驚嘆!『セレネ、あるいはマレビトの歌』公開リハーサル!!

2023年5月11日(木)の新潟市は暑いくらいの五月晴れ。折しもこの日から市内某所にてG7のさる国際会議があるとのことで、JR新潟駅を始め、市内中心部には、警察官や警備員が多数配置され、物々しい雰囲気も漂っていました。

その「会議」の「さあ、新潟を世界へ。」という惹句。空虚で実体のない感じが否めず、なんだか失笑を禁じ得ないものがあります。Noismが謳う「新潟から世界へ」とその構成パーツこそ似てはいますが、片や認知だけが関心事であるに過ぎず、片や世界を驚かそうというのですから、そもそも気概なり覚悟なりの点で隔たりを感じてしまうのは私ひとりだけではないでしょう。…そんな失笑。

で、この日の公開リハーサルですが、「メディア向け」かつ「活動支援会員向け」に設定されたものだった訳ですが、メディア各社は恐らく、号令一下、総力を挙げての「会議」対応に追われていたものと思われます。惜しむらくは、日が被っていたために、「文化部」と言えども身動きがとれなかったのではないでしょうか。その点がなんとも残念でした。

そう書くのも、この日見せて貰ったNoism0+Noism1『セレネ、あるいはマレビトの歌』が、「世界へ」の文言がまざまざ実体を伴って想起されるほどスケールの大きな、超弩級の作品だったからです。

12:30少し前に、〈劇場〉に通された訳ですが、〈劇場〉は〈劇場〉でも、「〈劇場〉舞台上」に席が設えられていたことにまず驚くとともに胸が高鳴りました。5/20、21の公演会場である前沢ガーデン野外ステージを模すかたちで、舞台下手(しもて)側をその円形ステージ正面に見立て、その縁を白線で区切ってアクティング・エリアとし、私たちも舞台上に用意された弧を描くかたちの席から見学させてもらったのでした。畢竟、上手(かみて)側舞台袖奥に積まれて片付けられている備品の数々を背景に見ることになる訳ですが、そんな「非日常」も楽しい以外の何ものでもありませんでした。

ちょうど、12:30となり、井関さんからの合図を受けた金森さんの「いいの?じゃあ、いきましょうか」でリハーサル(通し稽古)が始まりました。都合、6方向から進み出た10人。纏っているのは『Fratres』の衣裳です。そこからの55分間、間近から見詰めたものはまさに驚嘆に値するものでした。しかし、今ここではその詳細を書くことはしません。来週末の驚きを奪うことはできませんから。

『Fratres』の黒の衣裳と、「ルミナスイエロー」というのでしょうか、月の色を思わせる衣裳とが対比させられて踊られていく「大きな世界」。聖と俗。或いは邪やら獣性やら。それらが衣裳を着がえるが如くに交錯していきます。愛、希求、浄化…。頭に浮かんでくるキーワードには事欠きません。その目まぐるしさのなか、これまで以上の官能性も見落とせませんが、とにかくスケールの大きな作品と書くに留めておこうと思います。

この作品には、Noism1準メンバーの横山ひかりさんとNoism2から春木有紗さんが出演されています。「ん、誰だろう?」そのおふたりの動きに、目が反応して見詰めている時間もありました。Noism0の井関さん、山田さんを含む12人で魅せる「大きな作品」、とにかく物凄いですから。ご覧になられる方は期待大で!

13:25、尾を引く余韻に対して、「パンッ!」と手を打つ音、続けて「OK!」という声。どちらも金森さんからのものでした。「光、大丈夫?」と、途中、走って捌ける際にスピーカーに激突して左足の向こう脛(「弁慶の泣き所」)から流血したまま踊り通した坪田さんを案じながら、椅子に腰掛けたままキャスターを転がして、踊り終えた12人の方に近付いていった金森さん。そこから感じた事柄を伝える言葉かけに移行していきました。断片的に耳に入ってきたのは、「…結構、晒されている感じのなかで、閉ざしちゃうと弱くなっちゃうから、開いて…」といった言葉。もっともっとと思い、ずっと耳をそばだてていたのでしたが、「もうあがっていただいていいんですけど。稽古なんで」とこちらを振り向いて金森さん。私たちは拍手で応えて、この日の公開リハーサルは終了となりました。

踊り終えた井関さんがふと漏らした「ああ、しんどい」。この物凄い作品『セレネ、あるいはマレビトの歌』、現段階では黒部以外での公演予定はなしとのこと。但し、私たちの熱望のその「熱量」によって、この先、予定変更なんてこともなくはないかと。否、予定変更を現実のものとするべく熱望する必要ありってことで。そんなことを思うほどの超弩級の作品であり、驚嘆の55分間でした。

前沢ガーデン野外ステージでの本公演はそのランドスケープと一体化して神々しさを帯び、見詰める者は魂を揺さぶられ、生涯、心に残るものとなるに違いありません。断言します。(キッパリ)

(shin)

『Noism2定期公演vol.14+Noism1メンバー振付公演2023』公開リハーサル及び囲み取材に行ってきました♪

前日の寒さから一転、春の陽光が指して気持ちのよい2023年4月19日(水)、標記のメディア&活動支援会員向けの公開リハーサル(+囲み取材)に行ってきました。会場はりゅーとぴあ〈劇場〉でした。まずは公開リハーサル、時間は13:30から約30分間。

4/14のときと同様、この日も見せて貰ったのは、『Noism2定期公演vol.14』の方からでした。で、現在のNoism2メンバーは全員が女性ということもあるからでしょうか、Noism1からの出演もあります。さてさて、誰が出るのかはお楽しみに♪

劇場へ入っていくと既に舞台にはメンバーたちがいて、それを客席から見詰める地域活動部門芸術監督・山田勇気さんは、主に照明の具合をスタッフとやりとりしながら試しています。公演当日まで「ベスト」を求めて、まだまだ練り上げられていきそうです。Noism2リハーサル監督・浅海侑加さんはビデオ撮影の準備をしています。そうこうしているうちに、Noism1メンバーも何名か入ってきて舞台に目をやり始めました。

見学する私たちが揃った頃合いで、山田さん、「じゃあグループのところから『クロノス(カイロス1)』まで通していきましょう。照明も入れていきます」と指示を出すと、まず、客電が落ちて、次に舞台上も暗転。そこを経てからの明転で、「オール・バッハ・プログラム」この日の公開リハーサルが始まりました。

まずは『ZONE』より academic から。

続いて『complex』よりデュエット、『愛と精霊の家』より冒頭シーンです。

そして色鮮やかな『クロノスカイロス1』より。

スクリーンに映し出されるのは初演時のNoism1メンバーの姿。ですから、それに対しても若き舞踊家たちの「挑戦」が見てとれるような案配です。

その後、スクリーンの画像や照明の微調整が行われます。山田さんからスタッフに「真ん中へん、ジョフ(旧メンバー)のところ。(画像の)秒数を3秒追加。ゆっくり」とか、「追っかけで8秒くらいかけて消す。みんなの灯り」とか、もう秒単位でのテクニカルなブラッシュアップです。踊るメンバーに向けては、「はけ切りまで走り切りたい」や「幸せそうに走りたい」など、細部の重要性を伝えていきます。

そうこうしているうちに、14時になり、そこからは場所をホワイエに移して、山田さんと浅海さんへの囲み取材の時間です。

主なやりとりを簡単にご紹介します。

Q:見どころは?
 -山田さん:「見てもらったのはNoism2の定期公演の部分だったが、前半の方にはNoism1メンバーの振付公演(4作品)があり、今回、一緒にやることでボリュームがあり、若手の振付家と若手の舞踊家によるフレッシュなエネルギー溢れる公演になる」
 -浅海さん:「振付公演に出るメンバーは定期公演を踊るときとはまた違った面が見られるの楽しみがある。違う作品を踊ることで表現や身体性が変わる。違う強さ、違う表情、違う面が見られる」

Q:J.S.バッハの曲を用いたレパートリーとした理由は?
 -山田さん:
「統一感があってもいいのかなと。バッハはNoismらしいし、バッハの音楽のシンプルな強さと、研修生(Noism2)がやるべきシンプルに身体を鍛えていくことが合致する。また、『挑戦』として、あの音楽に向き合って貰いたかった。やってみたら、音楽ごとに違う表現があるし、音楽がシンプルで抽象的であるため、身体性にフォーカスする難しさがあり、トライして欲しいと思った」

Q:振付公演での作品作りについて何か制約はあったのか?
 -山田さん:
「特にない。ただ、公演が全体で90分くらいなので、(4作品なので)ひとり10分程度に」

Q:メンバー振付公演の作品順はそうやって決めたのか?
 -山田さん
「見てみて、終わったときにどういう感覚が残るかを考えて決めた。音楽の『流れ』も考慮した」

…山田さんと浅海さんへのこれも新鮮だった囲み取材はここまでです。
で、その後、Noismスタッフからなされた告知として、両日とも終演後のアフタートークには、山田さんと浅海さんに加えて、Noism1メンバーの振付家4名が登壇予定とのこと。更に新鮮かつ、色々な面で面白いお話が聞ける機会になりそうですね。
とにかく楽しみな公演2日間。チケットは只今、絶賛発売中。よいお席はお早めに!

で、この日は囲み取材のあとの時間を利用して、なんと東京から(!)私たちNoismサポーターズを取材したい(!!)とのお申し入れを受けていたのでした。
その取材ですが、JR東日本の新幹線車内サービス誌「トランヴェール」の編集ディレクター・籔下純子さんとおっしゃる方からのもの。新幹線で前の座席の背面、あの網ポケットに入っている旅の雑誌ですよね、「トランヴェール」。
その6月号が、新潟のダンスシーンを特集掲載する予定だそうで、新潟の様々な踊りやダンスのコンテンツに混じって、私たちサポーターズについても取り上げたいということなのでした。籔下さん、Noism公演をご覧になられた際に、私たちNoismサポーターズについても興味を持たれたとおっしゃっていました。
fullmoonさんを通じて、acoさん、aquaさんと私、4人でNoismの魅力について、目をハートにしながら小一時間、お話しさせて貰いました。どんな記事に纏めてくださるか今から楽しみです。籔下さん、どうも有難うございました。
皆さま、6月号、是非お手にとってご覧いただけたらと思います。(その「トランヴェール」は、表紙のQRコードを読み込むことで、現在、発行と同時に読めるのだそうです。(期間限定です。)また、1ヶ月後、次の号が出るタイミングになりますと、上のリンクから「バックナンバー」として読めるようになります。)

でも、まずは今週末(4/22土、23日)に迫った、様々に新しさや若さが溢れる『Noism2定期公演vol.14+Noメンバーメンバー振付公演2023』です。お見逃しなく!

(shin)
(photos by aqua & shin)

『Der Wanderer-さすらい人』メディア・活動支援会員対象の公開リハーサルに行ってきました!

冬には珍しく、晴れて暖かな1日となった2023年1月12日(木)。
りゅーとぴあスタジオBでメディア及び活動支援会員対象の公開リハーサルが開催されました!
昨年11/26の活動支援公開リハに続き2回目です♪ 
舞台美術が配備され、いよいよ開幕間近となりました!

先回は前半部分を見せていただきましたが、今回は後半、15曲目からの4作品でした。
ひとつ終わるごとに、主に金森さんの振付指導が入ります。

うわ、何気に超絶技巧~、カッコイイ~、もっと見たいな~、なんという曲かな~
そう思ううちに、あっという間に30分が過ぎて、金森さん・井関さんの囲み取材です。
お二人揃っての囲み取材は初めて、ですよね。何か新鮮でした✨

・作品のテーマは「孤独」。 孤独とは何か、それは愛であり死である。
(金森さん永遠のテーマ)
・前半は愛、後半は死の楽曲で構成。
(上演時間70分、休憩なし)
・一人ひとりをイメージして選曲し、1対1でソロを創ることから始めた。
(曲目が公開されていますので、よかったらご覧くださいネ)
 *曲名を含めた詳細はこちらをどうぞ。:https://noism.jp/derwanderer/

その他の質問。
Q. 金森さんは指導が以前より優しくなったのでは?
A.金森さん:「これまでとは立ち位置が変わった。自分は創りたいものを創るだけで、最終的には佐和子が判断する。ゲスト振付家的な感覚に近づいている。ゲストで行くと優しいんですよ」
井関さん:「舞踊家と振付家は別々の存在。これまでは憑依してしまうようなところがあった」

Q. リハーサル作品中にNoism2メンバーが出ていたが、本番ではどうなのか?
A. 金森さん・井関さん:「基本的には1メンバーでやるが、2メンバーはいつでも出演できるようにアンダーとして付いている。そちらの方が作品が良くなるようなら2がやる場合もある」 ←判断するのは井関さんとのことです。

参加メディアも顔なじみとなり、和やかな雰囲気の囲み取材でした♪

1/15(日)は、視覚/聴覚障がい者及び活動支援会員対象の公開リハーサルがありますよ~!

(fullmoon)
(photos by aqua & fullmoon)

Noism Company Niigata新体制 就任記者会見 開催♪

雨の一日となった、2022年9月1日。
Noism Company Niigataの新たなシーズン(19thシーズン)が始まりました!
シーズン開始にあたり、金森穣 芸術総監督、井関佐和子 国際活動部門芸術監督、山田勇気 地域活動部門芸術監督の就任記者会見が行われました。

2022年9月1日(木)15:00-15:45@りゅーとぴあ能楽堂ホワイエ
登壇者:
金森穣(Noism Company Niigata 芸術総監督)
井関佐和子(Noism Company Niigata 国際活動部門芸術監督)
山田勇気(Noism Company Niigata 地域活動部門芸術監督)
19thシーズンNoism Company Niigataメンバー全員

金森さん、井関さん、山田さんの順に就任の抱負を話されました。
金森さんは、
「2部門制になり、国際部門と地域部門を二人に任せることで、Noismは更に飛躍できると思う。何かあれば相談は受けるが、基本は任せて、自分は俯瞰して見ていきたい。井関にはNoism0,1を任せ、山田にはNoism2を一任する。現在、すでに二人が選んだメンバーになっている。
自分はレジデンシャル制度を成熟させていきたい。大きな視座に立って、Noismを導いていきたい」と話されました。

井関さんは、
「国際部門というと海外関係と思われがちだが、国内外という意味であり、初年度は内側の充実を図っていきたい。新潟からNoismのことを言葉と身体で発信していく。
先シーズンは鼓童と共演して新潟・東京圏以外の地域でも公演し、それぞれの地域の人たちの感じ方を味わった。Noismを知らない人たちにもNoismを知ってもらえるように届けていきたい」と話され、井関さんからNoism1メンバーの紹介がありました。

続いて山田さんは、まず先にNoism2メンバーを紹介してから、
「これまでもやってきたが、より一層、地域に貢献する活動を集中してやる。まずは小学校へのアウトリーチを増やして充実させたい。そしてオープンクラスを担当するので、Noismが培ってきた身体知を広めたい。皆さんには観るだけではなく体験してほしい。
そして研修生カンパニーであるNoism2を担当する。メンバーは夢と理想を持ってここに来るが、現実にぶつかり自分自身と向き合わざるを得ない。技術的なことだけでなく身も心も成長してほしい。2、3年で研修を終えそれぞれの道に進んで行く。一瞬の夢に賭けるメンバーを応援してほしい。地域の人たちに愛される集団になってほしい」と話されました。

以下は質疑応答からの抜粋です。
金森:レジデンシャル制度は、新潟市の行政が文化政策として芸術活動を担う、劇場文化の新しい形。これまで日本には前例が無い。行政と財団とNoismが地域の文化を担う。3者で相談しながら、5年以内に、他の地域にも取り入れられる汎用性のある制度にしていきたい。それはかなりハードルが高いことだが、それだけに献身する意義がある。

井関:市と財団とNoismの3者は対等である。その中のひとつであるNoism内側の体制を強化していきたい。舞踊家は自覚と責任とプライドを持ってほしい。Noism1がどのくらい実力をつけていけるかが勝負。
個人的には公演では、芸術監督ではなく一舞踊家として踊る。芸術監督としてこんなふうに出なくてもいいように、Noism1メンバーに前に出てほしい。いずれ引き継ぎたい。

山田:劇場に舞踊家がいることによって、いろいろ役にたつことができる。皆さんからも声を掛けてほしい。以前、市の人から海岸清掃を依頼されたとき、「こんなことを頼んでもいいんですか?」という雰囲気だった。もちろんできないこともあるが、こちらが思いつかないようなこともあるので、なんでも提案してほしい。地域のいろいろな人たちと繋がっていきたい。

金森:公演は海外からのオファーもある。コロナがもう少し落ち着いたら新潟の外に出たい。地域と、地球の裏側の両方で活躍する舞踊団が新潟にある。それは素晴らしいこと。私だけの夢や妄想ではなく、市民の皆さんと共有したい。

★メンバーのひと言(皆さん、恵まれた環境と応援に感謝していました)
Noism1
井本星那 Sena IMOTO:Noismとしての自覚を持ってやっていきたい。
三好綾音 Rio MIYOSHI:クオリティの高い公演を届けられるように精進する。
中尾洸太 Kota NAKAO:観に来てほしい。高みを目指し、伝えられることを増やしたい。
庄島さくら Sakura SHOJIMA:Noismらしく、且つ自分らしく踊りたい。
庄島すみれ Sumire SHOJIMA:たくさんの人に公演を観に来てほしい。
坪田光 Hikaru TSUBOTA:責任とプライドを持って邁進していけるように努力する。
樋浦瞳 Akira HIURA:新潟市出身で中3の時、Noismを観た。憧れの場所にいる。市民に興味を持ってもらえるように、身体でがんばって伝えていきたい。
杉野可林 Karin SUGINO(都合により欠席)
糸川祐希 Yuki ITOKAWA:プロの自覚を持ってがんばっていきたい。
凖メンバー
横山ひかり Hikari YOKOYAMA:舞踊の力を届けられるように精進したい。

Noism2リハーサル監督・Noism1
浅海侑加 Yuka ASAUMI:Noism2メンバーと一緒に活動していく。新たなことにチャレンジしたい。
(浅海さんはNoism1メンバーとして公演に出演することもあります)

Noism2
兼述育見 Ikumi KANENOBU:心も身体も成長したい。
土屋景衣子 Keiko TSUCHIYA:自覚と責任を持ってがんばる。
渡部梨乃 Rino WATABE:自分と向き合い、闘い、精進する。視野を広く持ち、市民と繋がり、いい踊りと思われるようにしたい。
太田菜月 Natsuki OTA:ひとつでも多くのことを学びたい。
河村アズリ Azuri KAWAMURA:心と身体を強くしたい。
佐藤萌子 Moeko SATO:自分と向き合って、上を目指したい。
高田季歩 Kiho TAKADA:目の前にあることに一つひとつ取組み、精進していきたい。
村上莉瑚 Riko MURAKAMI:心身の中から伝わるような表現ができるように努力したい。

新たな決意の新生Noism Company Niigata。まさにシビックプライド!
ますます応援して参りましょう!

(fullmoon)
(photos by aqua)

Noism×鼓童『鬼』メディア向け公開リハーサルに出掛けてきました♪

朝降った雨が空気中の湿度と化して身に纏わり付くようなじっとりとした暑さのもととなっている、そんな2022年6月23日(木)の13時。Noism×鼓童『鬼』のメディア向け公開リハーサルを観にりゅーとぴあの劇場まで出掛けてきました。

ホワイエの窓際に座って、劇場内に通されるのを待つ間、中の様子を確かめようとしたスタッフが少し扉を開けた瞬間、フォルテッシモの打音が音圧を伴って周囲を浸してしまうようなことがあり、これから物凄いものを体感することになるとの思いを抱きました。

予定時間を少し過ぎて、劇場内に通され、舞台に目をやると、先刻、大音量を発した太鼓をはじめ、楽器は全て鼓童の奏者ともども桟敷の上にあり、Noismメンバーはいつもの床の上にいました。奏でる者は踊る者に目をやる必要があり、かつ、踊る者のアクティングエリアを確保しようとするなら、これは必然の配置かと思われます。その美しき威容。踊る者たちは奏でる者たちが発する音(と音圧と)を頭上から浴びるかたちで踊ることになるでしょう。(『お菊の結婚』との間の舞台転換はどうなるのだろう。そこは当日のお楽しみですね。)

この日の公開リハーサルの前半では、「劇場入りして3日目」(金森さん)ということもあり、まずは太鼓の位置を調整することから始まり、次いで、演奏と踊りを合わせることにじっくり時間をかけながら、綿密のうえにも綿密に、ある「暗転」のタイミングを探ってる様子に目と耳とを凝らしました。口調はいつになく柔らかい金森さんと、更に穏やかな話し振りの鼓童・石塚充さんが客席から舞台上に言葉掛けを行いながら、「ピタリ」のその一瞬を探っていきます。その場面、太鼓の音が始まるタイミングは決まっていても、その後、叩かれる回数が一定ではないらしく、照明のキーのタイミングが掴み難いようでした。

全編にわたって、太鼓と舞踊の間に根源的に横たわる「共約不可能性」とでも呼ぶべきものを超えた「ピタリ」の一瞬を探ろうという双方からの挑戦ですから、容易な筈はありません。初日を迎えるまでブラッシュアップを続けていくことでしょう。そして、これまで観てきたNoismの舞台から明らかなことがひとつあるとすれば、私たちはその果ての達成に身震いするだろうということです。そのときが楽しみでなりません。

予定では終了時間と目されていた13:30、金森さんの「Bを頭からいってみましょうか」の言葉で、作品を一部見せて貰いました。そう、ほんの一部のみでしたが、見惚れました。

その後、13:40頃よりホワイエにて、金森さんと石塚さんへの囲み取材に移りました。少しですが、以下にご紹介を試みます。

*初共演に関して
金森さん: 過去にも鼓童との共演の話はあったが、実現に至らなかった。しかし、「いずれ、いずれ」と思っていたところ、昨年、鼓童の新代表・船橋裕一郎さんとの対談をきっかけに打診をし、快諾を得たもの。
石塚さん: (金森さん・船橋さん・石塚さん)3人とも同世代。共演したいと思っていた。新代表のもと、鼓童の体制や音楽性も変わっていくなかで、打診を受け、「今なら良い共演ができる」と思った。

*和太鼓の生演奏で踊ることに関して
金森さん: 単純に波動が違う。西洋の打楽器とも振動のレベルが違う。身体に強烈に響いてくる楽器。舞踊家はそれを力に変えたり、逆にそれを引っ張り出すような身体だったり、今まで味わったことのない感覚を味わっている。
実演家としては共演者が増えることで密度も濃くなり、単純に楽しい。

*Noismが踊るところで演奏することに関して
石塚さん: ただ音楽を奏でているのとは異なり、自分たちの音に反応して動く生命体が前にいることに、音に入るエネルギーや熱が変わっている感じがする。
曲自体が難しいのだが、それを曲だけで演奏していたときよりも、Noismが入ってからの方が曲に輪郭や命が込められて演奏しやすくなった実感がある。

*今公演の見所は
金森さん: 後にも先にもNoismと鼓童の共演。日本中探しても、このレベルのクオリティで舞台芸術を作っているところはそうはない。それがここ新潟で生まれている。それ以上の見所があるとは思えない。それが新潟の魅力であって欲しいし、それを全国各地、世界に届けたい。
石塚さん: 鼓童とNoism両者が音を出し、動いている空間が贅沢。その空間に身を投じに来て欲しい。

*原田敬子さんの音楽の難しさ
金森さん: 要するに決まってない。何回これやって、何小節行ったら終わりって決まってない。それを奏者たちがその瞬間に選んでいっている。即興性が含まれた楽曲に何とか合わせようとしているのが今の段階。
石塚さん: 今回、使っている楽器数は30以上で凄く多いうえ、細かく厳密な指定がなされている。

*新たな発見について
石塚さん: Noismの皆さんは自分たちの音楽を自分たち以上に聴いているというのがあって、自分たちの音楽でありながら、自分たちが意識していなかったところに命があることを知り、自分たちが持っている譜面が豊かなものに見えてきたことがある。
金森さん: 劇場入りした日に久し振りに鼓童さんの生音聴いたときに、「あれ、こんな感じだっけな?」と感じた。翌日はまた全然違っていて、「なんか音変わりましたよね」と訊いたところ、「自分たちが空間に慣れるように、楽器もその空間における響きに慣れるし、劇場の舞台構造(空間)も、その音を受け慣れる」との答えを得て、その視点を面白いと思った。じっくり時間をかけられる専属舞踊団としての強みを存分に発揮できるものと思う。

様々に興味深かったおふたりの囲み取材が終わったタイミングで、Noismスタッフから新潟3公演のチケット追加発売についてのお知らせがありました。
発売されるのは若干枚のみということですが、6月25日(土)11時よりオンラインもしくは電話にて受付が始まるとの告知がなされ、詳細はNoismの公式サイトにて発表とのことです。チケットの動きが「鬼」速かったためについ買いそびれてしまわれたという方、この機会にお求めください。

期待値がもろ「鬼」Maxに押し上げられたこの日のメディア向け公開リハーサルについてかいつまんでのご紹介でした。このあとは活動支援会員対象の公開リハーサル(6/25・土)後にまたレポートしようと思います。ではでは。

(shin)

Noism2定期公演vol.13 公開リハーサルに行ってきました♪

日時:5月13日(金)14:00~14:30 終了後 囲み取材14:30~14:45
会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館〈スタジオB〉
対象:マスコミ、Noism活動支援会員

朝の雨はすっかりあがって薄日が差す中、気温も上がり蒸し暑いようなお天気です。そんな鬱陶しさを吹き飛ばすようなNoism2公開リハーサル!


本番(5/21、22)が来週に迫る中、『火の鳥』(約25分)を見せていただきました!

『火の鳥』は2011年に金森さんがNoism2のために、そして学校公演を視野に創作した作品で、再演を繰り返し、今回は6年ぶりの上演となります。
登場するのは少年と火の鳥、そして若者たち6名の、計8名。
少年と火の鳥はこれまでもダブルキャストの時がありましたが、今回もダブルキャストで、本日は〇〇さんと〇〇さん♪(あえて伏字)。
少年役は踊りもさることながら表情が素晴らしい! 火の鳥も伸びやかに舞います。

もう一組のキャストのお名前もお聞きしましたが、どうぞ当日のお楽しみに♪
土・日の二日間とも、ぜひお運びくださいね!
公演・作品について等、詳細はプレスリリースをご覧ください。

公開リハーサルには、Noism2リハーサル監督 浅海侑加さんはじめ、金森さん、井関さん、山田さん、そしてNoism1メンバーも参加して注視!
出演メンバーは緊張しますよね~。 Noism2メンバーの二人が体調不良とのことで、代わりにNoism1坪田光さんと準メンバー杉野可林さんが特別に出演します。
リハーサルが終わると、金森さんから若者たちへ、歩き方、立ち方の指導が入りました!
本番がますます楽しみです♪

リハは拍手で無事終了し、Noism2リハーサル監督 浅海侑加さんの囲み取材です。BSNで放送されると思いますのでご覧ください。
浅海さんのお話によると、公演の稽古は昨年末頃から始まったそうですが、メンバーが変わったりしたので、まとまってきたのは4月頃だそうです。
『火の鳥』は再演なので動画があり、それを見れば振りはわかりますが、できるだけ浅海さんから振りを渡すようにしたそうです。振りを自分のものにして表現してほしいと話されました。

難しいのは、全員が組んで踊る場面で、激しい動きの中でリフトして回転させたりするので、同じようになることは無く、難しさを痛感しているそうです。
少年、火の鳥、若者たちが、それぞれ影響しあい、変わっていくことが作品のテーマであり、人と人との関係性を感じてほしいと話されました。

私は歴代の『火の鳥』を観ていますが、やはり最後は泣けますね~。。。
そして、ストラヴィンスキーの音楽にぴったり合っていてすばらしい~♪

■上演予定作品
演出振付:金森穣 稽古監督:浅海侑加
・solo for 2 より 初演:2012 年
・R.O.O.M.より 初演:2019 年
・砕波 初演:2017 年
・Phychic 3.11 より 初演:2011 年
・Me/mento, 4 am ”ne” siac より 初演:2001 年
・火の鳥 初演:2011 年

上演作品、見どころ満載です!
5月21日(土)17:00、 22日(日)15:00 @りゅーとぴあ〈劇場〉
若さ溢れる舞踊家たちの輝きを観に、どうぞ劇場にお運びください♪

(fullmoon)
(撮影:aqua)

Noism×鼓童『鬼』記者発表に行ってきました!

日時:2022年4月22日(金)10:30-11:30(会場受付10:00より/オンライン受付10:20より)
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈劇場 ホワイエ〉
登壇者:
・金森穣(りゅーとぴあ舞踊部門芸術監督、Noism Company Niigata芸術監督)
・原田敬子(作曲家)
・石塚充(太鼓芸能集団 鼓童)

曇り空ながら春らしい暖かさ。りゅーとぴあの桜は終わり、若葉が萌え出ています♪
会場の劇場ホワイエにはテレビカメラやビデオカメラが何台も並び、オンライン参加もあるということで、機械設備がなにやら物々しい雰囲気です。

*公演の詳細は、こちらのプレスリリースをご覧ください。▶Noism×鼓童『鬼』プレスリリース

上記資料が配布されました。司会は りゅーとぴあ坂内さん。

まずは金森さんがお話しされ、企画の経緯や作品について、「新潟」をテーマにしたいということ、作曲家 原田敬子さんとの出会い、鼓童 船橋さんとの対談等について話されました。上のプレスリリースをお読みいただけると、ほぼおわかりになると存じます。

続いて原田敬子さんです。
2019年 利賀村のシアターオリンピックスでの曲を聴いているので、どんな(怖そうな)人かと思っていたら、なんと、見目麗しく、スリムで、明るくて面白くて、もしかしたら天然入っている?と思わせるような方で驚きました!

原田さんは作曲のためのリサーチをされたそうです。シアターオリンピックスがあったので、2018年頃から頻繁に新潟に来ていたそうですが、この度は「新潟をテーマに」「新潟とは何か」ということで、Noism・鼓童見学のみならず、いろいろなお店の人にもリサーチし、新潟の政治、音楽、地形などの研究者も5名紹介してもらってお話を伺ったそうです。
新潟の人は真面目で堅実、土地に根付いたものを作っているという印象のようです。
今回の鼓童の出演者は、20代半ば~後半の若い新世代7名で、それに「声」が入るそうです。
全員楽譜が読めて、「太鼓が好き!」という個性豊かな面々で、「いろいろな鬼がいるな~」と思われたそうです。
「鼓童は40年の歴史があり、その前に鬼太鼓座として10年、合わせて50年の歴史がありますが、これまでは、能力の三分の一しか使っていないのでは」と話され(ビックリ)、「鼓童さんのからだの中が変容してしてしまうようなものになってほしい」と期待されました(二度ビックリ)。

続いて、鼓童 石塚充さん。
「Noismには以前から注目していて、自分は いちファン。いつかは共演したいと思っていて、ようやく実現した。一緒に稽古をして刺激を受けている。」
「原田さんの楽曲に取り組んでいるが、難しい。これまでの最高難度だが、得るものが多い。魂を注ぎ込んでいる。充実した時間である。早く観ていただきたい。」と話されました。

登壇者のお話が終わり、会場からの質問、続いてリモートでの質問となります。

かいつまんでご紹介します。

Q:原田さんにとって「新潟らしさ」とは?
-原田:Noismと鼓童が実現してくれると期待している。タイトルの『鬼』は鬼太鼓座の「鬼」にも由来している。鬼にまつわる民話も多い。鬼は人間が作り出したものであり、新潟発にとどまらず世界に通用するテーマ。心が邪鬼に襲われた、ネガティブな暴走を振り払いたい。

この回答に対し、金森さんから、
「鬼はネガティブなだけのものではない。負だけではなく、それを肯定し、光にもなりうるもの。」
原田さんも、「鬼太鼓の鬼はいい鬼です。」と。

Q:観客に示したいものは?
-金森:「新潟スゲェー!」
-石塚:スマホやパソコンなどで何でもできるような時代だが、生身のからだが素晴らしいことを見てもらいたい。

Q:作品について、新潟に住んでいる者として、お互いが受ける刺激について。
-石塚:特に意識はしていない。日々の体験が結果として出ていると思う。佐渡や新潟を意識しなくても面白い作品と思う。
-金森:我々は実演集団。からだに新潟が宿されている。
刺激と言ってもまだ4日のみだが、集団生活をしているせいか、鼓童は大人。向き合い方全てが真摯。
-石塚:Noismはからだの鍛え方が凄い。全力で磨き上げていく魂が凄い。
音楽を神様に捧げるときは、踊る人を通して届ける。これまでは自分たちのみの演奏を観客に届けていたが、今回は違う。 

Q:利賀村やサラダ音楽祭は別として、初めての生演奏だが。
-金森:太鼓の強烈な響き方がヒリヒリして面白い。自分も少し踊る。
-石塚:鬼はいい意味で人間のことであり自分たちのこと。身近な人たちへ、神様との橋渡しとして、人間のエネルギーを変化させて願いとして届けたい。

そのほか、同時上演の『結婚』についての質問もありましたが、とにかく劇場に来て、その場に身を投じて体感してほしいという金森さん、石塚さんの強い気持ちが伝わりました。

原田さんから、サービストーク?として、
「曲に旋律は無い。リズムがある。それは心臓の鼓動で、歪んだ3拍子。鼓動は洒落じゃないけど、鼓童が由来。鼓動が全曲に渡っていろいろな形で出てくる。それが新曲の特徴。」

-金森:7名の鼓童は14本の腕を持った鬼。14名のNoismは手(足)を28本持った鬼。

そして最後に金森さんから…
「これは公演の後に言おうと思っていたけど今言います。原田さんが一番『鬼』です!」

おあとがよろしいようで♪

(fullmoon)
(撮影:aqua)

新潟日報「Noism 脱皮への次章」、地域貢献に期待する声を報じる

2021年12月29日(水)の新潟日報朝刊は、前日分(「上」)に続き、文化面に「Noism 脱皮への次章」を掲載しました。前日のブログにて、3回展開かと予想しましたが、この日の掲載分は「下」とのことで、なら、「前編」「後編」の方が良くないか、とか思いながらも、その気持ちは棚上げし、(←こうして書いてしまっては、「棚上げにならない」の声も聞こえてきそうですが、)とにかく、「下」をご紹介します。

新潟日報・2021年12月29日付け朝刊より

今回は、新「レジデンシャル制度」のひとつの眼目でもある、「地域活動部門」設置に関する記事構成となっています。端的に言えば、前回の活動継続期に「課題」との位置付けがなされた「市民還元」の取組みに梃子入れをして、更に浸透度を増そうという体制に関するものです。

触れられているのは、市山流宗家、にいがた総おどり、全国大会で上位に食い込む高校ダンス部の活躍等々、「舞踊のまち新潟」を印象づける数々。

そのなか、まず紙幅が割かれているのは、新潟市洋舞踊協会の第9回記念合同公演(2020/10/4)、井関さんのほか、当時のNoism1メンバーだった林田海里さん、チャーリー・リャンさん、カイ・トミオカさん、スティーヴン・クィルダンさんが新潟市内のバレエ教室に通う若者たちと共演したのでした。作品は『畦道にて~8つの小品』、金森さんが一から振り付けた完全な「新作」でした。勿論、当日、私も客席からその舞台を観ていたのですが、「これはひとつの大きなメルクマールになる」、そう思って目頭が熱くなったものでした。

次にこの日の記事で見逃せないのは、「今期は初めて、市内の高校ダンス部出身者がプロカンパニー『ノイズム1』のメンバーになった」の1文でしょう。勿論、それは奇しくも、前日、本ブログ「私がダンスを始めた頃」に掲載した樋浦瞳さんのことです。そうしたことからくる期待もあるにはあるでしょうが、それ以上に、もっと純粋に、先般の『Endless Opening』で見せたその伸びやかな踊りに新鮮な魅力を感じた方も多くいらっしゃる筈です。かく言う私もそのひとりですけれど。で、その樋浦さんなら、新潟市や新潟市民とのリンクの役割を果たすことに不足はありません。そう感じた次第です。

記事に戻ります。その締め括りに置かれた市舞踊協会の若林さんの言葉、「金森監督には、今後も新潟を文化都市として成熟させるという大きな目標に向かって進んでもらいたい」。同感です。
そうした思いとは裏腹に、行政サイドは、恐らく、Noismのこれまでの「17年」を長いとみた部分もあるのでしょうが、決してそんなことはありません。新「レジデンシャル制度」で設けられた「1期5年」乃至「2期10年」の上限で目指される「目標」は、果たして大きなものたり得るのでしょうか。「文化都市としての成熟」はもっと長い射程で捉えられるべきものではないのでしょうか。金森さんが常々唱える「劇場文化100年構想」こそまず議論され、そして共有されて欲しい理想と言えます。

勿論、「国際活動部門」路線も重要な訳です。世界的にリスペクトを集める「余人をもって代えがたい」芸術監督・金森さん。彼がいてくれる新潟市の未来は明るい筈。真に文化的な方向での刷新を旨とする(庵野秀明氏ばりの)「シン・レジデンシャル制度」を求める所以です。

(shin)

地元紙・新潟日報、新「レジデンシャル制度」に関する記事を掲載

Noism0 / Noism1 『境界』東京公演の幕が下りてしまい、ファイナルの高知公演(1/10)まで、年末年始2週間の「Noism-less」期の今、2021年12月28日(火)、地元紙・新潟日報がその文化面において、「Noism 脱皮への次章」という記事を掲載し、新「レジデンシャル制度」について取り上げています。この日(12/28)分には「上」とありますので、あと2回が予定されているのでしょうか。
クリスマス期の耳目を集めた『境界』東京公演の感想がSNS各所を賑わせている現在、多くの方からの関心が寄せられるものと思われます。「新潟の動向には注目が集まっている」状況下、県外の方にもお読み頂きたく、ご紹介を試みたいと思います。

新潟日報・2021年12月28日(火)朝刊より

私も、本ブログを担当している関係からでしょうか、「市民サポート団体」として取材を受け、皆さんの気持ちを代表するだろう思いを話してきました。

金森さんが心血を注いだ17年という年月が折り畳まれているNoism Company Niigataの現在地。新潟で、東京で、あの『境界』ダブルビル公演を観た後の今、私の中にある、やはり「金森さんなしでは」の思いはより強固なものになっています。否、常に思うところに過ぎないのですけれども、それ。

このあと、(多分)「2回」(?)がどのような内容なのか。いずれにしましても、「No Noism, No Life.」の私たち「市民サポート団体」にとって、「Noism-less」の今であってみれば、次が待ち遠しい道理ではあります。
そして、そもそも、地元紙が取り上げる新潟市の新「レジデンシャル制度」ですが、その刷新振りで全方位的な大きな期待感を集める、言うなれば「シン・レジデンシャル制度」であって欲しい、否、そうしたものにしていかなければならないと思う年末です。
皆さんからのコメント、お待ちしております。

【追記】「Noism 脱皮への次章」翌日掲載分はこちらからもどうぞ。

(shin)

『境界』メディア向け公開リハーサルに行ってきました♪

12/9(木)久しぶりに晴れて、気持ちのいい一日となりました♪ りゅーとぴあ劇場で14時半~『境界』公演、山田うんさんの『Endless Opening』メディア向け公開リハーサルに行ってきました!

まず驚いたのは「台車」? ベッドのようにも棺のようにも見えますが、山田うんさんによると『身体(からだの象徴)』なのだそうです。

人は生まれるのも死ぬのもベッドの上で、生きている間は横たわっている時間がとても長い。生と死の象徴でもある、この台車(?)を自分の身体のように使いこなさなければならないのですが、ちょっと難しそう。『ロミオとジュリエットたち』の車椅子を思い出しましたが、それよりも難しいのでは。

でももちろん、ずっと台車と一緒にいるわけではなく、素晴らしいダンスを見せてくれます♪ 花のような風のような、見ていると優しい気持ちになります。「献花」「多幸感」「喜びの花束を渡したい」という、うんさんの言葉通りの踊りです。

音楽はボロディンの弦楽カルテット第2番 第1~4楽章で、とてもきれいな曲です。 衣裳は花のようにカラフルと聞いていますが、この日はまだ稽古着でした。本番が楽しみです♪

30分のリハーサルのあとは山田うんさんと金森さんの囲み取材。山田うんさんは「新潟はすべてが綺麗で美しく、食べ物も飲み物も美味しくて、最高!」と話されました。Noismメンバーについては、力強くしなやかな身体、素晴らしい躍動感、Noismは新潟の宝物であり財産であり、一緒に舞踊を創っていくのはとても光栄と褒めてくださいました。

対して金森さんは「ゲスト振付家のうんさんに褒めてもらったが、ダンサーはその言葉に応えなければいけない。私では引き出せないものを、うんさんから引き出してもらいたい」と話し、「ぜひ見てください!」を連呼しました。

また、ご自身の作品については「うんさんと全く同じ心境です」とし、井関佐和子さんのお祖父様が最近亡くなられたお話をしました。井関さんは「生きている間は特に思い出したりしないものだが、亡くなるとその人のことを考え、より身近に感じる」と話されていたそうです。まさに『Near Far Here』ですね。

NCNがクリスマスに贈るふたつの作品、どうぞ大切な人とご一緒にご覧ください。

Noism0 / Noism1 境界新潟公演 | Noism Web Site

(fullmoon)
(撮影:aqua)

【追記】
この日のリハーサルの模様を伝えるUX新潟テレビ21のニュース動画へのリンクを貼りますので、ご覧下さい。
 → UX新潟テレビ21「キーワードは『境界』…三途の川も表現」(12/9木20:39配信)

(shin)