Noism2定期公演vol.10公開リハーサル&囲み取材に行ってきました♪

つい先日、感動の幕を下ろしたばかりのNoism1の公演から僅か3週間弱で始まるNoism2の定期公演vol.10。

3日後に初日を控えた2019年3月12日(火)15時半、公開されたリハーサルとそれに続く囲み取材の模様をお伝えします。

この日、見せて貰ったのは、ゲスト振付家の平原慎太郎さんの手になる新作『BOW!!!』、その導入部分の一部(15分強)。約5~6分のプロローグに続くというその場面は、「私の皮膚…、つややかな皮膚…、その下の肉…」と、内容とは不釣り合いなアニメ声が延々語るなか、上手前方、門山楓さんが踊りだすところから始まりました。中央奥には立てて置かれた長い卓、その陰から鈴木夢生さんが奇しく、そして妖しく顔を覗かせています。

唯一の男性メンバー、カナール・ミラン・ハジメさんを含め、全員が黒い衣裳をまとい、裸足。舞台も黒で、照明は仄暗く、不穏な雰囲気がこれでもかと漂ってきます。

平原さん×Noism2と言えば、即座に、2017年の『よるのち』に魅了された記憶が蘇るというもの。「洋館」(新潟県政記念館)を舞台に、全員うら若き女性メンバーだけで踊られたゴシックロマンスを思わせるそれは、本人たちが充分に意識しているとは言い難い滲み出るかのような未成熟なエロティシズムを、ある意味、確信犯的に撒き散らす野心作でした。

昨夏の初めからノート(プロット)の下拵えを開始し、11月末から制作にとりかかったという今回の新作。この日、その全体像を一「望」することはできませんでしたが、フォーク、ナイフ、皿、ワインボトル、卓、そして灯りといった小道具、不吉に耳に響く哄笑などによって想起させられたのは、ある種のカニバリスム。グリーナウェイ×ナイマン『コックと泥棒、その妻と愛人』、或いはシーゲル×イーストウッド『白い肌の異常な夜』のような張り詰めたおどろおどろしさ、いかがわしさ、或いは、禍々しさ。メンバーの瑞々しい若さと完全にミスマッチなところに妙にそそられます。
更には、リハを止めて、音楽の指示を出す平原さんの口からは、ここはロシア、ここではドイツ、更には「オスマントルコのイメージなんだ」とぽんぽん国名が飛び出してくるので、猥雑で混沌とした雰囲気は弥が上にも色濃くなっていきました。まさに平原さんの独壇場かもしれません。今作もまた「茫」然と見詰めることになるのでしょう。待ち遠しい。早く全「貌」が観たいところです。

囲み取材は16時からでした。
続けて、そこでのやりとりのなかからご紹介しましょう。
まずは、新作『BOW!!!』についてです。
「表現者・ダンサーとしての爆発力を見たいと思う。みんな、僕(平原さん)がやるような表現は経験がない筈。バイタリティで昇華していく、そのプロセスが作品となる」(平原さん)

「作品には明確なストーリーはない。例えば、キュビズムのように、様々な側面があり、多角的。『忘』、『暴』、『紡』、『某』、『棒』など、タイトルの『BOW!!!』(ボウ)に纏わる様々なイメージを紡いでいく。散りばめられたそれらを見つけに来るだけでも楽しい筈。溢れる若さには見応えがある」(平原さん)

「(いつもと違って)とまどう部分もあったかとは思うが、いろんなことを自分の動きにして晒すことができるか。これを通して何が起こるか。変化と覚悟に期待している」(山田勇気さん)

「前回の『よるのち』のときのNoism2とはちがい、定期公演も初めてなら、振付家とのクリエイションも初めてと、まっさらな状態。わからないものもどう成立させていくか。覚悟を決めて、晒していくことを要求している」(平原さん)

併せて踊られる「金森穣振付Noismレパートリー」(『solo for 2』及び『Training Piece』からの抜粋)について山田さんは、
「難易度は高いが、全てやってみて、取捨選択した。同じドリルをやってどれだけいけるか。最初は『踊れる』と思っても、高いハードルであることがわかるところから始まる。鍛錬と心の中の自由のバランスをどう踊るか」と。

外から見た「Noism」の存在について問われた平原さん、
「いい意味で異質。しかしこの形こそがまとも。国内で唯一、プロを養成し、プロが踊るカンパニーも、世界基準で見れば、ごく普通。芸術文化の水準を上げている存在」と。
そして研修生カンパニーNoism2があることも「奥行きですもんね」と平原さん。その言葉をもって囲み取材は締め括られました。

研修生カンパニーNoism2を観ることには、Noism1を観る時とは異なる楽しみがあります。なかでも最たるものは、公演期間中にグングン伸びていく若い表現力を目撃する楽しみです。5名の新顔も眩しい定期公演vol.10。きっと熱いステージが繰り広げられることでしょう。チケットは絶賛発売中。皆さんそれぞれに、「推し」の若手舞踊家の卵を見つけに来てください。

Noism2定期公演vol.10・新作『BOW!!!』(演出振付:平原慎太郎)と金森穣振付Noismレパートリー(演出:山田勇気)、公演は3月15日(金)~17日(日)で、全5公演。(@新潟市りゅーとぴあ・スタジオB)
出演はNoism2:門山楓、岩城美桜、森加奈、森川真央、鈴木夢生、池田穂乃香、カナール・ミラン・ハジメ、杉野可林、長澤マリーヤ、橋本礼美。
乞うご期待!
(shin)

何度観ても感動の嵐

Noismが発足する少し前、“トップランナー”に出演した金森穣さんが「もし自分の作品を観てくれるならば、前回観てよかったからとか、そういうものが好きだから観に行こうっていうのではなくて、何やるかわからないけど、何かやってくれそうだから観に行こうかと思ってもらいたい」と語っていた言葉。これまで、その言葉に裏切られたことは一度もなかったなぁと、しみじみ思い返しています。いつもNoismの新作が発表されるときにはドキドキとワクワクで心が踊り、その舞台は必ず新しい驚きや感動を与えてくれます。この15年間ずっと、常に進化し続けているNoism作品に魅了され続けています。

そんなNoism1の最新作、実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』は、全13回中、本日6回目の公演が終了しました。
ここ新潟で生まれ、歩み続けているNoismの作品は、Noismにしか表現できないものばかりだと言っても過言ではないと思うのですが、この最新作がこれまた凄いわけで・・・。
初日、最前列で『R.O.O.M.』を観終えて立ち上がれなくなり、『鏡の中の鏡』でグスグスに泣いていて、ブラボー!!スタンディングオベーションしたい!!の心境で感動の渦の中にありながらも立ち上がれず、フラフラになっていた私。
実は、その日の最前列の私の隣の方もそのまた隣の方もその隣方もまた、同じ状態だった様子でした。
その後、恩師をお連れして再度鑑賞したときにも、恩師から「新潟の宝だね」と称していただき、感動を分かち合ったのですが、「Noismの舞台をこれからも観続けていきたい。」と、その場で活動支援に申し込むと話してくれて、胸が熱くなりました。
とにかく、圧倒されるほどの感動の舞台。
どうか、見逃さないでいただきたいと思います。

今回の『R.O.O.M.』は、ストーリー性はありませんが、(何かしらのストーリーを見出したならば、それはそれで大正解だと思います!)もしも、わからないから難しいと思っている方がいたら、「わからなければ」と思わずに、目の前の舞台を観て生まれてくる自分の感性に自由になってみてください。
そして、その自由になった感性のまま『鏡の中の鏡』で感情を揺さぶられてみて欲しい。

同じく“トップランナー”での金森さんの言葉・・・
「振付とは、身体の可能性を探し、またそこにひとつの事実を作ること」

その事実が私達にもたらす感動の嵐。
本当に素晴らしい舞台を、今日もまた届けてくれました。
何度観ても感動しっぱなしです。

Noismの舞台が観れる幸せ、噛みしめてます。
明日からまた、頑張る!!

追伸 詳細レポはshinさんアップをご覧くださいませ。

aco



『R.O.O.M.』メディア向け 公開リハーサルを観てきました!

寒いながらも青空が見える、1月18日(金)、新潟市内に雪は全くありません。
先日の会員向け公開リハーサルに続き、メディア向け公開リハーサルを観てきました。

会場のスタジオBにはテレビカメラが3台。
新聞、雑誌等の記者さんたちもたくさん来ていました。
予定ではリハ公開は30分でしたが、なんと、通しで見せてくれるとのこと!
ちなみに今回は、『R.O.O.M.』45分、休憩15分、『鏡の中の鏡』20分の、
80分の公演となります。
舞台装置の箱(ROOM)は、天井や脇がふさがれ、先日の会員リハの時より、
かなり整いましたが、照明はまだです。

「始めましょう」という金森さんの声で、リハーサル開始!
会員リハの時より、ますます磨きがかかっています。

1番目の男性パートは、シャンユーさん以外は新メンバー。
2番目の女性パートは、よく見知っているメンバーなので、
『NINA』やロミジュリ、バヤデール、他、
彼女たちの出演場面がチラチラ脳裏をかすめます。

3番目は井関さんとジョフォアさんのデュエット。井関さんは無重力状態の軟体動物のようです。映画「2001年宇宙の旅」のようなイメージを持ちました。

しかし、やや平静でいられたのはここまで。
このあと次々と繰り広げられる、目まぐるしく、見たこともない凄い動きの連続シーンに、
目も心も奪われて、放心、陶然・・・
あっと気づいて、あと9つのシーンがあるのだと思い、なんとかメモを取ったのですが、
メモなんか取りたくなかったですね~
洪水のような身体の動きの量に、ただただ翻弄されていたかったです。
メモを取ったと言っても、ここで内容を書くようなことはしませんので、ご安心くださいね~
本番をぜひぜひお楽しみに。どうぞご期待ください!
素晴らしいですよ~!!

井関さんのポワント姿、よかった~♪
女性陣はポワントと靴下の両方で魅せますよ~
池ヶ谷さん、キレキレでした~
ロミジュリとはまた違った情報量の多さと、
ボレロのように盛り上がっていくノイズ音楽に、
観る者はノックアウトされることでしょう。

驚きの公開リハーサルの後は、金森さん囲み取材です。
金森さん自身、通しを見たのは、なんと、今日が初めてだそうで、
手応えを感じているようでした♪

以下に金森さんが話されたなかから少しご紹介しますと、…
・箱(ROOM)という制約された空間の中で創作し、新しい動きを実験、発見したい。
・『SHIKAKU』に通底するような実験的作品。初心に帰りたい。
  『NINA』に代わるような普遍的作品を創りたい。
・『R.O.O.M.』は物語性は全くなく、理数的、科学的に人間を捉えた。
・新潟市に限らず、財政難はどこも同じ。何が必要なのか、選択が問われている。
・新市長とはまだお会いしていない。お話ししたいと思っている。
・舞台装置は箱型だが、客席はフラットではなく雛段になる。
・公演後半の『鏡の中の鏡』は、箱の中で私と佐和子が踊る。
 … というようなお話でした。

プレスリリースもご覧ください。

https://noism.jp/wp2015/wp-content/uploads/e695f0f8bc62ae8aaeb8782277825ffe.pdf

本公演を、どうぞお見逃しなく!

新潟公演は、最初の3日間はチケット完売ですが、
1/31(木)~2/16(土)お席に余裕があります。
チケット情報:https://noism.jp/tks_room/

 お誘い合わせて、ぜひ何度もご覧くださいね!
(fullmoon)
(撮影:aqua)

実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』公開リハを観てきました♪

曇天なのか小雨混じりなのか俄に判然としないような2019年1月13日(日)、
新しい年の「Noism初め」として、
実験舞踊vol.1『R.O.O.M』公開リハーサルを観てきました。

会場のスタジオBへ足を運んで、入場を待っていると、
Noismスタッフの方からNHKの取材カメラが入るとのお話し。
前々日の毎日新聞、前日の読売新聞、そしてこの日のNHKと
メディアに取り上げられることが続き、
Noism界隈の潮目がいい感じに変わってきたと嬉しさが込み上げてきました。

予定されていた12:30を少し回った頃、スタジオBに設けられた席へと通されました。目の前には客席側のみ開け放たれていながらも、上方を含め、他の5面が区切られた「箱」状の舞台がありました。それはまるで、映画の横縦比2.35:1と横長のシネマスコープサイズの銀幕のよう。「銀幕」、そう、いみじくも、「箱」の内側5面はいずれも銀色のホイル(のようなもの)が張り巡らされています。その「箱」のなか、上手側にひとり板付きのシャンユーさんの姿。

「さあ、始めましょうか」金森さんの声がかかると、
電気的なノイズのような音楽が耳に届き始め、
陸上競技・短距離走のクラウチングスタート然とした姿勢から動き出すシャンユーさん。
そこに一人、また一人と加わり、5人の男性舞踊家のパートです。
音楽同様、彼らの動きも先を見通すには難しいものがあります。
メンズ5名が履いているのはグレーの靴下。銀色の内側に馴染むかのようなグレーは、
電気的な接点のようでもあります。(あくまで個人的な印象です。)
伸び切らない5つの身体が見せるのは、くねくね絡み合うような複雑な動き。

次は、女性舞踊家のパート。
上手側の壁の下から入って来るのは浅海さん、そして鳥羽さん。
やがてレディースは6人に。
彼女たちは揃ってポワントシューズを履いています。
「くねくね」はありながらも、「コツンコツン」と床を響かせ、直線的に身体を上方へと伸ばそうとする動きが含まれている点に、メンズとの違いも見えます。

続いて3つ目のシーンは井関さんと男性舞踊家・ジョフォアさんのデュエット。
ここでの二人はメンズと同じグレーの「靴下」組です。
「そう来たか!」このパートは前ふたつとは趣を異にする驚きの動きが目を奪うでしょう。
詳しくは書きません。ただ、私の目にはキューブリックの「或る作品」を彷彿とさせるものがあったと記すに留めます。
一体何のことやらですよね。
ご自分の目で本番を観て驚き、浸って堪能してください。

この日の公開リハ、デバイスの不具合から音楽にノイズが混じるトラブルがあり、
2度ほど中断をしながら、3つのパートを見せていただきました。
(もっとも、見ている私たちにはノイズか否かはよくわからずに進行していった訳ですが。)
その後は、金森さんによる舞踊の大手術。舞踊家それぞれが示した動きに対して、
「身体の各パートが独立して喋って欲しい!」、
或いは反対に「四肢+頭で『五肢』同時に!」等々、
金森さんの鋭い「メス」が各所で振るわれ、
一人ひとりの動きが別物に作り変えられていく過程をつぶさに見つめました。

私たちと一緒に公開リハを見守ったのが、元メンバーの宮河愛一郎さん。流れる音楽の不具合に対処する金森さんがその姿に気付いたときには「なんでそんなところにいるの?」、そして井関さんとのデュエットにおけるジョシュアさんの動きの修正に余念がないときにあっても「懐かしいだろ?」と声をかけられるなど、お二人が過ごした時間の厚みが伝わってくるようでした。

私たちサポーターズに囲まれる宮河さんの図
公開リハ終了後、
サポーターズに囲まれる宮河さんの図

この日は、『R.O.O.M』の全12シーンのうち、3シーンを拝見したあと、
最後に客席からのリクエストに応えるかたちで、
金森さんから新しいメンバーを紹介して頂き、
13:40頃、公開リハは締め括られました。

「まだ新潟のチケットはあります。
一度観ただけではわからないので」と金森さん。
理解しようとする視線を送るのではなく、
何より、次々繰り出されてくる「くねくね」などを
虚心に見つめているだけで、
目はこれまで出会ったことのない楽しみに出会える筈、
そんな作品として仕上がってくるのだろうことに違いはなさそうです。
ですから、私たちの側もひとつ鑑賞スタイルの「実験」などしてみる
というのは如何でしょうか。
「観ること」の新しい地平が開けることになるかもしれません。

東京公演は既に前売り完売ですが、
金森さんの言葉通り、新潟公演は最初の3日間(1/25~1/27)を除いて
まだお席に余裕はあります。
一度ならず何度か通ってみる価値のある作品であると確信できました。
皆さん、複数回の鑑賞は如何なものでしょうか。
きっと豊かな体験となることでしょう。ご検討ください。
(shin)

吉報!Noism活動延長を伝える第一報♪

皆さま、嬉しい知らせが飛び込んで参りました。
本日(12/15)、新潟日報朝刊がNoismの活動延長について第一報を報じました。

記事によりますと、
とりあえず、2020年8月末迄、一年間延長の線で
「調整中」とのこと。
近日中に正式発表があると報じられています。

まずは一安心。
ホッと胸を撫で下ろしているところでございます。
で、そうとなれば、これから2020年8月末迄の間に、
なお一層、私たちの力も結集して、
Noismを更に広く浸透、認知させていく
必要がありますね。

皆さまからの、ますます広汎なご支援を賜りたく、
ご報告させていただいたような次第です。

こうであるほかない訳ですけれど、それでも嬉しい、嬉しい。
とにかく嬉しい♪
新市長を迎えても、今日のこの日まで方向性は示されないできました。
この新聞報道に触れるまで、
信じてはいましたが、不安な気持ちもありましたから…。

>11月に就任した中原八一市長に、実績や成果を踏まえ、
>今後の活動の在り方を検討してもらうことが狙いとみられる。

世界に冠たるカンパニー・Noismを抱える自治体の首長として、
その存在意義を見誤るなどある筈もなく、
必ずやNoismと手を携えて歩んでいってくれるものと信じます。
私たちも心をひとつにして更に支えて参りましょう。

良い年の瀬になりました。とりあえずおめでたい!
祝杯をあげることと致します。

【追記】この記事は「新潟日報モア」でお読み頂けます。
こちらからどうぞ。
(shin)

要望通って新潟市HPに「Noism Web Site」へのリンク新設される♪

皆さま、嬉しいお知らせです。
本日2018年9月20日、大変遅蒔きながらではございますが、
新潟市のHPに「Noism Web Site」へのリンクを設けて頂くことが出来ました。
15年目を迎えるまで、それがなかったことが不思議なくらいではありますが、
それは今は言うますまい。何しろ喜ばしいことなのですから。

きっかけは、下の2018年8月19日付の「市報にいがた(No.2677)」。
「りゅーとぴあ開館20周年 市民と共に創り育む」と
「芸術文化をNIIGATAから発信」の文字が踊る、その一面、
使われた数枚の画像の一番上に、
『ラ・バヤデール -幻の国』で文字通り「踊る」井関さんを捉えた篠山紀信さん撮影の画像が掲げられていたことでした。

キャプションには、「りゅーとぴあ専属舞踊団Noism。
日本で唯一の公共劇場専属舞踊団であり、
新潟を拠点に世界へ向けて作品を創作。」という至極当然の賑々しさ。

サポーターズのacoさんと一緒に我がことのように喜びあっていたものです。

しかし、話がそこから新潟市のHPに及ぶと、調子は途端に一変しました。
「Noism」の5文字でヒットするものが少ない、とacoさん。

いつも金森さんが「新潟市の舞踊団です」と言ってくれているのにも拘らず、
何故、新潟市はNoismをPRしないのか。
これは何とかしなければ、という思いで、
HPについての要望を届けることにしたのでした。

新潟市の地域・魅力創造部広報課宛に次のようなメールを出しました。
2018年9月8日のことです。

> 日頃からの、より良い市政に向けたご尽力に敬意を表します。
> さて、少し古い話から始めることをご容赦願います。
> 私は今年春先3月6日付の新潟日報朝刊報道に接して以来、
> Noismの今後に関する不安な気持ちのなかに過ごしております。
> その新聞記事とは次のようなものです。
> >新潟市議会は5日、2月定例会本会議の一般質問を行い、
> >新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)専属の舞踊集団
> >「Noism(ノイズム)」の今後の活動について、
> >中野力文化スポーツ部長は、
> >「これまでの実績や成果を踏まえ、2018年度末までに在り方を検討する」とした
>
> ご承知のように、Noismは過去14年の長きにわたり、
> 精力的に新潟市の文化の一翼を担う活動を行ってきました。
> それは私を含めて多くの新潟市民にとって、そのシビックプライドの醸成に
> 大きな力となるばかりでなく、国内外へも極めて強い発信力をもって
> 「新潟市」をアピールしてきた年月というふうに理解しております。
> しかし、そのNoismも9月から始まった15thシーズンのあとは
> 何も決まっていない状態にあるとか。
>
> 新潟市は過去14年間、そして現在15年目となるNoismの活動に対して
> 税金を使ってきた訳ですから、
> その「在り方」の検討期にあって、充分にその実績の周知をはかる立場にある
> と考えるものです。
> そうした観点からこの新潟市HPに、
> Noism Web Site(http://noism.jp/)へのリンクを
> 設けていただくことをお願いしたいと思います。
>
> 私はNoismへの強い愛着を持つ一市民ですが、
> そうでない方もいらっしゃることは承知しております。
> しかし、なかには未だにあまり詳しく知らないという市民も少なくないようです。
> だとするなら、新潟市は毎年、税金を投入してきていながらも、
> 充分にその説明責任を果たしているとは言いきれない部分が残るのも否めない
> のではないでしょうか。私はそう感じています。
> Noismの「在り方」の検討にあたって、市民の広範な声が反映されるよう、
> 新潟市は、市民のNoismに関する理解とそれに基づく意見形成に資するために、
> その情報にアクセスできる環境を用意する必要があると考える次第です。
> Noismを、過去14年間、市政の一環に位置づけて、
> 主に税金を使って運営してきた主体である新潟市が負うべき説明責任に鑑み、
> 是非ともリンクを設けていただくことをお願いするものです。
> 善処のほど、宜しくお願いいたします。

で、本日、市の文化政策課より、待ちに待った返信がありました。

>メール拝見いたしました。
>shin様からは、Noism Web Siteへのリンクについてご意見をいただきました。
>日頃からりゅーとぴあをご利用いただきありがとうございます。
>また、Noismの活動へのご支援をいただいておりますことに、重ねてお礼申し上げます。
>Noismは、本市の踊り文化の発信・普及・継承に大きな役割を担っていると考えておりますが、
>その活動を継続するには市民の皆さまのご理解とご支援を得ることが重要と考えており、
>shin様からご意見いただきましたとおり、
>本市ホームページ内にNoism Web Siteへのリンクを設けました。
>今後もより一層、皆さまからのご支援をいただけるよう努めてまいりますので、
>引き続きご支援くださいますようお願いします。
>なお、Noismの活動については、実績や成果をもとに3年ごとに検討を行ったうえで、
>活動期間の更新を重ねてきております。
>今後の活動の在り方については、これまでの活動実績や成果を踏まえ、
>今年度末までに検討します。
>メールありがとうございました。

嬉しさいっぱい、勇んで、新潟市HPを訪問しました。
トップページ左脇(メニュー)の「観光・文化・スポーツ」をクリックし、
更に、夏のりゅーとぴあの美しい画像が添えられた「文化・芸術」をクリックしますと、
「新着情報」の下部、「MangaAnimeナビ」の次に、
確かにリンクが設けられていることが確認できました。
辿り着く迄に、若干、手間はかかりますが、
要望を受け入れていただけたことに、喜びと感謝しかありません。

そこで、こちらからの「返礼品」のつもりで、
本ブログでも左側の「リンク」集に「新潟市HP」のリンクを設けました。
「Noism Web Site」への行き方も添えてあります。併せて、ご確認ください。

これによって、本ブログから「新潟市HP」へ行き、
そこから「Noism Web Site」をまわって、
再び、本ブログに戻ってくるリンクの流れが整ったことになります。
めでたし、めでたしです。

そして、これらのリンクが充分に活用されることを通して、
Noismへの理解と支援の輪が更に拡大することに繋がっていけば、
これほど嬉しいことはありません。
皆さま、リンクを存分に使って、更にNoismを盛り上げていきましょう。
ここからが本当の正念場かもしれませんから。
(shin)

08/22朝日新聞夕刊「柳都の舞踊、孤高の輝き」

Twitter の Noism PR 等でも既報の通り、
2018年8月22日(水)付の朝日新聞夕刊にNoismが
「柳都の舞踊、孤高の輝き」の見出しとともに紹介されています。
もうご覧になられましたか。
*上のリンクから、朝日新聞DIGITALに無料登録をしますと、
(1日1記事のみ)全文読むことができます。

その記事は、同紙の山口宏子記者が、
「地域の劇場をたどって」とのタイトルのもと、
現在、日本各地で顕著な活動を続ける劇場を取り上げようと始まった連載記事で、
松本、静岡ときて、今回はその3回目。
この日の記事では、私たちのNoismとりゅーとぴあに焦点が当てられ、
Noismの足跡・業績と存在意義、そして現在、新潟市が直面する課題等について書かれています。
同時に、サポーターズについても触れられていて、
文中に、代表のfullmoonさんの言葉を紹介しながら、
芸術監督に金森さんを迎え、Noismが設立され、
ほどなくサポーターズがスタートした当時の
高まる「熱」がいかばかりのものだったのかをも伝えてくれています。
是非お読みいただけたらと思います。

そのときから14年。
持続可能な文化的コンテンツの在り方を体現しながら活動することで、
Noismが勝ち得た名声と市民にもたらされた誇りにも拘わらず、
今、財政難に喘ぐ新潟市にあって、先行きの不透明感は払拭されていません…。
ですから、この記事に絡めて、金森さんも翌8/23にtwitterで、私たちに、
「ほんのひと時でいい、足を止めて考えてくれたら。」と呼び掛けていて、
それを目にして以来、胸を抉られるような思いも続いています。

朝日新聞夕刊に山口さんが書いて下さった記事と
その後の金森さんのツイート。
その両方をセットに、熟読し、反芻するにつけ、
新潟市はもとより、この国で、否、世界の舞踊シーンにおいて、
Noismが果たしてきた役割の大きさがまず広く認識され、
そしてそれを踏まえつつ、
ここ新潟市で、次世代に向けて、
真に豊かな選択がなされることを期待する思いを一層強くしました。
ともにNoismを支えていきましょう。
(shin)

『ロミジュリ(複)』、「世界を驚かす」まであと2日!

Noism1×SPAC劇的舞踊Vol.4『ロミオとジュリエットたち』、
2度の公開リハーサルを観た感触から、この新作は「観た人の人生を変える可能性がある舞台である」と言っても、何ら大袈裟ではないと断言しましょう。
古典に則りつつ、現代的な問題意識をもって、それを脱構築して描かれる野心作。
支える突出した身体、そして押し寄せる言葉、音楽、文字、映像。
まさにこの時代における「総合芸術」が、
日本、まずは新潟から発信されることは誇り以外の何物でもありません。
世界初演まであと2日。きっと「世界を驚かす」ことになるでしょう♪
7月は今週末の新潟を皮切りに、富山、静岡、そして9月の埼玉を見逃してはなりません!

また、新潟3デイズのあとの公演地である、
富山・オーバード・ホールのHPでも
充実した『ロミジュリ(複)』特集ページをご覧いただけます。
Noismに関する様々に要を得た説明のほか、
退団される中川賢さん(富山県射水市出身)のコメントなども
紹介されていますので、是非お目通しください。
こちらからどうぞ♪

なお、残席僅かな公演日もあります。
お席の確保はお早めに。
(shin)

『ROMEO & JULIETS』メディア向け公開リハ、目の当たりにしたのは溢れる野心

前夜、蹴球の世界最大イベントにおいて、
我が国代表が、フェアプレーを巡るレギュレーションで予選を勝ち上がったことに対し、
「そもそも蹴球におけるフェアプレーとは何か」を問う姿を装いつつ、
ありとあらゆる場所から湧き上がる毀誉褒貶に接して、
正直、少なからず、困惑を覚えながらも、
しかし同時に、この時代にあってなお「侍」と称される者たちが
少なくとももう一度「世界を驚かす」機会を手にし得たことには
安堵と喜びを感じるという、複雑な心持ちで迎えた2018年6月29日(金)午後3時、
りゅーとぴあ・劇場の舞台で、
Noism1×SPAC劇的舞踊Vol.4『ROMEO & JULIETS』のメディア向け公開リハーサルを見せて貰い、
引き続き、金森さんの囲み取材にも参加してきました。

有名な「4大悲劇」もあるお陰で、物騒にも「ひとごろしいろいろ」として記憶される、
1564年(生年)から1616年(没年)を生きたウィリアム・シェイクスピア。
世界的に知らぬ人のない彼の400年以上前の戯曲が、
彼の生地ストラトフォード・アポン・エイボン(エイボン川沿いのストラトフォード)ならぬ、信濃川沿いのりゅーとぴあから、
今、金森さん+Noism1+SPACによって新たな息吹を吹き込まれ、
全世界に向けて発信されようとしています。

この日、メディアに公開されたのは、
先日、活動支援会員およびサポーターズにも公開されたのと同じ第一幕。
もとの戯曲で言えば、「第二幕・第二場」として知られる、
有名な「バルコニー」の場面までとなります。
(もっとも、今回の翻訳テキストをものした河合祥一郎氏によれば、
緞帳などなかった時代のシェイクスピアその人は
幕場割りを設けたりしてはいなかったそうで、
そのため、舞台の流れは、変にリアリズムを追求することなく、もっと自由に
クロスオーバーしたり、ワープしたりなどしながら移り変わっていくのが常で、
近代劇に慣れた私たちの目には「大胆」に映るものであっただろうそうですが…。
*角川文庫「新訳・ロミオとジュリエット」の訳者あとがきを参照されたい。)

この日は、照明も入り、衣裳あり、装置や小道具ありで見せていただきました。
なにより、衣裳の別が明らかにするのは、モンタギューとキャピュレットの区別ではなく、
更に重要な「別の関係」の区別。
恐らく、一目で理解、納得できることでしょう。
閉鎖的な舞台設定。監視とそれに続く威嚇、或いは鎮圧。「大公」の存在。
音楽、身体のみならず、押し寄せる言葉、文字、映像…。
今回のリハを見ていると、
前回、ブログを書いたときにも既に頭にあったのですが、
ミシェル・フーコーが別の著作『監獄の誕生』で取り上げたベンサム
「一望監視装置(パノプティコン)」の印象がより強くなったことも書き記しておきます。

「古典だからと古典的にやることには違和感を感じる」(金森さん)
「現代に置き換えた表現の方が、私たちにはより切実で、創る意義がある。
新しいロミオとジュリエットを表現していくのが、私たちの野心であり、チャレンジ。
演劇であるのか、舞踊であるのか」とも語っておられました。

『ロミオとジュリエット』と精神病棟、その2者に関して、
金森さんは、「現代の監視社会(=病院=精神病棟)の方が先にくる。
そこの患者たちが演じている」というヒントを与えてくれたうえで、
「現代の新しい価値観、新しい感情の在り様、人間や社会の複雑さや多様性など、
難しさに向き合おうとしている」のだとも。
また、今回、手話を作中に取り入れていることに関しては、
「言語表現と身体表現の橋渡しをする身体動作とみている」と説明。

「驚いているあいだにことが過ぎてしまう。3回は観た方がいい」(金森さん)

前回の公開リハを見て書いた以上に「分厚い」印象です。
舞踊というだけでは言い尽くせないその「厚み」は、
更に「総合芸術」の名に相応しい舞台になっていると言い切りましょう。
身体よりも、物語なのか。しかし、身体あっての物語でもある。
いずれにしましても、『NINA』とは対極に位置する創作という印象が濃厚で、
まず、驚きをもって凝視する以外に術はなさそうです。

プロコフィエフの音楽と
七五調という日本語の特性を踏まえて、歌うように語る河合祥一郎訳のテキスト
の相性について、金森さん、
「単なるアイディアではなく、インスピレーション(霊感)で、全て合うと気付いた」

そして最大の謎である「ジュリエットたち」という複数形については、
「最初はジュリエットはひとりでと考えていた。
しかし、未だかつてないような形でやろうと思った。
そして、役者と舞踊家半々をつかって創るとき、
出てない人がいない、『(カンパニーの)みんなが生きる』形を考えたら、複数になった。
もし、Noismが20人だったら、また違ったものになっていただろう」と、そのあたりの事情の一端を明かしてくれました。

発話しないジュリエットという制約のもとで描き出されるロミオとの「デュエット」。
そのリリシズムは、今風に言えば、「ジュリエット(たち)、半端ないって!
そんなんできひんやん、普通!」って感じです。(笑)

極めて、今日的な問題意識を取り込むことで、
古典作品を相手に「攻めている」感も強く漂うのですが、
根源的でオーソドックスな情感で貫かれている点で、
意外に、古典としてみても破綻がない感じがしたことも記しておきましょう。
しかし、このあと、まだ見ぬ第二幕で、
金森さんはどのような着地点を見出そうというのでしょうか。
まさに真の野心作!
一日も早くその全貌を目の当たりにしたいところなのですが、
今は、日一日と近付いてくる
全く新しい「ロミジュリ(複)」世界初演の日まで、
身中募る一方の興奮と向き合いながら、
あれこれ想像しては、楽しんで過ごしていこうと思っています。

なお、この日、Noismスタッフから、
『ロミオとジュリエットたち』特設ページがオープンしたとの告知がありました。
初めて明示されるキャスト表など興味深い内容です。
どうぞそちらもご覧いただき、是非とも「3回」劇場に足を運んで頂けたらと思います。(笑)   (shin)

Noism1 中川賢さん・池ヶ谷奏さん ダンスパフォーマンス

新潟の服飾デザイナー・ペインタ―、Yuto SatoによるUTOPIAイベント・オープニングの一環として、中川さんと池ヶ谷さんが、会場のUTOPIAアトリエで踊ります!
パフォーマンスの時間は短いそうですが、どうぞご覧くださいね♪

日時:6月2日(土)20:00
会場:UTOPIA / Yuto Sato アトリエ(新潟市中央区学校町通2-598)
入場料:1,500円(1drink付)※中学生以下は無料
詳細:http://utopiautopia.jugem.jp/?eid=1609

翌6月3日は、中川さんのトークイベントが富山であります!

●対談企画 中川賢×田辺和寛(DJ/ほとり座代表)
「コンテンポラリーダンスの魅力とは。Noismで踊り続けること」
6/3(日)オーバード・ホール(富山市芸術文化ホール)
映画上映13:00~14:40 上映終了後に対談
http://noism.jp/talk_aubade_nakagawa/

そして金森さんのNHK講座放送も!

●「人間を考える 美を語る」(5/1開催の講座を放送)
6/3(日)NHKラジオ第2
放送時間20:00~21:00
再放送6/10(日)10:00~11:00
http://www4.nhk.or.jp/P1940/

PC・スマホより「NHKラジオ らじる★らじる」でも聴けるそうです(ラジコでも)。
放送終了後は、「カルチャーラジオ 日曜カルチャー」のホームページのメニュー「ストリーミングを聴く」から放送後2ヶ月間、いつでも聴けるそうです。

諸々どうぞお楽しみに♪
(fullmoon)