるSPACの俳優たちの表現力。
その2者互角で遜色のない舞台上での「綱引き」こそが、
金森さん言うところの「舞踊とも演劇とも名状し難い」がまでの
今回の劇的舞踊を顕現させていると言える筈です。
新潟と静岡にあって、
ともに専門的に鍛錬と研鑽を積む環境にあるふたつの集団があればこそ、
世に送り出せる作品であることは言うまでもありません。

そして、「演劇なのか、舞踊なのか」です。
観た人それぞれで答えは異なるものと思われますが、
そもそも、この問いをたてること自体、
今回の野心的な創作、既に大変な衝撃作、或いは問題作でもある証。
どちらかと言うと、「演劇」寄りで観に来る感覚でいた方が
自然に受け止められるのかもしれません。

しかし、勿論、舞踊的にも見どころはたくさんあります。
上にも触れた5人で踊られるジュリエットたちなどはやはりその筆頭で、
時間の「遅延」振りの見事な可視化を楽しむことが出来るでしょうし、
ここでは他にもうひとつだけ、過度のネタバレを避ける意味合いから、
ゆる~く紹介させて貰います。
それは休憩後の二幕冒頭に置かれたあの人とあの人のデュエット。
この「新作」を読み解く鍵を握るものであるばかりでなく、
(上野の森バレエホリディの記憶なども呼び覚ましながら、)
瞬きするのも惜しいほどの見せ場を作っているとだけ。
これではなんのことやらわかりませんね。
でも、乞うご期待、ということで。(笑)

今回は金森さんも出演されるということで、
入場時にご挨拶に立つ姿はありません。
でも、あそこで出てくるのか!
舞台に登場してくる際のオーラを受け止める楽しみに変えて、お待ちください。

なお、今公演では、ホワイエにて、
通常のNoismロゴ入りTシャツの他に、
右画像のようなNoism×SPAC特別仕様の公演Tシャツ(白・黒、1枚各2500円)の販売もございます。
腰の部分には公演日の記載もありますので、鑑賞の記念にはよろしいかとも。
劇場入口のドア脇で、購入したばかりのTシャツに着替えてから入場する方もいらっしゃったくらいです。
これも要チェックですね。
ご検討ください。(笑)

さて、世界初演の初日の幕があけたNoism×SPAC版の
劇的舞踊『ロミオとジュリエットたち』、
皆さんの目にはどう届いた(届く)のでしょうか。
この日のアフタートークは、Noismから3名(金森さん、井関さん、山田さん)、
SPACからも3名(貴島さん、武石さん、舘野さん)が登壇され、
初日を終えたあとの和やかな雰囲気のうちに行われたことも記しておきましょう。
新潟公演はあと二日。
フルハウスのりゅーとぴあ・劇場で、
渾身、衝撃の野心作を是非とも目撃してください。
(shin)

井関佐和子さん ニムラ舞踊賞受賞! Noismサポーターズ会報34号 &  さわさわ会 会報誌vol.5 発行

井関佐和子さんが、第38回ニムラ舞踊賞を受賞!

おめでとうございます!!

そして、ロミジュリ公演、いよいよ明日開幕!!

ドキドキ、ワクワク、ソワソワ・・・

公演に合わせ、サポーターズ新会報と、さわさわ会 新会報誌を発行し、会員の皆様にお送りしました。

各公演会場でも折込配布予定です。
どうぞお楽しみに♪

11月には『ラ・バヤデール-幻の国』が、ロシア・サンクトペテルブルクのプティパ生誕200年記念フェスティバルに招聘されています♪

目出度い続きのNoism!

うれしいですね!!
(fullmoon)

『ロミジュリ(複)』、「世界を驚かす」まであと2日!

Noism1×SPAC劇的舞踊Vol.4『ロミオとジュリエットたち』、
2度の公開リハーサルを観た感触から、この新作は「観た人の人生を変える可能性がある舞台である」と言っても、何ら大袈裟ではないと断言しましょう。
古典に則りつつ、現代的な問題意識をもって、それを脱構築して描かれる野心作。
支える突出した身体、そして押し寄せる言葉、音楽、文字、映像。
まさにこの時代における「総合芸術」が、
日本、まずは新潟から発信されることは誇り以外の何物でもありません。
世界初演まであと2日。きっと「世界を驚かす」ことになるでしょう♪
7月は今週末の新潟を皮切りに、富山、静岡、そして9月の埼玉を見逃してはなりません!

また、新潟3デイズのあとの公演地である、
富山・オーバード・ホールのHPでも
充実した『ロミジュリ(複)』特集ページをご覧いただけます。
Noismに関する様々に要を得た説明のほか、
退団される中川賢さん(富山県射水市出身)のコメントなども
紹介されていますので、是非お目通しください。
こちらからどうぞ♪

なお、残席僅かな公演日もあります。
お席の確保はお早めに。
(shin)

『ROMEO & JULIETS』メディア向け公開リハ、目の当たりにしたのは溢れる野心

前夜、蹴球の世界最大イベントにおいて、
我が国代表が、フェアプレーを巡るレギュレーションで予選を勝ち上がったことに対し、
「そもそも蹴球におけるフェアプレーとは何か」を問う姿を装いつつ、
ありとあらゆる場所から湧き上がる毀誉褒貶に接して、
正直、少なからず、困惑を覚えながらも、
しかし同時に、この時代にあってなお「侍」と称される者たちが
少なくとももう一度「世界を驚かす」機会を手にし得たことには
安堵と喜びを感じるという、複雑な心持ちで迎えた2018年6月29日(金)午後3時、
りゅーとぴあ・劇場の舞台で、
Noism1×SPAC劇的舞踊Vol.4『ROMEO & JULIETS』のメディア向け公開リハーサルを見せて貰い、
引き続き、金森さんの囲み取材にも参加してきました。

有名な「4大悲劇」もあるお陰で、物騒にも「ひとごろしいろいろ」として記憶される、
1564年(生年)から1616年(没年)を生きたウィリアム・シェイクスピア。
世界的に知らぬ人のない彼の400年以上前の戯曲が、
彼の生地ストラトフォード・アポン・エイボン(エイボン川沿いのストラトフォード)ならぬ、信濃川沿いのりゅーとぴあから、
今、金森さん+Noism1+SPACによって新たな息吹を吹き込まれ、
全世界に向けて発信されようとしています。

この日、メディアに公開されたのは、
先日、活動支援会員およびサポーターズにも公開されたのと同じ第一幕。
もとの戯曲で言えば、「第二幕・第二場」として知られる、
有名な「バルコニー」の場面までとなります。
(もっとも、今回の翻訳テキストをものした河合祥一郎氏によれば、
緞帳などなかった時代のシェイクスピアその人は
幕場割りを設けたりしてはいなかったそうで、
そのため、舞台の流れは、変にリアリズムを追求することなく、もっと自由に
クロスオーバーしたり、ワープしたりなどしながら移り変わっていくのが常で、
近代劇に慣れた私たちの目には「大胆」に映るものであっただろうそうですが…。
*角川文庫「新訳・ロミオとジュリエット」の訳者あとがきを参照されたい。)

この日は、照明も入り、衣裳あり、装置や小道具ありで見せていただきました。
なにより、衣裳の別が明らかにするのは、モンタギューとキャピュレットの区別ではなく、
更に重要な「別の関係」の区別。
恐らく、一目で理解、納得できることでしょう。
閉鎖的な舞台設定。監視とそれに続く威嚇、或いは鎮圧。「大公」の存在。
音楽、身体のみならず、押し寄せる言葉、文字、映像…。
今回のリハを見ていると、
前回、ブログを書いたときにも既に頭にあったのですが、
ミシェル・フーコーが別の著作『監獄の誕生』で取り上げたベンサム
「一望監視装置(パノプティコン)」の印象がより強くなったことも書き記しておきます。

「古典だからと古典的にやることには違和感を感じる」(金森さん)
「現代に置き換えた表現の方が、私たちにはより切実で、創る意義がある。
新しいロミオとジュリエットを表現していくのが、私たちの野心であり、チャレンジ。
演劇であるのか、舞踊であるのか」とも語っておられました。

『ロミオとジュリエット』と精神病棟、その2者に関して、
金森さんは、「現代の監視社会(=病院=精神病棟)の方が先にくる。
そこの患者たちが演じている」というヒントを与えてくれたうえで、
「現代の新しい価値観、新しい感情の在り様、人間や社会の複雑さや多様性など、
難しさに向き合おうとしている」のだとも。
また、今回、手話を作中に取り入れていることに関しては、
「言語表現と身体表現の橋渡しをする身体動作とみている」と説明。

「驚いているあいだにことが過ぎてしまう。3回は観た方がいい」(金森さん)

前回の公開リハを見て書いた以上に「分厚い」印象です。
舞踊というだけでは言い尽くせないその「厚み」は、
更に「総合芸術」の名に相応しい舞台になっていると言い切りましょう。
身体よりも、物語なのか。しかし、身体あっての物語でもある。
いずれにしましても、『NINA』とは対極に位置する創作という印象が濃厚で、
まず、驚きをもって凝視する以外に術はなさそうです。

プロコフィエフの音楽と
七五調という日本語の特性を踏まえて、歌うように語る河合祥一郎訳のテキスト
の相性について、金森さん、
「単なるアイディアではなく、インスピレーション(霊感)で、全て合うと気付いた」

そして最大の謎である「ジュリエットたち」という複数形については、
「最初はジュリエットはひとりでと考えていた。
しかし、未だかつてないような形でやろうと思った。
そして、役者と舞踊家半々をつかって創るとき、
出てない人がいない、『(カンパニーの)みんなが生きる』形を考えたら、複数になった。
もし、Noismが20人だったら、また違ったものになっていただろう」と、そのあたりの事情の一端を明かしてくれました。

発話しないジュリエットという制約のもとで描き出されるロミオとの「デュエット」。
そのリリシズムは、今風に言えば、「ジュリエット(たち)、半端ないって!
そんなんできひんやん、普通!」って感じです。(笑)

極めて、今日的な問題意識を取り込むことで、
古典作品を相手に「攻めている」感も強く漂うのですが、
根源的でオーソドックスな情感で貫かれている点で、
意外に、古典としてみても破綻がない感じがしたことも記しておきましょう。
しかし、このあと、まだ見ぬ第二幕で、
金森さんはどのような着地点を見出そうというのでしょうか。
まさに真の野心作!
一日も早くその全貌を目の当たりにしたいところなのですが、
今は、日一日と近付いてくる
全く新しい「ロミジュリ(複)」世界初演の日まで、
身中募る一方の興奮と向き合いながら、
あれこれ想像しては、楽しんで過ごしていこうと思っています。

なお、この日、Noismスタッフから、
『ロミオとジュリエットたち』特設ページがオープンしたとの告知がありました。
初めて明示されるキャスト表など興味深い内容です。
どうぞそちらもご覧いただき、是非とも「3回」劇場に足を運んで頂けたらと思います。(笑)   (shin)

Noism1×SPAC劇的舞踊Vol.4『ROMEO & JULIETS』公開リハーサル、分厚さに圧倒される

(*今回の記事は、富山公演の会場であるオーバード・ホールが発信するDMにも
転載される予定です。)

2018年6月16日、時折吹く風は肌に冷たく感じられながらも、動くと汗ばむという
寒暖が「混在」する土曜日の午後3時、りゅーとぴあ・スタジオB。
Noism1×SPACによる注目の新作、
『ROMEO & JULIETS』の公開リハーサルを観てきました。
この日朝の金森さんのツイートによれば、
参加申込者は43人。
いつものようにスタジオBの三方の壁面に沿って置かれた椅子に腰かけて、
第一幕の通し稽古を見せて貰った訳です。

りゅーとぴあ・劇場の舞台と同サイズで作られているスタジオBに、
プロコフィエフによるバレエ音楽が流れだすと、
前方には自らの体を叩き、身を仰け反らせ、煩悶、懊悩する舞踊家たち。
そして最背面に居並び、楽の音に口上を重ね合わせることで、
唱和される謡(うたい)に似た響きを重々しく立ち上げたかと思うと、
次の瞬間、あたかも将棋盤上にあって横一列に配された「歩」の駒が、
一斉に躙り寄りでもするかのように、
能を思わせる摺り足で観る者の側へと迫り出してくる役者たち。
それらすべてが渾然一体となることで発せられる「圧」。
「これから2時間ご覧あれ」と物語世界のとばくちで誘われるだけで既に、
良く知る「あの」古典的な戯曲とは異なる、
ただならぬ予感に包まれてしまう他ありません。
音楽と肉声、舞踊家と役者、身体と声、西洋と東洋、
更に、これまでの作品で目にしてきた三角柱の塔や車椅子、ベッドといった
「金森穣的世界」の記憶を呼び覚まさずにはおかない装置一つひとつに至るまで、
幾重にも重なり合う「混在」振りが示す「分厚さ」に目も眩む思いがしました。

伝え聞くところによれば、舞台は病院、それも精神病棟とか。
メンバーで最近鑑賞したという映画『カッコーの巣の上で』(ミロス・フォアマン)(1975)や、
ミシェル・フーコー『狂気の歴史』などをも彷彿とさせながら、
狂気と正気も「混在」していくのでしょう。

そして何より、タイトルが仕掛ける今回の配役も謎のままです。
池ヶ谷さん、浅海さん、井本さん、西岡さんと鳥羽さんの女性舞踊家5人が
「ジュリエットたち」であるだろうことは察しがつきましたが、
しかし、なにゆえ5人なのか。
更に、最も大きな謎は井関さん。果たして彼女は何者なのか。
5人を束ねる6人目なのか。

知らない者もないほど有名なシェイクスピアの戯曲に、多くの謎が「混在」し、
古典的な物語と、現代的な問題意識が「混在」する。
そうした多様に夥しい「混在」振りが私たちを途方もない幻惑へと導く作品のようです。
ならば、浴びるように観、浸るように観て、驚くこと。
しかし、緻密に構成された動きに至っては、
「謎」の対極にあるものとして観る者の目に飛び込んでくるでしょう。
その点に関しては揺るぎないものがあります。

金森さん曰く、役者の台詞はすべて河合祥一郎訳に拠っているとのことで、
多少、前後の入れ替えがある点を除けば、
他の『ロミオとジュリエット』の舞台となんら変わるものがないとのこと。
「それをNoismがやれば、こうなる」と金森さん。
役者の発する言葉と舞踊家の動きがスパークする、
この新作は、紛れもなく、現代における総合舞台芸術のひとつの在り様を
示すものとなることでしょう。必見です。お見逃しなく。

そして富山の皆さま。
昨年8月、射水市・高周波文化ホールでの洋舞公演において、
『Painted Desert』を踊った、和田朝子舞踊研究所出身の中川賢さんに送られた
熱狂的な熱い拍手と歓声の記憶も新しいところですが、
残念ながら、その中川さんもNoismの退団が発表されております。
ですから、中川さんの故郷・富山の地で、
Noismの一員としての中川さんを目にするのは、今回が最後の機会となります。
即ち、「凱旋公演」の趣のある、Noism在籍8年間の集大成の舞台。
中川さんは入魂の舞踊で、有終の美を飾ってくださるものと確信しております。
7月14日(土)のオーバード・ホール、是非ともご来場ください。
(shin)

【追記】
金子國義の絵が妖しい雰囲気を放つ、
河合祥一郎訳の角川文庫版・新訳『ロミオとジュリエット』。

冒頭の口上はこんな具合です。
「花の都のヴェローナに 肩を並べる名門二つ、
古き恨みが今またはじけ、 町を巻き込み血染めの喧嘩。
敵同士の親を持つ、 不幸な星の恋人たち、
哀れ悲惨な死を遂げて、 親の争いを葬ります。
これよりご覧に入れますは、 死相の浮かんだ恋の道行き、
そしてまた、子供らの死をもって
ようやく収まる両家の恨み。
二時間ほどのご清聴頂けますれば、
役者一同、力の限りに務めます。…」

声に出して読んでみると、独特の跳ね感ある河合訳のリズムと
金森さんのクリエイションは決して不可分ではないでしょう。
或いは、ここにももうひとつ「混在」を見るべきでしょうか。
そのあたりも、是非、劇場でお確かめください。

会員特典 劇的舞踊vol.4 『ROMEO & JULIETS』公開リハーサル

NINA・Swan上海公演、大好評で無事終了!
おめでとうございます!!

そして、新作「ロミジュリ」発進!
病院を舞台として繰り広げられるらしい、金森穣の全く新しい劇的舞踊『ROMEO & JULIETS』!

昨日のラジオでの井関佐和子さんトークによると、具象と抽象が混在しているらしく、これまでの劇的舞踊とは異なる作品のようです。
期待が膨らみます!

そんな「ロミオとジュリエットたち」、
会員特典、公開リハーサルのご案内です。

日時:2018年6月16日(土)15:00~16:00
会場:りゅーとぴあ〈スタジオB〉
対象:本公演チケットを購入済のNoismサポーターズ会員、およびNoism活動支援会員

*受付開始は14:50~です。すみませんが、お時間まで2階共通ロビーにてお待ちください。
*サポーターズ会員の方は受付でお名前と、チケットのご提示をお願いいたします。
*スペースの関係上リハーサル開始後はご入場いただくことができません。たいへん恐れ入りますが予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

お申し込み:当ホームページ「お問い合わせ」欄からご連絡ください。

申込締切:6月13日(水)

お申し込みお待ちしています♪

先行ご案内
7月7日(土)ロミジュリ新潟公演2日目 終演後、19:30頃~
りゅーとぴあ内 レストラン リバージュでサポーターズ交流会を開催します(出演者は参加しません)。
会費5,000円(要予約)
*どなたでもご参加いただけます。
こちらもどうぞご予定・お申し込みくださいね!
(fullmoon)

Noismサポーターズ会報33号(臨時増刊号)を会員の皆様にお送りしました!

いよいよ今週末、4月28,29,30日、東京文化会館 小ホールで、〈上野の森バレエホリディ2018〉Noism1特別公演『Mirroring Memories―それは尊き光のごとく』が開催されます!
金森さん、井関さんも出演しますよ♪
どうぞお見逃しなく!

この特別公演に合わせて、サポーターズでは会報33号を発行、
先日、会員の皆様にお送りいたしました。
早い方は今日あたりお手元に届くと思います。

会報内容は、

・金森さんインタビュー
・メンバーインタビュー
・山野博大氏の公演批評
・会員の声

等々です。
金森さんのインタビュー、濃~いですよ~。

会報は会員の方にもれなく送付いたします。
どうぞご入会、ご更新くださいね。

上野公演では折込配布されます。
どうぞお楽しみに!

なお、会報に同封しました、会員の皆様へのお知らせ文中に、『NINA』の中国公演日程が載っています。
会場側アクシデントにより杭州公演が中止になりましたが、その修正が間に合いませんでした。。
ご了承ください。
上海公演は予定通り開催!

さて、金森さんがツイートしていましたね。

●カルチャーラジオ スズケン市民講座 
「人間を考える ~美を語る~ 第1回」
5/1(火)13:30~15:00 NHK文化センター青山教室
講師:舞踊家・演出振付家 金森穣
https://www.nhk-cul.co.jp/sp/programs/program_1146922.html

そして、静岡でも!

●ふじのくに世界演劇祭 シンポジウム 広場トーク
「世界で勝負する舞台芸術とは」
5/3(木・祝)16:30~17:30 フェスティバルgarden(駿府城公園 東御門前広場)(予約不要/無料)
パネリスト:
安藤裕康(独立行政法人国際交流基金理事長)、金森穣、宮城聰(SPAC芸術総監督)
司会:中井美穂
http://festival-shizuoka.jp/event/symposium/

富山では中川賢さん(富山県出身)のトークイベントも!

●対談企画 中川賢×田辺和寛(DJ/ほとり座代表)
「コンテンポラリーダンスの魅力とは。Noismで踊り続けること」
6/3(日)オーバード・ホール(富山市芸術文化ホール)
映画上映13:00~14:40 上映終了後に対談
http://noism.jp/talk_aubade_nakagawa/

いろいろありますね♪
どうぞお運びください。

★『ROMEO & JULIETS』新潟公演、富山公演、静岡公演、
チケット好評発売中です!
どうぞ、お早めにお求めくださいね。

さて、もうすぐ5月となってしまいますが、
月刊ウインド4月号のNoismコラム、担当はチャン・シャンユーさんです。
タイトルは「誰がダロウェイ夫人」。
映画「めぐりあう時間たち」について書かれています。

他に「柳都会 茂木健一郎×金森穣」の感想記事等もあります。
お知らせするのが遅くなりましたが、ぜひお読みください♪

では、上野でお会いしましょう!
(fullmoon)

「ロミオとジュリエットたち」ほか

Noism1メンバーは、静岡県舞台芸術公園の稽古場でSPACの俳優さんたちと合同稽古中だそうですね。
劇的舞踊vol.4 Noism1×SPAC『ROMEO&JULIETS』に出演する俳優の貴島豪さんも、前のブログ記事にコメントを寄せてくださっています。
どうぞお読みください。

さて、ロミジュリのチラシもできあがり、来週チケット発売開始です!
もう3月も終わりですね。なんと早いのでしょうか。

4/14アートミックス・ジャパンにNoism2出演、もうすぐです。
4月末の上野の森公演『Mirroring Memories−それは尊き光のごとく』もチケット好評発売中ですよ!
http://noism.jp/npelist/

閑話休題:

昨日シネ・ウインドで「ダンシング・ベートーヴェン」をようやく見てきました。
この殺伐とした時代、希望の光であり、心の拠り所となるものは何か。
その問いに応えてくれる映画です。

シネ・ウインドでの上映は30日まで。ぜひご覧くださいね。
予告編にロミジュリのチラシバージョン(無音)もありますよ♪
https://www.cinewind.com/

そして、金森さんと井関さんがモデル協力をした、第四銀行本店ロビーでの作品展“Le Rouge et le Noir”も30日まで。
こちらもようやく見てきました。
銀行は平日の15時までなのでなかなか大変ですが、ぜひどうぞ。
店内は写真撮影NGだそうで、ここに載せられなくて残念。。
「Sawako & Jo Noism」という大きな作品、見ごたえありました。
赤と黒の切り絵(切り影像)、素敵です♪
http://noism.jp/kiriei-do/

ここ数日、春めく日本列島、桜前線北上中♪
(fullmoon)

Noism情報&井関佐和子さん新ブログ始まります♪

今年もあとわずか。
Noismはサプライズ続きですね!

◆12/15-17『NINA』新潟公演での、井関佐和子さん『Swan』上演!
うれしい驚きでした♪

◆そして2018年1/17、『NINA』埼玉公演関連企画として金森さん・井関さんによるワークショップがさいたま芸術劇場で開催されます!
http://noism.jp/repertoire_ws_nina/

★ここでNew情報!
新潟日報モアブログ終了(今年5月末)につき、しばらく佐和子さんのブログにお目にかかれませんでしたが、待望の井関佐和子さん新ブログが、さわさわ会ホームページで近日公開予定となりました!
http://www.sawasawa-kai.com/blog/
新ブログ、楽しみです!

◆2018年1/26-28、Noism2定期公演vol.9 りゅーとぴあスタジオB
http://noism.jp/npe/noism2_teiki_vol9/
山田勇気さん出演のラジオ放送によると、前半はNoismレパートリーからいくつかの作品を抜粋で繋げた作品で、後半が島地さん新作だそうです。
新メンバー4名は初お目見え。
初日はすでに残席わずか。チケットはお早めにどうぞ!

◆続いて2/4、対話による公開講座『柳都会』vol.18
会場がスタジオBから能楽堂に変更になりました。
http://noism.jp/npe/ryutokai_18/
茂木健一郎×金森穣、どんなお話になるのでしょうか??

◆2/17,18 『NINA』埼玉公演
http://noism.jp/npe/n1_nina2017_saitama/
あのNINAに会える!
ぜひご来場ください!
『Swan』はどうなるのでしょうね。現時点では発表されていません。

◆3/4 Noism2オーディション開催(募集締切2/22)
http://noism.jp/notice-noism2-15thseason/

◆男性舞踊家 随時プライベートオーディション受付中
http://noism.jp/audition-notice-noism1-15thseason/

◆4/28-30 『Mirroring Memories−それは尊き光のごとく』(仮)
〈上野の森バレエホリデイ2018〉Noism1特別公演 東京文化会館 小ホール
http://noism.jp/npe/noism1_ueno_balletholiday2018_mm/
これには驚きました!電撃発表!金森さんも出演します!!
Noismレパートリー10作品から選出したシーンと、金森さん自身が出演する新作から構成するオムニバス作品を特別上演!

◆7/6-8 Noism×SPAC 劇的舞踊vol.4『ROMEO & JULIETS』http://noism.jp/npe/romeoandjuliets/
これに驚いていたら、上野の森公演があとから出てきて2度びっくりしました。
SPACと一緒の劇的舞踊公演。
ロミジュリですよ!
(ジュリエットの複数形が謎)

ツアーも!!
富山公演:7/14オーバード・ホール(富山市芸術文化ホール)
静岡公演:7/21,22静岡芸術劇場
埼玉公演:9/14-16彩の国さいたま芸術劇場〈大ホール〉

◆7月末(予定) Noism2特別公演2018
元Noismメンバーで現在はダンスカンパニーLasta主宰の櫛田祥光さんが新作を演出振付します!
http://dancecompany-lasta.com/

◆7月(予定) Noismサマースクール 舞踊経験者対象 金森穣直接指導

◆11月末-12月初旬(予定)Noism2定期公演vol.10

◆2019年1-2月(予定)Noism1新作公演

てんこ盛りのスケジュールですね!
http://noism.jp/

ほか、掲載情報として、

SWANマガジンvol.50(2017冬号 平凡社)
40-41ページに金森監督の『NINA』インタビュー記事が掲載されています(インタビュアー亀山和枝)。

月刊にいがた1月号
125ページNoism1リレーコラム、ぐるっとまわって今回は井関佐和子さん。
ちなみに「観客として舞台を観るとき、どんなところに注目していますか?」という質問にこたえていますよ。

月刊ウインド1月号
・19ページ、11/15に開催された、近藤誠一トークシリーズ「訊く」市山七十世×金森穣、の感想と、11/19の「さわさわ会懇親会・誕生会」レポート・写真が掲載されています(担当 久志田渉)。
・20ページ、映画にまつわる「Voice of Noism」 vol.3は、池ヶ谷奏さん「飛行機で大号泣!!」

ちなみに今月12月号は22ページに中川賢さんのコラムvol.2、「最近のおすすめ」が掲載されています。
中川さんの好きなジャンルは「ヤバい感じがする映画」だそうですよ。
同ページには会員さん2名による他公演のご感想も!

どうぞお読みください♪

閑話休題:

■特別展示 mikkyoz012

開催期間:2018年 1月23日(火)~2月4日(日) 9時~21時 月曜定休
会場:砂丘館ギャラリー(蔵)
料金:観覧無料 主催:砂丘館

新年恒例、遠藤龍さん(Noism映像・写真担当)と音響の方によるユニット、mikkyozの特別展示です。
https://www.sakyukan.jp/2017/12/6158

■劇団ピンクドクロ 第6回公演
『Happy Hour戌』
http://aiichiro-miyagawa.com/

元Noism1宮河愛一郎&藤井泉、ピンクドクロ6度目の登場!
+新潟出身の俳優 河内大和の3名が出演。

1/25 (木) ①19:00開演
1/26 (金) ②17:00開演 ③20:00開演
1/27 (土) ④14:30開演
1/28 (日) ⑤19:00開演

会場:カフェムリウイ(世田谷区祖師谷4-1-22-3F)
http://www.ne.jp/asahi/cafe/muriwui/

料金:3000円(ドリンク代別)開場は開演の30分前
上演は1時間を予定。
✳各回定員30名なのでご予約はお早めに

チケット受付:pinkdokuro@gmail.com

演劇に踊りに大活躍の宮河さん、久々のピンクドクロ公演です。
なのに、Noism2公演としっかりかぶっていますね。。
木曜に行くしかない!

■『NINA』新潟公演のご感想をご紹介します。

・いぽぽぽぱんぱさんのブログ
https://ameblo.jp/ipopopopanpa/entry-12337404250.html

・いちかっこジョバンニさんのブログ
http://clothoiddiary.blog.fc2.com/blog-entry-997.html

いぽぽぽぱんぱさんはサポーターズ会員さんです。
こんな記事も。
https://ameblo.jp/ipopopopanpa/entry-12331891561.html
いぽぽぽぱんぱさん、どうもありがとうございます。

皆様、来年もご一緒に、金森穣Noismをますます応援してまいりましょう!!

どうぞよいお年を♪
(fullmoon)