Noism1新作・第2クール2日目(1/28・SAT.)を観ました

1月28日(土)、fullmoonさんが投稿された前日の公演レポートを読んだことにより、
前週より更に進化・深化した舞台が観られることを確信しつつ、
期待を膨らませるだけ膨らませて、2度目のスタジオBへ。

期待は裏切られることはありません。
動きはこなれて、余裕が感じられる様子にブラッシュアップ。
まったく趣を異にする1部と2部とが、
より大きな統一体へと止揚(アウフヘーベン)されていく、
その醍醐味が今作の大きな魅力と言えるでしょう。
ですから、これも前日fullmoonさんが提起した問い、
「『精霊』のスカートのなかに何があるのか」
---私は第1部と第2部の作品世界全てをその裡に包含する衣裳とみます。
みなさんの目にはどう映りますか。
コメントなどでやりとりできたら楽しいですよね。

(この先、公演に関する個人的な印象を盛り込んだ書き方をしているため、
幾分か、公演内容に触れておりますことを書き添えておきます。
ご覧になりたくない方は、*****印より下まで、スクロールしてください。)

さて、第1部は『マッチ売りの話』、
幕開け前に私たちの耳に届く冷たい吹雪の音は
「初演直前の新潟で録音されたもの」(金森さん)なのだそうです。
前回、1/22の公演後のブログには「ごった煮」と書きましたが、
この日の印象はまったく別物で、
様々な時空、様々な立場にあるはずの9名が
まるでひとつの家族ででもあるかのように映りました。
一人ひとりは異なっているのにも拘わらずです。
哲学者ヴィトゲンシュタインが唱えた「家族的類似性」という概念が浮かびます。
完全に一致する共通点などはあり得ないものの、
様々な類似性が隙間なく重なりあい、交差しあって、
直接、間接に緩く繋がる「家族」という集合体にヒントを得た着想で、
家族のもつ「その家族らしさ」、というようなことになるでしょうか。

そんな観点から、この日、目に付いた細部。
「老夫婦」が冒頭に示す「夜のお茶」の「作法」は
「女」と「双子の弟」たちによって反復されますし、
「義父」が「少女」に加える「殴打」の主題は
「女」によって「双子の弟」たちに対して反復されます。
「老夫婦」は商品名「チャッカマン」で呼称されることの多い点火棒を用いますが、
「女」の方はマッチを用い、
「少女」との連続性を表象します。
そのように散りばめられた様々な細部が「家族的類似性」を色濃く表現していきます。
そしてそれは時代に翻弄されるよりなかった日本人の姿に重ね書きされているようでもあります。
「少女」が数度見せる涙を拭う仕草が胸に迫りました。

第2部は『passacaglia』、
まずはブルーグレーの照明の下、福島諭さんの現代音楽パート。
井関さんと中川さんは、ふたりなのか、それともひとりなのか。
私たちが目撃するのはついぞ目にしたことがない類いの
異なるふたつの身体が同化しては離れる驚きの光景。
「動きを微分化していくと、そのものには意味がない」(金森さん)のに、
10名の舞踊家の身体が、それを越えた何かを獲得していくパートです。

白い照明に切り替わると、一転、そこは情感たっぷりなビーバーの音楽。
ヴァイオリンによる旋律が美しい。
舞踊家も瞬時に典雅な風情を漂わせる、
ある種古典的な動きに切り替わり、ユニゾンで魅了します。
このパート、「その瞬間のエモーション」(金森さん)に目は射貫かれます。

ふたつのパート間の見事な往還が数回繰り返されるあいだ、
私たちは身じろぎもせず、固唾を呑んで、「ふたつの眼」に成り切るのみです。
その至福。まさに眼福です。

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言語化されざる動きがもたらす大いなる感動がここにはあります。
公演を重ねるなかで、「彼ら(=舞踊家)も何かを見出し、
私自身(=金森さん)も何かを見出す」のだそうです。
「(彼らが)今日見出したというところもあって、
面白いなぁと思って、
次はこんなことをやらせてみたいと思う」とは金森さん。
それらの言葉は、常に停滞することのないNoismらしさの、
その根幹をなすものを正確に言い表す言葉と言えるでしょう。

まだまだ先へ行く作品『マッチ売りの話』+『passacaglia』。
何度でも観たい舞台、
友人はそのあたりのことを「週末にNoismがある幸せ」と表現しました。
それを是非多くの方と一緒に体感していきたいと思います。

追記
今回のNoismTシャツ、各色とも良い感じですよ。
私はメンズLサイズのブラックとネイビーを買いました。
価格は2,800円(金文字入りピンクのレディースのみ3,000円)。
とてもクールでお勧めです。

更に、この日のアフタートーク、一番最後に、
金森さんが新潟のことを、
「人生の中で一番長く住んでいる場所。
街が変容していくのを目にし、友人ができ、
『ふるさと』と化していく過程を理屈抜きで感じている。
大切な場所である、既に」と語ってくれたことに、
胸が熱くなったことも書き添えておきたいと思います。 (shin)

「Noism1新作・第2クール2日目(1/28・SAT.)を観ました」への1件のフィードバック

  1. shinさん、ブログアップありがとうございました!
    ホント、行く度にすばらしさを増していく公演を観るのはとても楽しいですね。
    今日(1/29)もすごくよかったです♪

    「スカートの中」についてはshinさんと同感です! 

    昨日(1/28)はいつものIshizakiさんもご覧になり、ご自身のブログに書いてくださいましたのでご紹介します。
    http://clothoiddiary.blog.fc2.com/
    そして、いぽぽぽぱんぱさんのブログも(1/22)。
    http://ameblo.jp/ipopopopanpa/entry-12240915439.html

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