「SaLaD音楽祭」活動支援会員対象公開リハーサル初日(9/10・土)を観てきました♪

夏が舞い戻ってきたような感があり、強い日差しに汗ばむ2022年9月10日(土)の新潟市。りゅーとぴあのスタジオBまで、活動支援会員を対象とする「SaLaD音楽祭」にむけた公開リハーサル(初日)を観に行ってきました。

シーズンが改まり、メンバーも入れ替わったNoism Company Niigata。
(Noismボードの入れ替えも進んでいます。まだ完了していませんが…。)

9/19のメインコンサートにて、ペルトの『Fratres』とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第2楽章を東京都交響楽団の生演奏で踊るNoismですが、果たしてどんな面子で踊られるのか、興味津々でない者などいなかった筈です。

2分弱進んでいたスタジオBの時計が13:02を示す頃、つまりほぼ予定されていた時間通りに公開リハーサルは始まりました。

最初の演目『Fratres』(13:00~13:10)から。あの黒い衣裳を纏って、スタジオB内の上手側から一列に歩み出たのは、順に、糸川祐希さん、樋浦瞳さん、三好綾音さん、中尾洸太さん(センター)、井本星那さん、坪田光さん、杉野可林さんの7人。本番の狭いアクティング・エリアを考慮した「横一(列)ヴァージョン」(金森さん)です。
これまでも何度も観てきた作品ですが、間近で観ることで、手や足の動き、身体のバランスの推移などをガン見することができ、それはそれはこの上ない目のご馳走であり、ホントに興奮しながら見詰めていました。
あと、本番でも「降るもの」はないでしょうし、足をドンドンと踏みならす場面は演出が変更されていたことを記しておきたいと思います。

着替えを挟んで、もうひとつの演目・ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番より第2楽章(13:15~13:30)です。今度は先刻までと打って変わって、全員が白い衣裳に身を包んでいます。踊るのは、井関佐和子さん、山田勇気さん、井本さん、三好さん、中尾さん、庄島さくらさん、庄島すみれさん、坪田さん、樋浦さんの9人です。こちらは完全な新作で、この曲を都響から提案を受けてすぐ、「見えた」と金森さん。「丁度、バレエの恩師が亡くなった直後だったことで、思いを馳せながら創作した」のだそうです。見覚えのある小道具が効果的に用いられ、生と死、喪失の哀切と受け継がれていく思いが可視化されていきます。

体制も刷新されたNoism Company Niigataの19thシーズン、その劈頭の舞台「SaLaD音楽祭」。自らの、或いはNoismの活動を「文化、芸術を残していく闘い。願わくば、数十年後、例えば、ここが改修されていたりとかしても、その時代の舞踊家が躍動していて欲しい」と語った金森さん。「このふたつを持っていってきます」の言葉に力が込められていたのを聞き逃した者はいなかったでしょう。大きな拍手が送られましたから。

明日の日曜日、もう一日、公開リハーサルはあります。ご覧になられる方はどうぞお楽しみに♪そして「SaLaD音楽祭」メインコンサートでの本番の舞台のチケットをお持ちの方も期待値を上げて上げてお持ちください。

(shin)

あたかも鬼窟に迷い込んだかのようだった『鬼』視覚障がい者/活動支援会員対象公開リハーサル

真夏を思わせる日差しの強さに、気温がぐんぐん上昇した2022年6月25日(土)の新潟市。エアコンを効かせた車で、13時に予定されたNoism×鼓童『鬼』活動支援会員対象の公開リハーサルに向けてりゅーとぴあ・劇場を目指しました。

入場前に挨拶を交わしたいつもの面々の額は一様に汗ばんでいましたが、それでなくても、誰もがNoism×鼓童『鬼』への期待感から身体は火照って仕様がない感じだったと思います。

私は活動支援会員枠で参加しましたが、この日は初めて視覚障がい者の方たちもお招きして開催される形式の公開リハーサルでした。盲導犬をお連れの方もおられ、間近に見たお行儀の良い犬に感心したりもしました。

劇場内では視覚障がい者の方たちに最前列が割り当てられた他は、自由にどの席に座ってもよいとのことで、私は鼓童の奏者たちも視野に収められるやや後方の席を選んで腰を下ろしました。

そのときが来ると、照明も含め、ほぼ本番と同じ(だろう)『鬼』を最初から最後まで通して観ることになると知りました。両袖からゆっくり舞台上に姿を現す舞踊家たちの摺り足、衣擦れ、そうした音に耳を澄ませているところに、打音の一撃。極めてダイナミックレンジの広い演目の始まりです。

2日前のメディア向け公開リハーサルで「苦労」していた「ピタリ」タイミングの模索は既に過去のこと。舞台上には信じられないほどの一体感が出現しています。
そして太鼓の連打といい、激しい動きといい、演者の身体温度は間違いなく上昇の一途を辿っているのでしょうが、客席から観ていると、あたかも鬼窟に迷い込みでもしたかのような印象の故に、作品の表面温度は極めて低いものに感じられてしまいます。何ということでしょう。

黒と赤に、もう一色…。怪しい仄暗さのなか、鬼にまつわる新たな民話が紡がれていくのを目撃する醍醐味には、かつての『ASU -不可視への献身』を彷彿とさせるものがあるように感じました。そしてそして舞踊家の身体で可視化されていく鬼という異形。その表現には息を呑むほかありません。

そんな圧倒的な演目を最初から最後まで通して見詰めること、約40分。
本番さながらに緞帳が下りると、場内から拍手が沸き起こりました。いつもでもいつまでも。そちらも本番さながらに。
そして先刻まで踊っていた金森さんがタオルで汗を拭きながら出てくると、極めて低く感じられた作品の表面温度が錯覚に過ぎなかったことがはっきりしただけでなく、りゅーとぴあの外は激しく蒸し暑いことも思い出されました。そんな鬼窟からの生還。

「今、みなさんに『鬼』をお見せする前に、『結婚』も通しました。(演者に向かって)みんなご苦労さん」と金森さん。続けて、客席に向かって、「初日に向けて、もっともっと精度をあげていきます。楽しみにしていてください」と話すと、またまた大きな拍手が送られていました。

まだ観ぬ『お菊の結婚』と併せて、超弩級のダブルビルと言っても過言ではないでしょう。日々高まる期待に身悶えすること、それだけが公演を待つ私たちにとって唯一許された身振りである筈です。その落ち着かなさに耐えることを楽しみとしてもう数日過ごしましょう。

(shin)

Noism×鼓童『鬼』メディア向け公開リハーサルに出掛けてきました♪

朝降った雨が空気中の湿度と化して身に纏わり付くようなじっとりとした暑さのもととなっている、そんな2022年6月23日(木)の13時。Noism×鼓童『鬼』のメディア向け公開リハーサルを観にりゅーとぴあの劇場まで出掛けてきました。

ホワイエの窓際に座って、劇場内に通されるのを待つ間、中の様子を確かめようとしたスタッフが少し扉を開けた瞬間、フォルテッシモの打音が音圧を伴って周囲を浸してしまうようなことがあり、これから物凄いものを体感することになるとの思いを抱きました。

予定時間を少し過ぎて、劇場内に通され、舞台に目をやると、先刻、大音量を発した太鼓をはじめ、楽器は全て鼓童の奏者ともども桟敷の上にあり、Noismメンバーはいつもの床の上にいました。奏でる者は踊る者に目をやる必要があり、かつ、踊る者のアクティングエリアを確保しようとするなら、これは必然の配置かと思われます。その美しき威容。踊る者たちは奏でる者たちが発する音(と音圧と)を頭上から浴びるかたちで踊ることになるでしょう。(『お菊の結婚』との間の舞台転換はどうなるのだろう。そこは当日のお楽しみですね。)

この日の公開リハーサルの前半では、「劇場入りして3日目」(金森さん)ということもあり、まずは太鼓の位置を調整することから始まり、次いで、演奏と踊りを合わせることにじっくり時間をかけながら、綿密のうえにも綿密に、ある「暗転」のタイミングを探ってる様子に目と耳とを凝らしました。口調はいつになく柔らかい金森さんと、更に穏やかな話し振りの鼓童・石塚充さんが客席から舞台上に言葉掛けを行いながら、「ピタリ」のその一瞬を探っていきます。その場面、太鼓の音が始まるタイミングは決まっていても、その後、叩かれる回数が一定ではないらしく、照明のキーのタイミングが掴み難いようでした。

全編にわたって、太鼓と舞踊の間に根源的に横たわる「共約不可能性」とでも呼ぶべきものを超えた「ピタリ」の一瞬を探ろうという双方からの挑戦ですから、容易な筈はありません。初日を迎えるまでブラッシュアップを続けていくことでしょう。そして、これまで観てきたNoismの舞台から明らかなことがひとつあるとすれば、私たちはその果ての達成に身震いするだろうということです。そのときが楽しみでなりません。

予定では終了時間と目されていた13:30、金森さんの「Bを頭からいってみましょうか」の言葉で、作品を一部見せて貰いました。そう、ほんの一部のみでしたが、見惚れました。

その後、13:40頃よりホワイエにて、金森さんと石塚さんへの囲み取材に移りました。少しですが、以下にご紹介を試みます。

*初共演に関して
金森さん: 過去にも鼓童との共演の話はあったが、実現に至らなかった。しかし、「いずれ、いずれ」と思っていたところ、昨年、鼓童の新代表・船橋裕一郎さんとの対談をきっかけに打診をし、快諾を得たもの。
石塚さん: (金森さん・船橋さん・石塚さん)3人とも同世代。共演したいと思っていた。新代表のもと、鼓童の体制や音楽性も変わっていくなかで、打診を受け、「今なら良い共演ができる」と思った。

*和太鼓の生演奏で踊ることに関して
金森さん: 単純に波動が違う。西洋の打楽器とも振動のレベルが違う。身体に強烈に響いてくる楽器。舞踊家はそれを力に変えたり、逆にそれを引っ張り出すような身体だったり、今まで味わったことのない感覚を味わっている。
実演家としては共演者が増えることで密度も濃くなり、単純に楽しい。

*Noismが踊るところで演奏することに関して
石塚さん: ただ音楽を奏でているのとは異なり、自分たちの音に反応して動く生命体が前にいることに、音に入るエネルギーや熱が変わっている感じがする。
曲自体が難しいのだが、それを曲だけで演奏していたときよりも、Noismが入ってからの方が曲に輪郭や命が込められて演奏しやすくなった実感がある。

*今公演の見所は
金森さん: 後にも先にもNoismと鼓童の共演。日本中探しても、このレベルのクオリティで舞台芸術を作っているところはそうはない。それがここ新潟で生まれている。それ以上の見所があるとは思えない。それが新潟の魅力であって欲しいし、それを全国各地、世界に届けたい。
石塚さん: 鼓童とNoism両者が音を出し、動いている空間が贅沢。その空間に身を投じに来て欲しい。

*原田敬子さんの音楽の難しさ
金森さん: 要するに決まってない。何回これやって、何小節行ったら終わりって決まってない。それを奏者たちがその瞬間に選んでいっている。即興性が含まれた楽曲に何とか合わせようとしているのが今の段階。
石塚さん: 今回、使っている楽器数は30以上で凄く多いうえ、細かく厳密な指定がなされている。

*新たな発見について
石塚さん: Noismの皆さんは自分たちの音楽を自分たち以上に聴いているというのがあって、自分たちの音楽でありながら、自分たちが意識していなかったところに命があることを知り、自分たちが持っている譜面が豊かなものに見えてきたことがある。
金森さん: 劇場入りした日に久し振りに鼓童さんの生音聴いたときに、「あれ、こんな感じだっけな?」と感じた。翌日はまた全然違っていて、「なんか音変わりましたよね」と訊いたところ、「自分たちが空間に慣れるように、楽器もその空間における響きに慣れるし、劇場の舞台構造(空間)も、その音を受け慣れる」との答えを得て、その視点を面白いと思った。じっくり時間をかけられる専属舞踊団としての強みを存分に発揮できるものと思う。

様々に興味深かったおふたりの囲み取材が終わったタイミングで、Noismスタッフから新潟3公演のチケット追加発売についてのお知らせがありました。
発売されるのは若干枚のみということですが、6月25日(土)11時よりオンラインもしくは電話にて受付が始まるとの告知がなされ、詳細はNoismの公式サイトにて発表とのことです。チケットの動きが「鬼」速かったためについ買いそびれてしまわれたという方、この機会にお求めください。

期待値がもろ「鬼」Maxに押し上げられたこの日のメディア向け公開リハーサルについてかいつまんでのご紹介でした。このあとは活動支援会員対象の公開リハーサル(6/25・土)後にまたレポートしようと思います。ではでは。

(shin)

Noism2定期公演vol.13 公開リハーサルに行ってきました♪

日時:5月13日(金)14:00~14:30 終了後 囲み取材14:30~14:45
会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館〈スタジオB〉
対象:マスコミ、Noism活動支援会員

朝の雨はすっかりあがって薄日が差す中、気温も上がり蒸し暑いようなお天気です。そんな鬱陶しさを吹き飛ばすようなNoism2公開リハーサル!


本番(5/21、22)が来週に迫る中、『火の鳥』(約25分)を見せていただきました!

『火の鳥』は2011年に金森さんがNoism2のために、そして学校公演を視野に創作した作品で、再演を繰り返し、今回は6年ぶりの上演となります。
登場するのは少年と火の鳥、そして若者たち6名の、計8名。
少年と火の鳥はこれまでもダブルキャストの時がありましたが、今回もダブルキャストで、本日は〇〇さんと〇〇さん♪(あえて伏字)。
少年役は踊りもさることながら表情が素晴らしい! 火の鳥も伸びやかに舞います。

もう一組のキャストのお名前もお聞きしましたが、どうぞ当日のお楽しみに♪
土・日の二日間とも、ぜひお運びくださいね!
公演・作品について等、詳細はプレスリリースをご覧ください。

公開リハーサルには、Noism2リハーサル監督 浅海侑加さんはじめ、金森さん、井関さん、山田さん、そしてNoism1メンバーも参加して注視!
出演メンバーは緊張しますよね~。 Noism2メンバーの二人が体調不良とのことで、代わりにNoism1坪田光さんと準メンバー杉野可林さんが特別に出演します。
リハーサルが終わると、金森さんから若者たちへ、歩き方、立ち方の指導が入りました!
本番がますます楽しみです♪

リハは拍手で無事終了し、Noism2リハーサル監督 浅海侑加さんの囲み取材です。BSNで放送されると思いますのでご覧ください。
浅海さんのお話によると、公演の稽古は昨年末頃から始まったそうですが、メンバーが変わったりしたので、まとまってきたのは4月頃だそうです。
『火の鳥』は再演なので動画があり、それを見れば振りはわかりますが、できるだけ浅海さんから振りを渡すようにしたそうです。振りを自分のものにして表現してほしいと話されました。

難しいのは、全員が組んで踊る場面で、激しい動きの中でリフトして回転させたりするので、同じようになることは無く、難しさを痛感しているそうです。
少年、火の鳥、若者たちが、それぞれ影響しあい、変わっていくことが作品のテーマであり、人と人との関係性を感じてほしいと話されました。

私は歴代の『火の鳥』を観ていますが、やはり最後は泣けますね~。。。
そして、ストラヴィンスキーの音楽にぴったり合っていてすばらしい~♪

■上演予定作品
演出振付:金森穣 稽古監督:浅海侑加
・solo for 2 より 初演:2012 年
・R.O.O.M.より 初演:2019 年
・砕波 初演:2017 年
・Phychic 3.11 より 初演:2011 年
・Me/mento, 4 am ”ne” siac より 初演:2001 年
・火の鳥 初演:2011 年

上演作品、見どころ満載です!
5月21日(土)17:00、 22日(日)15:00 @りゅーとぴあ〈劇場〉
若さ溢れる舞踊家たちの輝きを観に、どうぞ劇場にお運びください♪

(fullmoon)
(撮影:aqua)

「8-12月の Noism と私」(サポーター 感想)

☆オープンクラス~公開リハーサル(SaLaD音楽祭、DDD@YOKOHAMA2021、『境界』)~小林十市さん(柳都会~『エリア50代』)~『かぐや姫』~公演『境界』

とにかく盛りだくさんな充実したNoismライフだった。りゅーとぴあまで車で1時間弱の田舎に住んでいるが、通った通った…
あまりにも次々とイベントがあり、先週何を観たのかやったのか思い出せないくらいだったが、印象は間違いなく脳内と身体に刻まれている。観たもの感じたことは自分の中で同化して変貌しているので、事実や他の方の記憶と違ってきている可能性もある。「え~??そんなだったっけ~?」という部分があってもスルーしていただけたら幸いです。

オープンクラスは10/3から12/12まで計7回、皆勤賞でした!
「バレエ初級」ある意味このクラスは一番キツい。汗ダクである。人数制限中で10人程度なのでNoism 2メンバーがほぼマンツーマンで付いて優しくキビしく指導して下さる。基本中の基本を徹底的にやるのでごまかしが効かない。Noismらしく踊るには必須のクラスだ。

「レパートリー初級」2回あったのだが、10/3は『Training Piece』だった。「やった!」と心の中でガッツポーズ。Noismメソッドを作品化したもので憧れの演目。心拍音に合わせて起き上がって行き、いろんな動きに発展していくのだが、アイソレーション(ダンスに不可欠な身体各部分を独立して動かす手法)が出来ないとなんかヘン。今までやった事が無いので出来なくてアタリマエ、課題が見つかって嬉しい、とポジティブに。
11/21は『passacaglia』これも「Yes !」
かなりの時間が”歩く”練習に使われた。舞台上を歩く事はステップを踏む以上に難しいと思う。ただ普通に歩けば良いわけではない。役柄に合った感情表現をしながら後ずさったり、緩急をつけたりして全方位に進まなければいけないのだ。それも鑑賞に耐えるよう美しく。井関佐和子さんの歩き方を思い出していただければ納得できると思う。
この曲は悲しみをたたえて歩く感じなので、人生経験の長いヒトは有利だったかな??

いつも楽しい、勇気先生の「からだワークショップ」他のクラスでもやる準備運動で手のひらで全身をさする、叩くというのがある。自分の身体を目覚めさせる、輪郭(外部との境界?)を確認する。手のひらだけでなく手の甲でやったり、身体全体を手のように見なして床と触れ合うというのもやった。
これがすごく新鮮だった。”床との親和性”が初めて実感できた!吸い寄せられるように床に近づいて行き、体の一部が床に密着すると、あとは自然に擦れ合ったり転がったりしていくのだ。そうか、これが発展すると踊りになるのか。足先から徐々に砂に変わって行き崩れ落ちるのも、これが出発点か。
本題は、2人で向かい合いお互い右手と右足を前に出して(古武術でいうナンバ)相手が押したらその分引くというように必然的なリアクションを続ける、というもの。みんな「こう来たら~」「こう来て~」と声に出してやっていた。
このクラスはバレエ無経験の人が多いのだが全く関係無し。武術に近いのでバレエっぽいとかえってヘンだ。しか~し、あら不思議、ラストに一組づつ発表したのだがパドドゥに見えるのだ。スローモーション的に動いたからやれるのだが、メチャクチャNoismっぽい! 
「皆さん相手をよく見ているからです」と先生。
ローザンヌ国際バレエコンクールの実演付き解説の山本康介先生(浅海侑加先生の先生)がコンテンポラリー部門の批評で言っていた「わざとらしくなく、リアクションで踊ってるように見えると良いですね」の意味がクラスを受けてよくわかった。

中級クラスはバレエ、レパートリー共に難易度が上がる。
バレエクラスは井本星那先生だが、私は先生の踊りが好きなのでレッスンを受けられて嬉しい。サブに今期からNoism 1に上がった坪田光さんが付いてくれた。彼のチャーミングな雰囲気、踊りも大好き。まだNoism 2の時に初級クラスでアドバイスいただいた事があるので親近感有り。
ジョフォア先生のレパートリークラスはブレインストーミング。心身共に真っさらにして、がんばって気負いを消して臨んでいる。
毎回「え~⁈ こんなのを私ごときがやっていいんですかぁ~(出来ないけど)」という演目(のホンの一部)を教わるのだが、今回は、小林十市さんのための作品『A JOURNEY ~記憶の中の記憶』だった!

今年のNoismの関係者のNo.1キーパーソンと思われる十市さん。彼は新潟に、「DDD@YOKOHAMA」で上演されるその作品のクリエイションの為に滞在した。その最中の10/4、りゅーとぴあ能楽堂での金森さんとの対談「柳都会」ではお茶目な素顔を見せてくれた。歩きスマホをしてクルマに轢かれそうになった…とか。金森さんは、自由な「兄ちゃん」を尊敬しながらも時にはハラハラしながら見守る弟のようだった。

そして10/9には支援会員向けの公開リハーサル。
公開リハには2種類ある。創作している過程、ダメ出しをしながらの練習風景を見せるもの。それと舞台装置、照明は無いものの衣装は着けて通しで見せるもの。これは新潟以外の地でしか上演されない演目を特別に見せてくれる場合が多い。今回は休憩を挟みながら通しで見せていただいた。とても有り難い、お得な企画なので興味のある方はぜひ支援会員に!
『A JOURNEY ~記憶の中の記憶』は十市さんの今までの歩みを描いた作品だが、『BOLERO 2020』が組み込まれていた。新メンバーも参加し、久しぶりに浅海侑加さんの踊りも見れた「改訂版リアルボレロ」。ラストは十市さんが真ん中。
それを舞台でなくスタジオBの同じフロアで間近に観たら、心の底から「来世はぜったいにダンサーになる!」という思いが湧き上がってきた。そのくらい迫力が自分の中に入って来たのだ。

その十市さんと近藤良平、平山素子両氏の3人がおちゃらけトークを交えながら1人づつ真面目に踊る、という企画『エリア50代』(11/14)。
これも能楽堂で行われたのだが、Noismメンバーの皆さん勢揃いで観客席に。行く道ですからね。歳を重ねて現役だからこその遊び心、心配事、これからどうやってダンス寿命を伸ばすか、どういう方向を目指すか…などなど。アマチュア「エリア60代」としても参考になりました。

11/20に、東京バレエ団(金森さん振り付け)の『かぐや姫』を観た。
席選びに失敗し、残念な事に集中出来なかった。コールドのフォーメーションを見たくて三階最前列を取ったのだが、席の前にバトンがせり出していて、翁の家など舞台の前面が欠けてしまった。身を乗り出すわけにもいかず…この歳になると、見えないというのはかなりのストレスである。
全幕公演の際は一階席を取ろうと思う。

コールドはとても良かった。久しぶりにクラシックダンサーのコールドを観たが、体型や踊りなど、同質性が求められるのを再認識した。クラシックバレエに特化した身体だというのも。
クラシックバレエをずっとやってきた私がコンテンポラリー、Noismに惹かれて自分でも踊りたいと思い始めたのはここら辺に理由があるようだ。ユニゾンできっちり合わせるパートでもひとりひとりの個性を出せる。体型や髪型が違ってもよい。重力を感じる、より人間的なダンスである、という点に。

Noism 1メンバー各々の個性(色彩)を視覚化したのが、今回の公演『境界』の山田うんさんの作品『Endless Opening』の衣装と振り付けだ。
衣装で印象に残ったのは、井本さんの水色、坪田さんの紫、樋浦さんのオレンジ、そしてジョフォアさんのライトグリーン。単色ではなくパッチワークのように様々な色を配している。人はいろんな面を持ち合わせているから。
うんさんは各自のオーラの色が見えたのだろうか。自分の色を纏ってみんな伸び伸び楽しそうに踊っていた。クラシックっぽい振りもたくさん出てきたが、もしかしたら昔からある動きの方が身体により入っているので自由に踊れる部分もあるのかなと感じた。今回は樋浦瞳さんについ目が行った舞台だった。

個々が持っている台車。この歳になると棺桶を運んでいるとしか見えないが、まあそういうものだろう。生まれてから死ぬまで持っている。生をまっとうし、身に付けたものを外してネクストライフに向かって行く。行く先は待機場所の「境界」。
私のイメージは『2001年宇宙の旅』のラスト、スターチャイルドが浮かんでいる場所だ。

Noism 0の『Near Far Here』はモノトーンの荘厳な世界。冒頭は暗い庭園に置いてある彫像たちが稲妻に照らされているように見えた。音楽はゆっくりとしたバロックの三拍子。三拍子と言ってもワルツでは無い。人々が楽しむために踊るワルツは終わりが来るが、これはずっずっずっと永遠に進み続ける音楽。なにかとても大きいものがゆっくりと回転している。終わる事はない。
金森さんの決意、方針が伝わってくるような作品だった。

立ち姿が神々しいとまで言える井関さんの白いドレスと打掛のようなガウン、和と洋が同居している。バレエと武道、両方のスピリットを融合させたNoismの化身のようだった。

全体を通して重厚な雰囲気が漂っていたが、途中に3人ならではのアルアル、1:2に分かれてバランスを崩すという人間的なコミカルな場面もあって面白かった。シルエット(各々の別の面?)も加わると更にややこしくなる

白と黒、そしてラストの暗赤色の花びら。私は、これは”血の色=人間”のように感じた。人間を含めた生き物かもしれない。天と地の間に動き続ける生き物たち。

初日に花びらをひろって帰ったら、ほとんど同じ色のコサージュを持っていることに気づき、楽日はそのコサージュと同色のストール、あとはオールブラックスといういでたちで観た。知り合いに見せまくって「いっぱい拾って作った」と言ったら一瞬信じた人がいた!
今回は演目に関係したファッションで行くという楽しみも満喫できた。

2021年は本当にいろいろ楽しませていただきました。
8/6に東京での「SaLaD音楽祭」のリハも通しで見せてもらい、後で公開動画を観たのですが、画面のテロップに「Noism Company Niigata」と出た時に、なんとも言えない誇らしさを感じました。やはりNiigata が付いてると付いてないでは大違いです。

2022年も私なりに応援して行きたいと思います。1月-3月のオープンクラスも全クラス申込みました。
豪雪やホワイトアウトにならない限り通います!

(たーしゃ)

支援の思い新た!活動支援会員対象『境界』公開リハからのインスタライヴ(2021/12/11)

雪到来前の2021年12月11日(土)は、Noismまみれで過ごすことになった一日。先ずは、15時30分から16時50分までが活動支援会員対象で開かれた『境界』の公開リハーサルで、その後、21時からは金森さんと井関さんのインスタライヴがありました。そんなふたつを続けて堪能したら、このところの「芸術監督の任期」を巡って気を揉むもやもやした時間をちょっと傍らにすることができたように感じました。現在進行形のNoismの「今」に向き合うことは即ち、豊穣な時間に身を浸すことなのであって、見詰めつつ、耳を傾けつつ、支援の思いを新たにしたような次第です。

◇活動支援会員対象『境界』公開リハーサル
15時30分、りゅーとぴあ・劇場に進むことを許され、2F客席に身を沈めようとする以前から、白と黒の引き締まった舞台上には、金森さん(黒)と井関さん(白)、そして山田勇気さん(黒)の姿があり、主に井関さんをリフトする動きの試行錯誤が続いていました。Noism0による『Near Far Here』のクリエイションが真っ最中でした。
その後、バロックの音楽と舞台装置も入れて、通して見せてくれる場面もありましたが、そこでも、時折、金森さんがストップをかけては、より流れるような身体の捌き方を求めて、動きが再検証・再検討され、妥協することなく調整を続ける3人の姿を目にすることになりました。そうやって、動きが今まさに作り出されようとしている様子は、「産みの苦しみ」などという紋切り型の表現からはほど遠いもので、(汗をかき、呼吸はあがって、水分補給をする際も苦しそうではありましたが、)気心知れた同士が、じっくり話し合って、色々試しながら動きを獲得していく作業は、どうしてどうして、「いい時間」が過ごされているようで、ホントに楽しそうに見えました。もう期待感しかない道理です。

30分が過ぎたところで、3人のリハ公開は終了。金森さんが客席に向けて、次のように挨拶してくださいました。「え~、日頃より有難うございます。ご覧いただいたように稽古に励んでおります。俗に、『3本の矢は折れない』と言いますが、3人体制になって、今まで以上に活動していきます。これからも宜しくお願いしま~す」とどこまでも明るい調子でした。そして、最後に金森さん、もう一言、「衣裳を脱ぐにも、(3人)お互いが必要なんで…」などと言って笑いをとりながら、Noism0の3人は劇場を離れていきました。

そこから、20分の舞台転換の時間を挟んで、16時20分から、今度は山田うんさんの『Endless Opening』、Noism1の方のリハーサルを30分間見せて貰いました。
主にユニゾンで踊る箇所を見せて貰いました。フォーメイションとしては、一番前に中村友美さん、二列目に庄島すみれさん・さくらさん、三列目には中尾洸太さん、三好綾音さん、井本星那さん、そして最後列に坪田光さん、樋浦瞳さん、ジョフォア・ポプラヴスキーさんというのが基本形のようです。
シンボリックな「台車」、見ました。しかし、衣裳は本番までのお楽しみ。
誕生と死とに挟まれたいっとき、束の間の「花束」然として、ピタリ決まるユニゾンはNoism1ならではなのでしょうが、同時に、一人ひとりの個性を楽しむことが出来る作品ともお見受けしました。SMAP『世界に一つだけの花』や、或いは小林秀雄『当麻』のなかの「美しい『花』がある、『花』の美しさという様なものはない」などを想起しながら、舞台上、留め置くこと能わず、刹那に輝く9輪からなる「花束」を見る体験になりそうだとの思いを抱きました。
山田うんさん、ある場面で、歩く動作の「歩数」が気になり、変更しようかどうか、色々試すのを見詰めるうちに、公開終了時刻となりました。時間が許す限り、細部まで貪欲に動きを練り上げようとする姿は金森さんと変わらないなと思いながら劇場を後にしてきました。

今回のダブルビル公演、初日は来週の金曜日、12月17日。それぞれの創作過程をちょっと見せて貰ったら、もう楽しみで楽しみで仕方なくなってしまいました。

◆金森さん+井関さんインスタライヴ
顔をパグに変えちゃうような悪戯もやりながら始まったこの日のインスタライヴ、お話しは多岐に渡りましたが、ここでは『境界』公演に絞ってご紹介を試みたいと思います。
・『境界』公演の『Near Far Here』、創作も佳境。Noism0はいつもギリギリになる。バロック音楽に感動、全編バロック音楽の小品9曲を使用し、合わせたら繋がりができた。
・バロック音楽の時代、日本は江戸時代。キリシタン信仰が渡来。弾圧、隠れキリシタン。元来、信仰と密接な音楽であり、自分にとっての「信仰」とは何かということになっちゃった。何のために生まれて生きるのか。この世の不条理等々。
・衣裳も和モノとバロックの時代の洋のモノのハイブリッド。境界線を模索する、または融合するポイントを見つける作業。美しい作品ができた。
・バロック音楽のカウント、「3」のリズムが多いのが心地よい。「3」はキリスト教にとっても大切な数字(=三位一体)。今回、3人で踊ることも「3」繋がり。
・りゅーとぴあ・劇場をこれだけ大きく使ったのは初めて。大空間を移動する身体、実演は久し振りで、最初、距離感が掴めなかったが、楽しい。大空間を自分の美意識でコントロールできるようになりたい。
・演出的にも、空間的にも、照明的にも、衣裳も、あらゆる部分で初めての挑戦をしていて、その意味では実験的なのだけれど、最終的にひとつになっていく。
・テーブルでの場面。3人で振りを作っていって、それぞれ所作を解体、バラバラにして、スピードを速くしたり、スペース変えたり、高低差をつけたり、ダイメンション変えたりもした。→作り方的にはコンテンポラリー的だが、同時に、極めてバッハ的。構造を数学的に音楽にしていくこと、バロックに括れないバッハの特性だと思う。
・今回、映像も使っているし、物も使っている。なかでも、アクリル板。井関さんと山田勇気さんとのパ・ド・トロワ(3人の踊り)を作った。アンコントローラブルな(制御できない)不確定要素を盛り込むことで何を見出すか、何が生まれるか見てみたい。(『夏の名残のバラ』でのキャメラもそう。)今の世の中のアクリル板に、目の前にいるのに触れられない悲しみを感じる。
・しかし、今回の『Near Far Here』はネガティヴな作品ではない。今ここにいることの僥倖、有難さ、幸福、奇跡みたいなものを共有したい。エンディングでは我々なりの愛を届けたい。
・今回の衣裳、ひとりでは着られないので、3人一列になって、お互いに後ろを締めて貰っている。井関さんのは中世のドレス然としていて、コルセットが苦しい。金森さんと山田勇気さんの衣裳は、和(=和服、袴)と洋(=僧侶、宣教師)のハイブリッド、かつ、ふたり併せて一人分になる、斜めのファスナーが多用された、どこで割るかっていう複雑なもの。
・今回の照明、所謂、舞台照明ばかりではなく、反射した光、プロジェクターの明かりを使ったり、実験的なことをしながら、美しい明かりになる。
・山田うんさんの『Endless Opening』、同じ「境界」をテーマにしながら、出てくるものが違う点で面白い、多幸感溢れる作品。うんさんの人柄が出ていて、「色」などは対称的だが、どちらもクリスマスに観るにはいい作品。 …等々。

と、そんなあたりをご紹介させて頂きました。全部通してご覧になりたい向きは、アーカイヴでご覧になれます。こちらからどうぞ。

とりあえず、来年9月からの5年間、新潟市での活動継続が決まったNoism Company Niigata、その決定後の最初の公演です。「ちょっとだけでも今までやったことがないことにチャレンジしたい」と語る金森さんは、(奇妙な言い方になりますが、)私たちを常に裏切りつつ、その「裏切り続ける」という点においてはまったく裏切ることのない稀有な芸術監督と言えます。公演の度に私たちの日常を活性化してくれる訳ですから。

そんな金森さんが「自信作」と力を込めて語るNoism0『Near Far Here』、そして、Noism1が山田うんさんとの間で化学変化を見せること必至の『Endless Opening』、大いに圧倒される心づもりで、いざりゅーとぴあ・劇場へ。クリスマス期に放たれる刺激的な贈り物2作、『境界』新潟公演は来週金曜日にその幕が上がります。よいお席はお早めにお求めください。

(shin)

『境界』メディア向け公開リハーサルに行ってきました♪

12/9(木)久しぶりに晴れて、気持ちのいい一日となりました♪ りゅーとぴあ劇場で14時半~『境界』公演、山田うんさんの『Endless Opening』メディア向け公開リハーサルに行ってきました!

まず驚いたのは「台車」? ベッドのようにも棺のようにも見えますが、山田うんさんによると『身体(からだの象徴)』なのだそうです。

人は生まれるのも死ぬのもベッドの上で、生きている間は横たわっている時間がとても長い。生と死の象徴でもある、この台車(?)を自分の身体のように使いこなさなければならないのですが、ちょっと難しそう。『ロミオとジュリエットたち』の車椅子を思い出しましたが、それよりも難しいのでは。

でももちろん、ずっと台車と一緒にいるわけではなく、素晴らしいダンスを見せてくれます♪ 花のような風のような、見ていると優しい気持ちになります。「献花」「多幸感」「喜びの花束を渡したい」という、うんさんの言葉通りの踊りです。

音楽はボロディンの弦楽カルテット第2番 第1~4楽章で、とてもきれいな曲です。 衣裳は花のようにカラフルと聞いていますが、この日はまだ稽古着でした。本番が楽しみです♪

30分のリハーサルのあとは山田うんさんと金森さんの囲み取材。山田うんさんは「新潟はすべてが綺麗で美しく、食べ物も飲み物も美味しくて、最高!」と話されました。Noismメンバーについては、力強くしなやかな身体、素晴らしい躍動感、Noismは新潟の宝物であり財産であり、一緒に舞踊を創っていくのはとても光栄と褒めてくださいました。

対して金森さんは「ゲスト振付家のうんさんに褒めてもらったが、ダンサーはその言葉に応えなければいけない。私では引き出せないものを、うんさんから引き出してもらいたい」と話し、「ぜひ見てください!」を連呼しました。

また、ご自身の作品については「うんさんと全く同じ心境です」とし、井関佐和子さんのお祖父様が最近亡くなられたお話をしました。井関さんは「生きている間は特に思い出したりしないものだが、亡くなるとその人のことを考え、より身近に感じる」と話されていたそうです。まさに『Near Far Here』ですね。

NCNがクリスマスに贈るふたつの作品、どうぞ大切な人とご一緒にご覧ください。

Noism0 / Noism1 境界新潟公演 | Noism Web Site

(fullmoon)
(撮影:aqua)

【追記】
この日のリハーサルの模様を伝えるUX新潟テレビ21のニュース動画へのリンクを貼りますので、ご覧下さい。
 → UX新潟テレビ21「キーワードは『境界』…三途の川も表現」(12/9木20:39配信)

(shin)

金森さんの愛を感じた「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021」活動支援会員対象公開リハーサル(土曜日の部)

正確に一週間後に控えたNoism Company Niigata × 小林十市さんの公演(「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021」)を前に、10月9日(土)に開催された活動支援会員対象の公開リハーサルを観てきました。(@りゅーとぴあ・スタジオB)以下、ネタバレなしでいきます。

この日と翌10日(日)、二日間に設定された公開リハーサルですが、両日各12人と限られた人数しか目にすることができないとあって、申込開始日には朝から緊張して、ドキドキしながらメールを送信し、その後、「受け付けました」旨の受信を見た際には安堵の気持ちが湧いてきたことが思い出されます。

先日の「柳都会」を聴いて、金森さんが「奇跡」と表現する「兄ちゃん」十市さんとの共演への期待は募る一方でしたので、待ち遠しかったこの機会。

そして3日前(10/6)になって届いたメールには「終了時刻変更」とあります。当初、30分の予定だったものが、1時間に延長されると知らされたのです。「もしかして全部観られるの?」そんな思いを胸に足を運んだ土曜日のお昼過ぎでした。

「1時間もの」に延長されて
実施された公開リハーサル

で、その公開リハーサル、もう随所に金森さん(とスタッフの皆さん)の愛が溢れた至福の約70分だったと言わねばなりません。まず、折から「劇場に空きがない」とりゅーとぴあでの公演が叶わず、目にする機会に恵まれない新潟市民に向けられた愛。フラットな床面、アクティングエリア「きわきわ」に据えられた椅子に腰掛けて、まさに目と鼻の先で見せて頂いたのですが、もちろん、そこに緞帳はありません。全てが顕わしの空間で、金森さんの「カーテンが上がってます」と「カーテンが下りてます」の言葉に挟まれた、当日の舞台の一部始終(それは言葉の正確な意味での「一部始終」で、ホントに最初から最後まで)を見せて頂いたのでした。

第一部は「映像舞踊」として観てきた演目の実演版。出演者も入れ替わり、「あっ、この人がこれをやるんだ」という楽しみ方もあります。そして何より、十市さんを配して追加された場面はまさに眼福で見とれます、マジで。ネタバレを避ける配慮から書けないのが残念ですが、横浜で、或いは明日の公開リハでご覧になられる方はどうぞお楽しみに。ベジャールさんと、そして十市さんへの愛に溢れていることは言うまでもなく、金森さんが、2020年、「コロナ禍」の舞踊家を念頭において、「中心」不在に映る映像を撮ったことで、周囲にある種の磁場が形成され、十市さんが召喚されたのに違いないと思うほどです。このはまり方、金森さんには最初からこのイメージが見えていて、ただ謙遜して「奇跡」と呼んでいるだけじゃないのか、などとも。

そして踊り終わった後には、本番、横浜の舞台での演出についても説明してくれた金森さん、もう愛の人でしかありません。後光が差して見えました。大袈裟でもなんでもなく。

10分(本番では15分だそうです)の休憩を挟んで、新作を見せて貰いましたが、これはもうこれまでのNoismのイメージとは一線を画すもので、「兄ちゃん」十市さんのキャラクターや資質が色濃く投影されたクリエイションだっただろうことが明瞭です。「兄ちゃん」への愛。十市さんに触発された結果、「お初にお目にかかります」的Noismに仕上がっていると言っても過言ではないでしょう。音楽を含めて全てが斬新。しかし、それがどんなものかは今は伏せておきます。なにしろ、ネタバレ厳禁が大命題ですから。ただ、新しいNoismとの出会いが待っていますとだけ。

また、この日の公開リハーサルの楽しみは他にもてんこ盛り状態でした。第一部で再び踊る姿を観た浅海侑加さん、相変わらず素敵でした。またどんどん踊って欲しいものです。そして、先日、「私がダンスを始めた頃」で続けてご紹介した新加入の庄島さくらさん、すみれさんの踊りもガン見しましたし、この度、昇格してNoism1で踊る中村友美さん、坪田光さんにも目が行きました。多くの面で、とても興味深く、中身の濃い時間を過ごせたと思います。

そんなこんなで、終了したのは、13時40分頃だったでしょうか。始まったのが予定の12時半を少し回っていたとはいえ、約70分間、何の出し惜しみもなく、もう「最後の最後まで」全て見せて貰っちゃった訳です。これほどまでに愛ある「リターン」があるなんて、もう活動支援会員でいて良かった♪今日スタジオBにいた誰もが一人残らずそう思っていたことは間違いありません。あそこまで見せられたら、もうスタンディングオベーションで応える他ないじゃありませんか。みんな笑顔笑顔で立ち上がって拍手を送った、そんな公開リハーサルでした。

(shin)

活動支援会員対象の「サラダ音楽祭」公開リハーサル(2日目)を観てきました♪

2021年8月6日(金)、スマホでチェックしたネットのニュースで「39.2℃」「危険な暑さ」と報じられたのは新潟市秋葉区。りゅーとぴあがある中央区は幾分かはましといえども、ひなたに駐車していた車に乗り込むと、外気温は46℃を表示しているなど、もうどうかしちゃった感のある殺人的な暑さのなか、活動支援会員対象「サラダ音楽祭」公開リハーサル(2日目)を観てきました。

この度の公開リハーサルは当初、この金曜日だけの予定でしたが、申し込まれた支援会員が多かったため、すぐに前日の木曜日分が追加されたのでした。その2日目。

巨大スポーツイヴェント開催に伴い、国民のあいだに「安心バイアス」が拡がり、新規陽性者数も右肩上がりに増加していくなか、「緊急事態宣言」下にある東京都へ赴くのは躊躇われますから、多くの方にとって、この機会はかなり貴重なものと捉えられていたのでしょう。

スタッフが付き添うかたちでの検温と手指消毒を済ませても、予定時間までは「スタジオB」のある4Fではなく、2Fロビーで入場の案内を待つというのも、これまでになく、慎重のうえにも慎重な対応でした。で、一旦、案内されてみると、今度は、そのまま「スタジオB」まで進みます。これもホワイエでの歓談を徹底して避けようとする意図によるものです。

そうやって、みんながスタジオ内の壁沿いに用意された椅子に腰をかけると、金森さんの合図でリハーサルが始まりました。まずは11人が踊る演目の一部です。みんな感染予防のマスクをつけ、見覚えのある衣裳を纏った11人(女性5人、男性6人)。その衣裳について、「本番の衣裳ですか」と金森さんに尋ねてみましたところ、「そうです。使い回しで~す。予算もかけられないので」とのことで、同時に、何の衣裳だったのか、ふたつの作品名も教えて頂きましたが、今はそれは伏せておきます。本番をご覧になられる方は当日、脳内検索をかけてヒットする作品名は何か、お楽しみ頂きたいと思います。男女10人があるひとつの作品からのもので、ひとり山田勇気さんだけは他の作品からの衣裳を纏って踊ります、とだけ。

こちら、かなり激しい動きを求められる演目のようで、袖に引っ込んだタイミングでは、(というのも、スタジオBには袖がなく、全て顕わしになっていますから、)腰に手をあて、息もあがりがちになっている姿も見られました。限られた狭いアクティング・エリアのなか、生オケで踊るのはホントに大変だろうことは一目瞭然です。しかし、いつもの金森さんの言葉を借りれば、「舞踊家が苦しければ苦しいほど、観客は喜ぶ」のでしょう。そんな舞踊家たちの動きから召喚された記憶は『クロノスカイロス1』、衣裳の色味こそ異なりますが。

そして井関さんひとりが踊る演目の方に移りました。本番では、ハープの協奏曲(約15分)を間に挟んで踊られるとのことですが、情緒も一転、まったく趣を異にする時間が楽しめる筈です。この日のリハーサルからだけでもそれは疑い得ないことと確信致しました。

約30分の公開リハーサルの最後にあたって、メンバーを呼び集めて挨拶するなか、「劇場が開いている以上、我々舞踊家としては、充分に配慮しながら、出来ることをやっていくことで、これからも世界に向けた発信を続けていきます」と金森さん。常に歩みを止めない姿勢には胸が熱くなります。「これからも引き続き、ご支援宜しくお願い致します」の言葉に、恐らく、その場にいた全員が心のなかで「勿論です」と返していたのではなかったでしょうか。その気持ちの籠もった拍手がスタジオBに響いていました。

「サラダ音楽祭」本番まで残すところ一週間。これからも一切妥協することなく、実演の精度を極限まで上げながら、当日の舞台を迎えるのでしょう。ご覧になられる方、感染状況、健康状態ほか、本当に気を遣うことと思いますが、その分も、忘れられない舞台になること間違いありません。ご堪能ください。

(shin)

「金森さん、マジすか!?」衝撃の『春の祭典』活動支援会員対象公開リハーサル!

2021年6月26日(土)の新潟市は日差しが強く、気温も上昇し、梅雨などどこへやら、もう「夏」の到来を思わせるような一日でした。

蒼天の下のりゅーとぴあ屋上庭園

行ってきました、活動支援会員対象の公開リハーサル。入場時間14:30を念頭にりゅーとぴあの劇場入口付近へ。やがて、「暑いですね」「ホントに」そんなふうに言いながら、いつもの面々が、気温以上の期待の高まりをその身体から発散させつつ集まってきます。

この日の公開リハーサル、予定された時間は15時から16時までの1時間。そうなると、「尺」からいっても『春の祭典』を見せて貰うことになりそうなのは確実。先日のメディア向け公開リハーサル後の囲み取材で、金森さんは「作品の終わらせ方が変わりました」と言っていたことを受けて、「でも、さすがにラストは見せないですよね。『ハイ、今日はここまで』って」「ですよね。こちらも本番で観るのを楽しみにしていたいし」そんな会話を交わしながら、ドキドキしながら入場の案内を待ちました。

この日も2階席から見せて貰ったのですが、遠目から、まず、一目見て感じた「ん、違う?」横一直線に並べられた21脚の椅子の見え方が今までと違っています。少しして違っている点に気付きました。そういえば、2日前の取材時に「ここから美術的にも変わったりする」って言ってましたっけ、金森さん。

そして15時。なんの前触れもなく、舞台下手袖から井関さんが姿を現しました。この日は2日前と違って、マスクなし。もう本番モードの21人。そこに血潮をたぎらすようなストラヴィンスキーによる圧倒的な楽音が降ってくると、上からも扇情的な照明が落ちてきて、そこからはもう、瞬きするのも惜しいくらいの舞台が展開されていきました。その圧巻の密度たるや、リハーサルとは思えないほどでした。

そうして目を吸い付けられるようにして見詰めているあいだに、どんどんストラヴィンスキーの音楽は進行していきます。やがて、金森さんの「ストップ!」がかかるまでと…。

しかし、しかし、しか~し、いつもの席に座る金森さんからは止めようという気配は微塵も感じられません。やがて、「これは最後までいくな」そう思うようになり、その通り、コロナ禍の状況が「必然」と感じさせた新しい「ラスト」まで観てしまうことになるのです。ホント、予期せぬ「マジすか!?」的展開には驚くほかありませんでした。

ですが、すぐ、こうも思いました。「ラストを観ていようが、いまいが、大した差はない。ただ実演の精度を上げるのみ。そう金森さんは考えているのだ」と。太っ腹というか、肝が据わっているというか、恐るべし金森さん。

もともと昨年、プレビュー公演を経ているのであってみれば、本来、今年の本公演は「再演」にも似た位置付け(*註)だった訳ですし、「ラスト」に至るまでの一瞬一瞬、21人の舞踊家の身体が切り出す「刹那」の美を見詰めてきた目にとって、「ラスト」がどうかなど、占める比重もさしたるものではあるまいと。それどころか、この日、「ラスト」を観て、知ってしまってさえ、更に期待が募るのは、Noismがこれまで舞台上から見せてきてくれた「刹那」が真実なればこそ。もっと言えば、「ラスト」を観てしまったことで、金森さんの揺るぎない信念に触れ、身震いのようなものを感じた事実をこそ書き記しておかねばと思った次第です。常に「超えてくる」のが、金森さんとNoismですから。

*註:金森さんは自身のtwitterで、明確に「再演ではなく初演」と言い切っております。そうだとすれば、なおのこと、この日、惜しげもなく「ラスト」まで通して見せてくれたことの背景に作品全体を通しての強い自信を感じようというものです。

音楽が止んだとき、呆気にとられて、控えめな拍手しかできなかった私たちは口々に「凄い」と漏らすのみ。そのあちこちから聞こえる「凄い」という言葉を拾って、「凄いね」と当然のように笑む金森さん。「詰めるとこ、もうちょっと詰めて、言いたいところはこういうところなので…。ひとりでも多くの方に観て頂いて」と自信のほどを窺わせました。そして続けて、「今日(の公開リハ)は1時間でしたっけ。このあと、ダメ出しも観ていってください」とも。

そうして舞台上、様々な調整の様子を見詰めるうち、予定の16時を少し回った頃になり、スタッフから丁重に退席を促されると、舞台上の舞踊家たちが全員動きを止めて、こちらに向き直り、笑顔で私たちに視線を送ってくれているではありませんか。いやはや、何とも贅沢この上ない公開リハーサルでした。

そんな「完成形」のNoism版『春の祭典』を含む、全4作品を堪能できる贅沢すぎる公演は来週金曜日(7/2)から。圧倒的な舞台に完膚なきまでに蹂躙される準備を整えつつ待つのがよろしいかと。もう、「これ見逃したら後悔しますよ」レベルのもの凄さです。よいお席はお早めにお求め下さい。

(shin)