1/15『Duplex』メディア向け公開リハーサルに行ってきました

本日1月15日(金)、小正月。この時期には珍しく晴天で、気温も上がり、雪も少しは消えたでしょうか。 りゅーとぴあスタジオBで、メディア向け公開リハーサルと囲み取材が行われました。

公開リハは、森優貴さん新作『Das Zimmer』の冒頭部分でした。 森さんが細かく細かく指示を出しながら少しずつ進み、短い区切りで通します。ピアノのメロディが印象的です。 ヨーロッパ調のシックな衣裳を身に纏ったNoism1メンバー。指示に応えて何度もやり直します。 森さんの思い描くドラマにどこまで肉薄できるのか! 3,4シーン進んだところで時間切れになり、囲み取材です。

囲み取材は森さんと金森さん。 質問に応えての内容は概ね次の通りです。

森さん

  • どこまでが真実で、どこまでが架空なのか。不安と希望の狭間を生きる人の思いや感情を表したい。
  • 言葉は大切。動き一つ一つが言語であり、ダンサーたちには話すように動いてほしいと思う。
  • 『Das Zimmer』は「部屋」という意味。舞踊には、空間、場所、人が集まることが必要だが、それはすべて「いけないこと」になってしまった。 しかし「部屋」は破壊されない限り、そこに残っている。そこに存在していたという事実を残したいという思いがある。
  • 自分が帰国して、Noismに振付した(『Farben』)のが約1年前。そして、その1年前から日本にも新型ウイルスが忍び寄ってきていた。それから全ては変わり、自分の中にも壁ができてしまった。今回、前と同じメンバーがいるのはうれしいが、前年に引き続きという気持ちはない。前は前、今は今。こうして りゅーとぴあという劇場が機能し、リハーサルができていることは奇跡に近い。

金森さん

  • 今回、武満徹さん作曲の雅楽『秋庭歌一具』で創作した新作『残影の庭』は、ロームシアター京都の事業(依頼)によるもの。ロームシアターでの初演は伶楽舎との共演であり、舞台も大きかったが、スタジオ公演では同じ作品でも趣は違ってくる。舞踊のエッセンスがより凝縮されたものになると思う。
  • 目に見えているものは過ぎ去りし時の名残り。それは、感染症がもつ特殊な性格と同じで、時間を遡っていくものであり、今をどう過ごすかが未来に現れる。
  • 雅楽との共演は手応えがあった。その成果を「その先の芸術」として将来の作品に反映できればと思う。
  • この時節、自分たちは恵まれている。今後の文化芸術に影響を与える作品を創っていきたい。
取材に応じる森優貴さん(左)
と金森さん

新型ウイルスの影響は、計り知れないものがあります。無事の開幕を祈ります。

*翌日(1/16)の活動支援会員対象公開リハーサルに関しては、こちらからどうぞ。

(fullmoon)

「1/15『Duplex』メディア向け公開リハーサルに行ってきました」への1件のフィードバック

  1. fullmoon さま
    レポート、有難うございました。
    本日、活動支援会員対象の公開リハを観て、
    ピアノ、衣裳、森さんの指示、…
    fullmoonさんが書かれたことをそのまま感じたような具合です。

    で、囲み取材で、森さんが「奇跡に近い」と言い、
    金森さんも「恵まれている」と言った
    Noismを巡る現在の状況は、
    これまで16年に渡って、「劇場100年構想」を唱えながら、
    金森さんが積み上げてきた労苦の上に成り立つもので、
    一朝一夕に成し遂げられたものでないことは明らかです。
    その都度その都度、降りかかる窮地を単に突破するだけでなく、
    更に先を見据えて、歩を進めてきたからこそ、
    Noismの今があるのですよね。

    コロナ禍の今、それを考え併せるなら、
    金森さんが語った「今をどう過ごすかが未来に表れる」の言葉に違わない振る舞いでNoismを支えていく気持ちが大事なことだと改めて思い知らされたような次第です。
    日頃から体調管理に努め、感染予防を怠ることなく、
    劇場に行ける条件を満たしながら過ごしていきたいと思います。
    (shin)

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