217(「NINAの日」)、彩の国さいたま芸術劇場初日

今回、「生け贄」のセンターを務める池ヶ谷奏さんがそう言うのだから
「NINAの日」…
などと始めると、何やら俵万智っぽくもある2018年2月17日(土)。
またしても大雪の予報が現実のものになり始めた新潟を離れて、
埼玉に来てみれば、
彩の国さいたま芸術劇場界隈は大変な強風。
で、16:30の入場時には、風にチケットを飛ばされてしまって
追いかけては足で抑える姿もちらほら。




大ホールの入り口を入ると、
いつものようにホワイエに立つ金森さんが目に入り、まずは会釈。
写真家の篠山紀信さん、「ヤサぐれ舞踊評論家」乗越たかおさんの姿も
お見かけしましたし、
元Noism1メンバーだった計見葵さんにはご挨拶できました。

ほぼほぼ埋まった客席。
予定の開演時間を5分ほど回った頃、客電が落ち、
『The Dream of the Swan』の関東初お目見え。
ベッド、ペンダントライト照明、井関さん。
怯えて身悶えする、崩壊寸前の自我。
時折、思い出すように蘇る正気。
移りゆくホリゾントの照明も暗示する今際の際に
フラッシュバックする往時の凛とした姿、
それはまさにたゆたう渾身の「瀕死の白鳥」。
「Under the marron tree」ならぬ「On her deathbed」。

異様に張り詰めた空気が会場を飲み込み、
終演後、客席から起こる拍手もクレッシェンド気味。
井関さんの笑顔にホッとして
漸く拍手できたという感じが漂っていました。

あちこちに、配布されたプログラムに目を通すお客さんの姿。
照明の撤去など準備が整うと、休憩は挟まずに、
『NINA ー物質化する生け贄』です。
漲る運動性を以って「不動」に徹する白い身体、5つ。
言い換えるなら、運動性に溢れた「不動」。
暗転。
動くことで、逆に運動性からは遠く映る黒い身体5つが加わり、
併せて10の身体が白黒5つのペアとなった際、
冒頭の「不動」の白い身体(人形、フィギュア)ポジションの意味が判ります。
崇高な玩具、或いはフェティシズムと倒錯。

白と黒、眩いばかりの黄金の光や赤を経て、
やがて再びの白と黒(または黒と白)に至るまで、
削ぎ落とされ、限定された動きが生み出すリズムの豊饒さ。
戦慄にして、厳かなユーモアと皮肉、その奥にあるのは鋭利な批評性。
そしてそれらを可視化する磨き上げられた身体性。
酔います、酔っちゃいます、酔いしれるしかありません。

「ブラボー!」の声も飛び、埼玉の客席を圧倒した感のある
Noism1『NINA ー物質化する生け贄』、
カーテンコールが繰り返されました。

「明日(2/18)が最後」かと思っていたら、
5月には上海公演もあるとのこと。
恐らく行く人はいるな、うん、いる。いるはず、あのあたり。(笑)
でも、わたし的には「明日(←正確には今日)が最後」なので、
瞬き機能OFFでガン見しようと思ってます。(笑)

【追記】
関東で観るNoism、いつものりゅーとぴあでの鑑賞との違いは
公演後のアフタートークの有無。
「ホーム」新潟を未体験の方は是非一度いらしてみて下さい。
病みつきになっちゃうかもです。
(shin)

「217(「NINAの日」)、彩の国さいたま芸術劇場初日」への3件のフィードバック

  1. shinさま
    埼玉公演、17,18日、すばらしかったですね!!!
    『Swan』の繊細さ、悲しさ、そして『NINA』の力強さ、迫力。
    堪能させていただきました。

    金森穣の作品世界と、それを実現化する舞踊家たちは奇跡の存在ですね。
    昔からそう思っていますが、ますます確信が深まりました。
    応援する甲斐がありますね~♪
    上海にも行きたくなります。

    『NINA』は以前はジェンダーについての声が多かったけど、今回は人間VS人工知能の声を聞きます。
    時代が変わっても、秘めているものが多いから、いろいろな見方、考え方ができますね。
    まさに芸術作品。

    金森さんの本心は女性讃歌かな~。
    魅惑的な女性に抗いようがない男性の悲哀だったりして・・・

    218ブログも楽しみにしています♪
    (fullmoon)

  2. fullmoon さま
    コメント、有難うございました。
    よくよく読まずに、次の投稿をしてしまったため、
    内容が重なってしまってまして、失礼しました。
    で、fullmoonさんのコメントに尽きる感じですね。
    そのうえ、読んで、わかりがいいし。(汗)
    頭をひねっても、大した文は書けませんでしたってことで、
    大いに落ち込んでます。(涙)
    まあ、自分の限界に向き合いながら、
    書いていきたいと思います。m(_ _)m
    (shin)

  3. shinさま
    お返事ありがとうございました。
    shinさんと同じことを思っていたってうれしいですね♪
    でもshinさんの文章の方がはるかに詳しいし、説得力がありますよ!
    これからもどうぞよろしく。
    (fullmoon)

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