『かぐや姫』2日目(10/21)Bキャスト & 金森さんアフタートーク♪

爽やかな秋晴れの10/21(土)。
世界初演の興奮と感動が覚めやらぬまま2日目の劇場へ。


公演初日はドキドキハラハラの連続で、輝く舞台と盛りだくさんの内容に圧倒されました!
2日目はキャストが変わり、舞台の雰囲気も変わりましたが、素晴らしさは変わりません✨
特に2幕の姫と道児のパ・ド・ドゥは切なさに感涙・・・
影姫の、大臣4名とのダイビングのようなパ・ド・サンクに瞠目!
影姫は両キャストとも迫力満点です!
かぐや姫はお二人とも本当にかわいくて可憐で美しくて儚くて、細くて・・・
第3幕は白い世界・・・幻想と現実と終焉が・・・

第1幕45分、20分休憩、2幕40分、15分休憩、3幕40分、
と長いのですが、あれよあれよと物語は進み、気がつけば終幕。
スタンディングオベーションで歓声を送っている2日間でした♪

2日目の終演後は金森さんのアフタートークです♪
聞き手は共立女子大学准教授・舞踊研究家の岡見さえさん。

岡見: 今のお気持ちはいかがですか?
金森: 最後のクリエーションは怒涛というか必死でした。今は何か他人事というか、傍観している感じというか、自分事として捉えられていません。明日はもっと感慨に浸れるかもしれない。
岡見: ドビュッシーの音楽がこの作品のために作られたかのようですが。
金森: そう言われると振付家として嬉しいです。様々な音楽を聴いてドビュッシーに辿り着きました。

ほか、かぐや姫をテーマに選んだ理由、バレエ作品の振付について、キャラクターの魅力、月と日本人の精神性、翁について、かぐや姫の謎 、バレエの技法とNoismメソッドをどう融合させるか等々、既報の各インタビューやプログラムに掲載されている内容についても改めての質問がありました。

詳細どうぞお読みください。

https://madamefigaro.jp/series/interview/231016-kaguyahime.html

https://balletchannel.jp/32867

https://thetokyoballet.com/blog/blog/2023/10/3-1.html

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023100200760&g=etm

岡見: 東京バレエ団との仕事はどうでしたか?
金森: 一番最初の1幕の頃はゲスト的に迎えられて、お互いに緊張していましたが、回を重ねるごとにだんだん慣れてきて「あ、また来たの?」みたいな、東バのコレオグラファーのようになっていきましたね。
東京バレエ団との縁は続いてほしいし、『かぐや姫』をぜひ再演してほしい。
「残る作品」というのはいろいろな舞踊家が踊っても作品が崩れないことだと思います。そういう意味でも、今回A・Bキャストがあってよかったと思います。

岡見: 第3幕は「バレエ・ブラン」(白いバレエ。古典バレエにおいて女性ダンサーたちが白いコスチュームで踊る作品及びその場面を指す用語で、純粋で正統的なバレエの形式。バレエ・ブランは非現実的な世界(妖精や精霊、夢の中など)を表現するのに適した形式で、『ラ・シルフィード』『ジゼル』『白鳥の湖』(湖畔の場面)、『ラ・バヤデール』の『影の王国』などが有名な例)のようでもありますが、現代的な要素も山盛りでした。
金森: 夢のようだけれども「今」を共有、共感できるような、それを可能にするような作品を創りたいと思っています。劇場での出来事、感動を共有してほしい。劇場はたまに行くところではなく、生きていくために必要な所、そう思えるような作品を創っていきたい。劇場文化は特別なものではなく、日常や自分の心と響き合うものであるということを多くの方たちにわかってほしいです。

岡見: かぐや姫は何者だったのでしょうか?
金森: 姫は生まれましたが、私が創ったのではなく、自分は「触媒」だったと思います。
世代、時代を超え、日本や海外のバレエ団でも上演してほしいです。そしてその問いの答えを皆さんから聞きたいと思います。

というようなお話でした。書ききれなくてすみません。
「月の姫」はふところ深く、謎をはらみつつ、新作でありながら古典となるべく生まれました。
日本人振付家・金森穣によるグランド・バレエが誕生する瞬間に立ち会うことができて、本当に幸せです♪

(fullmoon)

瞬きするのも忘れて瞠目したNoism0 / Noism1「領域」新潟公演中日♪

前日の雨からも湿気からも解放されてはいても、文月朔日らしからぬ中途半端な気温などは、今度はどこかもの寂しくもあり、人とは随分勝手なものだななどと思うような一日、2023年7月1日(土)。

Noism0 / Noism1「領域」新潟公演の中日。前日に引き続き、2演目の舞台を堪能してきました。初日は全体を一望する席(11列目)でしたが、この日は最前列(3列目)から舞踊家たちの身体をガン見。瞬きするのも忘れて瞠目したため、ドライアイ状態になるも、そこは我慢。捩れる身体に翻る衣裳、上気した顔や迸る汗の粒などを大いに楽しみました。

舞踊演目の始まりと終わりや、更には舞台の正面性にさえ疑問を投げかけるかのような側面を宿しながら、金森さんと井関さん、ふたつの身体がともに領域を侵犯し合い、果てに渾然一体となった「じょうさわさん」を立ちあげつつ、落下を続ける古米のごとく弛みなく、舞踊を生きてみせる『Silentium』。

対して、舞台の正面性にこだわり、ソリッドでクールな格好良さにこだわり、編まれては解かれていく様々な関係性が、目まぐるしいがまでの舞踊の連打として、アクティングエリア上のあちこちに現れるのを目で追うことの快感に満ちた『Floating Field』、その愉悦。

ふたつの演目、この日も大いに満喫させていただきました。

終演後は金森さんと井関さんによるアフタートークがありました。やりとりは主に『Silentium』に関するものでした。かいつまんでのご紹介を試みたいと思います。

Q: 1対1の創作、逃げ場がなくて苦しくはなかったか?
 -井関さん: 黒部での野外公演後の一ヶ月、私にとっては地獄でした。
 -金森さん: 逃げ場要る?
 -井関さん: 要らないんですけど、ホントに逃げ場がない状況なので…。
 -金森さん: 劇場出たら、だらっとしてるじゃない。(笑)
 -井関さん: ふたりで創作する大変さ、目の前の人に向き合うしかない。公演前の一週間でやっと何かを見つけ始めた。
 -金森さん: よかったね。
 -井関さん: ハイ。
 

Q: 二見さんの作品、そして踊るメンバーを見てどう思ったか?
 -金森さん:  格好いいダンス、うまいなぁって感じ。 空間処理や、動く身体がどっちに流れて、重心がどう動いて…とか。 踊るメンバー、ガンバレ!
 -井関さん: 二見さんは素晴らしいダンサー。それを吸収しようとしている。いい関係だなと。しかし、舞台はその人が、その人の人生がそのまま出てしまう。その意味では、まだまだ若いなぁと思った。同時にまだまだ先がある。これからが楽しみ。
 -金森さん: ぶち壊せ!

Q: 衣裳のオーダーはどういう感じだったのか?
 -金森さん: 音楽を聴いてもらって、あの衣裳が来た。「何じゃあ、これ!?」びっくり、たまげた。もとは一枚の布。剥がして破いていく過程を見た。
 -井関さん: ホント狂ってますよね、興奮した。(笑)

Q: かけがえのないパートナーと踊ってどう思ったか?
 -金森さん: 特にない。もうあの時間は消えていて、言わば死んでしまっている。あれをご覧いただけてよかったなと。
 -井関さん: 皮膚から出てくる「ことば」凄い。滅茶苦茶出てきて、もの凄く速く「会話」している。踊っていて、(美しい意味じゃなくて、)導かれている。その「会話」が楽しい。

Q: あの金色はホントの金箔か?
 -金森さん: 箔押ししているが、本物ではない。
Q: 剥がれたりしないか?
 -金森さん: ちょっとずつ剥がれてきているが、いっぱい洗濯してくださいとも言われている。
Q: 汗とか大丈夫なのか?
 -金森さん: 着ていると暑いが、見た目以上に動き易い。但し、大事な皮膚が覆われているので大変。いつも以上に集中しないと。

Q: アルヴォ・ペルトの音楽を選んだのは何故か?
 -金森さん: 黒部での創作でペルトを聴き漁っていたら、「見えてきた」から。他に音楽を聴いていたら「降ってきた」のが、お米や壁。あの壁は『Der Wanderer-さすらい人』の壁。どちらも使い回し。(笑)

Q: 今回の照明について。
 -金森さん: 今回の照明のキューはペルトの繰り返される音楽に基づいて16回とまず決めてかかった。通常は30分で大体100キューに届くところ、今回は極端に少ない。みんなに「絶対に嘘」と言われたが。(笑) いつもは身体を起点として合う照明を作っていくのだが、今回は音楽に合わせて照明を入れていくことにしたもので、いつもの逆コースと言える。あと、最初に緞帳が閉まるのもそう、逆。
「振り」も音なしで作ったが、それは大変だった。踊っていて、いつも同じではない。ふたりで「この瞬間、ちょっと遅れているね」とかやっている。

Q: 井関さんの髪の色がさっき黒かったのに、今は金色だが…
 -井関さん: 衣裳の宮前(義之)さんが、「ふたりとも黒髪がいい」と言ってきたので、踊るときにはスプレーで黒くしている。終わったら、筋肉を落ち着かせるために水で冷やすのだが、そのとき、黒も落としている。落としておかないと大変なんで。

Q: 蝋燭の炎も印象的だが、使うと決めたのはあの金の衣裳が来てからか?
 -金森さん: 生の火、降り続けるもの、大きなものが降ってくることなどは衣裳が来る前から決めていた。あの金色の衣裳、宮前くんも音楽に共振したのだろう。

ざっと、こんな感じでこの日のアフタートークの報告とさせていただきます。

で、いよいよ明日がNoism Company Niigata、今シーズン最後の新潟公演となります。来シーズンには『鬼』再演など注目の公演も組まれていますが、まずは、明日です。もとい、書いているうちに日付が変わっていましたね。本日です。新潟公演楽日のりゅーとぴあ〈劇場〉の客席を大勢で埋めて、おのおのの熱い視線を舞台に注ぎたいものです。お初にご覧になる方も、二度目、或いは三度目の方も揃って熱演を目撃しに参りましょう。贅沢この上ない公演ですゆえ、見逃すのは大損ですよ。

(shin)

感性の領域を押し広げられずにはいない2演目-Noism0 / Noism1「領域」新潟公演初日♪

雲が垂れ込めた鈍色の低い空からはひっきりなしに雨が降り続け、湿度が高かったばかりか、時折、激しい風雨となる時間帯もあり、まさに憂鬱そのものといった体の新潟市、2023年6月30日(金)。しかし、私たちはその憂鬱に勝る期待に胸を膨らませて、19時を待ち、劇場の椅子に身を沈めたのでした。Noism0 / noism1「領域」新潟公演初日。

ホワイエにはこれまでの外部招聘振付家による公演の(篠山紀信さん撮影の)写真たちやポスター等が飾られていたほか、見事なお祝いのスタンド花もあり、それらによって、内心のワクワクは更に掻き立てられ、舞台に臨んだのでした。

開演時間を迎えると、顕わしになったままだった舞台装置の手前に緞帳が降りてきて、客電が落ちます。それが再びあがると、Noism0『Silentium』は始まりました。沈黙と測りあうような音楽はアルヴォ・ペルト。先日の黒部・前沢ガーデン野外ステージでの『セレネ、あるいはマレビトの歌』に続いてのペルトです。そして、数日前にビジュアルが公開された金色の衣裳は宮前義之さんの手になるもの。眩い金一色に身を包んだ金森さんと井関さん。久し振りに髪が黒くなった井関さん、たっぷりした衣裳の金色も手伝って金森さんと見分けがつかなくなる瞬間も。そのふたりが絡み合い、動きに沈潜していくと、2体だった筈の身体領域は溶け合い、ほぼ一体化してしまい、もはやふたりには見えてきません。それは「じょうさわさん」と呼ばれるのが相応しいほどで…。おっと、まだまだ書きたいのですが、ネタバレみたいになってもいけませんし、これがギリギリ今書ける限度でしょうか。ただ一言。観ている側も己の感性の未踏の領域を逍遥せしめられるとだけ。

15分の休憩を挟んで、ノイズが轟くと、二見一幸さん演出振付のNoism1『Floating Field』です。こちらは以前の公開リハーサルで全編通しで見せて貰っていたのですが、照明と衣裳があると、(ほぼ身体だけを用いることは変わらないのに、)やはり格段にスタイリッシュで、実に格好いい仕上がりになっていました。そして小気味よく心地よい動きの連鎖や布置の更新の果てに何やら物語めいたものが立ち上がってくるかのようにも感じられます。随所で、脳内の「快」に関する領域(扁桃体)をくすぐり、ドーパミンの放出を迫ってくる憎い作品と言えるでしょう。

そしてこの日はアフタートークが設けられていて、地域活動部門芸術監督・山田勇気さんと二見一幸さんが登壇し、『Floating Field』に関して、主に客席からの質問に答えるかたちで進行していきました。なかから、いくつか、かいつまんでご紹介します。

Q: 誰がどこを踊るかはどう決めたのか?
 -A: 直接、触れ合ったなかで、ワークショップの様子などを観察して決めた。

Q: 二見さんの「振り」・動きはどうやって出てくるのか?
 -A: まず適当に音楽をかけて、即興で動きを作っていく。そのなかで、伝えら
れないものは排除して、相手の舞踊家に「振り」を渡して、キャッチボールするなかで、刺激されながら作っていく。
音に合わせている訳ではなく、音と関係ないところで作っていくが、そのうち、音が身体に入ってきて、自然と合っていく。 

Q: 作品を作るときに信条としているものは?
 -A: 自分のやりたいと思ったものが心に訴えかけるものでないこともある。客観的に判断して、独りよがりにならぬよう修正・変更したり、変えていく勇気を持つこと。

Q: 井関さん曰く、「金森さんと共通性がある」とのこと。どこだと思うか?
 -A: グループを組織して牽引していることから、メンバーを活かすことやタイミング的にどういったものを踊ったらよいか考えているところかと思う。

Q: Noism1メンバーの印象は?
 -A: 踊りに対して向き合う姿勢がプロフェッショナル。と同時に、ふとした瞬間に、可愛らしい人間性が垣間見られた。一回飲みに行きたかった。(笑)

Q: テーマ「領域」について
 -A: まず、二見さんが送ってくれた「演出ノート」があり、金森さんも同様に、お互いに作りたいものがあり、そこで共通するものとして「領域」と掲げた。
舞台の空間(領域)において発表することを前提に、Noism1メンバーのコミュニケーションの在り方、繋がり、意識、身体を用いて、最後は天昇していくイメージでクリエイションを行った。

…とそんな感じだったのでしょうか。最後に、山田さん、「二見さんはご自分でも格好いい踊りを踊る」とし、更に「(二見作品は)その日によって見え方も変わってくると思う。まだチケットはありますから、また見に来てください」との言葉でこの日のアフタートークを結ばれました。

あたかも「万華鏡」のように、舞台上の様々な場所で動きが生まれ、踊りが紡がれて、様々に領域が浮遊するさまを楽しむのが二見作品『Floating Field』だとするならば、金森さんと井関さんがそれぞれ領域を越境し、侵犯し合い、「じょうさわさん」と化して展開する一部始終に随伴することになる金森作品『Silentium』。畢竟、いずれも観る側の感性の領域は押し広げられて、見終えたあとには変貌を被った自らを見出すことになる筈です。

「ホーム」新潟での残り2公演、お見逃しなく!

(shin)

「今日よかったよね。毎日いいんだけど」(金森さん)、月曜午後3時開演の『Der Wanderer-さすらい人』新潟公演8日目(アフタートークあり)

2023年1月30日は月曜日。この日、8日目を迎えた『Der Wanderer-さすらい人』新潟公演の開演時間は午後3時。冷え込みや降雪量はさほどではありませんでしたが、風があるため、体感温度はかなり低く感じられる、そんな一日でした。

アフタートークの冒頭で井関さんが出待ちに青空を見て、「ホントにキレイ。青空を見ながら聴くシューベルトはホントに哀しくなっちゃって…」と仰られましたが、時折、そうした青空がインサートされ、千変万化、移ろいながらも、最終的にはデフォルトの灰色に戻っていく、そんな天候だったように思います。

さて、「完売」で迎えたこの日の舞台です。私は最前列に腰掛けて、上方から陰影に富む音楽が降ってくるなか、11人の舞踊家を見上げていたのですが、これも金森さんがアフタートークで「今日よかったよね。毎日いいんだけど」と語った芳醇な非日常に身を浸して、心は揺さぶられ、目頭が熱くなるような圧倒的な1時間あまりを過ごしました。

今回は特に各舞踊家それぞれに用意されたソロ・パートが注目される作品なのですが、それ以外にも「目のご馳走」はふんだんに用意されています。「てんこ盛り」と言ってもいいくらいに。で、個人的には、庄島姉妹のデュオ・パート、そしてメンズ4人(中尾さん・坪田さん・樋浦さん・糸川さん)で踊るパートに毎回クラクラきちゃってます。でも、いざ、こうやって幾つか取り上げてみると、あれとかこれとか、他の場面も外せない気持ちになり、やっぱり最終的には「終始、ガン見しなくてはならない」という結論に舞い戻る他なくなるのですけれど。それでも、好きだなぁ、あのふたつ。まあ、そんなふうに、気持ちは行ったり来たりなんですが、観た方ならわかってくれますよね、この感じ。困ったことです、まったく。(笑)

大きな拍手が送られて、終演。その後、3回目となるアフタートークに移っていきましたが、ホントに大勢の方がその場に残って、金森さんと井関さんのお話を楽しみました。質問も多数出たこの日のやりとりをかいつまんでご紹介します。

Q:お薦めの席はあるか。
-A(金森さん):かぶりつきの前の席、舞台を見下ろす後方の席、左右もパースペクティヴが異なるし、どの席も全然違う。全部お薦め。

Q:一部、ダブルキャストなのか。
(*この日は太田菜月さん(Noism2)の出演回でした。)
-A(井関さん):みんな若いため、浮き沈みもある。キャストになるのが当たり前の世界ではない。欧州では、ある日突然変えられたりすることもあるが、それで終わりじゃない。そういうことを経て舞踊家は変わっていく。
-A(金森さん):みんな頑張っているので、決断も容易なことじゃない。欧州なら公演回数も多いが、Noismの場合、キャスティングが外れると次は半年後になってしまう。踊る機会があればあるほど成長するものではあるし。しかし、今回は、みんなよくなった。これが彼らですから。

Q:最後のシーンでは観ていて涙が流れる。
-A(金森さん):『夜と夢』、最初からエンディングに決めていた。凄く残酷な話になったので、お客さんをこれで帰す訳にはいかない、それでも何か届けたいなと。

Q:昨今の学校教育では感情を封じ込められがち。
-A(金森さん):そうなの?今の学校、わからないんだよね。
-A(井関さん):今の時代、以前より頭で考える方が多いように思うが、先に分析してしまうのはもったいない。
-A(金森さん):感じないということはない。劇場に来て、全身全霊を傾ける姿を見て欲しい。不幸や災いや人間の業など疑似体験できる場所が劇場。そこでは虚構を通じて受容することが許されている。
-A(井関さん):虚構を虚構としてではなく、信じていないと「嘘」として捉えられてしまう。
-A(金森さん):「リアリティ」とは受け止め方であり、我々一人ひとりのなかに「リアル」がある。その場としての劇場があり、それを許容するものが作品である。 

Q:選曲と振付はどのように行ったのか。
-A(金森さん):先ずは楽曲を選んで、「合う」ものにしていったのだが、「似合う」というだけの問題ではなく、肉迫していくことを要したり、作品全体のリズムということもあった。

Q:愛と死がテーマとされているが、歌詞の内容から選曲したのか。
-A(金森さん):(700曲あまり)全部聴くんですよ。(1)先ず、全集を録音したディースカウから聴いていって、(2)楽曲からインスピレーションが湧くかどうか、(3)歌手と録音が合うかどうか、そうやって選んでいった。

Q:メンバーの解釈を深めるために面談など行うのか。
-A(金森さん):面談はない。昨日の終演後、ここ(スタジオB)に集まって、感じたことを伝えた。どうしても守りに入りたくなるもの。でも、より深く、より遠くへと「挑んだ」ことが大切。リスクはあるんだけど。
-A(井関さん):外からの目は重要。

Q:喜怒哀楽の表現について。
-A(金森さん):新しい舞踊を創る際の身体表現として、最高のイメージは手話。但し、それは一挙手一投足、全てが何かを物語るものという意味合いでの。

そしてこの日のアフタートーク、最後の質問は、何と舞台の井関さんから(!)客席に向かって発せられたものでした。
Q(井関さん):月曜日の午後3時からの公演ってどうですか。夜7時ではなく。
-A①:冬の遅い時間だと雪が気になってキツイ。夏なら夜7時開演でも構わないが。
-A②:今日は名古屋から来た。日帰りが可能。一日休みをとれば済む。
…など、月曜日は休み、或いはこの日は休みをとった、はたまた、年金生活者なので、と、この日に足を運ぶことが出来た人たちが座る客席からは好意的な反応が返されていました。

以上、アフタートークの報告でした。

その後、りゅーとぴあの外に出てみると、待ち受けていたのは物凄いと言えるほどの風雪。「ながれ旅」ではなしに、「冬の旅」気分で車を走らせて帰宅しました。

新潟公演も残すところ、あと3公演。(そのうち、木曜日の公演はまだ席に余裕があるとのことです。)日を追うにつれ、芳醇さを増してきています。これからご覧になる方は期待値MAXでスタジオBまでお運びください。おっと、重ねてご覧になる向きも同様に、期待値増し増しでどうぞ。

(shin)

今回、金森さんが目指す「詩と音楽に三つ巴で拮抗するもの」を目撃する観客の喜び♪(『Der Wanderer-さすらい人』新潟公演3日目・アフタートークあり)

2023年1月22日(日)、一時、鈍色の空から雪片が舞い落ちる時間帯もありましたが、案じられたほどの降雪にはならず、『Der Wanderer-さすらい人』新潟公演3日目は、この日もチケット完売で、無事、その開演時間(15:00)を迎えることができました。

一時の荒れ模様も…
数分後には…

この日は初日と同じキャストで、シューベルトの歌曲21曲によって構成された「70分(正味60分強でしょうか)」の演目が紡ぎ上げられていきました。この日も私は演者の呼吸音すらダイレクトに届く最前列に腰を下ろし、11人による「さすらい」をおのが全身で受け止めるように見詰めました。

演者がバトンを受け渡すようにして入れ替わりながら、今回の見どころとされるそれぞれのソロが踊られていくのですが、勿論、複数人で踊る場面も拘りの演出振付が施されており、刮目を要することは言うまでもありません。つまり、70分間、様々に注視して臨むべき演目と言えるでしょう。

新潟全11回公演のうち、「第1クール」最終日のこの日は、11人の舞踊家たちの伸びやかさが増していたように見ました。世界初演の舞台は順調な滑り出しを示したと感じます。

終演後、客席はほぼ全員が残ったままに、「丸3年振り」(金森さん)となるアフタートークが開催されました。そのことをまず喜びたいと思います。私たちに向き合って腰掛けた金森さんと井関さんが柔和な表情を浮かべ、ユーモアを交えながら、質問に答えてくださいましたし、客席も「この日を待ってました」とばかり、例外なく、20分間の「アディショナルタイム」を満喫していました。
では、井関さんの「Noism国際活動部門芸術監督の井関佐和子です。こちらはいつもの金森穣さんです」で始まった、その折のやりとりからかいつまんでご紹介いたします。

Q:全体のテーマは?
-A(金森さん):愛です。何故、人はさすらうのか。他者に対する愛、そしてそれを超えて、自分が輝ける場所を求めてさすらう。そして愛に付随するものとしての孤独と死。シューベルトの700曲を超える歌曲を聴いて、音楽家の魂のなかに聞き取った。

Q:パンフレットの表紙のメンバーの表情はどういう表情なのか?
-A(井関さん):まずはメンバー一人ひとりの表情がわかるもの。「色々な顔であって欲しい」と穣さん。そこからデザイナーさんが選んだ。
-A(金森さん):証明写真や遺影みたいにはなりたくなかった。(笑)多様性があったらいいね、と。
-A(井関さん):何考えているのかわからないのがいいね、と。(笑)

Q:歌曲のソリスト(歌手)についてはどう選んだのか?
-A(金森さん):メンバー一人ひとりを思い浮かべながら、色々な録音から選んだ。そして、実際に踊るのを見て、合わないとなったら、また探した。
-A(井関さん):同じ曲なのに、あんなに違う作品に聞こえるのが面白かった。自分も一度、男性の声でやってみたら、全然違うな、となった。(笑)

Q:赤いバラが頻繁に使われているが、思い入れがあってのことか?
-A(金森さん):他の色は考えなかった。意外と色々考えてそうに見えますよね。(笑)イメージしてみたら、そこにあったバラが赤かった。

Q:手応え、印象、課題について。
-A(金森さん):作品は出来上がると見守るしかない。彼らが一期一会で色々なものを見出して欲しい。生き切って欲しい。それを届けて欲しい。
-A(井関さん):「ひとりで立つ」のは足が一歩も出ないくらい今でも怖い。普通ではない危機感を感じて、「怖いと思って欲しい」と言った。慣れにならないように、怖い思いをしていって欲しい。

Q:21曲を選曲した理由は?
-A(金森さん):振付家としてインスピレーションが湧くもの、そして、彼らが踊っている姿が見えたものを選んだ。加えて、「イブニング公演」全体を通してのリズムも考慮しながら、パズルのようにして嵌めていった。そして、今のNoism0とNoism1にしか出来ないものを、と考えた。

Q:「ソロ」の構成に込めた思いは?
-A(金森さん):これからのNoismに何が大切か考えたとき、一人ひとりがお客様を呼べるようになること、一人で立てるような個々人がここ新潟で活動しているのが夢。

Q:歌曲の内容との関連は?
-A(金森さん):関係性はあるが、一義的なものではない。詩と音楽と三つ巴、四つ巴になり、拮抗するものを目指している。
-A(井関さん):今回、メンバーに歌詞の日本語訳を渡したのは珍しいことだった。
-A(金森さん・井関さん):「大人の事情」から、その日本語訳を示すことは出来ない。色々探してみて欲しい。

Q:演出振付されたものを踊るとき、個々のダンサーが担う責任範囲として、「表現」はどう生まれてくるのか?
-A(井関さん):演出の世界観・時間の流れ・振付の意図を理解して、作家を超えたものを返すのが至上命題。与えられた言葉や示された動きではなく、作家の大脳に働きかけること。頭の奥に何が潜んでいるのか、それを探り、奥へと入り込んでいく作業が楽しい。
-A(金森さん):方程式は何もない。作家と実演家がそうした相手を見つけること、それをベジャールさんは「愛」と呼んだ。

Q:木工美術の近藤正樹さんとの出会いは?
-A(金森さん):8年前、『カルメン』のとき、友人夫妻を介して知り合った。美術をお願いすると、いつも面白がってくれる。
-A(井関さん):いつも想像を超えてきてくれる。

…と、そんなところでしたでしょうか。


最後に、この度、夕書房さんから刊行された金森さんの著作『闘う舞踊団』について触れられると、「何を目指しているか」が分かって貰える筈、と金森さん。私は(一度目)読了しましたが、まったくその通りと思いました。必読の好著ですので、是非お買い求めください。
(これは個人的な事柄ではありますが、私、光栄にも、終演後のホワイエにて、本日の公演に足を運ばれていた「ひとり出版」夕書房・高松夕佳さんその人にご挨拶したうえ、この本の素晴らしさと受け取った自身の感激について直接お伝えすることが出来ました。とても嬉しいひとときでした。)

更にもうひとつ。今週の水曜日と木曜日にはまだまだ席に余裕があるため、是非お越しください、と金森さん&井関さん。新生Noism Company Niigataの船出、或いは意欲的な「さすらい」を是非お見逃しなく♪

【追記】この記事へのコメント欄に、fullmoonさんによる 1/25(水)公演および 1/26(木)公演+2回目のアフタートークについての報告もありますので、よろしければご覧ください。

(shin)




演劇公演に行ったら…

庭劇団ペニノ新潟公演「笑顔の砦」作・演出:タニノクロウ
9月3日(土)18:00の回@りゅーとぴあ劇場 

アフタートークのゲストとして金森さんが登壇する回なので行ってきました♪
そしたらなんと折込配布チラシの中にこのようなものが!

Noism Company Niigata 冬公演 仮チラシ更新!
『Der Wanderer ーさすらい人』
演出振付:金森穣 音楽:シューベルト歌曲 
出演:Noism0、Noism1

速報!Noism Company Niigata 冬公演チラシ♪

「一人ひとりのメンバーソロから構成する」最新作。
そして、日程詳細も♪
どうぞご予定ください。
楽しみですね!

さて、肝心の演劇公演、なんというか、舞台セットを含め、徹底したリアリズムに驚きました。アフタートークでは金森さんも「人の家の中をリアルに見ているような」と話されました。それもそのはず、出演者はセットの中に住み込んで稽古していたのだそうです!
特に取り立てて何も起こらない他者の日常生活を傍観しているうちに、徐々に没入していったという金森さん。そのきっかけは、「二つの部屋のそれぞれの主人が一人だけになった時、自他の境界が崩れたところに惹かれた」とのこと。精神のリアルが提示されて面白かったそうです。さすが金森さん。

ほかにもタニノさんの面白変人ぶりがわかるビックリするようなお話がたくさんあり(そのお話を引き出す金森さんの方が司会者のよう)楽しい20分間でした♪
金森さんとタニノさんは全くの初対面で、打ち合わせも無く、終演後に舞台袖で会ったのが初顔合わせだそうですよ。
終了後、山田勇気さん、浅海侑加さんほか、Noism1・2メンバー数名、お見かけしました♪

(fullmoon)

『鬼』5都市ツアーを熱く回顧したインスタライヴ♪

東北、北陸ほか、この度の豪雨被害に遭われた方々に対しまして心よりお見舞い申し上げます。

2022年8月3日(水)20時半、金森さんと井関さんが、先月1ヶ月間、都合5都市をまわったNoism×鼓童『鬼』ツアーを終えて、アフタートーク的意味合いのインスタライヴを(おやつなしに)行いました。おふたりのインスタアカウントからアーカイヴ(これを書いている時点では一時的に消えてしまっているようですが、)で観ることができますが、こちらでもかいつまんで、極々簡単にご紹介して参ります。

(※アーカイヴ、復活してますね。めでたし、めでたしってことで♪)

☆2004年『black ice』(6都市)以来の長期ツアー: 場所を変えながら、躍り込める。それで気付くことも多い。鼓童と一緒で「一期一会」感も強かった。

★クリエイション: ストラヴィンスキー『結婚』の方から始めていて、楽曲(『鬼』)が届いたのは1月終わりから2月頭の頃。オリジナル音楽での創作も2007年『PLAY 2 PLAY』以来と久し振り。「新曲の方が自分のものになる。穣さんが新しい曲に向き合うときは面白い。事前準備ない、台本ない。(音色が)自分が選ぶっていうものばかりじゃない」(井関さん)「既存の音楽は『恋愛結婚』、オリジナル音楽は『お見合い結婚』だから、結構、ハイリスク」(金森さん)

☆音楽家・原田敬子さん: 「2年前に利賀で一緒に創作(『still / speed / silence』)していて、音楽の作り方、美意識等、少しは知っているが、鼓童の太鼓にとお願いした今回は全く未知だった」と金森さん。聴き込む金森さんの傍ら、井関さんは「自分のなかで先入観が生まれてしまうから」と敢えて暫く聴かなかった。ここ数年は「固まっちゃうから」稽古に入る前は聴かないようにしているとも。

★楽曲『鬼』: 「どこも解り易くない。来た順番も結構バラバラだった」(井関さん)「色々組み替えていいと言われていて、一曲の中でも3分割して配置したりした」*(金森さん)「見えないものと向き合う感。金森穣への挑戦状だとすぐわかった。これ、どうやって踊るんだろうと思った」(井関さん)「音が少ないと思った。無音、静寂が滅茶滅茶多かった。音が鳴ってないときの緊張感がデフォルトなんだなとわかったから、無音を身体化する、無音の時間をどう構成するかが肝になると思った。始まり方は結構悩んだ。無音がデフォルトなら、最初の1音が鳴るまでが肝になってくるから色々試した」(金森さん)
*註: 楽曲的に一番長くてリズムが明白な一曲(F)を3分割して配置したと言う。作品全体の構成は、「E(冒頭・ほんの1分ほど)→F1(リズムが明白・男性のシーン)→B(赤い女性たち、遊郭のシーン)→F2(「夢覚めて」男性のシーン)→A(鬼登場~鬼逃げる)→D(大鬼を召喚してしまった3人のシーン)→F3」とのこと。

☆鼓童の生演奏について: 「全部、『生』かと思いきや録音の部分もある」と井関さん。それが「最初は録音だけで、途中から録音と生声が混じる、声の部分」と明かしてくれました。また、ツアーには、原田さんと一緒に仕事をされている音響デザイナー・野中正行さんが帯同してくれ、彼によるPA(音響機器)を介した音だったこと、世界最高峰のマイクのことやロームシアター京都の「音」が凄く良かったこと等も話されました。

★音楽を舞踊化し、空間化すること: 選択肢はごまんとあるが、どこかの段階で「これじゃなきゃダメ」ってなる。もう揺るがなくなり、そうするための音になってくるのがベスト。今回、『鬼』に関しては納得していると金森さん。

☆井関さんが感じたこと: 「井関佐和子」が「井関佐和子」を超え始めたな、やっと始まったなと思った。元来、決して「憑依」型ではなく、常に冷静な自分がいる。その冷静な自分がハンドリングできない自分。「そこまで行くんだ」と客観的に見ている自分がいるんだけど、それを止めることも出来ないし、止めようとも思わない。冷静な自分がビックリした。その超え方が今回初めて見えて、凄く面白かった。自分の理性よりも、ある種の動物的な勘みたいな、えも言われぬものが存在してしまう、と言えば良いかな。

★鼓童の生音楽から: 「指揮者がいない。みんな指揮者を見て、その絶対的に制御する人が出した音に対して踊っているのとは違う。鼓童の7人も要所で舞踊家を見ている。お互いを見ながら、お互いを感じながらという緊張感。鼓童一人ひとりの演奏が、実演家の憑依をどう促せるか、どう掴めるか、それが彼らに懸かっているという緊張感が凄い」「『身体が生きなきゃ』ってなるとき、堪らない」(金森さん)

☆今回の『鬼』の魅力は「映え」ではない。(井関さん)

…その後、質問コーナーもあり、「時間制限が1時間を超えても大丈夫になった」(井関さん)から、と全く終了する気配を見せないまま展開されたこの日のトークでしたが、しかし、開始からやはり1時間したところで、突然、「バツッ!」と終了してしまい、「えっ!?」となっていたところ、その後、おもむろに再開されると、ツアーのもうひとつの演目『お菊の結婚』にも触れられ、「『結婚』は歌だから、『春の祭典』よりも難しかった」(井関さん)という予想外の感想が聞かれるなど、約7分間のコーダ部が追加されたかのように嬉しいサプライズで締め括られていったこの日のインスタライヴでした。

是非、(「復活」予定と告知されている)アーカイヴにてご覧ください。

(shin)

裏話満載でマジ必聴!今年初のインスタライヴは『Near Far Here』アフタートーク♪(2022/01/30)

前週末に開催告知があり、2022年1月30日(日)の夜20時(当初予定の21時を変更)から、今年初の金森さん+井関さんによるインスタライヴがありました。『境界』公演に関するアフタートークとされた内容は、より正確には『Near Far Here』のアフタートークであり、約1時間にわたり、たっぷりと裏話などを話してくださいました。今回もおふたりのインスタアカウントにアーカイヴが残されていますから、是非ともそちらでお楽しみ頂きたいと思うものですが、こちらでもごくごくかいつまんだご紹介をさせていただこうと思います。

*ペアルックのおふたり、着ているのはゴールドウィンのNEUTRALWORKS「リポーズ」というスウェットの上下。高知公演の折の頂きもので、疲労回復を促すなどのすぐれものとのこと。

*Noism0『Near Far Here』クリエイション: 「何も知りたくないままのスタジオ入り」(井関さん)で、1曲ずつ作りながら進んでいった。

*冒頭の井関さんの「瞬間移動」: 着物の動きも止めて見せるにはギリギリの移動だった。舞台のど真ん中に、見る対象なしで立っている(止まっている)のはキツかったと井関さん。当初のアイディアでは金森さんと勇気さんの予定だったものを白い女性の姿にすることで「シンボライズ」できるからと変更したとのこと。

*フレームが下りてくる場面: 人力で下ろしている。東京公演の初日、勇気さんを見詰めながら繋がりながら動いていた金森さん。顔ギリギリのところにフレームが下りてきて、表情は変えられないが、内心「うううっ」となった。

*白いスクリーンが下りてくる場面: テレビ放送のための収録が行われた日、機械トラブルのため、タイミング通りにスクリーンが下りてこなかった。歩いてくるとき、背後になるため、それに気付かない井関さん。その先に本来いない筈の金森さんの姿を認めて…。最終的に「『おおっ、これは即興(で踊る)か』と思ったけど、下りてきたから…。」(金森さん)で収まるまでのドキドキヒリヒリのトラブル対応を巡るやりとり、この生々しさは、同時に抱腹絶倒でもあり、必聴です。何しろ、「下りてこなかったら、何してたかわかんない」(金森さん)そうですから。

*バッハの流れる「影」の場面: テーブルが出てくる影絵は収録した映像で、同じ速度で動いていると面白みがないということで、倍速で撮って、ゆっくり2分の1倍で再生し、カウントに落とし込んでいる。で、ひとつの動きに10カウントかけることにしたところ、井関さんは「…9、10」を数えるのに難儀し、「12345678せ~の」と数えていた。そこに楽しそうに突っ込む金森さん。

*アクリル板の場面: 体温が伝わらず、ホントに難しかった。体感がない。あれだけくっついていても一緒になれない。たった1枚でも時間差が凄かった。滑り落ちる危険もあり、「毎回、『気を抜くな』と自分に言い聞かせていた。あのシーンに関しては、気持ちよかったことは一日もなかった」(井関さん)

*動く床の上での金森さんのソロ: 人力で引っ張っている。金森さんの重心の移動と負荷のかかり方を理解して引っ張る必要があり、一方、金森さんも上半身でアクセントを入れながらも、下半身はあとからにするなど、両者に繊細さが求められた。

*真っ暗な中、浮き上がった井関さんの映像の場面: 映像収録時、「パフォーマンス」をした瞬間にOKが出たため、そこに音の小さなズレが生じることになり、それに合わせて踊ることはやめたと語った井関さん。それに対して、金森さんは「初めてその映像に向き合って踊る『一期一会』のライヴ感」が重要と。「最終的にはそこに落ち着いたでしょ」(金森さん)「落ち着いた」(井関さん)
「過去の自分とか、自分の起こしたアクションに対して責任をとるのが今の自分。実人生でも、自分が言ったこと、やったこととどう向き合うか。今をどう生きていくかということ」(金森さん)
この場面が本作のなかで一番最初の構想にあった場面だったとのこと。

*フィナーレのカーテンコールについて: 『オンブラ・マイ・フ』で浮かんだイメージ。「ゼッタイやりたい!」その瞬間、やり方、手順も見えた、と金森さん。
「最後の曲はお辞儀だけだから」と言われた井関さんと勇気さんは「?」となったという。
で、その真っ赤なバラの花びらの大地を用意するのに「30秒以内で」とする金森さん。「その時間じゃ無理」と言う舞台監督に、「ゼッタイいける」と金森さん。上手(かみて)側から段ボールに入った花びらを縦一列の6人がかりで撒きながら舞台を一回で通過することで実現。
更に客席にも降る花びらやら照明やらの詳細を含めて、このあたりの演出上のこだわりに関してはこの日のハイライトと言えます。必聴です、ここ!

*質問1: 『Near Far Here』の着想はどこからきたのか?
-金森さん「根底に、コロナ禍で人と人が同じ空間を共有できない痛みがあり、それとは別に、西洋と東洋の文化への興味があった。日本では、江戸時代に禁教令、隠れキリシタン、信仰心や異文化との出会いがあった一方、同じような時代に、西洋では、信仰と密接に繋がった宗教音楽としてのバロックが隆盛していた。遠いけれど同じ時期に別な形をとった信仰。そんな時期にバロック音楽を聴いて感動。好きな音楽、興味があること、全部を頭に入れて『ガラガラポン』、最初からそれがやりたかった」
-井関さん「Noism0だから、お互い挑戦できることが楽しい」
-金森さん「実験ができるから。自分もどういうものができるかわからないドキドキを味わいたい。新しいことに挑戦したいから」

*質問2: 雷音に託した思いは?
-金森さん「演出的に一番初っぱなに印象づけたかったことと、3回くるのは、アレ、『Near Far Here』。ヴァリエイションを調整した(距離を示す)言葉のメタファーとしての雷音」

*質問3: 3人の衣裳が象徴するものは?
-金森さん「(金森さんと勇気さんのは)ひとりの男の人の衣裳を分割。西洋の神父・聖職者・僧侶と日本の侍の袴をガチャッとデザインとして集めてデフォルメした感じ。(井関さんの方は)ひとりの西洋の女性のドレスとその上に羽織、洋の東西の服飾のエッセンスを入れたかった。黒と白はシンプルに陰と陽みたいに分けたかった」

*質問4: 花びらを客席に降らせるアイディアはどこから?
-金森さん「『オンブラ・マイ・フ』、曲自体が語りかけてくるように、今ここにいることの尊さ、かけがえのなさ、共にいることの素晴らしさを表現・共有したかった。舞台は観客がいなくては成立しないもの。客席を巻き込んで初めて『舞台』というかけがえのない場所が出来る。それを全部、愛で包みたい、そういうイメージだった」

*いつか再演したいと金森さん。また、3月6日のテレビ放送に関しては、「映像は切り取っちゃうので、映像としての作品になる。そういうものとして見る楽しみがある」と金森さんが言えば、井関さんは「『寄り』とか超イヤ!」と。

最後、週末に迫ったメンバー振付公演についても「観に来てください」としたところで、この日のインスタライヴは終了しました。

いつも完成度が高いNoism Company Niigata。それもNoism0となると、もう「どーん」とした圧倒的な風格があるので、この日の裏話に聞かれたみたいな内心のドキドキなどまったく想像もしない世界でした。
ですから、はじめは意外な感じもしましたが、それをおふたりが丁寧かつ具体的に話してくださったので、惹き込まれて聞く裡にマジマジとした「体感」を伴いながら、演者の「リアル」を共有することが出来たように思います。圧巻のアフタートークでした。繰り返して楽しみたいと思います。

以上、粗末なまとめで、失礼しました。(汗)

(shin)

『Double Bill』新潟公演千穐楽、師走の寒空に鮮やかな「色」をもたらす

師走の幸福な週末、残す公演は今日の1公演ということで、朝からソワソワし通しだった2019年12月15日。寒くないと言えば嘘になってしまうのでしょうが、幸いなことに風もなく、前日あれほど身を震わせた寒さは和らぎ、誰もがこれくらいなら御の字と思っただろう、そんな日曜日。県外からのお客さんも多く詰めかけるなか、『Double Bill』新潟公演千穐楽の舞台を目に焼き付けてきました。

前の記事でご紹介していた、Noism2のメンバーが日替わりで立つ物販コーナー、この日はこんな感じでした。『ある船頭の話』ポスターの「赤」にも負けないくらい、華やぐ「Farben(色)」がありますよね。

アフタートークで金森さんが客席に向けて訊ねたところ、県外の方も大勢いらしていたのですが、その要因のひとつに金沢21世紀美術館が企画した高校生限定の「劇的!バスツアー」もありました。とても価値のある企画ですね、コレ。

「カンゲキする人生は、
もっとおもしろい。」

鑑賞後のホワイエには、尊敬するサポーターズ仲間がツアー参加者にNoismメモパッドをプレゼントする一幕もありました。

「もっとおもしろい人生」にNoismが一緒にあることを、(折角この時期ですから、映画『スター・ウォーズ』風に、)”May Noism be with you!(Noismがともにあらんことを!)”と祈りたいと思います。

先を急ぎ過ぎました。話を公演に戻しましょう。この日の公演、一言で言えば、凄いものを観た、それに尽きます。気持ちや魂と不可分の身体が現前、或いは降臨していた、またはまったく逆に、何かが憑依した身体がそこにあった、そうとしか言えないようなパフォーマンスが続きました。圧倒された客席は水を打ったように静まり返り、終演後もその沈黙を破ることが憚られて、しばし拍手することさえ儘ならない状態になっていました。心底揺さぶられた人はみだりに音など発したりできないものなのですね。しかし、その呪縛から解き放たれたらもうその先は盛大な拍手、「ブラボー!」、そしてスタンディングオベーションが場内に広がっていったことは言うまでもありません。

先ずは金森さんの『シネマトダンス―3つの小品』。『クロノスカイロス1』、光輝溢れる「若さ」ととどまることなく刻まれていく「時間」。仲間、そして思い出。『夏の名残のバラ』、晩秋或いは初冬の夕陽が差し込む舞踊家の晩年。井関さんと山田さんによる極上の抒情。『FratresII』、人ならぬ身と化したか、圧倒的な舞踊の果てに「舞踊」そのものとして現前する金森さん。鬼気迫る、その超弩級の迫力が、場内を張り詰めた空気で包み、誰一人微動だにできない雰囲気の仕上げをしました。

休憩後に森さんの『Farben』、この並び順はこれ以上ないほど完璧なものと思い知ることになりました。張り詰めた緊張感を保ちつつ、各々の個性(「色」)が歌いだすことをもって完成する作品、それが森さんの『Farben』だからです。そしてそれをやり遂げた12人の舞踊家たち。初日のアフタートークで森さんが舞踊家とともに作品が「熟成していく」期待を語った通りの歩みを新潟公演千穐楽の舞台で示した12人。そのカーテンコール。解き放たれた舞踊家、解き放たれた客席、そこに溢れていたのは笑顔。それ以外の何物でもありませんでした。

(この日は、前日からの大幅な変更はなかったように見ました。蛇足でした。)

勢揃い
「メンバーの個性の違い、
もっと知って貰えたら、
もっと楽しんで貰える」(林田さん)
①(右より)金森さん、西澤さん、
スティーヴンさん、チャーリーさん、
井本さん、ジョフォアさん
②(右より)池ヶ谷さん、林田さん、
カイさん、鳥羽さん、
タイロンさん、三好さん

公演後のアフタートーク、金森さんとNoism1メンバーが壇上に勢揃いすると、とても色鮮やかで、今回の公演とぴったりに思えました。トークの全体から、多国籍度が増した今年のメンバー、感じ方の違いを身をもって知ったうえで、お互いに助け合っている様子が伝わってきました。

新メンバーのスティーヴンさんが、街中でも、カンパニー内でも誰もが親切で助かっている。困っているのは母国(英国)の友だちとコンタクトをとる際の時差であると語れば、タイロンさんは海に近い新潟市は故郷(豪州)と似ている。日本語が読めないので、常に誰かに訊かなければならない点で苦労していると話しました。また、Noismに入ったことに関しては、スティーヴンさんが、公演を通して共有することができる。もっと共有したい、もっと公演の機会があったらいいと語った一方、タイロンさんは、毎日、鍛錬できる流れがあって嬉しいとしながら、日本文化やルールなどが母国と異なる点には苦痛もあったりするとちょっぴり本音も覗かせました。

舞踊についてではありませんが、会場から母国・香港の状況について心境を訊ねられたチャーリーさん、知人が困難な目に遭っている状況に、言葉を絞り出すようにして、まず、”They’re fighting for the freedom.(彼らは自由のために戦っている)”と切り出し、続けて「世界中からの暖かい支援に感謝している」と述べたあと、「あなたが正しいと信じるなら、進むべきだ。どこかで誰かがあなたの信じることに気付いてくれるだろう」の言葉にその思いを込めました。冬休みには香港に帰るそうです。状況の好転を祈ります。

また、森作品を観て、メンバーに新たな発見があったか訊ねられた金森さんは「そんなにない。(森さんは)彼らの魅力を引き出して創作するスタイルをとった。しかし、私の方が彼らをよく知っているので」と答えました。

アフタートークからはもうひとつだけ。「金森さんと森さん、どちらが厳しいか」という会場からの質問を金森さん経由で突然ふられたのは鳥羽さん。少し困った様子で、「違った厳しさです」と答えて、会場から安堵の笑いを引き出していました。他にも興味深いやりとりも多かったのですが、ここではこのくらいにさせていただきます。悪しからずということで。

季節の「Farben」

Noismが彩った師走の新潟市、3日間。その「Farben(色)」は私たちのなかに取り込まれて、忘れ得ぬ鮮やかな思い出となりました。

そのなりゆきはひと月強の後、新年1月17日~19日のさいたま市に引き継がれます。ご覧になられる方々、驚く用意をしてお待ちください。

(shin)

「やはりか!」驚きの『Double Bill』新潟中日+サポーターズ交流会のことなど

2019年12月14日(土)の新潟市は、朝の好天がお昼前に一転、風雨吹きすさぶ荒れた天気となり、そのまま公演時間の17時を迎えることとなりました。それでもこの時期の新潟ですから、雪が降っていないだけましと思えば儲けものなのでしょうが、寒いものは寒い。特に風が冷たい夕方でした。

前日のレポで触れないでしまったホワイエの光景から書き始めます。今回の新潟公演では、主に県外からお越しの方々向けに新潟を楽しむための紹介資料と、サポーターズおよび「さわさわ会」が発行してきた紙媒体のバックナンバーとが並べられたコーナーが設けられ、多くの方々が興味深く足を止めて、気になったものをお持ち帰りになられていました。

新潟の資料コーナー
サポーターズ会報バックナンバーたち
こちらは「さわさわ会」のコーナー

他にも、今公演のNoism物販コーナーでは、新潟市・上古町のhickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)さんによる新潟土産や、新潟・市民映画館シネウインドさん発行で、森優貴さんへの取材記事を掲載した月刊ウインド12月号が販売されていますし、その傍らには、「新潟」繋がり&「ジョー」繋がり、阿賀町にて長期ロケを行って撮られたオダギリジョー監督の映画『ある船頭の話』(同シネウインドで年末・年始に上映予定。個人的にお薦めの作品です!)のポスターが、その鮮やかな「赤」でホワイエにもうひとつの「Farben(色)」を加えています。

Noismをきっかけに、新潟を多角的に楽しむことができたら嬉しく思います。そんな仕掛けの数々に、思わず頬が緩みました。

前置きが長くなってしまいました。ここからは新潟公演中日の公演レポです。先ず真っ先に書いておかなくてはならないのは、「えっ、マジ?」(驚き)が速攻「やはりか!」(納得)に転ずる金森作品『シネマトダンス』のことでしょう。公演期間中にあっても細かな変更・修正はつきものなのでしょうが、金森さんの場合、ラストを変更してくることがままあります。今回もそうでした。もう慣れっこになっている部分もあるのですが、やはり最初の受け止めは「えっ、マジ?」、そしてこれまでの経験から、間髪を置かず「やはりか!」となったような次第です。ラストが変更されたのは、「3つの小品」のうち、最初の『クロノスカイロス1』と金森さんのソロ『FratresII』のふたつ。初日ヴァージョンと中日ヴァージョン、その趣は異なります。果たして新潟楽日はどうなるのか?そうした意味からも目が離せなくなってしまう訳です。

休憩後の森作品『Farben』、情緒を揺さぶり続ける音楽、そのビートひとつひとつを動きとして可視化していく12の身体。動けば動くほどに、個々の身体がもつ「Farben(色)」が零れてきます。それを大らかに許容する作品にあって、舞踊家も伸びやかに映ります。この日は、ラスト、林田さんが舞台中央で繰り広げる圧巻の動きに見とれました。カーテンコール時に、先ず全員一列に並び、拍手・歓声・「ブラボー!」に応えたあと、列の両脇から、交互に一人ずつ、順に一歩前に進み出て一礼をするスタイルも、舞踊家一人ひとりの「Farben」を持ち味とする作品らしさであると感じます。「推しメン」に大きな拍手を贈ることが可能ですので、是非♪

この日のアフタートーク、金森さん、山田さん、そして直前に踊っていた井関さんが少し遅れて登壇しました。Noism0メンバー3人による気心知れたトークでありながら、それぞれの経験が語らせる「核心」をついた内容には深い世界を覗き見させるものがありました。

登壇してスカーフを直す井関さん

3人が話された内容から少しご紹介いたします。(ネタバレにならないギリギリのところで書きたいと思います。)

『クロノスカイロス1』のピンクの衣裳について、「テーマは時間。身体的に知覚可能な最速のものは光。照明は可視光線の色のレンジを使っている。そのなかで視認し易い色、追い易い色としてピンクを使った」(金森さん)

『夏の名残のバラ』に関しては、金森さんが「Noismの歴史は井関さんの身体に刻まれている。『いまも身体に残っている振付は?』と訊いて創っていった」と語れば、井関さんは「まず、舞台が広い。この作品のクリエーションが始まったのが一番最後だった。早く稽古したい気持ちだったが、振付家が『クリエーションを楽しみたい』と言って時間をかけた。(笑)お客さんが入って初めて完成する作品だと思う」と話してくれました。

『Fratres』IとII、そしてまだ見ぬIIIについて、3部作同時に上演することはあるかと問われた金森さん、「ありません」とキッパリ。その理由を、「I+IIが、IIIになるので、連続上演は不可能。観てもらえばわかります」と語りました。

その金森さん、今の身体の様子とそれに対する向き合い方を訊ねられて、「若い頃に比べて可動域は狭くなっているし、進化してはいない。しかし、経験と技術と精神コントロールを手にしている。日々の稽古を重ねて、若かりし頃に持っていたものを取り戻して、ここまで来た感じ。稽古しかない」との答えでした。

また、金森作品と森作品を踊った井関さん、最も大きな違いについては、「今回、身体性が違う」としながらも、「覚悟をもって舞台に立つのは同じ」と続けました。更に、森さんに関しては、「『森くん』とは同い年で、19歳のときにオランダのオーディション会場で出会っている。お互い群れるのを好まず、日本人がひとりずつぽつんといた印象がある。今回のクリエーションは、彼のエネルギーが凄くて、最初、体がボロボロになっちゃうくらいのところから始まったが、『負けるか!』みたいな気持ちで向かっていった。同時に、この年になると、振付家の意図を汲み取ることもできるので、言われたことをやるのではなく、一緒に作品を作っていることを感じられた」と語りました。

山田さんは一度Noismを離れて、東京に行った時期のことについて訊ねられると、Noismを外から見て相対化できたこと、また、その時期に武道家・日野晃氏に出会えたことが大きいと語り、Noismメソッドに戻って、身体のことがよくわかったと答えました。

あと、ニッチな答えにはなりますが、井関さんが今ハマっている人は美空ひばりさんで、「(存命中に)見てみたかったな」と。そして今回ある箇所の映像に映り込んだジョー マローン ロンドンの香水は「ピオニー&ブラッシュスエードです」とのことでした。

アフタートークのあと、会場をりゅーとぴあ内のレストラン・リバージュに移して、サポーターズ交流会が開催されました。

この日の参加者は、総勢20名。遠くは京都、そして東京や神奈川からお越しの方々、そして、前日、サポーターズに入会されたばかりの方を含めて、Noismを通じて知り合いになった者たちが、Noismを肴に、和気藹々、和やかにテーブルを囲み、おいしいお酒とお料理に舌鼓を打ちました。それに伴い、私たちの顔も徐々に視認し易い「ピンク」に染まっていきましたとさ。

仁多見・りゅーとぴあ支配人のご挨拶に手を挙げて応える参加者
何故かは…忘れました(笑)
こちら、この日のオードブルです♪

Noismの縁で素敵な繋がりが持てたこと、愉しい時間が過ごせたことに感謝です。

私たちサポーターズは一般市民に過ぎませんが、Noismを愛し、支える気概については、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなどを支えたメディチ家にも負けるものではないことを確認いたしました。(←大袈裟すぎないか?←大丈夫です!(笑))そんな具合で、Noismの魅力に触れたことのない方々への発信にも力を入れたいと思う宵でもありました。次回、また多くの方のご参加をお待ち申し上げます。

(shin)