Noism2出演「にいがた総おどり」in アート・ミックス・ジャパン2018

2018年4月14日(土)、この日はJR新潟駅の高架化に伴う
線路切り替え工事のため、新潟駅を中心に大規模な列車運休がある一日で、
その影響から市内の道路はどこもかなり渋滞していました。
そんななかで、JR東日本も「SPECIAL SUPPORTER」として名を連ねる
「アート・ミックス・ジャパン2018」が開催されるとは…。
なんとも不思議な感じもいたしましたが、ともあれ行きました、行きました。
観ました、観ましたNoism2。
ジャンル「祭り」チケットno.11「にいがた総おどり」@りゅーとぴあ・劇場。

全席自由席の公演だったため、
開場時刻17:05のおよそ50分ほど前に様子を見ようと
劇場入口へ行ってみると、
はやくも壁に沿って入場を待つ人が並び始めていたので、
その列に加わって開場を待ちました。
その甲斐あって、狙っていた最前列中央の座席を押えることができて一安心。

開演までのホワイエでは「三条神楽」が演じられていたり、
枡入りで提供されるラテアートを買い求める人の列ができていたりと、
華やかな雰囲気がそこここに漂っていました。

17:35、開演。
まずは色と音の洪水、下駄総踊りで幕が開け、会場中が熱い手拍子で応えました。
続いて、万代太鼓。笛・鐘・太鼓・踊りが
ボルテージ上がりっ放しのステージを降りて、客席通路へ。
ますます観客と一体となって盛り上がる様子を振り返って眺めていると、
最後は横笛一本による厳かな演奏が会場を鎮めていきました。
…ん、この雰囲気。いよいよかな。果たしてその通り。
17:50、一旦下りていた緞帳が再び上がると、照明が入る前の暗いステージ、
その舞台框(ぶたいがまち)際の最前面に、
横一列に並ぶNoism2メンバー9人の姿が朧げに目に入ってきます。

照明が入ると、そこまでとは打って変わって、いたってシンプルそのもの。
照明もそうなら、音楽もそう。
何より、腕と背中を剥き出しにした黒のレオタード+黒のタイツという衣裳がそう。
空気は張り詰め、一瞬にしてクールでソリッドな舞台に早変わりしました。
定期公演で観た「Noismレパートリー」のアナザー・ヴァージョンです。

踊られたのは、『ZONE -陽炎 稲妻 水の月』「academic」(2009)からの断片と
『PLAY 2 PLAY -干渉する次元』(2007)からの断片でしたが、
目にしていた定期公演のときとは異なる新たな演出・編集が施された、
この日限りのスペシャルな演目でした。
すぐ目の前、センターには、次のシーズンからNoism1へ昇格する西澤真耶さんの姿。
で、更にNoism1準メンバーとなる片山夏波さんと三好綾音さんがいる、
このメンバーでのNoism2もこれで見納めだななどと思うが早いか、
様々な記憶が去来するのに任せて、視線を送ることとなりました。
持ち時間はわずか10分だったようですが、
会場中が息を詰めて食い入るように見詰めている様子でした。
18:00、彼女たちのパートが終わったとき、
他の演目とは明らかに趣の異なる拍手が劇場内に谺しました。

その次に登場したヒップホップのUnityも注目チームだったようで、
Noism2~Unityの流れに認められる「芸術性」は、
「熱狂」や「一体感」を志向する他の踊りとはそのテイストを異にし、
このプログラムにおける、ひとつの目玉と言って差し支えないものでした。

その後も、「お祭り」色の強い、会場一体型のパフォーマンスが続いたのち、
プログラムの締め括りには、新潟人の耳に馴染みの深い樽砧(たるきぬた)が登場。
その樽砧の演奏を中央に、出演者全員が一堂に揃いました。
その際、「オラオラ」な素振りが微塵もない控え目過ぎる9人の女性たちは、
他の昂揚した気分の踊り手たちのなかにあって、
どこか儚げで、所在無さげで、遠慮がちで、
先刻、圧倒的な存在感で、空気を支配して踊っていたときとは全く別人のようであり、
今風に言えば、「ギャップ萌え」で、「キュン死」してしまいそうでした。(笑)

おっと、もうひとつ是非とも記しておきたい事柄が。
それは樽砧の素晴らしさです。
見事なバチ捌きから繰り出される、軽快でノリの良い音、音、音。
浸って聴いていると、3年前(2015年8月)の「水と土の芸術祭」において、
旧二葉中学校グラウンドで踊られた
Noism2×永島流新潟樽砧伝承会による作品
『赤降る校庭 さらにもう一度 火の花 散れ』の記憶が蘇ってきました。
アレをもう一度観たいなぁと。
Noism2のレパートリーとして踊り継いでいって欲しい、
新潟らしい名作でしたから。

私は、にいがた総おどりにも、Unityにも明るくはないため、
逆立ちしても、どうやっても、それらについて詳しく書くことなどできません。
しかし、この公演で「オール新潟」の踊りを概観できたような気がします。
逆に、にいがた総おどりやUnityメインで来られたお客さんも、
Noismに触れ、体感し、「新しいジャンル」を堪能したのではないでしょうか。
その意味では、本県が「踊りにまつわる文化コンテンツ」が豊かなことを
改めて実感できる、好適な45分間のプログラムだったと言えそうです。
(欲を言うなら、Noism2ももっと観たかった部分はありますが…。)
個人的には、いずれも新潟に根差す、様々な「踊り」に目を釘付けにされ、
大いに楽しむことが出来ました。

Noism2の出演はこのプログラム限りですが、
「アート・ミックス・ジャパン2018」はもう一日、15日(日)も開催されます。
詳しくはこちらをどうぞ。

(shin)

爽やかな感動を残し、Noism2定期公演vol.9の幕下りる

2018年1月28日(日)は、Noism2定期公演vol.9の「マチソワ」の日。
この日の2公演は、ダブルキャストの両方を続けて観られる日ということで、
マチネとソワレの両方を観にいらしたお客さんも多かったようでした。
そして、この日をもって「3日間4公演」の幕が下りました、
観る者の心に爽やかな感動を残して。
そう、それは、まさに金森さんがツイッターで、
「『時分の花』の、なんと美しいことか。」と呟いたとおりに…。

【1/28マチネ】

【1/28ソワレ】

楽日の日曜日、私も一日のうちにダブルキャストの両方が観たくなり、
午前11時を待って、電話をかけて、急遽、13:30の回の当日券を求めたのですが、
そうやって備えた甲斐がありました。趣の異なる2公演を、
或いは、金森さんの言葉を借りて言えば、「ふたつの異なる世界観」を続けて目にすることができたからです。本当に楽しかった。

その趣の違いを全て書くことはできませんが、例えば、Noismレパートリー中の『PLAY 2 PLAY』パートにおいて、奥側4人と手前側4人の位置が入れ替わることで、雰囲気がまるで別物のように見えましたし、
また、例えば、島地さんの『私を泣かせてください』のラストのソロに関して書くなら、マチネの西澤真耶さんが哀歓を表出していた一方、ソワレの門山楓さんは憧れを迸らせていたと感じました。
もてる力を振り絞り、「マチソワ」に臨み、それを走り切った9人の若手舞踊家は、「身銭を切って」間違いなくかけがえのない経験を積んだことでしょう。更なる飛躍に繋がる礎として。
3日間にわたって、その身体を以て、私たちを非現実の2本立ての「夢」へと
誘ってくれた9人の若手舞踊家に心からの拍手を送りたいと思います。

以下、ホワイエに出て行われた、楽日のアフタートークからいくつか記しておきます。
☆山田さんと島地さんが互いの演目に関してどう感じているかを訊ねる質問を受けて、
山田さんが、「島地さんの作品は日に日に変わっていった。難しいことにトライしている。
ダンサーが尊敬していたし、自分も尊敬しましたね。舵の利かない船を漕いでいる感じ。
成功の瞬間でさえ、頭で思い描いていたものではないだろう」と言えば、
島地さんは、「山田さんがディレクション(演出)しているのを見て影響を受けた。
それは公開リハの際、『ダメだ!』とスパッと言ったこと。言うんだ、この人って、と。
でも、ダンサーは変わるということを信じていればこそ言えること。
みんなのこと、好きなんだねぇ。関係性が凄く見えちゃった。
ボクにはできないけど、やろうと思った。
『ダメ!』と言う強さを持ちたいと思った」と語りました。
★島地さんの指導を得てのちの変化を訊ねられた山田さんは、
自由をテーマに、まるっきり何もない状態から個々のダンサーの決断や判断を大事にして、
チョイスしていくアプローチはダンサーの主体性を育む意味合いが大きいと答えました。
☆外部から振付家を招く際に重視している事柄を訊ねられた金森さんが挙げた3点は、
①第一義的にはやはり才能、
②自分たちでは与えることができない何かを与えてくれること、
③舞踊芸術の力が社会的に有用であることを認め、ともに闘っていける「同志」であること。

★Noismレパートリーにおける衣裳(トップス)について訊ねられた山田さん、
「全部、彼女たちの私物であり、かぶらないようにちょっと変えてみたりしたけれど、
大事にしたのは、個々の背中がどう見えるかという点だった」とのこと。

☆作品のなかで多用された「言葉」について台本の存在を訊ねられると、島地さんは
「セリフは即興ではなく、しっかり決まっていて、100回くらい練習している。
それだけは削らずに残そうと決めていた」と答え、
本人が大好きだと語る「言葉遊び」を今回の作品に持ち込んだ例として、
「悲しみ」→「かな」+「しみ」に分けて、
森加奈さん(かなちゃん)に「シミがない」と語らせたことを挙げて解説。
すると、今度は金森さんが加わって、「言語は音の集積で、社会的な産物。
彼はそれを脱構築して遊ぶ。通常、こうだろうと思われていることを常に疑っている」
という纏め方で、島地さんの人柄の一端を紹介してくれました。
また、今回の人間と魔女のキャスティングに関してですが、
島地さんが新メンバー4人を魔女に据えたのは、なんら意図してのものではなく、
普段一緒にいるからという感じで分けてみたら、
「後で、その分け方って…」と気付くことになったものなのだそうです。

★この日のマチネとソワレで異なる点を訊ねられると、
島地さん、「今日変えたのは、ラスト付近だけ」ながらも、
「どういう風に行ったら良くなるのかを考えて、通常、毎回変えている。
舞踊家の肌艶、におい、エネルギーなどを見て、この『薬』がいいかなぁ、とか。
たまに間違うんだけど、…。」(笑)
「で、楽しみだけれど、凄く怖い。本番で見るドキドキ感は半端ない。
その『賭け』を残しておくようにしている」と語ると、
ここでも金森さんが次のように付け加えています。
「自由に見える瞬間も、そんなに簡単ではない。
(島地さんは)そんな儚さ、脆さ、危険性をよく知る者である」と。
☆ダンサーの細かい仕草について、その演出意図を訊ねられた島地さんは、
「ひらめきや思いつき、ノリ、そのとき出たものを常に信じたい」と語り、
金森さんは「(舞踊の)ルールは常に破るためにある。自由になるためには踏台が必要。
型の大切さ。それがなければ、飛べない」と補足してくれました。
更に、島地さん、作品がある程度かたまったのは「2日前」とか「ゲネプロのとき」と、
驚きの舞台裏も明かしてくれました。えっ、驚きでもなんでもない?(笑)

公演最終日ということもあり、訊けないことがないほどにリラックスした空気のなか進行し、途中、何度も大爆笑が起きたアットホームで楽しいアフタートークも、最後、金森さんの「我々がこうしてチャレンジングなものを創り、それを観た人が、非日常に触れて、何を感じるか。舞踊言語は多様で、社会的に有用であることをこれからも発信していきたい」という言葉をもって締め括られました。

「非現実」にどっぷりと浸かり、夢見心地のうちに過ぎた週末の3日間。とても幸せでした。その多幸感をもたらしてくれた9人の躍動する身体が瞼の裏に焼き付いていて、もう既に次のNoism2の公演が待ち遠しい気持ちが湧いてくるのですが、今はまず何よりも、どうもお疲れ様でした。そして爽やかな感動を有難うございました、そのふたつの言葉を伝えたいと思います。

【追記】金森さんも「事後的に知った」という、島地さん「新曲」2曲入りCD販売は、
この日の追加分も含めて、すべて「sold out」となりました。(笑)
無事にゲットされましたか。
(shin)

Noism2定期公演vol.9中日、ダブルキャストを堪能

日中は太陽も輝き、漸く雪による混乱も収束を見せ始めた2018年1月27日(土)、
前日に知らされた「ダブルキャスト」を堪能するべく、
そして同時に島地作品の「ダブルキャストの謎」に向き合うべく、
りゅーとぴあ・スタジオBに向かいました。

この日は公演が始まる直前になって、ひとりのお客さんが体調を崩され、
会場中がとても心配したのですが、お医者さんに診てもらいに向かったので大丈夫と報告があり、
一同ホッと胸をなでおろすといった一幕もありました。

そんな事情から少し遅れて始まった中日。
まず、山田さんによる「Noismレパートリー」、この日のキャストは左表の通り。
前日、「拍手が起こった」と書いたパートも別キャストになっており、個々のメンバーが訓練を積んだり、経験値を増したりさせる意味合いもあるのでしょうが、更に、互いに「負けていられない」と鎬を削りあう部分も期待してのことでしょう。同期であれ、先輩後輩であれ、切磋琢磨し合い、共に高みを目指していくためにはうってつけのスタイルなのでしょうね。お稽古事の発表会ではなく、誰がいち早く殻を破って頭角を現してくるかが問われる厳しい側面もそこにはある筈なのです。
冒頭、足を踏み鳴らすことで、過度の緊張感を取り去ると同時に、身体に気を込めながら始まるのは同じでも、この日は前日に比べて、9人の若い舞踊家が自信を増して舞台に立っているような印象を強くしました。
動きをなぞっているのではなく、動きが着実に身体化されてきているというか。
削ぎ落された7つの断片とそれを踊る9つの身体は神秘性を纏い、輝きを放ちました。

快調な滑り出しはその後も続き、後半の島地さんの『私を泣かせてください』に関しても、
より確信を増した9つの身体が溌剌と躍動するさまは目に眩しく映じました。
「時間配分を変える」とのことでしたが、「途中まで変更はないみたいだなぁ。
それと『ダブルキャスト』にも見えないなぁ。聞き違いだったかなぁ」など思いながら
観ていたのですが、終盤近くに至り、前日やや冗長に感じられた部分が割愛されて、
滑らかな繋がりを示したかと思うと、ラスト、「私を泣かせてください」に重ねられる
ソロが西澤真耶さんに変わっていて、漸く、「ダブルキャストの謎」は解消しました。
しかし、その西澤さんが踊ったソロは、身体全体から、表情から、右手の人差し指から、
えも言われぬ哀感が立ちあがり、切なくて、美しくて、
いつまでも観ていたいと思うほど見事なものでした。
この日の会場からはその場面での拍手こそ起きませんでしたが、
一様に微動だにせず、固唾を飲んで見つめている様子がビンビン伝わってきました。
会場は揃って魅了されまくりだった訳です。

どちらの演目も終了時には、自らの身体に向き合い、懸命に踊った若手舞踊家に対して、
惜しみない拍手が送られたことは言うまでもありません。
前日よりも両作品の「核」に迫った踊りを見せてくれたと思っています。

アフタートークから
この日も、作品の途中でも拍手していいのか、というよく訊ねられる質問がでて、
それに対する金森さんも、いつものように、自由に拍手して貰って構わない、
但し、反面、周りの空気を読むこともあるだろうし、
端から拍手しようと思って来られるとこれもまた困る、と答えるなかで、
「(『私を泣かせてください』)最後の(西澤さんの)ソロ、良かった。
自分も拍手しようと思ったくらい。でも、芸術監督だしなぁ。立場を考えるとなぁ」という
西澤さん本人に直接聞かせたいような言葉を口にされたことを書き記しておきます。
「あれが観られるのが『舞台』」と付け足されたのも最大級の賛辞だったと思います。

Noismレパートリーに関して
☆冒頭、『Nameless Poison -黒衣の僧』からの抜粋部分、
音楽が途切れる箇所については、「ただ聞こえなくなっているだけで、
内なる音楽はずっと続いている。無音の中で身体が浮き出てくる躍動感、
一緒にズレることなく動くのがあそこの課題」なのだという説明。(金森さん)
★コラージュされたレパートリーについて、再録風に。
金森さん「まずは驚いた。こういう風にシーン、シーンを読み取るんだなぁ、と。
そしてそれがズレていない。なんか照れたし、有難かった」
山田さん「最初に見せた時、自分は『NINA』か何かでいないときだった。
引き出しを開けられた感じだった」
金森さん「俺あてのラヴレター、マジかよと思った」
山田さん「ラヴレターではなくて、リスペクト」
金森さん「照明だけはちょっと言っちゃった」
山田さん「結構わかってると思ってたんだけど、実際にモノを使うのは違った。
イメージはあったが、具体的にはどうやればいいかわからず、アドバイスして貰った」

『私を泣かせてください』に関して
☆「あるってことを信じたい。体がある。体は自分の一番身近にあるもの。
ない何かを信じることも大事だが、今持っている何かを信じたい」と島地さん。
★ヘンデルの「私を泣かせてください」を選んだのは、
カーラジオで聞いて「いいなぁ」と思ったからだが、
「でも、いい曲すぎて、普通は避けたくなっちゃうんだけど、
そんな避けてる自分っていうのもねぇ、…」と選曲のいきさつを説明。
☆作品で言葉がリズム良く使われていることに関して、
島地さん「元来、言葉遊びが好き。
今回もみなさんご存知の(合唱曲)『翼をください』の歌詞を分解して、
音を切るところを変化させて取り込んでいる。
(『いま富とか名誉ならばいらないけど翼が欲しい』)
言葉を使う場合、それを音楽として聴けるかどうかにフォーカスしている」
…実は、『翼をください』という曲名は、
メディア向け公開リハーサルの際、島地さんの口から出ていたのですが、
この日説明されるまで、何のことか確認がつかず、
「確か、言ってたよなぁ、だけど?」って具合の実態不明なワードだった訳です。
次回、観る時には「歌詞」の切られ方に注意したいと思いました。

また、作品に登場する「魔女」の衣裳を身に着けてアフタートークに出た島地さん。
最後にその意味を訊ねられると、「エンターテインメントとして、
サービスしようと思って」との説明でしたが、
きっと前日のアフタートークで質問されたさるお客さんが
島地さんと山田さんをごっちゃにしたまま、最後までその名前の混乱が収まらず、
会場中が大きな笑いに包まれたことからのひらめきだったものと推測されます。(笑)
金森さん、山田さん、島地さんと三者三様の持ち味で、
楽しいやりとりを聞かせてくれました。

そして買っちゃいました、島地保武・「新曲」2曲入りCD♪(笑)

シリアルナンバー入り、一枚300円という安価ながらも貴重過ぎる愛蔵保存盤。
勿論、絵も文字も「by Yasutake Shimaji」。
これから正座して聴きます。(笑)

そんな楽しいNoism2定期公演vol.9も残すところ明日一日、2公演のみ。
既報の通り、前売り券は完売。
当日券は若干枚、明日11時より販売とのこと。
興味のある方はこの機会をお見逃しなく。
(shin)

Noism2定期公演vol.9初日、極寒の新潟に若手舞踊家が熱を運ぶ

2018年1月26日(金)18:30、雪の新潟、悪路をものともせず、
りゅーとぴあ・スタジオBのホワイエに足を運んだ者たちが、
スタッフの指示に従い、手元のチケットに記載された入場整理番号を確認し、
笑みをたたえながら番号順に列を作り、入場を待つ段になると、
Noism2の若手舞踊家がどんな姿を見せてくれるのかと
その場の空気が「期待」一色に染まっているのが見えるようでした。

定刻を5分過ぎた19:05、Noism2定期公演vol.9初日の舞台の幕が上がりました。
最初は、山田勇気さんの演出による金森さん振付Noismレパートリーです。

ほの暗い舞台に陰影を刻む照明、
黒色のレオタードとタイツに剥き出しの背中と腕、
「Noism」を踊る若手舞踊家9人は装うものも隠れる場所も持たず、
まさに身体ひとつで、
観客である私たちにそれぞれの「今」を晒し続けることになる演目です。
或いは、それぞれがその身体で「Noism」を追い求める演目とも言えるでしょう。
その緊張感たるや、並大抵ではないことは容易に察しがつきます。しかしそこは
若手と言えどもやはり舞踊家、若者らしい伸びやかさが客席に届いてきました。

『ASU -不可視への献身』の三好綾音さん、森加奈さん、鈴木夢生さん、
そして『SHIKAKU』の西澤真耶さんに対して、
それぞれ直後に拍手が起こったことも書き記しておきたいと思います。

初日を迎えるまで、懸命に「Noism」たらんと格闘を重ねてきたのだろう
9人の若手舞踊家の姿は、
折しも、冬の厳しさに耐え、花開かんとする蕾を想像させました。
彼女たちはこのあとも、公演を重ねることで、更に歩を進めていくことでしょう。
大輪の花を咲かせる日を目指して。

15分の休憩を挟んで、島地保武さん演出振付の『私を泣かせてください』。
上演時間が「40分」と記されたこの新作、
島地さんの「自由を求める」という言葉がキーワードと見ました。
様々な制約からの「自由」、それは舞台で踊る舞踊家だけで完結するものではなく、
その舞踊家に視線を注ぎ、その「刹那」の積み重ねを共有することを欲する観客にも
求められるものであると受け取りました。
言い換えるなら、そのときの「劇場」が舞踊家と観客との謂わば「共同正犯」によって、
既存の制約や規範、美の概念を脱して、
新たな価値や新たな美を立ち上げることを志向する場所足り得るか、
ということにでもなるのでしょう。

島地さんは様々な方向から、様々なアプローチで、
若手舞踊家それぞれの個性を引き出して見せてくれようとしているかのようでした。
そうした意味でも異色作、或いは意欲作と呼べるものではないかと感じました。
初日を終えたばかりですので、ネタバレは避けたいとの思いから書いてきましたが、
皆さんにはどう見えた(どう見える)でしょうか。
個人的には、後半、牧野彩季さんと鈴木夢生さんが
美しくエモーショナルなバラードにあわせて踊るデュオにも見惚れました。

公演後、金森さん、島地さん、山田さんによるアフタートークにも大勢の方が残られて、3人のお話に耳を傾けていました。
そこでのやりとりから少しご紹介いたします。

☆冒頭、島地さんの「明日、時間配分を変える」という言葉が切り口となり、
金森さんから、「たとえマスターピースとされるものであっても、
振付家はその価値をわからないのかなぁ」という創造一般に関する問いが発せられ、
島地さんが、師匠にあたるフォーサイスが評価を得た自作にすら安住せず、
「弄っては壊してボツにしていくのがいいなと思った」と語ると、
山田さんも、うまくいっているとされる箇所についても、
「何かそういうことじゃないんだよなぁ」と感じることがあり、
自分も客席から観ることで、「ここはこういう意味がある」という発見があると応じ、
3人の一致した見解としては、やはり自分の「creativity(創造性)」を信じる行き方しかないのだと。

★「Noismレパートリー」に関して、山田さんは、過去作をすべて見て、
女性のみの現Noism2の構成から、男性が登場せず、女性だけで踊れて、
ある程度まとまった尺でキチンと音楽があり、
様々な人数構成で踊るものを選ぼうとすると、
選択肢は意外と少なかったとのこと。
そして、何をやらせても訓練にはなるという考えがあったことと、
「今、この娘にこういうことをやらせたい」という思いがあっての選択だったと話されました。
また、金森さん振付のレパートリーを演出することは「凄く面白い経験だった」として、各シーンを元の作品の内容から切り離したとき、
身体の動き、その繋がりが何を大事にしているのか見えてきた。
何故、その振りをそう踊っているのかにフォーカスしていくことで、
方向とか音楽のとり方とか、神秘的といっていいように思った、とのことでした。

☆一方、島地さんは、創作の際、最初に漠然としたイメージはあるものの、
「ほぼ、その人がいて、創る」のだとして、普段の仕草やオフのときの様子を見ながら、「こんなのは面白いんじゃないか」と引き出そうとしたとのお話。
また、「音楽として使ったヘンデルは何に影響されたのかと考えてみると、
古町5番街にクラシックがかかっていて、それかなぁ」とか、
作品に登場する除雪用スコップに関しても、「古町の金物屋さんで見つけたもので、
凄く雪が降った日にみんながそれを使って雪除けしているのを見て、
僕もやりたいなぁと思って」。
で、「ある日、彼がそれを持って現れた」(金森さん)とか、お茶目な面が炸裂していました。
更に、途中に聞こえてくる印象的な「新曲」に関しても、
「普段、そんなことってしないでしょ。あり得ないからやってみよう」と取り入れたそうです。

アフタートークの締めとして、
金森さんから、Noism2定期公演の性格について、
「発表会」とは本質的に異なるものとして、
「若い人たちが頑張っているからそれでいいじゃなくて、いいもん見せてくれ」と、
今後とも厳しい目で見て欲しいと語られ、
予定された時間を大幅に延長して、
21:15、初日は終了しました。
ご紹介できなかったお話もたくさんありますが、そこはご容赦願います。

前売りチケットはめでたく全公演完売となったそうですが、
楽日の日曜日公演には当日券が若干出るそうです。
詳しくは、下の Noism Web Site をご覧ください。

http://noism.jp/n2_teiki_9_tktsinfo/

そして今回の定期公演、どちらの演目も「ダブルキャスト」で踊られるのだと!
「Noismレパートリー」の方はいいとして、
『私を泣かせてください』に関しては、
それぞれの名前を冠せられた登場人物をどうダブルキャストにするのか?
「あり得ない」ように思われるだけに、一層興味が掻き立てられます。

是非、ご都合のつく方はスタジオBにいらして、一緒に Noism2 の「今」を目撃しませんか。

また、本日(10/27)10時より、GWの上野の森バレエホリデイにおける
Noism1 特別公演『Mirroring Memories – それは尊き光のごとく』チケットの一斉販売となります。

http://balletholiday.com/index.html

ますます楽しみなNoismから全く目が離せません。
(shin)

Noism2定期公演vol.9、いよいよ3日後に迫る

これを書いている今日は1/23(火)。
今夜から明日にかけて、
この冬最強クラスの寒気が訪れるという予報に
気が気ではないところですが、そちらは宮沢賢治的心持ちで乗り切るとして、
もうひとつ、気もそぞろになる材料、「慾」はあります。
Noism2の定期公演vol.9が3日後に迫っているためです。
楽しみでなりません。

初日1/26(金)と翌1/27(土)の公演はチケット完売ということですが、
最終日1/28(日)の2公演(13:30~ / 17:00~)はまだ残席があるとのこと。

金森さんが本日午前、次のようにツイートしています。

今日からNoismは午後シフト。開演時間に合わせて朝のクラス時間がシフトする。
Noism2の定期公演は現在4公演(設立当初は3)だが、日曜日が未だ売り切れていないという。
せめて7公演はさせてあげたい。人目に晒される事でしか、気付き得ない感覚がある。
欧州と比べはしないけど、年間50は公演を。

Noism2の定期公演というのは、
素晴らしいパフォーマンスに触れながら、
そのこと自体、若手舞踊家を育てることにも繋がる機会です。
「今」に眼差しを向けつつ、「未来」の飛躍を信じて夢見つつ…。

是非とも満席のスタジオBで踊って頂きたいものだと切に思います。
それもまた叶えたい「慾」のひとつ。
今度の日曜日、まだ予定のない方、
是非りゅーとぴあ・スタジオBに足を運んで、
客席から伸びしろ豊かな若手舞踊家たちに熱視線を注いで欲しいものです。
お席は全席自由、2,000円となります。

なお、最新のチケット販売状況はこちら(Noism Web Site)でご確認ください。

http://noism.jp/n2_teiki_9_tktsinfo/

では、週末、りゅーとぴあのスタジオBでお会いしましょう。

[追記]
下の画像は、1/26(金)早朝(6:46)の新潟市南区付近の広域農道。
地吹雪で完全にホワイトアウトしてしまってます。
こんなに酷い地吹雪は経験がありません。
自動車でお越しになられる方はどれだけ気をつけても充分過ぎることはないくらいです。
どうぞ、くれぐれも最大限の安全運転で。

[追記(その2)] (1/26午後2時の路面状況について)
日中、やや太陽の光も差したことで、車道が顔を見せているところも出てきました。
その意味ではやや寒波も落ち着いてきているのかもしれませんが、
まだ路面は濡れています。
それがこのあとの気温低下で再び凍る「ブラックアイスバーン」になると厄介です。
これ、Noism的な洒落たネーミングに聞こえるかもしれませんが、
路面が、ぱっと見、少し濡れているだけで、凍っているようには見えないため、
事故が起きやすい凍り方で、とても危険な道路状況なのです。
スピードを出していると確実に滑りますし、急ブレーキも厳禁です。
また、ところによっては歩道が雪で覆われていて、
歩行者が車道を歩かざるを得ないこともあります。
スピードは抑えて、気は抜かず、安全運転を心掛けましょう。

なお、「ブラックアイスバーン」についてはこちらを参考にして下さい。
https://matome.naver.jp/m/odai/2139045901725099301

(shin)

Noism2定期公演vol.9メディア向け公開リハ&囲み取材に参加してきました

ちょうど一週間前に新潟を襲った大変な雪も漸く落ち着きを見せ、
今度は一週間後に新しい年の「Noism初め」となるべきNoism2定期公演vol.9を控えた
2018年1月19日(金)の午後、
りゅーとぴあ・スタジオBを会場として開かれた
同公演のメディア向け公開リハーサルと囲み取材に参加してきました。

公開リハは、山田勇気さん演出による金森さん振付Noismレパートリー、
そして島地保武さん演出振付の新作『私を泣かせてください』の順に、
予定された時間を超過して観せて貰いました。

研修生カンパニーであるNoism2にとってのリベラルアーツ(一般教養)ともみなされ得る
過去の作品群からの抜粋を踊る演目と、
人(4)と魔女(4)、そしてその中間の存在(1)というキャラクター設定のもと、
舞踊家それぞれの「下の名前」がひらがな表記された人物として
ある種の物語を踊る演目。

ふたつはまったく逆向きのベクトルをもつ2作品と言えるでしょう。
山田さんが「今回の公演は面白いと思いますよ」と満面の笑みを浮かべて語るのも頷けます。
まあ、いつだって面白いのですけど…。(笑)

ここでは主に、囲み取材でのやりとりから、その一部をご紹介しようと思います。
まず、山田さん演出のレパートリーに関してですが、
金森さんからは、チョイスも、演出も、照明もすべて任されたそうで、
金森さんは、ある意味「モノ」として観てくれている様子。
山田さんが抜粋したのは、金森さん振付の6作品からの7シーンで、
気になる、その6作品とは、順不同で、
『SHIKAKU』『PLAY 2 PLAY −干渉する次元』
『Nameless Hands~人形の家』『ZONE~陽炎 稲妻 水の月』
『Nameless Poison~黒衣の僧』『ASU~不可視への献身』だそうです。

チョイスに際しては、特に深い意図があったという訳ではなく、
女性しかいないことと、音楽のまとまりを考慮しての選択だったとのことですが、
作品性というよりは、徐々に踊りの根源的な部分、神秘的な部分が抽出されてきて、
現在は、今のNoism2でしか出来ないものになっていると感じるそうです。
(振付家が)自分でチョイスする場合、客観視し切れないことが多く、
過度の思い入れがない方がドライに構成できて具合がよいこともあり、
それは自分で創っているときにも大切なことに思うとのことでした。

次に、島地さんの新作『私を泣かせてください』に関してです。
昨年末、金森さんに「通し」を観てもらった際は53分の長尺だったところ、
「30分にしてくれ」と言われ、今、「37分」になっているとのことで、
まだ削るかもしれないが、削らなくても良いものにしたいというせめぎあいもある。
通常、様々に受けてきた影響を自分で崩したいという思いで創作しているのだが、
そういう考え自体が固定観念かもしれず、
「影響を受けていることはしょうがない。
これもOK、あれもOK」と肯定するという、
普段やりたくないと思っていることをやった、とのお話でした。

それぞれに自由を求めて、人と魔女が敵対するという設定は、
図らずも、平原慎太郎さん演出振付の前作『よるのち』(少女と吸血鬼)とも似ていますし、
そちらをご覧になられた方は比べてみるという楽しみもありそうです。
いずれにしましても、快作が見られそうなこと請け合いです。
あと、島地さんが新潟にいると聴きたくなるというヘンデルのカチッとした音楽に加えて、
途中に挿入されるご自身が歌う歌も、要チェックということで。(笑)

また、この間のNoism2メンバーに関して、
山田さんが「なんだかんだ言って、みんな良くなる。
それを見る嬉しさがある」、
島地さんも「うまくなっている。本番、どうなるか見たい。
取り組んでいる姿はとても綺麗」と語るのを聞くに至っては、
一週間後への期待が否応なしに募っていきました。

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今回のNoism2定期公演vol.9ですが、
3日間、全4回公演のうち、
1/26(金)と27(土)は前売り完売(当日売りは現在未定とのこと)ながら、
28(日)の2公演はまだ少し残席があるそうです。
もうチケットはゲットされましたか。
是非、一緒に若き舞踊家の「今」を目撃しに行きましょう。
(shin)