「ランチのNoism」#13:カイ・トミオカさんの巻

メール取材日:2021/7/17(Sat.)

もう圧倒的な舞台の力を見せつけたストラヴィンスキー没後50年 Noism0+noism1+Noism2『春の祭典』公演が全てのツアー地を巡り終え、次のサラダ音楽祭に向けて、活動支援会員を対象とする公開リハーサル(1日目)が行われた日、2021年8月5日。「ランチのNoism」も取り急ぎ、その13回目としてカイ・トミオカさんの巻をお送りします。

今回、故あって、少し予定を変更し、以前に、クリスマスの番外編として、その料理の腕を見せてくれただけでなく、その背景に料理哲学みたいなものを存分に感じさせてくれたカイ・トミオカさんが「ランチのNoism」レギュラー回に再登場してくれました。

では、いってみましょうか。

♫ふぁいてぃん・ぴーす・あん・ろけんろぉぉぉ…♪

りゅーとぴあ・スタジオBに舞踊家たちの昼がきた♪「ランチのNoism」!

*まずはランチのお写真から

おおっと、これは絶対…
そう、顔になってますね、顔に。
お茶目です、カイさん!

1 今日のランチを簡単に説明してください。

 カイさん「Noismでの3年間、私のランチはずっととても似通ったものでした。まず初めは、納豆ともずく。それからメインディッシュ。そちらに関しては、毎日、或いは、一日おきに異なっていましたが。これは私が作ったラザニアになります」

 *納豆、嫌いじゃないんですね。もずくだって、嫌がる外国人は多い筈ですけど。そしてまた再燃する「バナナ問題」(林田海里さんの回)!(笑)カイさんは「青バナナ」専ではないと見えます。私も草みたいなの(←酷い言い方…。(汗))よりはこのくらいが落ち着きますけど。(←個人的な感想です。)

 *もっとラザニアに寄ってみますね。ズンっ!

ラザ~ニア・イン・ジプロック(←多分)

2 誰が作りましたか。普通、作るのにどれくらい時間をかけていますか。

 カイさん「私はいつも自分で用意しています。このラザニアは作るのには数時間かかりましたが、とても多くの量を作ったので、4日間も食べることができました」

 *クリスマスのときにも手を抜かないお料理を見せて貰いましたけれど、これもまた手の込んだ本格的なものなのでしょうね。とても美味しそうですし、何より、こうして出来上がるまでの調理をしている時間も大切に刻まれてきていることを窺わせますよね。

3 ランチでいつも重視しているのはどんなことですか。

 カイさん「納豆ともずくを食べることは私にとって、ひとつの「慣習」と言って良いものになりました。もずくには柔軟性に良い酢が含まれていますし、納豆が含むたんぱく質については言うまでもないでしょう。そしてメインディッシュは食べたいと思ったものを食べるようにしています!」

 *身体と心の双方に効くランチってことになるでしょうかね。さすがです、カイさん。 

4 「これだけは外せない」というこだわりの品はありますか。

 カイさん「納豆ともずくは毎日入っていますね」

 *外国籍の方じゃないみたいです。でも、そんな感覚が古いのかしら、って思いにも囚われますね。いいものはいいのです。そして、わかる人にはわかるのです、何につけ。

5 毎日、ランチで食べるものは大体決まっている方ですか。それとも毎日変えようと考える方ですか。

 カイさん「普通、一週間でふたつのメインディッシュを食べるかたちのランチになっています」

 *時間をかけても、美味しいものを、賢く作り置きして、賢く食べてらっしゃる、そんな姿勢、ライフスタイルとして素敵です。

6 公演がある時とない時ではランチの内容を変えますか。どう変えますか。

 カイさん「公演がある日は食事する時間が違ってきますから、大抵は、朝食をかなり多めに食べておいて、公演に向けて充分に消化されるよう、ランチは少し軽めにしています」

 *エネルギーの補給だけでなく、やはり、消化の側面も意識してるんですね。満腹か空腹かっていう「一次的欲求」レベルの大雑把な食べ方ではないってことですね、やっぱり。そりゃあ、そうかぁ。

7 いつもどなたと一緒に食べていますか。

 カイさん「誰とでも喜んで!最近では、私とスティーヴンジョフチャーリーリオ(=三好綾音さん)、カリン(=杉野可林さん)で同じテーブルについてますが、誰が来ても大歓迎です!」

8 主にどんなことを話しながら食べていますか。

 カイさん「ランチというのはみんなが話したいと思うあらゆることを話す機会と言えます。ですから、話されているのは『こんなこと』みたいに挙げることは不可能です」

 *いかにもカイさんらしいお答えというか。そしてウエルカムな性格なんですね。みんなとの時間を大事にしようとしている点、ナイスです、カイさん。

9 おかずの交換などしたりすることはありますか。誰とどんなものを交換しますか。

 カイさん「コロナの影響で、食べ物をシェアしないよう言われていますよね。でも、もし、自分で特に自信のもてるランチを作ったようなときには、誰か試してみたい人はいるか訊ねたりするでしょう」

 *本当に不自由な空気に覆われていて、閉塞感が強い昨今。嫌になっちゃいますよね。でも、辛抱するしかないですね。終息する日がやってくることを信じて、願って。

10 いつもおいしそうなお弁当を作ってくるのは誰ですか。料理上手だと思うメンバーは誰ですか。

 カイさん「あらゆる人のランチはその人独特なもので、その人自身を反映するものです。時間があって料理に興味がある人であるなら、料理を好まず、忙しい人とは全く異なるランチになるでしょう!筋肉を付けたいからと沢山食べる人もいるでしょうし、体重を減らしたいということでほとんど食べない人もいることでしょう。食べ物はこの世界の一人ひとりにとって、極めて重要なものと言えます」

 *これです、これです。これまた、いかにも深いですよね。昨年のクリスマスのときに感じた「哲学する料理人」カイさんの面目躍如たるものです。「食」への洞察に富むカイさん節、再び炸裂って感じで、我が身を振り返って、ただ食べてるだけだなって思わせられちゃいました。(汗)…そんな深みのあるカイさんの回もここらへんで。カイさん、どうもご馳走様でした。

カイさんからもメッセージを頂きましたので、どうぞ。

サポーターズの皆さまへのメッセージ

「ここNoismで過ごした3年間、サポーターズの皆さまに感謝します。皆さまが私と同じくらい、舞踊とNoismに対して情熱を有しているのは素晴らしいことです。ベストのパフォーマンスをお見せできるよう、私が常に力を尽くしていたことをご存知頂けていたら嬉しく思います。どうも有難うございました」

…今回、予定を変更してカイ・トミオカさんのレギュラー回をお送りしたのにはちょっと淋しい事情がありました。と言いますのも、メッセージからも読み取れますように、カイさん、先月(7月)末の札幌公演を最後にNoismを退団されたからです。
今も目に浮かぶのは、『春の祭典』において、下手(しもて)手前にたまるガールズに向かって上手(かみて)奥から寄ってくるボーイズの場面、開脚ジャンプを何度も何度も繰り出して迫ってきたその姿。あの高さ、あの連続ジャンプはまさに「ゴン攻め」の趣。目を見張りました。そしてそれだけでなく、もっともっと観ていたい舞踊家のひとりでした。また違う舞台で躍動する姿を楽しみにしております。カイさん、3年間、感動を有難うございました。
以前の「私がダンスを始めた頃」から、若き日の開脚ジャンプ画像を再掲しておきます。この頃のジャンプを支えていたものは納豆ともずくではなかったでしょうけれど…。

再掲のこのジャンプ、
コレがアレになった訳で、
時を隔てた代名詞ですね♪

今回はここまでです。次回は誰がどんなかたちで登場してくださいますでしょうか。お楽しみに。お相手はshinでした。それではまた。

(日本語訳+構成: shin)

「「ランチのNoism」#13:カイ・トミオカさんの巻」への2件のフィードバック

  1. カイさん shinさん
    ランチ記事、ありがとうございました!
    納豆とモズク、ウェルカムな気持ち、そして料理哲学 等々、すごいですね!

    『春の祭典』でのダイナミックなジャンプも印象深いです。
    退団は残念ですが、これからもカイさんの舞踊の道を進んで行ってください。
    ますますのご活躍をお祈りいたします。
    (fullmoon)

    1. fullmoon さま
      コメント、有難うございました。
      『春の祭典』でカイさんが「ビッタビタはめていた」「鬼ヤバイ」連続開脚ジャンプ。こうして「私がダンスを始めた頃」と併せて見てみると、カイさんがトレードマークとして磨いてきた感があり、決して忘れられない姿、光景になりましたよね。
      Noismを去られたことは淋しいですが、今のタイミングでカイさんの「ランチ」をお届けできて、ぎりぎり、ぎりっぎりセーフだったかなぁと思っています。

      別の舞台に立つカイさん、これからも応援してますからね。どうも有難うございました。
      (shin)

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