Noism2『Complex』楽日は「これ、研修生のカンパニーですか?」のクオリティ♪

2021年4月24日(土)、昨日に続いて、ほんの3日しか観ることのできないNoism2定期公演vol.12『Complex~旧作と新作の複合による』の楽日を観てきました。

この日は前日同様の最前列ではありながら、舞台を余すところなく視野に収める事が出来る、少し角度を付けた席から観たかったので、開場の約1時間前から並んで、思った通りの席を確保する事に成功しました。それというのも、若さの迸り、その熱量をダイレクトに受け止めたい思いと、メンバー一人ひとりをキチンと把握したいという気持ちからでした。

前日の公演を心から満喫していたので、この日も、その充実した時間の再現を期待して客席に身を沈めたのでしたが、それはNoism2の9人のメンバーに対して失礼極まりない態度だったと思い知らされることになります。この日、楽日の公演にはもっともっとハードルを上げて臨んだとしても、決して裏切られることのないクオリティを見せつけられたのでした。

公演プログラムより

3年目を迎えた池田穂乃香さん、カナール・ミラン・ハジメさん。2年目は坪田光さんと中村友美さん。そして昨年9月入団の青木愛実さん、兼述育見さん、小林亜優さん、土屋景衣子さん、渡部梨乃さん。みんな素敵で、凄くて、眼福、眼福。

彼(女)らの楽日。前半の30分も、後半の25分も、もうスルスル過ぎ去っていった感が強く、それというのも、9人が一人残らず、自信と確信に満ちた動きを示し、舞台狭しと躍動していたからです。研修生を見守る「保護者」に似た目線のハラハラ感など湧いてくる暇もありませんでした。この日、本当にスルスルと淀みなく過ぎていった舞台上の時間は、前日に体験していた時間とはそのレベルを異にするものだったと言えます。前日からの目を見張るほどの飛躍。若さ、本当に恐るべし。そう実感させられた次第です。

殊に、ラストに置かれた『R.O.O.M.』の「鬼」パートを踊る9人の顔に、揃いも揃って、紛れもない笑顔を観ることのあり得なさと言ったら、それはもう信じられないような光景であり、若い舞踊家がその9つの身体から発散させる「踊る喜び」が、客席に及び、観客と一体化して、感動的な時間が横溢する空間を現出させていたと思います。沸き起こる万雷の拍手とスタンディングオベーションはその証。それにはにかむような笑顔で応じる9人の瑞々しさ。りゅーとぴあ〈劇場〉はえも言われぬ多幸感に包まれていました。

冊子「りゅーとぴあ時間の楽しみ方BOOK」より

上に紹介した画像、りゅーとぴあ発行の冊子「りゅーとぴあ時間の楽しみ方BOOK」の12ページ、Q.16の記載に見られる通り、まさに「研修生だからと侮るなかれ」。圧巻の舞台に完全ノックアウトされてしまったのです。

終演後、ホワイエで友人・知人と言葉を交わそうにも、「凄かったですね」以外に何も浮かんでこず、興奮は一向に冷めやらず、火照った心と体のままに帰路に就くことになった土曜日の夕まぐれでした。

少し時間が経って、これを書いている今、何としても言いたいこと。「たった3回なんて勿体ない。また観たい。もっと観たい。堪らない、これ。大好き」と。正直な気持ちです。9人のこれからが楽しみでなりません、はい。

(shin)

「Noism2『Complex』楽日は「これ、研修生のカンパニーですか?」のクオリティ♪」への2件のフィードバック

  1. shinさま
    ありがとうございました!
    その通りですね。
    素晴らしい舞台でした!
    今日も観たいですね♪

    この作品、全編 金森穣。
    さすがです。
    構成がいいし、照明、幕の使い方など、シンプルにして最大の効果が表れていました。
    金森さんがNoism2にここまで関わるのは久しぶり、もしくは初めて??
    この指導者にして、あの結果アリ、と思います。
    金森さんの期待に応えたNoism2メンバーに大拍手です♪
    観客のスタンディングオベーション、たくさんの人たちが立ちましたね。
    幸せな時間でした♪
    (fullmoon)

  2. fullmoon さま
    コメント、ご感想、有難うございました。
    楽日の公演、観終えた直後は、マジで凄くて、言葉を失いましたね。大好物です。もっと観たいです。

    私はこれまででは、平原慎太郎さんのゴシックロマン『よるのち』とか櫛田祥光さんによる灼熱の屋外公演『ゾーン』とかが強く印象に残っているのですが、今回の『Complex』に関しては、「舞踊」の懐に抱かれながら、自然と、その根底にある普遍的な「何か」に触れることを楽しむ作品として深く敬愛するものです。

    そして同時に、金森さんがかつて言っていた「Noismには音楽と身体があれば充分」の言葉を思い出すとともに、全くお門違いで不遜に響くかもしれませんが、今作を踊り切ったNoism2メンバー9人に対して、「Noismへようこそ!」みたいな感覚すら覚えました。「いったいどんな立場で言っているんだ!」と指弾されそうなくらい、お門違いで不遜なのですけれど…。(汗)
    …それほど、心の底からの感動を覚えた楽日の公演でした、ってことで。

    ところで、確認なのですが、もう今日は公演ないんですよね。ホント淋しい…。(涙)
    (shin)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA