「私がダンスを始めた頃」④  井本星那

初出:Noismサポーターズ会報34号(2018年7月)

実はかなり内気な性格です。幼い頃は、人見知りがひどくて、幼稚園でも友達と遊べず、先生のスカートをしっかりと握りしめているような甘えん坊で内向的な子供でした。

4歳の時に、母が健康のためにと通っていた近所のバレエ教室に通い始めました。
何度か誘われても「やらない」と言っていたはずの私は、踊ることの楽しさに少しずつ魅了されていきました。
バレエを始めてから、だいぶ積極的になって、お遊戯会の本番で他の園児に注意するほどでした…(汗)

音楽に合わせて身体を動かすのは大好きですが、私の身体はバレエ向きではありませんでした。
不器用で振り付けを覚えるのも遅く、何をするにもとにかく時間がかかりました。
「なんで私にはできないの?」と悔しくて泣くことも多かったです。

それでも続けることができたのは、バレエの先生のおかげです。
出来ないことは徹底的に、何度も何度もやらせてくれました。
そして「何もない分、武器をもて」と、回転系のテクニックを教わり身体の軸が強くなりました。

初舞台は『くるみ割り人形』のネズミ役でした。
お姉さんに手を引かれて、初めてでた舞台はまぶしくて、知らない世界が広がっていました。
舞台に立つ時、本番独特の緊張感や怖さが嫌いでした。
でもそれに克って、踊りだしたとき、舞台上にしかいないもう1人の自分がいるような不思議な感覚がありました。
舞台の上のもう1人の自分に会うために、これからも踊り続けていきたいです。

(いもとせな・1989年大阪府生まれ)

「「私がダンスを始めた頃」④  井本星那」への2件のフィードバック

  1. 昨夕、BSN(新潟放送)も取り上げた
    モスクワの『カルメン』では、
    零れるほどに情感たっぷりな井本さんのミカエラはロシアの観客を魅了していた筈です。
    渡露直前の公開リハでは、井本さんの可愛らしくも「母性」豊かなミカエラには目を奪われました。
    あれを本拠・新潟市「りゅーとぴあ」の劇場でも観たいです。
    (shin)

  2. モスクワの「ミカエラ」、よかったですよ~♪
    可愛くて、可憐で、いじらしくて。
    拍手喝采でした!
    りゅーとぴあでも観たいですね!

    井本さんも、舞台の魅力にハマって舞踊の道へと・・・
    「もう一人の自分に会う」
    いいですね~♪
    (fullmoon

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