激しく胸射つ若き舞踊家たちの創意(サポーター 公演感想)

Noism1メンバー振付公演2022〈2022/2/5(Sat.)17:00〉

厳しい寒さに見舞われつつも、予報ほどの降雪とはならなかった2月5日の新潟市。 Noism1メンバー振付公演2022初日に駆けつけた友人知己始め観客は、皆凍えた様子で劇場に集まったが、公演後には、その身体の奥から沸き上がる高揚が滲むようだった。明日の楽日を前に、詳細や演者の配置は記載を避けるが、劇場の広々とした空間を如何に活用し、音楽・照明・演出とダンサーの身体で、観客の胸に刻まれる「何か」を生み出そうとするメンバー五人の創意が充ち溢れるような公演だった。 まるで通奏低音のように、「東洋の美」や「祈り」が各作品から香ったことも印象深い。

ダイナミックかつ軽やかな動きの連鎖と、女性ダンサー4名の健康的なエロスが炸裂する樋浦瞳作品。静謐さと愛らしさとが調和を見せる三好綾音作品。暗闇から鮮やかに展開する切れ味が見事な坪田光作品。彫像のように美しいダンサーたちの動きと、演出のケレンに唸る中尾洸太作品。そして、失礼を承知で書けば、そのイメージを裏切り、ストイックな迄の悲愴感と演出の妙で、息を呑む舞台空間を創り上げたジョフォア・ポブラヴスキー作品。 どの演目かは避けるが、中村友美さんの活躍、中村さんと樋浦さんのデュオの美、 Noism2メンバーの堂々たる存在感は特筆したい。各作品の妙味が連なり、終演後2度目のカーテンコールでは、思わずスタンディングオベーションしてしまった。

客席移動も可能との案内もあり、感染対策も万全なりゅーとぴあ。 Noism1の若き舞踊家たち渾身の舞台をどうか見逃さないでいただきたい。明日15時からの千秋楽の盛況を祈りたい。

(久志田渉)

「激しく胸射つ若き舞踊家たちの創意(サポーター 公演感想)」への4件のフィードバック

  1. 久志田さま
    素敵な公演でしたね!
    どの作品もとてもよくて驚きました。
    舞踊、音楽、身体、に真摯に対峙する5作品、見事でした♪
    ステージや照明の使い方にもビックリ!
    明日も楽しみです!
    (fullmoon)

    1. fullmoonさま
      本当にメンバーの創意工夫、広い舞台を使うことへの意気込みが感じられましたね。
      二日目、さらに深みを増した舞台が観られることを楽しみにしております

  2. 久志田さま
    観たい気持ちを掻き立てて余りあるレポ兼ご感想、有難うございました。

    「2022年はイーストウッドとNoismから始まる年」のつもりが、
    (イーストウッドは何とか観られましたけれど、)渇望する気持ちと職業倫理の狭間で泣く泣く自重の日々に成り果ててしまうとは。

    「まん延防止等重点措置」が解除になり、職場の緊張がほどけるまでは致し方ないことと諦めつつ、久志田さんの文章の『誘惑光線・クラッ!』(古っ!(汗)早見優です。)的効果に身を浸し、嘆息をついております。

    同時に、そのような時代を生きていることを改めて(否応なく)認識させられながら、ローマの哲人・セネカの言葉と聞く「時には、生きることさえ勇敢な行動である」に慰められているような塩梅です。

    長くなってしまいました。要は羨ましいということに過ぎません。
    本日は楽日、久志田さんのより踏み込んだご感想、楽しみにしております。
    (shin)

    1. shinさま
      舞台に立ち会えないこと、残念でなりません。そういう方も多いかと。
      この時節に公演が開催され、それに立ち合える喜びを意識して、二日目の公演に向かいたいです。

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