8/9(水) NHK-BSプレミアム『京都異界中継』 ご覧になりましたか

2017年8月9日(水)19時からNHK-BSプレミアムで放送された『京都異界中継』

「あなたの知らないもう一つの京都」がある。
夏の夜、京都の街にある「異界」への入り口から
4時間に渡って生中継。
貴船神社、伏見稲荷大社、名だたる伝説の地から送る!

そう銘打たれた NHK-BS この夏屈指の大型企画「スーパープレミアム」、
みなさん、ご覧になりましたか。

放送に先立って井関さんがSNSで、その登場を知らせてくれた3つの時刻、
19時23分、20時45分、そして22時00分をターゲットにしながら、
この日取り上げられた多様な怪異譚「百物語」を追うことで、
歴史が幾重にも折りたたまれた「古都」京都の奥深さを楽しみました。

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以下、ネタバレを含みますので、
この後、録画で番組をご覧になるという方は
ご覧になってからお読み頂きたいと思います。
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以下に、Noism関連パートについて記します。
その一。まず、予告された時間を若干遅れた19時29分、伏見稲荷大社からの中継。
百物語の第七話「柱の穴より 児(ちご)の手がまねくこと」(平安「今昔物語集」より)
女優の中嶋朋子さんが「夜な夜なひらひらひらと手招きする」と語るその奥、
赤い鳥居の間から、スッと直線的に伸ばされた不気味な上向きの右手による手招き。
語りの進行に合わせて、自然な色合いからやがて青みがかった緑色に染まるのは下向きの左手。
「矢を一本ぶすりと穴に突き入れた」の件に至り、
こわばる苦悶のその手は右手だったはずが、やがて左手に入れ替わっています。
なんとも表情豊かな井関さんの手、そして腕。

その二。20時46分、「白狐の住む山」のタイトルからの伏見稲荷大社、再び。
第四十八話「ある男 女狐の化けた美女と会うこと」(鎌倉「古今著聞集」より)
左右に分かれる千本鳥居の手前、赤い衣裳の井関さんと白い面を付けた吉﨑さんが
妖しく絡み、ふわりと妖しく回ります。
「おつきあいすれば、あなたは死にます」と言い出す女。
「あなたの代わりにわたくしが死ねばそれで済むこと」とも。そして女は扇をねだる。
ーーー逢瀬の顛末。広げた扇の下の狐の亡骸、法華経、そして一度だけ夢に現れて消えた女。
夢と現(うつつ)、そのあわいをたゆたう摩訶不思議な感覚。
ラスト、吉﨑さんの面を外し、自ら付ける井関さん。
語りを終えた中嶋朋子さんの背後に留まる井関さんの白い面が
妖しい雰囲気を醸し出したまま締め括られました。

その三。22時00分、「戦国リアル残酷」というタイトルから三たびの伏見稲荷大社。
第八十四話「伏見稲荷炎上」(室町「経覚私要鈔」「応仁記」)
語りは文楽の豊竹咲甫太夫(とよたけさきほだゆう)さん。
このパートの井関さんと吉﨑さんですが、
ちょっと見では、見知ったはずの「人」の身体とは捉え難い、
均整を欠いた禍々しさが目を撃つ姿で登場してきます。
まず、右側の鳥居の奥から、面を付け、黒い布の下に赤い衣裳、剥き出しの両足。
やや体を縮ませた前屈みの姿勢だというだけでなく、
全身のプロポーション中、頭部の存在感が突出した、
異様で、アンバランスな身体で踊る井関さん。
代わって今度は、左の鳥居奥から、やはり面を付け、如何にも偉丈夫な立ち姿ながら、
動きにどこか異様なぎこちなさを漂わせた吉﨑さんが現れます。
ほどなく、彼が体を回転させると、
その動きの異様さは面を後ろ頭に付けていたからだとわかります。
一方、カメラが再度、井関さんを捉えます。すると、「えええっ!?」
ろくろ首のお化けのように首が伸びて、頭部が上方にあがっていくではありませんか。
時を置かず、伸びた首の下にもうひとつ、笑みを浮かべた井関さんの頭部が現れ、
ふたつの頭部が並んで、こちらも種明かし。
伸びた首は井関さんの右腕、上方に移動した頭部はその先にあったことがわかります。
けれん味たっぷりに「異形」が可視化されるパートでした。

以上、井関さんと吉﨑さんの登場シーンは合わせても10分程度の短いものでしたが、
3つが3つとも肌合いを異にするパフォーマンスだったことで、大いに楽しめましたし、
4時間の生中継のなかで、際だって「異界」を見せてくれていたように思いました。
私は、特に3番目(第八十四話)、「異形」が生々しく顕現する様にゾッとさせられました。
みなさんはどうご覧になりましたか。 (shin)

「8/9(水) NHK-BSプレミアム『京都異界中継』 ご覧になりましたか」への3件のフィードバック

  1. shinさま
    佐和子さんたち凄くよかったですね~♪
    最初の、ひらひらの手に、「えっ、あれは!」とびっくり!
    まさか手(腕)だけの登場とは思わなかったので驚きましたが、さすが佐和子さん。不気味に蠢く手がしなやかできれいでしたねー♪
    ぶすりとやられたときは、ああかわいそう、と思っちゃいました。
    というか、言葉だけなので実際はやられていないのに、その瞬間が見えるようでした。

    その二は素敵でしたね~♪
    妖しく美しく、二人の舞にうっとりです。

    その三にはまたまた驚きました!
    佐和子さん登場に、「なんじゃありゃ」とびっくり。禍々しさ満点!
    その二と同じ人とはとても思えません。
    吉崎さんも、「後ろ面」ということは途中でわかりましたが、二人とも凄いです。
    最後の佐和子さんにますますびっくり。首が伸びて「うわっ」と思いました。
    最後の最後に、にっこり微笑む佐和子さんにほっとしました。

    三場三様の異界、やられました~。
    短い時間ながらたっぷり楽しませていただきました♪
    これが生放送って信じられませんね。

    そして、この度のshinさんの丁寧な詳述にもびっくりしました!
    敬服。
    全く有り難いことでございます。

    では、明日は富山でお会いしましょう♪
    (fullmoon)

    1. fullmoon さま
      コメント、有難うございました。
      まず最初のパート、他のふたつとは異なり、最後まで「舞踊 Noism」とは示されず、でも、まさしく、あの手や腕の表情は井関さんのものでしたよね。
      3つのパフォーマンスはそれぞれ短いものでしたけれど、4時間の生放送という長丁場にあって、Noismの存在感は際立っていたように思います。見とれてしまいました。
      fullmoon さま、今度は「山の日」の富山でお会いしましょう。 (shin)

  2. ‪本日(10/21)21:00~23:00、
    『京都異界中継』が”濃縮版”として再放送されるとのことですが、
    記事に書きました井関さんと吉﨑さんのパフォーマンスのうち、
    第七話「柱の穴より 児(ちご)の手がまねくこと」と
    第八十四話「伏見稲荷炎上」のふたつに関しましては、
    NHK大阪放送局ブログにて、時を選ばず、手軽にご覧頂けます。
    URLは以下の通りです。どうぞそちらもご覧ください。
    http://www.nhk.or.jp/osaka-blog/
    (shin)

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