「今日よかったよね。毎日いいんだけど」(金森さん)、月曜午後3時開演の『Der Wanderer-さすらい人』新潟公演8日目(アフタートークあり)

2023年1月30日は月曜日。この日、8日目を迎えた『Der Wanderer-さすらい人』新潟公演の開演時間は午後3時。冷え込みや降雪量はさほどではありませんでしたが、風があるため、体感温度はかなり低く感じられる、そんな一日でした。

アフタートークの冒頭で井関さんが出待ちに青空を見て、「ホントにキレイ。青空を見ながら聴くシューベルトはホントに哀しくなっちゃって…」と仰られましたが、時折、そうした青空がインサートされ、千変万化、移ろいながらも、最終的にはデフォルトの灰色に戻っていく、そんな天候だったように思います。

さて、「完売」で迎えたこの日の舞台です。私は最前列に腰掛けて、上方から陰影に富む音楽が降ってくるなか、11人の舞踊家を見上げていたのですが、これも金森さんがアフタートークで「今日よかったよね。毎日いいんだけど」と語った芳醇な非日常に身を浸して、心は揺さぶられ、目頭が熱くなるような圧倒的な1時間あまりを過ごしました。

今回は特に各舞踊家それぞれに用意されたソロ・パートが注目される作品なのですが、それ以外にも「目のご馳走」はふんだんに用意されています。「てんこ盛り」と言ってもいいくらいに。で、個人的には、庄島姉妹のデュオ・パート、そしてメンズ4人(中尾さん・坪田さん・樋浦さん・糸川さん)で踊るパートに毎回クラクラきちゃってます。でも、いざ、こうやって幾つか取り上げてみると、あれとかこれとか、他の場面も外せない気持ちになり、やっぱり最終的には「終始、ガン見しなくてはならない」という結論に舞い戻る他なくなるのですけれど。それでも、好きだなぁ、あのふたつ。まあ、そんなふうに、気持ちは行ったり来たりなんですが、観た方ならわかってくれますよね、この感じ。困ったことです、まったく。(笑)

大きな拍手が送られて、終演。その後、3回目となるアフタートークに移っていきましたが、ホントに大勢の方がその場に残って、金森さんと井関さんのお話を楽しみました。質問も多数出たこの日のやりとりをかいつまんでご紹介します。

Q:お薦めの席はあるか。
-A(金森さん):かぶりつきの前の席、舞台を見下ろす後方の席、左右もパースペクティヴが異なるし、どの席も全然違う。全部お薦め。

Q:一部、ダブルキャストなのか。
(*この日は太田菜月さん(Noism2)の出演回でした。)
-A(井関さん):みんな若いため、浮き沈みもある。キャストになるのが当たり前の世界ではない。欧州では、ある日突然変えられたりすることもあるが、それで終わりじゃない。そういうことを経て舞踊家は変わっていく。
-A(金森さん):みんな頑張っているので、決断も容易なことじゃない。欧州なら公演回数も多いが、Noismの場合、キャスティングが外れると次は半年後になってしまう。踊る機会があればあるほど成長するものではあるし。しかし、今回は、みんなよくなった。これが彼らですから。

Q:最後のシーンでは観ていて涙が流れる。
-A(金森さん):『夜と夢』、最初からエンディングに決めていた。凄く残酷な話になったので、お客さんをこれで帰す訳にはいかない、それでも何か届けたいなと。

Q:昨今の学校教育では感情を封じ込められがち。
-A(金森さん):そうなの?今の学校、わからないんだよね。
-A(井関さん):今の時代、以前より頭で考える方が多いように思うが、先に分析してしまうのはもったいない。
-A(金森さん):感じないということはない。劇場に来て、全身全霊を傾ける姿を見て欲しい。不幸や災いや人間の業など疑似体験できる場所が劇場。そこでは虚構を通じて受容することが許されている。
-A(井関さん):虚構を虚構としてではなく、信じていないと「嘘」として捉えられてしまう。
-A(金森さん):「リアリティ」とは受け止め方であり、我々一人ひとりのなかに「リアル」がある。その場としての劇場があり、それを許容するものが作品である。 

Q:選曲と振付はどのように行ったのか。
-A(金森さん):先ずは楽曲を選んで、「合う」ものにしていったのだが、「似合う」というだけの問題ではなく、肉迫していくことを要したり、作品全体のリズムということもあった。

Q:愛と死がテーマとされているが、歌詞の内容から選曲したのか。
-A(金森さん):(700曲あまり)全部聴くんですよ。(1)先ず、全集を録音したディースカウから聴いていって、(2)楽曲からインスピレーションが湧くかどうか、(3)歌手と録音が合うかどうか、そうやって選んでいった。

Q:メンバーの解釈を深めるために面談など行うのか。
-A(金森さん):面談はない。昨日の終演後、ここ(スタジオB)に集まって、感じたことを伝えた。どうしても守りに入りたくなるもの。でも、より深く、より遠くへと「挑んだ」ことが大切。リスクはあるんだけど。
-A(井関さん):外からの目は重要。

Q:喜怒哀楽の表現について。
-A(金森さん):新しい舞踊を創る際の身体表現として、最高のイメージは手話。但し、それは一挙手一投足、全てが何かを物語るものという意味合いでの。

そしてこの日のアフタートーク、最後の質問は、何と舞台の井関さんから(!)客席に向かって発せられたものでした。
Q(井関さん):月曜日の午後3時からの公演ってどうですか。夜7時ではなく。
-A①:冬の遅い時間だと雪が気になってキツイ。夏なら夜7時開演でも構わないが。
-A②:今日は名古屋から来た。日帰りが可能。一日休みをとれば済む。
…など、月曜日は休み、或いはこの日は休みをとった、はたまた、年金生活者なので、と、この日に足を運ぶことが出来た人たちが座る客席からは好意的な反応が返されていました。

以上、アフタートークの報告でした。

その後、りゅーとぴあの外に出てみると、待ち受けていたのは物凄いと言えるほどの風雪。「ながれ旅」ではなしに、「冬の旅」気分で車を走らせて帰宅しました。

新潟公演も残すところ、あと3公演。(そのうち、木曜日の公演はまだ席に余裕があるとのことです。)日を追うにつれ、芳醇さを増してきています。これからご覧になる方は期待値MAXでスタジオBまでお運びください。おっと、重ねてご覧になる向きも同様に、期待値増し増しでどうぞ。

(shin)

今回、金森さんが目指す「詩と音楽に三つ巴で拮抗するもの」を目撃する観客の喜び♪(『Der Wanderer-さすらい人』新潟公演3日目・アフタートークあり)

2023年1月22日(日)、一時、鈍色の空から雪片が舞い落ちる時間帯もありましたが、案じられたほどの降雪にはならず、『Der Wanderer-さすらい人』新潟公演3日目は、この日もチケット完売で、無事、その開演時間(15:00)を迎えることができました。

一時の荒れ模様も…
数分後には…

この日は初日と同じキャストで、シューベルトの歌曲21曲によって構成された「70分(正味60分強でしょうか)」の演目が紡ぎ上げられていきました。この日も私は演者の呼吸音すらダイレクトに届く最前列に腰を下ろし、11人による「さすらい」をおのが全身で受け止めるように見詰めました。

演者がバトンを受け渡すようにして入れ替わりながら、今回の見どころとされるそれぞれのソロが踊られていくのですが、勿論、複数人で踊る場面も拘りの演出振付が施されており、刮目を要することは言うまでもありません。つまり、70分間、様々に注視して臨むべき演目と言えるでしょう。

新潟全11回公演のうち、「第1クール」最終日のこの日は、11人の舞踊家たちの伸びやかさが増していたように見ました。世界初演の舞台は順調な滑り出しを示したと感じます。

終演後、客席はほぼ全員が残ったままに、「丸3年振り」(金森さん)となるアフタートークが開催されました。そのことをまず喜びたいと思います。私たちに向き合って腰掛けた金森さんと井関さんが柔和な表情を浮かべ、ユーモアを交えながら、質問に答えてくださいましたし、客席も「この日を待ってました」とばかり、例外なく、20分間の「アディショナルタイム」を満喫していました。
では、井関さんの「Noism国際活動部門芸術監督の井関佐和子です。こちらはいつもの金森穣さんです」で始まった、その折のやりとりからかいつまんでご紹介いたします。

Q:全体のテーマは?
-A(金森さん):愛です。何故、人はさすらうのか。他者に対する愛、そしてそれを超えて、自分が輝ける場所を求めてさすらう。そして愛に付随するものとしての孤独と死。シューベルトの700曲を超える歌曲を聴いて、音楽家の魂のなかに聞き取った。

Q:パンフレットの表紙のメンバーの表情はどういう表情なのか?
-A(井関さん):まずはメンバー一人ひとりの表情がわかるもの。「色々な顔であって欲しい」と穣さん。そこからデザイナーさんが選んだ。
-A(金森さん):証明写真や遺影みたいにはなりたくなかった。(笑)多様性があったらいいね、と。
-A(井関さん):何考えているのかわからないのがいいね、と。(笑)

Q:歌曲のソリスト(歌手)についてはどう選んだのか?
-A(金森さん):メンバー一人ひとりを思い浮かべながら、色々な録音から選んだ。そして、実際に踊るのを見て、合わないとなったら、また探した。
-A(井関さん):同じ曲なのに、あんなに違う作品に聞こえるのが面白かった。自分も一度、男性の声でやってみたら、全然違うな、となった。(笑)

Q:赤いバラが頻繁に使われているが、思い入れがあってのことか?
-A(金森さん):他の色は考えなかった。意外と色々考えてそうに見えますよね。(笑)イメージしてみたら、そこにあったバラが赤かった。

Q:手応え、印象、課題について。
-A(金森さん):作品は出来上がると見守るしかない。彼らが一期一会で色々なものを見出して欲しい。生き切って欲しい。それを届けて欲しい。
-A(井関さん):「ひとりで立つ」のは足が一歩も出ないくらい今でも怖い。普通ではない危機感を感じて、「怖いと思って欲しい」と言った。慣れにならないように、怖い思いをしていって欲しい。

Q:21曲を選曲した理由は?
-A(金森さん):振付家としてインスピレーションが湧くもの、そして、彼らが踊っている姿が見えたものを選んだ。加えて、「イブニング公演」全体を通してのリズムも考慮しながら、パズルのようにして嵌めていった。そして、今のNoism0とNoism1にしか出来ないものを、と考えた。

Q:「ソロ」の構成に込めた思いは?
-A(金森さん):これからのNoismに何が大切か考えたとき、一人ひとりがお客様を呼べるようになること、一人で立てるような個々人がここ新潟で活動しているのが夢。

Q:歌曲の内容との関連は?
-A(金森さん):関係性はあるが、一義的なものではない。詩と音楽と三つ巴、四つ巴になり、拮抗するものを目指している。
-A(井関さん):今回、メンバーに歌詞の日本語訳を渡したのは珍しいことだった。
-A(金森さん・井関さん):「大人の事情」から、その日本語訳を示すことは出来ない。色々探してみて欲しい。

Q:演出振付されたものを踊るとき、個々のダンサーが担う責任範囲として、「表現」はどう生まれてくるのか?
-A(井関さん):演出の世界観・時間の流れ・振付の意図を理解して、作家を超えたものを返すのが至上命題。与えられた言葉や示された動きではなく、作家の大脳に働きかけること。頭の奥に何が潜んでいるのか、それを探り、奥へと入り込んでいく作業が楽しい。
-A(金森さん):方程式は何もない。作家と実演家がそうした相手を見つけること、それをベジャールさんは「愛」と呼んだ。

Q:木工美術の近藤正樹さんとの出会いは?
-A(金森さん):8年前、『カルメン』のとき、友人夫妻を介して知り合った。美術をお願いすると、いつも面白がってくれる。
-A(井関さん):いつも想像を超えてきてくれる。

…と、そんなところでしたでしょうか。


最後に、この度、夕書房さんから刊行された金森さんの著作『闘う舞踊団』について触れられると、「何を目指しているか」が分かって貰える筈、と金森さん。私は(一度目)読了しましたが、まったくその通りと思いました。必読の好著ですので、是非お買い求めください。
(これは個人的な事柄ではありますが、私、光栄にも、終演後のホワイエにて、本日の公演に足を運ばれていた「ひとり出版」夕書房・高松夕佳さんその人にご挨拶したうえ、この本の素晴らしさと受け取った自身の感激について直接お伝えすることが出来ました。とても嬉しいひとときでした。)

更にもうひとつ。今週の水曜日と木曜日にはまだまだ席に余裕があるため、是非お越しください、と金森さん&井関さん。新生Noism Company Niigataの船出、或いは意欲的な「さすらい」を是非お見逃しなく♪

【追記】この記事へのコメント欄に、fullmoonさんによる 1/25(水)公演および 1/26(木)公演+2回目のアフタートークについての報告もありますので、よろしければご覧ください。

(shin)




演劇公演に行ったら…

庭劇団ペニノ新潟公演「笑顔の砦」作・演出:タニノクロウ
9月3日(土)18:00の回@りゅーとぴあ劇場 

アフタートークのゲストとして金森さんが登壇する回なので行ってきました♪
そしたらなんと折込配布チラシの中にこのようなものが!

Noism Company Niigata 冬公演 仮チラシ更新!
『Der Wanderer ーさすらい人』
演出振付:金森穣 音楽:シューベルト歌曲 
出演:Noism0、Noism1

速報!Noism Company Niigata 冬公演チラシ♪

「一人ひとりのメンバーソロから構成する」最新作。
そして、日程詳細も♪
どうぞご予定ください。
楽しみですね!

さて、肝心の演劇公演、なんというか、舞台セットを含め、徹底したリアリズムに驚きました。アフタートークでは金森さんも「人の家の中をリアルに見ているような」と話されました。それもそのはず、出演者はセットの中に住み込んで稽古していたのだそうです!
特に取り立てて何も起こらない他者の日常生活を傍観しているうちに、徐々に没入していったという金森さん。そのきっかけは、「二つの部屋のそれぞれの主人が一人だけになった時、自他の境界が崩れたところに惹かれた」とのこと。精神のリアルが提示されて面白かったそうです。さすが金森さん。

ほかにもタニノさんの面白変人ぶりがわかるビックリするようなお話がたくさんあり(そのお話を引き出す金森さんの方が司会者のよう)楽しい20分間でした♪
金森さんとタニノさんは全くの初対面で、打ち合わせも無く、終演後に舞台袖で会ったのが初顔合わせだそうですよ。
終了後、山田勇気さん、浅海侑加さんほか、Noism1・2メンバー数名、お見かけしました♪

(fullmoon)

『鬼』5都市ツアーを熱く回顧したインスタライヴ♪

東北、北陸ほか、この度の豪雨被害に遭われた方々に対しまして心よりお見舞い申し上げます。

2022年8月3日(水)20時半、金森さんと井関さんが、先月1ヶ月間、都合5都市をまわったNoism×鼓童『鬼』ツアーを終えて、アフタートーク的意味合いのインスタライヴを(おやつなしに)行いました。おふたりのインスタアカウントからアーカイヴ(これを書いている時点では一時的に消えてしまっているようですが、)で観ることができますが、こちらでもかいつまんで、極々簡単にご紹介して参ります。

(※アーカイヴ、復活してますね。めでたし、めでたしってことで♪)

☆2004年『black ice』(6都市)以来の長期ツアー: 場所を変えながら、躍り込める。それで気付くことも多い。鼓童と一緒で「一期一会」感も強かった。

★クリエイション: ストラヴィンスキー『結婚』の方から始めていて、楽曲(『鬼』)が届いたのは1月終わりから2月頭の頃。オリジナル音楽での創作も2007年『PLAY 2 PLAY』以来と久し振り。「新曲の方が自分のものになる。穣さんが新しい曲に向き合うときは面白い。事前準備ない、台本ない。(音色が)自分が選ぶっていうものばかりじゃない」(井関さん)「既存の音楽は『恋愛結婚』、オリジナル音楽は『お見合い結婚』だから、結構、ハイリスク」(金森さん)

☆音楽家・原田敬子さん: 「2年前に利賀で一緒に創作(『still / speed / silence』)していて、音楽の作り方、美意識等、少しは知っているが、鼓童の太鼓にとお願いした今回は全く未知だった」と金森さん。聴き込む金森さんの傍ら、井関さんは「自分のなかで先入観が生まれてしまうから」と敢えて暫く聴かなかった。ここ数年は「固まっちゃうから」稽古に入る前は聴かないようにしているとも。

★楽曲『鬼』: 「どこも解り易くない。来た順番も結構バラバラだった」(井関さん)「色々組み替えていいと言われていて、一曲の中でも3分割して配置したりした」*(金森さん)「見えないものと向き合う感。金森穣への挑戦状だとすぐわかった。これ、どうやって踊るんだろうと思った」(井関さん)「音が少ないと思った。無音、静寂が滅茶滅茶多かった。音が鳴ってないときの緊張感がデフォルトなんだなとわかったから、無音を身体化する、無音の時間をどう構成するかが肝になると思った。始まり方は結構悩んだ。無音がデフォルトなら、最初の1音が鳴るまでが肝になってくるから色々試した」(金森さん)
*註: 楽曲的に一番長くてリズムが明白な一曲(F)を3分割して配置したと言う。作品全体の構成は、「E(冒頭・ほんの1分ほど)→F1(リズムが明白・男性のシーン)→B(赤い女性たち、遊郭のシーン)→F2(「夢覚めて」男性のシーン)→A(鬼登場~鬼逃げる)→D(大鬼を召喚してしまった3人のシーン)→F3」とのこと。

☆鼓童の生演奏について: 「全部、『生』かと思いきや録音の部分もある」と井関さん。それが「最初は録音だけで、途中から録音と生声が混じる、声の部分」と明かしてくれました。また、ツアーには、原田さんと一緒に仕事をされている音響デザイナー・野中正行さんが帯同してくれ、彼によるPA(音響機器)を介した音だったこと、世界最高峰のマイクのことやロームシアター京都の「音」が凄く良かったこと等も話されました。

★音楽を舞踊化し、空間化すること: 選択肢はごまんとあるが、どこかの段階で「これじゃなきゃダメ」ってなる。もう揺るがなくなり、そうするための音になってくるのがベスト。今回、『鬼』に関しては納得していると金森さん。

☆井関さんが感じたこと: 「井関佐和子」が「井関佐和子」を超え始めたな、やっと始まったなと思った。元来、決して「憑依」型ではなく、常に冷静な自分がいる。その冷静な自分がハンドリングできない自分。「そこまで行くんだ」と客観的に見ている自分がいるんだけど、それを止めることも出来ないし、止めようとも思わない。冷静な自分がビックリした。その超え方が今回初めて見えて、凄く面白かった。自分の理性よりも、ある種の動物的な勘みたいな、えも言われぬものが存在してしまう、と言えば良いかな。

★鼓童の生音楽から: 「指揮者がいない。みんな指揮者を見て、その絶対的に制御する人が出した音に対して踊っているのとは違う。鼓童の7人も要所で舞踊家を見ている。お互いを見ながら、お互いを感じながらという緊張感。鼓童一人ひとりの演奏が、実演家の憑依をどう促せるか、どう掴めるか、それが彼らに懸かっているという緊張感が凄い」「『身体が生きなきゃ』ってなるとき、堪らない」(金森さん)

☆今回の『鬼』の魅力は「映え」ではない。(井関さん)

…その後、質問コーナーもあり、「時間制限が1時間を超えても大丈夫になった」(井関さん)から、と全く終了する気配を見せないまま展開されたこの日のトークでしたが、しかし、開始からやはり1時間したところで、突然、「バツッ!」と終了してしまい、「えっ!?」となっていたところ、その後、おもむろに再開されると、ツアーのもうひとつの演目『お菊の結婚』にも触れられ、「『結婚』は歌だから、『春の祭典』よりも難しかった」(井関さん)という予想外の感想が聞かれるなど、約7分間のコーダ部が追加されたかのように嬉しいサプライズで締め括られていったこの日のインスタライヴでした。

是非、(「復活」予定と告知されている)アーカイヴにてご覧ください。

(shin)

裏話満載でマジ必聴!今年初のインスタライヴは『Near Far Here』アフタートーク♪(2022/01/30)

前週末に開催告知があり、2022年1月30日(日)の夜20時(当初予定の21時を変更)から、今年初の金森さん+井関さんによるインスタライヴがありました。『境界』公演に関するアフタートークとされた内容は、より正確には『Near Far Here』のアフタートークであり、約1時間にわたり、たっぷりと裏話などを話してくださいました。今回もおふたりのインスタアカウントにアーカイヴが残されていますから、是非ともそちらでお楽しみ頂きたいと思うものですが、こちらでもごくごくかいつまんだご紹介をさせていただこうと思います。

*ペアルックのおふたり、着ているのはゴールドウィンのNEUTRALWORKS「リポーズ」というスウェットの上下。高知公演の折の頂きもので、疲労回復を促すなどのすぐれものとのこと。

*Noism0『Near Far Here』クリエイション: 「何も知りたくないままのスタジオ入り」(井関さん)で、1曲ずつ作りながら進んでいった。

*冒頭の井関さんの「瞬間移動」: 着物の動きも止めて見せるにはギリギリの移動だった。舞台のど真ん中に、見る対象なしで立っている(止まっている)のはキツかったと井関さん。当初のアイディアでは金森さんと勇気さんの予定だったものを白い女性の姿にすることで「シンボライズ」できるからと変更したとのこと。

*フレームが下りてくる場面: 人力で下ろしている。東京公演の初日、勇気さんを見詰めながら繋がりながら動いていた金森さん。顔ギリギリのところにフレームが下りてきて、表情は変えられないが、内心「うううっ」となった。

*白いスクリーンが下りてくる場面: テレビ放送のための収録が行われた日、機械トラブルのため、タイミング通りにスクリーンが下りてこなかった。歩いてくるとき、背後になるため、それに気付かない井関さん。その先に本来いない筈の金森さんの姿を認めて…。最終的に「『おおっ、これは即興(で踊る)か』と思ったけど、下りてきたから…。」(金森さん)で収まるまでのドキドキヒリヒリのトラブル対応を巡るやりとり、この生々しさは、同時に抱腹絶倒でもあり、必聴です。何しろ、「下りてこなかったら、何してたかわかんない」(金森さん)そうですから。

*バッハの流れる「影」の場面: テーブルが出てくる影絵は収録した映像で、同じ速度で動いていると面白みがないということで、倍速で撮って、ゆっくり2分の1倍で再生し、カウントに落とし込んでいる。で、ひとつの動きに10カウントかけることにしたところ、井関さんは「…9、10」を数えるのに難儀し、「12345678せ~の」と数えていた。そこに楽しそうに突っ込む金森さん。

*アクリル板の場面: 体温が伝わらず、ホントに難しかった。体感がない。あれだけくっついていても一緒になれない。たった1枚でも時間差が凄かった。滑り落ちる危険もあり、「毎回、『気を抜くな』と自分に言い聞かせていた。あのシーンに関しては、気持ちよかったことは一日もなかった」(井関さん)

*動く床の上での金森さんのソロ: 人力で引っ張っている。金森さんの重心の移動と負荷のかかり方を理解して引っ張る必要があり、一方、金森さんも上半身でアクセントを入れながらも、下半身はあとからにするなど、両者に繊細さが求められた。

*真っ暗な中、浮き上がった井関さんの映像の場面: 映像収録時、「パフォーマンス」をした瞬間にOKが出たため、そこに音の小さなズレが生じることになり、それに合わせて踊ることはやめたと語った井関さん。それに対して、金森さんは「初めてその映像に向き合って踊る『一期一会』のライヴ感」が重要と。「最終的にはそこに落ち着いたでしょ」(金森さん)「落ち着いた」(井関さん)
「過去の自分とか、自分の起こしたアクションに対して責任をとるのが今の自分。実人生でも、自分が言ったこと、やったこととどう向き合うか。今をどう生きていくかということ」(金森さん)
この場面が本作のなかで一番最初の構想にあった場面だったとのこと。

*フィナーレのカーテンコールについて: 『オンブラ・マイ・フ』で浮かんだイメージ。「ゼッタイやりたい!」その瞬間、やり方、手順も見えた、と金森さん。
「最後の曲はお辞儀だけだから」と言われた井関さんと勇気さんは「?」となったという。
で、その真っ赤なバラの花びらの大地を用意するのに「30秒以内で」とする金森さん。「その時間じゃ無理」と言う舞台監督に、「ゼッタイいける」と金森さん。上手(かみて)側から段ボールに入った花びらを縦一列の6人がかりで撒きながら舞台を一回で通過することで実現。
更に客席にも降る花びらやら照明やらの詳細を含めて、このあたりの演出上のこだわりに関してはこの日のハイライトと言えます。必聴です、ここ!

*質問1: 『Near Far Here』の着想はどこからきたのか?
-金森さん「根底に、コロナ禍で人と人が同じ空間を共有できない痛みがあり、それとは別に、西洋と東洋の文化への興味があった。日本では、江戸時代に禁教令、隠れキリシタン、信仰心や異文化との出会いがあった一方、同じような時代に、西洋では、信仰と密接に繋がった宗教音楽としてのバロックが隆盛していた。遠いけれど同じ時期に別な形をとった信仰。そんな時期にバロック音楽を聴いて感動。好きな音楽、興味があること、全部を頭に入れて『ガラガラポン』、最初からそれがやりたかった」
-井関さん「Noism0だから、お互い挑戦できることが楽しい」
-金森さん「実験ができるから。自分もどういうものができるかわからないドキドキを味わいたい。新しいことに挑戦したいから」

*質問2: 雷音に託した思いは?
-金森さん「演出的に一番初っぱなに印象づけたかったことと、3回くるのは、アレ、『Near Far Here』。ヴァリエイションを調整した(距離を示す)言葉のメタファーとしての雷音」

*質問3: 3人の衣裳が象徴するものは?
-金森さん「(金森さんと勇気さんのは)ひとりの男の人の衣裳を分割。西洋の神父・聖職者・僧侶と日本の侍の袴をガチャッとデザインとして集めてデフォルメした感じ。(井関さんの方は)ひとりの西洋の女性のドレスとその上に羽織、洋の東西の服飾のエッセンスを入れたかった。黒と白はシンプルに陰と陽みたいに分けたかった」

*質問4: 花びらを客席に降らせるアイディアはどこから?
-金森さん「『オンブラ・マイ・フ』、曲自体が語りかけてくるように、今ここにいることの尊さ、かけがえのなさ、共にいることの素晴らしさを表現・共有したかった。舞台は観客がいなくては成立しないもの。客席を巻き込んで初めて『舞台』というかけがえのない場所が出来る。それを全部、愛で包みたい、そういうイメージだった」

*いつか再演したいと金森さん。また、3月6日のテレビ放送に関しては、「映像は切り取っちゃうので、映像としての作品になる。そういうものとして見る楽しみがある」と金森さんが言えば、井関さんは「『寄り』とか超イヤ!」と。

最後、週末に迫ったメンバー振付公演についても「観に来てください」としたところで、この日のインスタライヴは終了しました。

いつも完成度が高いNoism Company Niigata。それもNoism0となると、もう「どーん」とした圧倒的な風格があるので、この日の裏話に聞かれたみたいな内心のドキドキなどまったく想像もしない世界でした。
ですから、はじめは意外な感じもしましたが、それをおふたりが丁寧かつ具体的に話してくださったので、惹き込まれて聞く裡にマジマジとした「体感」を伴いながら、演者の「リアル」を共有することが出来たように思います。圧巻のアフタートークでした。繰り返して楽しみたいと思います。

以上、粗末なまとめで、失礼しました。(汗)

(shin)

『Double Bill』新潟公演千穐楽、師走の寒空に鮮やかな「色」をもたらす

師走の幸福な週末、残す公演は今日の1公演ということで、朝からソワソワし通しだった2019年12月15日。寒くないと言えば嘘になってしまうのでしょうが、幸いなことに風もなく、前日あれほど身を震わせた寒さは和らぎ、誰もがこれくらいなら御の字と思っただろう、そんな日曜日。県外からのお客さんも多く詰めかけるなか、『Double Bill』新潟公演千穐楽の舞台を目に焼き付けてきました。

前の記事でご紹介していた、Noism2のメンバーが日替わりで立つ物販コーナー、この日はこんな感じでした。『ある船頭の話』ポスターの「赤」にも負けないくらい、華やぐ「Farben(色)」がありますよね。

アフタートークで金森さんが客席に向けて訊ねたところ、県外の方も大勢いらしていたのですが、その要因のひとつに金沢21世紀美術館が企画した高校生限定の「劇的!バスツアー」もありました。とても価値のある企画ですね、コレ。

「カンゲキする人生は、
もっとおもしろい。」

鑑賞後のホワイエには、尊敬するサポーターズ仲間がツアー参加者にNoismメモパッドをプレゼントする一幕もありました。

「もっとおもしろい人生」にNoismが一緒にあることを、(折角この時期ですから、映画『スター・ウォーズ』風に、)”May Noism be with you!(Noismがともにあらんことを!)”と祈りたいと思います。

先を急ぎ過ぎました。話を公演に戻しましょう。この日の公演、一言で言えば、凄いものを観た、それに尽きます。気持ちや魂と不可分の身体が現前、或いは降臨していた、またはまったく逆に、何かが憑依した身体がそこにあった、そうとしか言えないようなパフォーマンスが続きました。圧倒された客席は水を打ったように静まり返り、終演後もその沈黙を破ることが憚られて、しばし拍手することさえ儘ならない状態になっていました。心底揺さぶられた人はみだりに音など発したりできないものなのですね。しかし、その呪縛から解き放たれたらもうその先は盛大な拍手、「ブラボー!」、そしてスタンディングオベーションが場内に広がっていったことは言うまでもありません。

先ずは金森さんの『シネマトダンス―3つの小品』。『クロノスカイロス1』、光輝溢れる「若さ」ととどまることなく刻まれていく「時間」。仲間、そして思い出。『夏の名残のバラ』、晩秋或いは初冬の夕陽が差し込む舞踊家の晩年。井関さんと山田さんによる極上の抒情。『FratresII』、人ならぬ身と化したか、圧倒的な舞踊の果てに「舞踊」そのものとして現前する金森さん。鬼気迫る、その超弩級の迫力が、場内を張り詰めた空気で包み、誰一人微動だにできない雰囲気の仕上げをしました。

休憩後に森さんの『Farben』、この並び順はこれ以上ないほど完璧なものと思い知ることになりました。張り詰めた緊張感を保ちつつ、各々の個性(「色」)が歌いだすことをもって完成する作品、それが森さんの『Farben』だからです。そしてそれをやり遂げた12人の舞踊家たち。初日のアフタートークで森さんが舞踊家とともに作品が「熟成していく」期待を語った通りの歩みを新潟公演千穐楽の舞台で示した12人。そのカーテンコール。解き放たれた舞踊家、解き放たれた客席、そこに溢れていたのは笑顔。それ以外の何物でもありませんでした。

(この日は、前日からの大幅な変更はなかったように見ました。蛇足でした。)

勢揃い
「メンバーの個性の違い、
もっと知って貰えたら、
もっと楽しんで貰える」(林田さん)
①(右より)金森さん、西澤さん、
スティーヴンさん、チャーリーさん、
井本さん、ジョフォアさん
②(右より)池ヶ谷さん、林田さん、
カイさん、鳥羽さん、
タイロンさん、三好さん

公演後のアフタートーク、金森さんとNoism1メンバーが壇上に勢揃いすると、とても色鮮やかで、今回の公演とぴったりに思えました。トークの全体から、多国籍度が増した今年のメンバー、感じ方の違いを身をもって知ったうえで、お互いに助け合っている様子が伝わってきました。

新メンバーのスティーヴンさんが、街中でも、カンパニー内でも誰もが親切で助かっている。困っているのは母国(英国)の友だちとコンタクトをとる際の時差であると語れば、タイロンさんは海に近い新潟市は故郷(豪州)と似ている。日本語が読めないので、常に誰かに訊かなければならない点で苦労していると話しました。また、Noismに入ったことに関しては、スティーヴンさんが、公演を通して共有することができる。もっと共有したい、もっと公演の機会があったらいいと語った一方、タイロンさんは、毎日、鍛錬できる流れがあって嬉しいとしながら、日本文化やルールなどが母国と異なる点には苦痛もあったりするとちょっぴり本音も覗かせました。

舞踊についてではありませんが、会場から母国・香港の状況について心境を訊ねられたチャーリーさん、知人が困難な目に遭っている状況に、言葉を絞り出すようにして、まず、”They’re fighting for the freedom.(彼らは自由のために戦っている)”と切り出し、続けて「世界中からの暖かい支援に感謝している」と述べたあと、「あなたが正しいと信じるなら、進むべきだ。どこかで誰かがあなたの信じることに気付いてくれるだろう」の言葉にその思いを込めました。冬休みには香港に帰るそうです。状況の好転を祈ります。

また、森作品を観て、メンバーに新たな発見があったか訊ねられた金森さんは「そんなにない。(森さんは)彼らの魅力を引き出して創作するスタイルをとった。しかし、私の方が彼らをよく知っているので」と答えました。

アフタートークからはもうひとつだけ。「金森さんと森さん、どちらが厳しいか」という会場からの質問を金森さん経由で突然ふられたのは鳥羽さん。少し困った様子で、「違った厳しさです」と答えて、会場から安堵の笑いを引き出していました。他にも興味深いやりとりも多かったのですが、ここではこのくらいにさせていただきます。悪しからずということで。

季節の「Farben」

Noismが彩った師走の新潟市、3日間。その「Farben(色)」は私たちのなかに取り込まれて、忘れ得ぬ鮮やかな思い出となりました。

そのなりゆきはひと月強の後、新年1月17日~19日のさいたま市に引き継がれます。ご覧になられる方々、驚く用意をしてお待ちください。

(shin)

「やはりか!」驚きの『Double Bill』新潟中日+サポーターズ交流会のことなど

2019年12月14日(土)の新潟市は、朝の好天がお昼前に一転、風雨吹きすさぶ荒れた天気となり、そのまま公演時間の17時を迎えることとなりました。それでもこの時期の新潟ですから、雪が降っていないだけましと思えば儲けものなのでしょうが、寒いものは寒い。特に風が冷たい夕方でした。

前日のレポで触れないでしまったホワイエの光景から書き始めます。今回の新潟公演では、主に県外からお越しの方々向けに新潟を楽しむための紹介資料と、サポーターズおよび「さわさわ会」が発行してきた紙媒体のバックナンバーとが並べられたコーナーが設けられ、多くの方々が興味深く足を止めて、気になったものをお持ち帰りになられていました。

新潟の資料コーナー
サポーターズ会報バックナンバーたち
こちらは「さわさわ会」のコーナー

他にも、今公演のNoism物販コーナーでは、新潟市・上古町のhickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)さんによる新潟土産や、新潟・市民映画館シネウインドさん発行で、森優貴さんへの取材記事を掲載した月刊ウインド12月号が販売されていますし、その傍らには、「新潟」繋がり&「ジョー」繋がり、阿賀町にて長期ロケを行って撮られたオダギリジョー監督の映画『ある船頭の話』(同シネウインドで年末・年始に上映予定。個人的にお薦めの作品です!)のポスターが、その鮮やかな「赤」でホワイエにもうひとつの「Farben(色)」を加えています。

Noismをきっかけに、新潟を多角的に楽しむことができたら嬉しく思います。そんな仕掛けの数々に、思わず頬が緩みました。

前置きが長くなってしまいました。ここからは新潟公演中日の公演レポです。先ず真っ先に書いておかなくてはならないのは、「えっ、マジ?」(驚き)が速攻「やはりか!」(納得)に転ずる金森作品『シネマトダンス』のことでしょう。公演期間中にあっても細かな変更・修正はつきものなのでしょうが、金森さんの場合、ラストを変更してくることがままあります。今回もそうでした。もう慣れっこになっている部分もあるのですが、やはり最初の受け止めは「えっ、マジ?」、そしてこれまでの経験から、間髪を置かず「やはりか!」となったような次第です。ラストが変更されたのは、「3つの小品」のうち、最初の『クロノスカイロス1』と金森さんのソロ『FratresII』のふたつ。初日ヴァージョンと中日ヴァージョン、その趣は異なります。果たして新潟楽日はどうなるのか?そうした意味からも目が離せなくなってしまう訳です。

休憩後の森作品『Farben』、情緒を揺さぶり続ける音楽、そのビートひとつひとつを動きとして可視化していく12の身体。動けば動くほどに、個々の身体がもつ「Farben(色)」が零れてきます。それを大らかに許容する作品にあって、舞踊家も伸びやかに映ります。この日は、ラスト、林田さんが舞台中央で繰り広げる圧巻の動きに見とれました。カーテンコール時に、先ず全員一列に並び、拍手・歓声・「ブラボー!」に応えたあと、列の両脇から、交互に一人ずつ、順に一歩前に進み出て一礼をするスタイルも、舞踊家一人ひとりの「Farben」を持ち味とする作品らしさであると感じます。「推しメン」に大きな拍手を贈ることが可能ですので、是非♪

この日のアフタートーク、金森さん、山田さん、そして直前に踊っていた井関さんが少し遅れて登壇しました。Noism0メンバー3人による気心知れたトークでありながら、それぞれの経験が語らせる「核心」をついた内容には深い世界を覗き見させるものがありました。

登壇してスカーフを直す井関さん

3人が話された内容から少しご紹介いたします。(ネタバレにならないギリギリのところで書きたいと思います。)

『クロノスカイロス1』のピンクの衣裳について、「テーマは時間。身体的に知覚可能な最速のものは光。照明は可視光線の色のレンジを使っている。そのなかで視認し易い色、追い易い色としてピンクを使った」(金森さん)

『夏の名残のバラ』に関しては、金森さんが「Noismの歴史は井関さんの身体に刻まれている。『いまも身体に残っている振付は?』と訊いて創っていった」と語れば、井関さんは「まず、舞台が広い。この作品のクリエーションが始まったのが一番最後だった。早く稽古したい気持ちだったが、振付家が『クリエーションを楽しみたい』と言って時間をかけた。(笑)お客さんが入って初めて完成する作品だと思う」と話してくれました。

『Fratres』IとII、そしてまだ見ぬIIIについて、3部作同時に上演することはあるかと問われた金森さん、「ありません」とキッパリ。その理由を、「I+IIが、IIIになるので、連続上演は不可能。観てもらえばわかります」と語りました。

その金森さん、今の身体の様子とそれに対する向き合い方を訊ねられて、「若い頃に比べて可動域は狭くなっているし、進化してはいない。しかし、経験と技術と精神コントロールを手にしている。日々の稽古を重ねて、若かりし頃に持っていたものを取り戻して、ここまで来た感じ。稽古しかない」との答えでした。

また、金森作品と森作品を踊った井関さん、最も大きな違いについては、「今回、身体性が違う」としながらも、「覚悟をもって舞台に立つのは同じ」と続けました。更に、森さんに関しては、「『森くん』とは同い年で、19歳のときにオランダのオーディション会場で出会っている。お互い群れるのを好まず、日本人がひとりずつぽつんといた印象がある。今回のクリエーションは、彼のエネルギーが凄くて、最初、体がボロボロになっちゃうくらいのところから始まったが、『負けるか!』みたいな気持ちで向かっていった。同時に、この年になると、振付家の意図を汲み取ることもできるので、言われたことをやるのではなく、一緒に作品を作っていることを感じられた」と語りました。

山田さんは一度Noismを離れて、東京に行った時期のことについて訊ねられると、Noismを外から見て相対化できたこと、また、その時期に武道家・日野晃氏に出会えたことが大きいと語り、Noismメソッドに戻って、身体のことがよくわかったと答えました。

あと、ニッチな答えにはなりますが、井関さんが今ハマっている人は美空ひばりさんで、「(存命中に)見てみたかったな」と。そして今回ある箇所の映像に映り込んだジョー マローン ロンドンの香水は「ピオニー&ブラッシュスエードです」とのことでした。

アフタートークのあと、会場をりゅーとぴあ内のレストラン・リバージュに移して、サポーターズ交流会が開催されました。

この日の参加者は、総勢20名。遠くは京都、そして東京や神奈川からお越しの方々、そして、前日、サポーターズに入会されたばかりの方を含めて、Noismを通じて知り合いになった者たちが、Noismを肴に、和気藹々、和やかにテーブルを囲み、おいしいお酒とお料理に舌鼓を打ちました。それに伴い、私たちの顔も徐々に視認し易い「ピンク」に染まっていきましたとさ。

仁多見・りゅーとぴあ支配人のご挨拶に手を挙げて応える参加者
何故かは…忘れました(笑)
こちら、この日のオードブルです♪

Noismの縁で素敵な繋がりが持てたこと、愉しい時間が過ごせたことに感謝です。

私たちサポーターズは一般市民に過ぎませんが、Noismを愛し、支える気概については、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなどを支えたメディチ家にも負けるものではないことを確認いたしました。(←大袈裟すぎないか?←大丈夫です!(笑))そんな具合で、Noismの魅力に触れたことのない方々への発信にも力を入れたいと思う宵でもありました。次回、また多くの方のご参加をお待ち申し上げます。

(shin)

秋の鳥取・BeSeTo演劇祭/鳥の演劇祭の『Mirroring Memories』(2019 ver.)初日

2019年11月9日(土)の鳥取県は鹿野町・旧小鷲河小学校体育館。鳥取市から鳥取自動車道道を使っておよそ30分。例年ならこの時期、鮮やかな紅葉に囲まれているのだろう山あいの水辺。はるばる新潟から訪れて、観てきました『Mirroring Memories ––それは尊き光のごとく』(2019 ver.)、第26回BeSeTo演劇祭/第12回鳥の演劇祭での初日公演。

個人的には、さして旅好きという訳でもないので、Noismを観ていなかったら、恐らく生涯、足を運ぶこともなかっただろう地、鳥取。更に今年9月に富山県の利賀村に一念発起してシアター・オリンピックスを観に行く選択をしていなかったら、縁遠いままであっただろう地、鳥取。それが、「行ってみるのも面白いじゃない」と考えてしまえるようになり、公演前日の早朝、車で新潟を発ち、約10時間のドライヴで鳥取入りをするなど、以前の私からは考えられないことでした。鳥取に着いてみると晴天で、まだ日も高かったので、小学校の教科書で見た知識の持ち合わせしかなかった鳥取砂丘を訪れ、雲ひとつない青空の下、一足毎、靴が砂に埋まるさえ厭わず、敢えて急峻な斜面を選び、無駄にダッシュで上り下りして、足は上がらないは、息は切れるは、思う存分に「砂丘」を体感する機会を得たのでした。長々と余談でした。スミマセン。

そして迎えた鳥取公演初日、天気予報では下り坂の雨予報。それも公演時間帯あたりが「雨」とのこと。天気を心配しながら、お昼時分に鹿野町に移動してみると、やはり、少しして天気雨に。やがてやや大粒の降りに変わりましたが、さして長く、さしてたくさん降ることもなく上がり、気温が一気に下がることもないまま夕刻を迎えられたのはラッキーでした。

開場直前の様子

午後4時過ぎ、今回の会場となる、かつての小学校体育館脇で料金2500円を払って受付。同じく新潟から駆け付けた顔や、Noismを介して知り合った遠方の友人の顔。そして旧メンバーの浅海さんとご家族。途端にアウェイ感が薄らぐとともに、「いよいよだな」という気分になってきます。

午後5時を告げるサイレンと音楽が山々に谺し、程なくスタッフの指示で入場。正面奥にミラー。その手前、床に敷かれたリノリウムが一番低く、それを階段状に設えられた仮設の客席から見る按配です。満員の客席。私たち知人グループは運良く揃って最前列に腰掛けることが出来ました。そちら、背もたれがないのはいつものこと。演者を間近から見上げることになる席です。そして体育館の床ですから、ただの板張りとは異なります。床下はスプリング構造になっているため、演者が起こした振動が足裏から直に伝わり、こちらの体も共振するような感覚を覚えました。

私をして鳥取まで足を運ばせたもの、それは、2日間限りのキャストを観たいがため。浅海さん、中川さん、シャンユーさん、西岡さんがいなくなり、メンバーが変わって、どんなキャストで、どんな肌合いに仕上がっているのか見逃せないという気持ちからでした。

〈キャストその1〉
〈キャストその2〉

まず、「彼と彼女」、人形(彼女)は西澤真耶さん。白塗りの顔は可愛らしい西洋のお人形さんそのもの、ぴったりの配役に映りました。黒衣のひとりには初登場のスティーヴン・クィルダンさん。彼は続けて、「病んだ医者と貞操な娼婦」と、更に「生贄」「群れ」でも黒衣で踊り、「拭えぬ原罪」からの『Schmerzen(痛み)』において仮面を外して初めて顔認識に至ったのですが、異国の地でのカンパニーに充分溶け込み、違和感はありませんでした。

浅海さん役を引き継ぐのはやはり鳥羽絢美さんです。「アントニアの病」「シーン9–家族」、そしてラストの少女役、どれも彼女らしい弾むようなリズム感を堪能しました。

西岡さんが演じた「Contrapunctus–対位法」を踊ったのは井本星那さん。かつて少年らしく映っていた役どころでしたが、井本さんの持ち味から、女性らしさが拡がっていたように思いました。

中川さんの後を継ぐのは誰か、それが今回の一番の関心事だったと言えます。まずは、「シーン9–家族」の「P」役はNoism2の坪田光さん。当初キャスティングされていたメンバー(タイロンさん)が怪我のため、急遽、抜擢されてのデビュー、頑張っていたと思います。

そして、「ミランの幻影」におけるバートル。中川さんからシャンユーさんへ渡されたバトンを今回託されたのは、チャーリー・リャンさん。共通するのはどこかフェミニンな雰囲気を滲ませる存在感でしょうか。井関さんとの切なく華麗なデュエットですから緊張感も半端なかったでしょうが、若々しいバートルを見せてくれました。

その他、キャストに異同のない部分はどっしり安定のパフォーマンスを楽しみましたし、何度も繰り返し観てきた演目でしたが、このキャストを見詰めるなかで、部分部分に様々な感じ方が生じてくることに面白さを感じる1時間強でした。

終演。緞帳はありません。顕わしになったままのミラーを背に全員が並ぶと、会場から大きな拍手が送られ、2度の「カーテンコール」。山陰のNoismにお客さんはみんな大満足だったようです。

その後、BeSeTo演劇祭日本委員会代表/鳥の劇場芸術監督の中島諒人さんと、簡単に汗仕舞いをしたばかりの金森さんによる短めのアフタートークがあり、中島さんの質問に金森さんが答えるかたちで進められました。

質問はまず、上演作の経緯から始まり、恩師ベジャールとの関係などが紹介されていきました。そのなかで、中島さんがタイトルの日本語訳はどうなるか訊ねると、金森さんは構成のプロセスとも重なるとしながら、「乱反射する記憶」と訳出してくれました。

「劇場専属舞踊団」を糸口にしたやりとりの過程で、金森さんはNoismを「プライベートなカンパニーではない」とし、金森さんに依存せず、次代に引き継ぐ長期的なヴィジョンを口にされ、「新しいかたち、どういったかたちで持続可能なのか、我々に課せられた課題である」と語りました。

場内が笑いとともに沸き立ったのは、話がNoism存続問題に及び、市民への還元が課題とされる状況に関して、中島さんが敢えて「不本意?」と本音に切り込んだ時でした。一切動ぜぬ金森さんはすかさず「それは日本のなかで専属舞踊団を抱えることの現実であり、後世に残るモデルケースを築いていくべく3年間頑張る」と、ここでも新生Noismを感じさせる前向きな姿勢で後ろ向きな心配をシャットアウトした際の清々しさと言ったらありませんでした。その返答を聞いた中島さんも「コミュニティと関わる面白くてクリエイティヴな還元方法を発明すること。アーティストとして見つけることもある」と即座に同じ方向に目をやって応じ、トークは閉じられていきました。

会場から外に出ても、闇が迫る旧校庭にはたちずさむ人たちの多いこと。山陰のNoismが多くの人を魅了したことは言うまでもありません。その場に居合わせることが出来て嬉しく思いました。

(shin)

舞台と客席に幸福な一体感、15周年記念公演・新潟楽日♪

2019年7月21日(日)の新潟市は、3日間の15周年記念公演期間中、唯一「晴れ」と呼んでよい一日。少し動くだけで汗ばむ気温の中、自動ドアを通って、りゅーとぴあに入ったとき、エアコンが利いた館内の涼しさに救われた気がしたのは私一人ではなかった筈です。

活動期間についての結論が出ていないなか、新潟公演の楽日の舞台を観ようと集まってきた人たちは、胸中、それぞれに何とかして表出したい強い思いを抱えているようでした。ですから、開演前のホワイエは華やぎに混じって、何か大事なものに向き合う前の決然たる空気感があるようにも感じられました。

それが錯覚でなかったことは程なく示されることになります。最初の演目『Mirroring Memories-それは尊き光のごとく』が金森さんのソロから始まりました。冒頭すぐのことです。「ブチッ」、音が一瞬飛ぶ小さなアクシデントがあり、客席もハラハラ。しかし、当の金森さんが心を込めて踊りあげていくので、観る側も案じる気持ちを傍らに、固唾をのんで見詰めることができたのでした。金森さんの放つ気が客席に及び、観客も舞台と一体化していきます。その結果、金森さんのソロが終わったその瞬間、期せずして拍手と「ブラボー!」の掛け声が起きたのです。おとなしい反応で知られる新潟の客席では実に珍しいことだったと言えるでしょう。

その後、観客側から舞台上の演者に届けたい思いは、シーンが終わるたびに拍手のかたちをとって劇場内に木霊することとなったのでした。その場にいて、周囲と一緒に拍手していると、目頭が熱くなってくるのがわかりました。一体感が高まっていく劇場の、それはそれは感動的なこと!その場に居合わせたことで、多幸感に浸ることができました。

私たちの大切なNoism。カーテンコールのない『Mirroring …』のあとに、そしてカーテンコールが繰り返された『Fratres I』のあとにも勿論、大きな拍手と「ブラボー!」の掛け声が響いたことは言うに及ばないでしょう。

幸福感が極まるカーテンコールの最終盤、横一列に並んだ舞踊家たち。つつっとその中央位置を離れた金森さん、舞台下手袖に移動すると、今季末にNoismを離れるふたりの舞踊家に贈るためのふたつの花束を抱えて戻ります。オレンジ系の花束はシャンユーさんに、次いで、赤系の花束は浅海さんに手渡されました。渡すたびに、愛情と労いを込めたハグが添えられたのですが、身長差のある浅海さんに対しては、中腰になってハグしようとする金森さんのユーモラスな姿に、会場からは温かみのある笑みが零れ、幾分か寂しさが中和されるように感じました。まったく素敵な光景だったと思います。

更に、カーテンコールの一番最後には、舞台上の金森さんからスタッフに対して、そして、客席に向けて拍手をする仕草が出ると、それが横一列に並んだ舞踊家全員に拡がり、つまりは、場内にいた全ての者が拍手に参加するかたちになることで、幸福な一体感も最高潮に達し、新潟の楽日は締め括られていきました。笑顔の舞踊家、笑顔の観客…。

その後、暫くして、おりていた緞帳が再びあがると、すっかり後片付けが済んだ舞台上、金森さんによるアフタートークです。いつにも増して多くの質問シートが寄せられ、それらに答えるかたちで進められていきました。以下に、金森さんが話された内容を少しご紹介いたします。(公演内容に深く関係あるものに関しては、東京公演が控えている事情から、ここでは触れずにおきます。)

  • 『Fratres I』に関して、こんなに集中を要する10分ってあるのだろうかと感じる。
  • 使用楽曲中、歌詞のあるものについては、その意味から振付を行っている部分もあるので、この後、NoismのHPにアップすることにしたい。
  • 黒衣を用いたきっかけ: 日本に帰国後、文楽を観て、いるけれど、いない、或いは、いないものとして享受する奥深さに衝撃を受け、その豊かさに惹かれて、『Nameless Hands』にて初めて登場させた。人生の節目節目で、何かしらの力を感じて生きてきたこととも無関係ではないと思う。
  • アフタートークについて: 欧米でもカンパニーや劇場によって有無の別がある。(NDTはなし。リヨン・オペラ座はプレ・トーク形式。)自分としては、生の質問を聞きたいという思いがあるほか、舞踊家がどのように過ごしているのか知ってもらうことで、劇場文化を共有したいという思いから行ってきた。これからも新潟ではやっていきたい。
  • 発想のタイミング: 何でもないときに思いつく場合も多いが、それは常に考えているから。今回も、お風呂に入っているときに着想を得た。
  • 踊りが持つ力: 非言語的表現。空間のなかに人がいて、明かりが当たり、音楽が流れると、何も言わずして、それだけで豊饒な奥深さを表現し得る。言語化も数値化もできないものを表現する力が踊りにはある。
  • 長い作品と短い作品について: 長い作品は緊張感の持続が緩む瞬間があり、どう緩ませて、どう引き締めるか。短い作品はクレッシェンドでいけてしまうところがある。長短、どちらも好きである。
  • 『Fratres I』に関して、祈りについて: いつ頃からかわからないが、朝、稽古場に行き、自分の身体に耳を澄ましてみる行為が祈りに通じてきた。精神的、超越的なものへの献身。身を賭して、毎日、祈っている。
  • Noismが目指すもの: 舞踊の歴史を再学習し、身体に落とし込み、お客さんに対する問題提起として届けていくなか、ジャンル分けが無効となるような、「何かNoismなんだよね」としか言えないものを目指している。
  • 世界と地元(新潟): 誤解を恐れずに言うならば、芸術家としては、常に世界の中にいたい。新潟にいたことで、自分の作風がどうなったかという分析はしていないが、幸い、ふたつの目があるので、左右の目で世界と地元を見ていきたい。
  • 伝え聞く恩師(モーリス・ベジャール)の遺言、「過去を振り返ってはならない。前に進むんだ」の通り、小さなことであっても、常になにか新しいことをしていきたい。
  • 「Noismを支援したい」と、その方途を訊ねる声に答えて、金森さん、「客席を埋めてくれること、そしてお金の話になって恐縮だが、活動支援会員になってくれることがある。でも、一番はやはり、こうして観に来てくれること。周りの人を騙してでも連れて来てください」と笑いを誘うことも忘れませんでした。
  • 身体と向き合い、今、できることを続けていくことで、祈ることしかできない。これからも見続けてください。等々…。

今週金曜日からの3日間(7/26金、27土、28日)は、めぐろパーシモンホール・大ホールでの東京公演が控えています。身体に加えて、音楽、照明、衣裳、演出その他、混然一体となって観る者の心に食い込むのは、新潟も東京も変わらないことでしょう。お待たせしました。目黒でご覧になられる方、どうぞ目一杯ご期待ください♪

(shin)

漸く来た!Noism、2020年8月まで活動期間更新の報せ♪

Noismを愛する皆さま。既にご存じかとは存じますが、
本日(2019/3/6)、Noism活動期間更新の悦ばしき報せが入りました。
2020年8月までとのこと。
従来の「3年単位」ではありませんが、先ずは一安心といったところですね。

しかし、あくまでもこれは「暫定措置」とみるべきで、
中原市長の市政においても、
Noismがこれまでと同様にしっかり新潟市に根を張った活動を展開していくためには、
やはり「3年単位」の更新を勝ち取っていかなければならないとの考えに変わりはありません。

で、2020年8月以降の活動につきましては、
これまで1年前に決定されるのが常だったことを考え併せますと、
今年の8月~9月くらいに方針が出されるものと考えられます。
今から約半年後となります。まさしくここが正念場な訳です。

幸い、先頃の実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』で
初めてNoismをご覧になった市長はかなり好印象を持たれた、
という話も伝わってきております。
そうした追い風も大事にしながら、
Noismの安定した活動を手にしてするべく、
サポーターズ一丸となって応援していかなければなりません。

また、先日の特別アフタートークの席上、
会場から「Noismのために何をしたら良いですか?」と問われて、
金森さん、即座に「友人、知人、見知らぬ人を劇場に連れてきて下さい」との答え。
何を措いても基本はまずそこなのでしょう。
皆さまからの益々のご協力、ご支援をお願いする次第です。
この機に、追い風に乗って、
明日に向かって滑空していかなければなりませんね。
どうぞ宜しくお願い致します。
(shin)