インスタライブvol.9は映像舞踊ボレロ裏話♪

2020年10月26日(月)21時、9回目を数える金森さん+井関さんのインスタライブは、10月9日に公開された映像舞踊『BOLERO 2020』の裏話♪なんとも嬉しいじゃあ~りませんか、コレ。おふたりのインスタにアーカイヴが残されています。是非ともご覧頂きたいと存じますが、今回も簡単に概略のご紹介をさせて頂きますので、参考にされてください。

発端: コロナ禍で公演はできないが、メンバーは新潟にいて、「稽古はしてよし」の日々、「このメンバーで何も残せていなかった」思いがあったこと。

今の時代のボレロを作る: 恩師ベジャール版は中心にメロディ(カリスマ、ソロ)を配し、それをリズムが取り囲む構造=極めて20世紀的マスターワーク。同じものを作っても仕方ない。今なら、多視点、同時多発的、個人主義、多様化。

『春の祭典』と共通のコンセプトで創作: ①楽譜の構造の理解、②スコアにのっとった台本作り、③舞踊家に楽器を割り振る。

『ボレロ』の3つの構成: メロディ、Aパターンリズム「メインリズム」、Bパターンリズム「合いの手リズム」(←金森さんの造語)→それら個別バラバラだったものが、やがて同期していく。

使用音源について: アルベール・ヴォルフ(1884-1970)指揮・パリコンセルヴァトワールオーケストラによる1950年代後半のLPレコード。著作権(70年)が切れているもので、演奏が良いものを選んだ。冒頭、登場するターンテーブルはおふたりのご自宅の私物とのこと。

動きのクリエイション: ①テーマ(キーワード)に基づいて、各メンバーに動き(断片・マテリアル)を作って貰う。②それを、金森さんがカウントに落とし込んで、メロディーラインで動きに還元していく。

今回『ボレロ』のキーワード: スコアナンバー1~7「いらいら、もどかしさ、我慢」、スコアナンバー8~11「むらむら、落ち着かなさ、欲望」、スコアナンバー12~15「鍛錬、解放、祈り」、スコアナンバー16,17「憤り、息が出来ない」。→『BOLERO 2020』は井関さんによる「我慢」から始まる。

映像作品を作ることの大変さ: エネルギーや緊張感が変わってしまうのでカットはしたくない。そこで全て一発撮り。SHSの協力を得て、一日での撮影だったため、各自30分以内で撮る必要があった。クリエイションは撮影を入れて2週間、振付も覚え立てほやほや状態で、「試験のようだった」とは井関さん。対して、金森さん、演出振付家としては、当然、最上のものを目指す訳で、「もう一度!」「One more time!」と言わねばならない場面も多く、「残るもの」を作る大変さがあった。

「ボレロ」最終盤の転調: ここではない別の次元にあがる瞬間。それがボレロの肝であり、それを可視化したかった。各自の部屋→舞台へ。非日常への飛躍。一分に満たないながら、生きる証。(…その際の衣裳秘話から続くお話は実際に聞いてのお楽しみ♪)

映像舞踊『BOLERO 2020』と今後: いずれ舞台でもやるつもりだが、それはそれで違う見世物になる。映像としての力や、舞台とは何かを感じることにもなる。一回じゃ見切れない。何度も観て欲しい。

…以上、そんな具合でしたかね。この日は「ショートなんで」(金森さん)と、ほぼ30分きっかりでの終了。しかし、聴いていて興味を惹かれるお話ばかりでしたので、是非、アーカイヴでお楽しみください。

そして聴けば、また観たくなること必定ですよね。ほ~ら、あなたもまた観たくなってきた。我慢は身体に悪いですからね。観たらいいんです、観たら。私も三度目のレンタル期間に入っております。

お粗末様でした。ではでは。

(shin)

「インスタライブvol.9は映像舞踊ボレロ裏話♪」への2件のフィードバック

  1. shinさま
    ありがとうございました!
    インスタライブ、面白かったですね~♪
    エピソードがた~くさんあって、驚いたり、笑ったり・・・
    楽しかったです♪

    それにしても 撮影おつかれさまでした!!
    「何回やったら気がすむの~!?」
    という皆さんの心の声が聞こえてきましたよ~~

    その果実をありがたく頂かせていただきます。
    私も3回目~♪
    アーカイブも何度もご覧くださいね!
    (fullmoon)

  2. 映像舞踊に関して、SNSに書き散らしたものに少し手を入れて、また転載させて頂きます。

    Noism『BOLERO 2020』3度目レンタル中。一時停止を繰り返しながら気になるところを観ています。-6:22~-5:51までの約30秒間、構成上、無人となるチャーリーさんの部屋。他の部屋もぼんやり見ながら、その無人の部屋を見詰めていると、小津安二郎の映画で物語が動く中、人が退出した後も部屋が映され続けるのに似ているように思えてきます。その情感。

    -4:03と-3:15でほぼ全ての部屋で動きが一瞬同期するときの快感♪
    それは完全な同期を示す-2:53への先駆け。しかし、-2:53が異なるのは、各々を隔てる壁の厚さ。個々の内面で情念が高まれば、否応なしに、外側の壁も強く意識されざるを得ない訳かと。コロナ禍、意識が薄かった者には壁も薄かった道理ですね。

    大転調を前にして、既に、-2:53からのbreak throughには毎回、鳥肌がたちます♪
    そのさまを目にして勇気づけられない者などないでしょう。

    ラストに置かれた群舞、細かなことではありますが、メンバーの現実の身長差を感じさせない画作りにも驚きます。

    皆様はどのようにご覧になられていますか。ご感想、絶賛募集中です♪
    (shin)

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